目の前の背中目の前の背中にしがみつきたい 目の前に差し出されたものが 開かれた両腕でも 目を細めた笑顔でもなく 向こうを向いた背中だったとき それを賭けだと感じる間もなく 後先や関わる人の気持ちを考えずに 素直に飛びつける種類の人間でいたかった 寂しい子供のままで、時間は経ちすぎた 果たして人間は どこまで臆病で どこまで身勝手で どこまで悪意で どこまで無意識で どこまで鈍感で どこまで気づいているものなんだろう 非難されるべき人間がいるのかいないのか それは私なのかあの子なのか 背中だけを差し出して待つあなたなのか 三人の動きを阻む、成長というものか 目の前の背中にしがみつきたい 次へ |