初めての手紙
フランスへホームステイに行く前のこと。飛び立つ10日位前に私のホストが決定したという書類とホストのプロフィールが届いた。今から手紙を出しても 届くより私が先に着いてしまうかもしれないと思ったけど一応「よろしくお願いします」の手紙を書くことにした。と、いっても・・・・。その頃、私が間違いなく言えたフランス語は「oui, non, merci 」くらいで(つまり挨拶程度)文章なんてとっても無理だった。それでも なんとか自分なりに一生懸命書いてフランス人の友人アンに見てもらうことにした。 そして。私の手紙を一目見たアンは大爆笑した一生懸命書いたものを笑うつもりはなかったのに 思わず笑ってしまったっていう感じだった。「ごめん、ごめん。笑ってしまって」とアンは言いながらも笑い続けていた。私は自分でもむちゃくちゃだということが分かっていたのであまりにも気持ちよく笑うアンを見て つられて笑ってしまった。「で、どう?意味は分かる?」おそるおそる聞いてみた。するとアンは言ったのだ。「何が言いたいのかは分かるよ。これ、フランス人だったら絶対に分かる」フランス人だったら絶対に分かる!これって一番大事なことだった。だって私の気持ちさえ伝わればいいのだから私はそのまま手紙を送り、案の定ホームステイ中に届いた手紙を私が朝ポストから持ってきてママに渡した。ママもやっぱり大笑いしたけれど、すっごく喜んでくれたうえにちゃんと分かってくれた。それを証拠に、私が手紙に書いた内容はすべて叶ったのだから。今、息子のスンイは なん語の真っ最中。「あ~あ~」「ふぅ~ん」私のフランス語の手紙よりもっと意味が分からない(笑)それでも母である私には微妙に違いが分かるのだ。スンイはまっすぐに私の目を見て 一生懸命に語る。その姿を見て思う。目を見て一生懸命話すこと。これが会話において一番大事な事だったなって。私のむちゃくちゃなフランス語を受け止めてくれたアンとホストのママがいたから今 私はフランス語を話すのが楽しい。スンイの今の言葉をまっすぐに温かく受け止めることの大切さを今実感している。