よろず屋の猫

うっわー・・・・。
原作を台無しにするマッドハウス再び。

すいません、原作を溺愛してます、辛口ご容赦。

あらすじは公式HPから。

警察庁科学警察研究所にある法医・第九研究室、通称"九"は、"ＭＲＩ捜査"という画期的な捜査をしていた。
それは、死亡した犯罪被害者の脳に残された"記憶"から生前の記憶映像を再現し、難事件解決の糸口にしようというもの。
そのためには、被害者の脳を死亡から48時間以内に摘出し、電気刺激を与えて機能を稼動させる必要があった。

第九の室長は、薪剛という少々風変わりな警視正。
新しく配属された読唇術が得意な捜査官・青木一行は、薪からいきなり「転属願いなら、なるべく早く出せ」と言われ、ア然。
あどけない顔をし、なぜか眠っている時も防弾チョッキを着ている薪。そして、いつでも自分の脳を撃ち抜いて死ねるようにと、薪は、中に拳銃が仕込まれた聖書を抱いていた。

その第九に、さっそく捜査命令が出た。
事件は、3時間前に発生した拳銃強盗殺人で、被害者は主婦の榎木雪野。薪は、青木に先輩捜査官の岡部と一緒に、雪野の脳を警察病院まで取りに行くよう命令した。
ところが、2人は病院の構内で何者かに、摘出した脳を奪われてしまう・・・

で、

脳を奪った男は被害者の夫、妻の記憶を見て欲しくないと言う思いから。
それでも犯人検挙の為に、また犠牲者の無念を明かすために、脳をスキャンにかける第九。

被害者の脳に残っていた犯人の映像、それはかつての恋人、しかし彼は死んだはずだった。
実は彼は生きていたが記憶喪失に陥り、最近取り戻す、十七年ぶりに被害者に会いに来ていた。
スキャンされた映像から真実を探り出す薪と青木。
被害者が犯人に語った最後の言葉を、犯人のサングラスに写った映像から読み取る。

「あなたの事を忘れたいの。夫と娘を愛しているの。」


えっと、MRI操作と、第九についてはwikipediaが分かりやすいと思います。


HPの絵を見た時から不安は感じていたのですが・・・。

先に良かったところを書こう。

脳をスキャンし始めてからはスリリングで楽しめました。
見た映像からポイントを絞り、唇を読んで何を語っていたかを知り、更に掘り下げて、真実を探していくシーンですね。
MRIの、薪と青木の、捜査側の描写は面白かったです。

先ず作画。

原作は華麗な絵が評判の清水玲子先生のものなんですよね。
なので私は原作を動く絵で再現した、華麗な画像が見たかったさ。...orz..

ちなみにEDで描かれてる絵が、清水先生の世界です。

アニメにも制作費ってものがあることは分かってるから、そうはわがままは言えない。
でもね、ポイントだけは抑えて欲しかった。

とにかく薪さんのキャラデザインを何とかして!!。

オリジナルストーリーだけでやろうと言うんじゃないですよね?。
原作の話もやるつもりなんですよね?。

だったら薪の見た目には意味がある事はお分かりですよね。
まさか少女マンガ的趣味なだけ、とか思っちゃいないですよね?。

あれのどこが美しいんでしょうか?。
女と見まごうばかりに綺麗なんでしょうか?。
どこが子供のようにあどけないんでしょうか?。

目の下の皺は絶対に許せません。


そして脳をスキャンしてからの作画。
こここそが『秘密』の見せ場だと思うのですよ。

脳が記憶している映像をいかに見せるか。
そこに被害者や、犯人の人生、生活、心情をどう織り込んでいくか?。

これを映像で描いてこその『秘密』だと思うのに、まぁ、平坦に作ってくれて・・・。


次にお話、オリジナルストーリーですね。

サラッとした話になっちゃったな、と。
『ネウロ』もそうなんですけど、ストーリーだけを追っていて、肝心の原作の世界の方は描かずって感じかな。
『秘密』って言うのは、MRI捜査って言うアイディアだけの作品ではないんですが・・・。

初回なので、先ず「MRI捜査とは何ぞや」を分かってもらわないといけないのですが、これをキャラに語らせてました。
私は原作を読んでいるので納得出来ましたが、これについては未読の人の感想を読みたいですね。

個人的には、最初にアバンででもガッチリ説明しちゃった方が良いんじゃなかったかと思ってます。
MRI捜査が抱える問題は、原作では連載の前に、第九とは全く別の読みきりがありまして、これが鮮やかに描いているんですけども、まぁ、やらないのは仕方がないと思ってます。

問題はですね、『秘密』が何を描いているのか?と言う事なんですよ。

確かに犯人を突き止めるまでの展開のスリリングさもあります。
でも私は、脳の記憶を映像で見たことによって浮かび上がってくる被害者、加害者、また関係者の思いもまた、『秘密』は面白いと思ってるんです。

それは決して脳をスキャンした映像でなくても、華麗な絵で描いて見せて、読者の心を動かすのが『秘密』だと。
時に切なくなって、涙が浮かんで来るほどのものなのですよ。

だからね、被害者の妻の映像、そこから呼び起こされる心情をきちんと描いて欲しかったですよ。

最初は無理やりの結婚だったかも知れない。
けれど十七年の生活が、被害者の心をどう変化させて行ったのか。

一方で、十七年の歳月が全く欠けている加害者がいる。
彼は被害者に付きまとってる、思いつめた顔をしているのかも知れない。
被害者がもつ心の揺れ、それだって脳は映像化しているのが『秘密』。
それも描く。

それが十七年の歳月の重みになって、両者のどうしょうもない隔たりを明らかにする。

その時、「あなたの事を忘れたいの。」の言葉が生きてくるんじゃないのかな。

青木がどんな風に心を動かされたかの描写もなかったしなぁ。

そうそう、原作はギャグが入ってるんですよ。
これが重たい話の中で、フッと息を抜けるようになってるんだな。
重たい話を、ずーっとやり続けられると、なかなか気持ち的に辛くなってくるので、そこを考えて欲しいな。


脳をスキャンしたとき、映像に音声はない。
ただ映像で見られるだけ。
だから絵で鮮やかに描いて見せるのが『秘密』だと思います。


ごめんなさい。
このアニメの感想を書くには、私は原作、及び清水玲子先生に思い入れがありすぎるようです。

感想は面白かった時だけの不定期とすることにします。
あとは原作の話の時かな。
↑原作ファンとして、これが不出来なのは納得行かないので、その時は辛口。
　 でも批判ばっかり書き続けてるとイヤになっちゃうので、書いても数回かな。
　 面白い物である事を祈ってますわ。