テーマ:子どもと教育問題(292)
カテゴリ:「公教育」考
和田中の「夜スペシャル」に関する意見、態度はズルイようですが、「是々非々」「様子を観ていきたい」というものです。
まぁ、自分が関与する余地はない、よその基礎自治体の学校のお話なので、のんきに高見の見物、という気持ちがないと言えば嘘になります。でも、「夜スペシャル」を受ける子どもたちと同じ学年の子を持つ母として、今の公立中学校のカリキュラムをどうみるか、高校入試にどう取り組むのかという点では、ある意味当事者ですからね。それなりに真剣に考えてみて、それでもやっぱり今のところの結論は「是々非々」としか、いいようがありません。 和田中の藤原校長の取り組みはいろいろな意味でおもしろいと思ってきました。今回の「大手進学塾との連携」も、「公共」という場面において、行政(ここでは、教育行政当局だけでなく「学校」も含めて、税金で運営されている公共サービス提供者)と地域・家庭と私企業との役割分担を見直すという意味で、大変興味深い「実験」だと思います。 なんのための「実験」か、というと、公立中学校を活性化させるため、ということになるでしょう。つまり、単純に「夜スペシャル」受講者が高校受験で難関校に合格した数を「実験」の評価指標にすることはできないと、私は考えています。実際のところ藤原校長先生が何を意図しておられるのかはわかりませんが、 「夜スペシャル」を実施することで、和田中という組織がどう変わるか、というところが、私には一番興味深いからです。 和田中はこれまで、保護者や地域と一緒に様々な取り組みを行ってきました。 今回の「夜スペシャル」も、ユーザーとしての生徒や保護者、スタッフとしての教職員、サポーターとしての地域関係者のいずれもが、より活発動ける条件を作りだし、自主的に動くようになって、結果として和田中全体の学習活動やスクールライフが充実して、「夜スペシャル」参加者以外にも利益がでてくれば、この「実験」は成功ということになるでしょうし、逆に「夜スペシャル」参加者がいくら難関進学校に合格しても、生徒や保護者、地域関係者の中に「不公平感」が広がっていったり、先生方が通常の授業を行う時に「夜スペシャル」参加者の対応に困って持て余すようなら、失敗ということになるでしょう。 その評価は中にいる当事者にしかできないことだろうと思います。 学校と、連携先の進学塾、保護者、生徒、それぞれの思惑は完全に合致しているとはいえないのが当たり前です。特に、塾の立場としては、受験指導という本来業務を利益度外視で提供するわけですから、別の視点からの何らかの利益(なにも不正な利益というわけではありませんよ。例えば社会的な評価とか指導要領に基づく学校の授業の実際を、生徒を通してではなく、学校の先生方と直接にやりとりできることなどを想定していますが)が充分に得られなければ続けていくことは難しいはずです。また、生徒・保護者も成績や経済力の差によって受け止め方は異なるでしょう。 異なる利害をどのように調整して、合意形成していくのか、というところがポイントになってくるのではないかと思っています。 このテーマ、ちょっとおもしろくなったのでしばらく不定期で意見を書き続けていこうと思います。 ----------------- sent from W-ZERO3 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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