新作能「鷹の井戸」
至高の華 新作能楽舞踊劇「鷹の井戸」【原作】ウィリアム・バトラー・イエーツ (William Butler Yeats)【脚本】村上 湛【演出】梅若六郎 【ドラマトゥルク】野村萬斎【出演】梅若玄祥 Gensho Umewaka(JP traditional Nohgakushi) ヤンヤン・タン(譚 元元) Tan Yuanyuan (ballerina,principal of San Francisco Ballet) 森山開次 Kaiji Moriyama (contemporary dancer)This is a collaboration work between ballet,contemporary dance & Japanese traditional performing arts 'Noh'.The collaboration titled 'At the Hawk's Well'is by an Irish poet and dramatist William Butler Yeats. Tan Yuanyuan @sfballet as The Guardian of the Well(a hawk), Kaiji Moriyama(contemporary dancer) as young man,and Gensho Umewaka(a JP traditional Nohgakushi) as an old man.アイルランドの詩人、劇作家、そしてノーベル文学賞受賞者でもあるウィリアム・バトラー・イエーツの「鷹の井戸」が、原作です。検索してみたところによると、もともと、日本の能をかなり意識した劇として作られたそうです。舞台は、橋掛りよりそろそろと大掛かりな装置1m四方×高さ2m位で、全体は美しい布で覆われ、上に鷹の巣を模したと思われる白枝、が運ばれてくる。思っていた通り、音楽(←正しい用語知らない(^^;)が一しきり鳴ったあと、布を払うと、そこにはヤンヤン・タンが。 はじめは、面をつけて、どっしりした着物を掛けていましたが、踊りながら、面を取り、羽織っていた着物を脱いで、後は赤い衣装と白いトウシューズで踊っていました。 そのヤンヤン・タン演ずる鷹の精(?)が去ってから、まず梅若玄祥が登場、不老不死をもたらすというその井戸の水が常に枯れていることを嘆きます。ひとしきりその老人が語ったり悩んだりした後、森山開次が登場。セリフもありました(!)。われは皇子であるとか言ってます。やはりその井戸に興味を示し、老人と争いになる。その間に鷹の精@ヤンヤンが登場、ここは、音楽も含めて、かなりクライマックスとなり、3人がもつれるように踊るところも含め、盛り上がります。どうやら老人と皇子は、鷹の精により幻覚にあったような状態になってしまいます。鷹の精は皇子(森山)とのデュエットダンス(これも呪いをかけているんだろうなぁ)も含め、ひとしきり踊って去って行きます。ふと目覚めた老人は、これまでと同じ何十年がまた繰り返すことを嘆き去る。皇子の方は、明らかに気が触れた様にへろへろになって踊り狂い(←踊りステキ!)、そして、最後に元はと言えば鷹の精の居た鷹の巣のその場所へへたり込み、そのまま長い眠りについてしまう。という感じのストーリーでした。クライマックスは、ヤンヤンタン、森山開次の二人の踊りはもちろん、音楽の盛り上がりも含めて、素晴らしかったんですが、前半部分、本来の能楽のまったりした流れは、やっぱり気の短い私には、しんどかったです。能なので、カーテンコールも何もないのも、淋しかったな。