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カテゴリ:観劇・LIVE
十二月大歌舞伎 夜の部
菅原伝授手習鑑 寺子屋 粟餅 ふるあめりかに袖はぬらさじ 菅原伝授手習鑑 以前オモダカヤの車引きをみたけれど今回は寺子屋です。 このシリーズ(?)は「忠義」の一言です。 忠義のために我が子を犠牲にする…。子供もニッコリ笑ってソレを受け入れる。 忠臣としての「義」と親としての「哀」が微妙でやり取りが切なく胸に迫ります 内容的には同調できるものではないけれど、そういう時代だったのだ。と妙にナットクしてしまうものがある。 勘三郎丈と海老蔵丈、勘太郎丈と福助丈、いままで見たことのない姿だったので新鮮でオドロキでした。 勘太郎丈の女形、なかなか良いではないか!へぇ~。 ところで。 作中に出てくる歌「梅は飛び桜は枯るる世の中に何とて松のつれなかるらん」と言う歌。 道真公が左遷されたとき旅立つ朝に庭に咲いた梅を見て詠んだ 「東風吹かば匂いおこせよ梅の花あるじなしとて春な忘れそ」 は有名ですが同じ庭に桜の木があったとか。 声をかけてもらった梅は公を慕って配所の筑紫へ飛び(太宰府の梅)、声をかけてもらえなかった桜は一夜で枯れてしまったというのです。 この話が上記の歌の下地になっていて梅王丸、桜丸の運命を暗示しているのだそうです。 梅王丸は筑紫へ行き、道真公の窮地を救い(筑紫配所の段)、桜丸は流罪の原因を作ってしまったため切腹する(賀の祝)ことを指しているのです。 では松は? 太宰府にも北野天満宮にも老松大明神があるとか。 それは道真公の家臣が命じられて松の種を蒔いたのだとか。 道真公の御神霊が北野に降臨される時に多数の松が一夜にして生じた。と言う伝説を受け、この寺子屋で松王丸が道真公の後を追って筑紫へ行くのに引っ掛けて「追い松」=老松と言うことらしい。 う~ん、深いな。菅原伝授手習鑑。 いつか他の段も見てみたい@オモダカヤチームで 粟餅 これは楽しかった 三津五郎丈と橋之助丈。 物売りの大道芸のようで、見てて楽しい。 そして当たり前なんだけどタメイキが出るほど滑らかな踊りで思ったより全然良かった。 なんかほっとする ふるあめりかに袖はぬらさじ 玉様 この一言に尽きますなぁ。 この人のなんとも言えない色気はなんだろう? さりげない一言、さりげないしぐさ、蓮っ葉な口なのになんでこんなに存在感があるんだろ? 感情が同化するような…う~ん、引き込まれるっていうのかしらぁ? 時代が幕末。と言うこともあってすごく楽しみにしてたんだけど、ヤラレタ 結構長丁場で座ってるのもしんどくなるくらいだったんだけど、夢中で見ちゃいましたね 特に後半、誰のせいでもなく時代の風に乗っただけなのにゆがめられていく真実。 あるじの勘三郎丈も逞しくて憎めない。 出演者がなんてったって豪華。 我らがオモダカヤチームももちろんさりげなく出演してますが、物足りないですな。 それなりに重要な役なんだけど… 亀遊を深くいとおしみながらも客の求めに応じてウソが重なっていく場面。 そしてソレがばれた後の啖呵 抜き身が怖くて刺身が食べられるか!と言うものの腰が抜けちゃって立てないお園。 それでもうそをついたわけじゃない、と背中が泣いてるラストシーン。 ふぅ。やっぱり凄いよコノカタは 笑いありほろりとさせる場面ありが絶妙。 でもさぁ、藤吉どん。アンタはやっぱりずるいよぅ。この方がやると余計にそう見える ある意味はまり役? お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2007年12月23日 02時42分50秒
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