カテゴリ:江戸・東京
隅田川は千住大橋を過ぎて東流するが、まもなく南に大きく曲がる区間がある。かつて、この大曲りの外側、北東方から綾瀬川が合流していた。現在は隅田水門によって、船一艘が通れる程度の水路が残る。昔、隅田川に流入する川筋があちらこちらにあり、「あやとり」のように見えたらしい。
旧綾瀬川から南500mに東武線・鐘ヶ淵駅がある。この辺りはカネボウ(株)の前身である旧鐘淵紡績・東京工場があった所。明治20年創業の東京綿商社から続いて来た一流企業も2008年に消滅した。日本の近代化に大きく貢献した世界有数の企業であった。化粧品部門がその名を継いでいる。 大曲り上流に、荒川区と足立区を繋ぐ新しい千住汐入大橋が架かっている。平成18年に開通し、隅田川で2番目に新しい橋だ。この橋から下流水神大橋までの右岸土手は汐入公園である。公園の対岸はかつて関屋の里と呼ばれていたが、今は30階建ての高層マンションが建ち並ぶ。 汐入公園は、隅田川の1kmに渡ってスーパー堤防に改造した人工丘陵。災害時には約12万人を収容する広域非難場所になる。公園内には、東京スカイツリーと向かい会うように木製の「汐入タワー」が建っている。螺旋スロープで展望台に登ることが出来るが、2013年には撤去されるという。 写真-1 水神大橋より上流大曲を望む。汐入公園の対岸は高層マンション群。 写真-2 大曲上流に架かる千住汐入大橋。橋長158.6mのスレンダーな箱桁橋。 写真-3 3年間の限定で建てられた高さ11mの「汐入タワー」。螺旋スロープで展望台へ。 写真-4 広重名所江戸百景「綾瀬川鐘か淵」。筏を運ぶ材木問屋が多くあった。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
|
|