仕込初めての機械調整で大赤字を出してしまった。偉そうに設定6やメリハリを付けない店は駄目だと言っていたのに…翌日設定6とメリハリ調整の台は一台も無かった。 赤字を出した日の夜に設定師さんに相談をする。 機械の特徴やら設定師さんの考え方を長時間に渡り教えて貰い大変勉強に成った。 当時は爆裂機がデビューし始め、巷は大花火等の機械割の高い台が人気を博していたが 当時、私の店は年配層中心とした客層だった為、初心者でも判り易いAタイプを中心とした機種構成になっていた。 設定師さんに調整のポイントを聞きながら早速調整に入る。 設定師さん曰く… 山佐の台は、比較的他社の機種に比べ設定どおりの数値に落ち着き易い傾向が有るのでメリハリを付けないで、 ベタ設定と呼ばれるオール4とか4・5半々と言った手法の方が目標とする利益に合わせやすい。 また設定を決めるポイントは曜日によっても違う事は勿論、その日の天候やお客の懐状況なども推測した上で 設定を決めなくてはならない等、設定未経験の自分にも判り易く親切に教えてくれた。 低換金率店の設定が難しい所は、お客がどれ位の時間持ちメダルで粘るかを想定しなくてはならない。 業界用語で客帯率と言われる言葉だが、これが本当に曲者で客側に今日は出ると思われるととことん粘られ赤字に転落、 逆に出ないと思われると客の粘りが無くなり店が儲かり過ぎてしまう。 2日も連続で利益を取りすぎると確実に翌日からの客足が遠のいてしまう。 そんな恐怖とプレッシャーを感じながらも荒削りでは有るが何とか利益は取れる様に成りはじめる そんなある日・・・ 高校時代にスロットのモーニング取りに行った懐かしい記憶を思い出し、 師匠にスロットにモーニングを入れても良いか聞いてみる。師匠は顔を曇らせながらもこう言った。 『ワシらの地域の所轄は厳しいぞ~・・・お前挙げられても大丈夫なんか?』 『それとアレはシャブ見たいなもんでな~♪一度やったら色んな意味で辞められへんぞ~』 『あと一番肝心な事は・・・モーニングを入れる行為は会社は関係無い事にせなあかん』 『お前が会社に内緒で勝手にモーニングを入れた事にするか?警察に挙げられても知らんと言い通せるかや』 『まぁ~お前に任せた粗利が達成できるのやったら好きにしたらええわ』 要するに、警察に行っても何も知らんと言い通せば何とか成るような気がした。 世の中は2000年度より警察がモーニング規制に乗り出す最中、巨大な権力には屈しないと言う勢いだけで、 翌日からモーニングを入れてみる事にした。 設定を打ち終え、誰も居なくなった店内で台に向かいリーチ目が出るまでドラムを手で回す。 そもそも手で回す事がこれほど大変な事とは考えても居なかった。モーニングの仕込みを終了し、 翌日の客の驚く顔を思い浮かべながら店を後にし帰路に着いた。 【続く】 【目次へ戻る】 ジャンル別一覧
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