テーマ:旅のあれこれ(10031)
カテゴリ:旅行記 アフリカ
シンゲッティの宿は、シンプルでセンスがいい。
お金をかけずに、よくここまで、まとまったなという印象を受ける。 photo:写真では全体のバランスの良さが伝わりませんねえ。。。。。 そして、昨日くつろいだエデンの庭だって、オールシーズン、いろんな実や、ハーブがなるようにしている。 砂漠の土地を旅してたら、エデンという名前を聞いただけで、是非、訪れたくなる。。。。 私は、ここの宿を去る前に、デザイナーは誰なのか、オーナーに聞いた。 すると、コンセプトからデザインまで、全て、このオーナーがしたとのこと。 すごい才能。。。。 その上、このオーナーは、接客が非常に上手。。。。。 「昔は、叔父の所で宿の手伝いをしてたんだけど、叔父は自分の息子に宿をゆずり、私は、私自身のために、この宿を作ってる所なんです。。」 親から譲り受けた、恵まれた人かと思いきや、なんと、自力でここまできたとは。。。。 「あそこのエデンの庭は、私の小さいときからの夢で、今後は土地を広げてレストランを作る予定です」と、笑顔でオーナーは語ってくれる。 野心家のわりに、語り口調が穏和なのが印象的だ。 「どなたか投資してくれる人が、いるんですか??」と、私は質問してみた。 「たくさんいます」と、オーナー。 私は、まあくんに、「確かに、このオーナーの人柄なら、お金集まるよね。。。。」と、言った。 「うん。。。それは、問題ないね。。。。」と、まあくんも同感。 「叔父の宿も、息子の代に代わったけど、彼はどうやっていいのか分からず、私に代わりにやるように頼んできます。。。。でも、今は時間がない。。。。。。」と、いいながら、オーナーは私に数冊のフランスの雑誌を見せてくれた。 よくよくみると、雑誌の表紙は、オーナー本人。。。。 絵画で言うと、写実主義あたりの光と陰のコントラストのきいた、芸術的な写真だ。。。。。。 オーナーは、次から次へと雑誌を見せてくれた。 全ての記事に、彼が取り上げられている。 「私は一度、ヨーロッパを旅行したときに、友人がここの出版社に電話してくれて飛行機代をだしてもらったんですよ。。。。。もちろん、私はそんなつもりはなかったんですけど。。。。なんの問題もなく、すぐ出してくれました。驚きました」と、当時の状況を思い浮かべる。 オーナーは「その後の宿泊代とかはもちろん、実費ですよ。。。。。。。。。。」と、続けた。 ちなみに、一般のモーリタニア人が、ヨーロッパを旅行するなんて、ビザを手に入れるだけでも大変だ。 「どうでした?初めてのヨーロッパは」と、私は続けた。 「驚きました。本当に、驚きました。。。。。。私は、その旅行で、いろいろな物を学びました」 それは、このオーナーの行き届いたサービスを見れば、よくわかる。 アフリカの発展途上国の宿で、私たち外国人が満足するようなレベルを提供できるなんて、そうそうない。 特に、料理にはこっているらしく、モーリタニア国内では手に入らないようなハーブが、必ず、数種類入っている。 全て、ここの庭で栽培しているので、どれも、無農薬で新鮮だ。 ふと、戸の入り口をみると、なんと、携帯のパソコンが置いてある。。。。。 「これを当時、ヨーロッパからここに持って帰ったら、たくさんの人が驚いて覗きにきてましたよ」と、思い出し笑いをするオーナー。。。。。 発展途上国の現地の人間で、パソコンをもってる人というのも、そうそういないので当然のことでしょう。。。。。 「ここの宿のホームページもあるんですよ。ここの町にはインターネットは無いので、都市に住んでる人間に、予約の仕事をまかせてるんですけどね。。。。」 従業員が、私たちに迎えのタクシーが来たことを告げてくれた。 「そして、ここが完成したら、さらに次の物を作っていく予定です」と、オーナーは私たちを出口に見送りながら続けた。 photo:入り口はいたってシンプルだけど、全体のバランス的にいいんですよ。。 私は、オーナーのコンセプトと、センスと、実行力と、柔らかい中に秘めてる野心に心から感銘をうけた。 「ここのエデンが完成した頃、また訪れたいです」と、私はオーナーに言って、アタール行きのタクシーに乗りこんだ。 きっと、ああいうオーナーみたいな人材がたくさんいれば、発展途上国の先行きも変わるんだろうなあ。。。。と、思った。 少なくとも、彼一人で、この街全体を変えていく可能性を秘めている、印象を私は受けた。 それにしても、次回ここに来るときは、夏だけは避けよう。。。。。。。。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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