ITを導入する意義とは?
《マッキンゼーITの本質 横浜信一/萩平和巳/金平直人/大隈健史/琴坂将広 2005年3月》「ITを導入するとどうなるのか?」本来ならば必ず考えなければならないことを考えずに「きっといいことがあるんだ!」という安易な思い込みで導入を推進してしまった。それが1990年代後半に起きたいわゆる「ITバブル」。「IT」が「経営における銀の弾(※)」として扱われていた時代でした。※銀の弾とは狼人間を一撃で倒せるということから、 あらゆる分野で比喩的に使われている。この現象はアメリカから始まり日本でも起こりました。CRM、ERPといった顧客管理、業務改善を売り文句としたパッケージが次々と導入され、企業は情報に過剰投資を行っていきました。「ITバブル」がはじけ企業は「IT」の本当の意義を考える必要がでてきました。本書は経営コンサルタントであるマッキンゼーがIT投資を今後どのようにすればいいのか。そのポイントをいくつかの観点から述べているものです。「IT」とは単なるツールであり、大事なのは何を実現するかという企業戦略である。「なにがしたいのか?」これが不明確なまま「IT導入だ!」と声高に叫んでも何も起きないし、作ったシステムは無目的のまますぐに陳腐化していきます。企業戦略の企画・推進・運用を正しく行うことがまず先決。その上でのITが正しい導入方法です。本書の中で「なるほど」と思ったのは、「次世代CIO」という章の内容です。CIO(最高情報責任者)というと情報システム部門のトップというイメージでしたが、本書ではその役割は事業部門のトップが担うべきだと述べています。現状の事業を把握しているのは事業部門。故に導入するシステムの費用対効果の測定や収支責任は事業部門が持つべき。確かに、ITはツールと位置づけたことでこの役割分担はとうぜんでしょうね。☆ イノベーション☆ CIOの責任☆ レバーが重要お薦め度:★★★★★+本質マインドマップつぶやき一週間空いてしまいました。色々忙しくて・・・。でも、本は読んでるんで、今週中にもう一冊書きます。