顎関節症について。
最近、小林尊さん(フードファイター)が顎関節症になった。とのこと。
痛いんですよ。あれ。
口を開けるとこめかみにズキンとくる。
顎関節症は、開口するときの左右にある顎関節の運動軸に問題が出る場合が多いようです。
顎関節には、何かにはまりこんでいるような軸はありません。関節円板は、構造上、下顎をぶら下げているだけのものです。(図の1と2)
位置を決め、運動軸を決定しているものは、咬筋や側頭筋など、筋肉群とも言えます。
だからこそ、開くだけではなく、左右横への移動、前後への移動が可能で、そのおかげもあり、食物を臼歯ですりつぶすという動きが可能なんですね。
顎関節症だけを問題にするのであれば、また、単純に話をするだけであれば、図2の様に関節の軸が左右に渡って貫いていれば簡単なんです。
でも、食べるときには不便ですよね。今回も、食べることをお仕事としているということですから、致命的とも言えますよね。
さて、では、その軸がどうして歪むのか。
通常は、体幹の歪み等が原因で頭が傾き、ぶら下がっているだけの下顎が頭の骨に対して歪むことで、顎関節の運動軸が狂い、動きが悪くなって痛みが出る。(図の3や4)
さぁ、実験をしてみようっ!
筋肉による位置の安定という意味では、ちょっとした実験をしても良いと思います。
例えば、頭を傾けたとき。
下図の、3の様に首を左に傾けてみる。頭も左に傾きますが、ぶら下がっているだけの下顎は図3のようになりますから、左の筋肉が短くなる。そのために奥歯をぎゅっとかみしめると左側の噛む力が強くなるはずです。
同様に、図4の様に首を右に傾けてみると、頭も右に傾き、図4の様に顎が傾きますから、奥歯をかみしめると右側の噛む力が強くなります。
いかがでしたでしょうか。
わざと頭の傾斜を作るだけでさえこれだけの違い(狂い)が出てきます。
僅かでも、こういった歪みが長期間に及ぶと、どのくらい顎関節に負担がかかるのか…
ですから、改善をしていく場合に必要なことは、頭の歪みを作った体幹の矯正ですね。体の歪みをまず取って、真っ直ぐな姿勢を取り戻すことで頭の歪みが取れるでしょう。
私としても、体の歪みが起きやすいからたまに顎関節に痛みを感じますが、すぐに調整してもらうので、頭のすぐ下の骨(環椎)を矯正してもらうだけで楽になったりします。
しかし、長い間放置していると、(治す努力をしていても根本原因を取らなければ放置と一緒ですよね)体だけでなく、顎の角度も安定して、関節円板の歪みはもとより、頭の骨の歪みまで影響してきます。この場合、主に側頭骨、後頭骨ですが、頭を形成してる骨全体が歪んできますから、その矯正まで必要になってくる可能性が高いでしょうね。
しかし、逆に言えば、きちんとした対処をすれば、その場で解消も出来る。と、言えます。
何時だったか、患者さん向けの勉強会で、講師の先生がデモンストレーションをされたんです。
質問をした女性は、3~4年間口腔外科に通って顎関節症の治療を続けておられたそうです。
で、上記の説明を一通り行って、検査をすると説明通りになっていた。
施術前にご本人にチェックをしてもらったんです。やり方は、指を3本揃えて開けた口に入れて開き具合をチェックするというもの。
2本分も入らなかったんじゃないかな。
で、頭蓋骨、もちろん顎関節の施術をされて、(その間2~3分か)「さぁどうですか?」という言葉にもう一度チェックをされていましたが、揃えた3本がすっぽり入ってきょとんとしていた表情がとてもおかしかったです。
でも、涙を流して喜んでましたね。その方。
だって、どうやっても治らず、諦めていたんですから。(まぁ、諦めきれないから、患者さん向けの勉強会にも出席されたんでしょうけれどね)
自分が出たから言うんじゃないですが、やはり、大学の勉強は高度なものが多いです。
構造学的なもの、特に最新の医療情報は、カイロプラクティックの分野でも研究機関の発表される情報に出来るだけ早く触れることが出来るようにしておく必要があるでしょう。
そういった点からも、WHOのガイドラインから言っても、事業者であれば、CSC(カイロプラクティックスタンダリゼーションコース)、これから学ばれるのであれば、大学教育を受ける必要があるのかもしれませんね。
先ほど、ニュース映像で、小林さんの画像を拝見したんですが、案の定頭蓋の傾斜があるようです。
早く良くなると良いですね。