大利根橋と排水機場
利根川に国道6号を通す大利根橋から西側に大きな排水機場が見える。利根排水機場と青山排水機場である。普段は静かな施設である。大雨や利根川増水に活躍する大型ポンプ4台が格納されている。農業用水路の終点に位置する利根排水機場が完成したのは昭和41年だ。 上流の田中調整地を含むこの地域には1,200ヘクタールの広大な新田が広がっている。東京ドーム257個分に相当する。戦後の食糧増産政策として、昭和20年代に整備されたところ。水田は2条の堤防内にある。利根川が大増水した場合、洪水量を一時貯留する場所でもある。 当時、利根川に堤防を造る工事は、台風による出水等で幾度となく締切堤が決壊、挫折を繰り返す。だが国営事業であったため工事資金が続き、何とか「坂東太郎」を鎮めることが出来た。その結果、一大穀倉地帯が出現した。しかし時代は進み、日本人は米を食べなくなってしまう。 今年はこれまで少雨で、河川敷が水没するような増水に遇っていない。台風も本土に近づいていない。干ばつの後は大雨がくるジンクスがある。利根川流域に味曾有の被害をもたらしたのは、9月の台風・カスリーンである。利根排機場の排水ポンプが静かにして、稼働しないことを願う・・。写真-1 利根排水機場。北新田(田中調整池内)の基幹用水路の終点に建つ。写真-2 排水機場の吐き口となる青山水門。利根川増水時にこの水門を閉じる。 写真-3 千葉と茨城を結ぶ全長1,209mの大利根橋。国道6号線の橋を渡ると取手駅。写真-4 暑い一日が終わる利根川の夕景。大利根橋から上流を・・。 写真-5 大利根橋から利根排水機場を望む。