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カテゴリ:観劇・LIVE
さてさて、今日の大イベントはこちら。
「蓮絲恋慕曼荼羅」はちすのいとこいのまんだら 国立劇場、四十周年記念公演でありますよ。 人が人を恋うる気持ち 母が息子を思う気持ち 人が人を大切に思う気持ち 家来が主人を思う気持ち そんな様々な「愛」がすれ違い、傷つけあい、殺しあっていく哀しさ 人の世に救いを求めるのは罪なのかと嘆く姫に願い祈ることで救いを与える慈悲の心。 段チャン演じる豊寿丸が一途に玉三郎・初瀬を想い激情のままに振舞ったがために雪だるまのように転がり行く運命。 恋の為なら地獄に落ちるのも怖くない。 人を殺めることすら恐れないそのこころにそこまで思いつめさせてしまった自分の罪を嘆く初瀬。 そんな息子を止められず、初瀬がいなければと思いつめる母・右近。 いつも市川一門を中心に見ているので玉三郎が入った舞台は新鮮。 玉三郎がセリフを喋りゆるゆると動く。 玉三郎の声はことさら張り上げるでもないのに、良く響く。 特に息を吐きながらこぼすように語り掛けるあの言い回しは絶品 さりげないしぐさ、声の調子、それらがさりげなければさりげないほど絶対マネできない玉三郎の世界 日本語ってきれいだなぁ~。ほえ~ 今回なんと言っても右近丈の女形。←初見 いぢわる継母なんだけど、すんげぇぴったり!←褒めてるから 玉三郎様を扇で打ちすえ、あろうことか髪を引っ張り引きずりまわす 肩で息をしながら鬼のような形相で打ち据える打ち据える。まさに折檻。←本当に褒めてるから。 あなおそろしや。母の愛。 とうとう我愛する息子を手にかけてしまった後悔から身を投げてしまうのだけれど、ぐーに握った掌の爪が食い込むほど握り締めてしまったよぅ いやいや、今回のこの舞台、本当によかった 玉三郎様が抑えがたい悲しみに身もだえする場面。 身を捩り声を振り絞って嘆くのかと思いきや、しずかにしずかに声を漏らし顔を抑えて泣くのだ それがもう声を張り上げて泣かれるより身を切られるような切なさが伝わってきて気づけばこちらも声を出さず涙だけが流れ落ち…。 でもココで泣いてしまったら続きが見られないと妙な根性を発揮してぐーを握り締め歯を食いしばり頑張ったワタシ。←根性の正しい使い方でしょ 最後の方は誰も皆、切なくて哀しくて本当に苦しくなるほど胸が痛かった。 このまま悲劇で終わるもんだと思ったら、ちゃんと救いのある希望の持てる終わり方だった。 段チャン演じる山の蓮介の明るさに救われ、心癒され尼寺へいく初瀬が晴れ晴れとした顔をして世を捨てるのではない、世を拾いに行くのだと言ったその表情は心底安堵できるものでココロが希望に向かう様を魅せる玉三郎様は見事の一言。 舞台装置も凄かった。 色の付いた4枚の板が背景に使われたのみで、何もなし。 いつも両側にある歌う人、三味線の人、拍子木の人一切ナシ。 それなのに場面展開がしっかり描かれているんだよぅ。 素晴らしいねっ カーテンコールで指が捻挫するんじゃないかと言うほど手をたたき、ココロの中で声を掛け捲りできることなら駆け寄って抱きしめたかったほど。 大満足であります。 うむむ。もう3回くらい見たかったなぁ。 コーフンしながら劇場を後にする。 夢中で話しまくる私たちの前をすいっと誰かが急ぎ足で過ぎる。 ツレがぴくんと反応してちょこちょこその人に近寄るとあろうことか話しかけた 春猿丈ジャン 急いでいたらしいのに振り向いて立ち止まりニッコリ笑って返事をしてくれて。 ぎゃ~。ホンモノ タクシーを捕まえてあっという間に走り去ってしまった後姿を見送って、我に返ると 「出待ちだ」 一度下りた坂を引き返し楽屋口まで戻ると目の前にタクシーに乗り込もうとする春猿丈。 えええ?え?でじゃぶ 忘れ物でもしたのか再び目の前を走り去る春猿丈に思わず揃って頭を下げるとななななんと春猿丈、軽く右手を上げて会釈を返してくれたではないかっ どっひゃぁ~ その後、さくさくを役者さんがお帰りになりダイスキな右近丈が… 人間いざと言う時動けないもので、別のファンの方が話しかけサインを貰ってるのを遠くからこっそりながめるだけで何も出来なかったのでした。 次回からサインペンを持参しようとこっそり固く心に誓い去り行く右近丈をお見送り 段チャンと玉三郎様は取材が入ったとかで出てこなかったのだけれど、私は右近丈にあえただけでシアワセどすぅ。 しかし。 舞台を降りると普通の好青年なのだよ はぅ~。 イベント&サプライズてんこ盛りの2日間どしたな。 お疲れ様でした お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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