075660 ランダム
 HOME | DIARY | PROFILE 【フォローする】 【ログイン】

■ゆりのHP(*^U^*)詩&恋愛小説&同盟■

White*Love 雪の降る夜に

私とマイは保健室を後にした。
マイは、しばらくの間、黙っていた。
私も何も言わなかった。
しばらくして、マイが口を開いた。
「ねぇ、もしかして、アイと本城くんって付き合っているの?」
「え?なんで・・・?」
マイは昔から、なぜか勘が良い。
「んー・・・だって、クラス一緒になった事もないのにさ・・・
 仲が良かったし、今日」
「そんなの、おたがいノリがあっただけだよ」
「・・・じゃあ、付き合ってないんだよね?」
「え?うん」
一瞬、本当の事を伝えようか迷ったが結局、私は否定した。
「・・・本当?・・・良かった!」
「・・・」
私は言葉がみつからなかった。
「あのね、私ね、夏の終わりに・・・本城くんに告白しようと考えているの」
「・・・そうなんだ」
焦りながらも、適当に返事をしておいた。
「・・・アイは、どうするの?」
“どうするの”と聞かれてもね・・・。
「さあね」
また適当に返事をしておいた。
「最近のアイ、なんか変だよ」
「そう?」
「うん」
私を変にさせてるのは、マイだと思うんだけどなぁ・・・なんて言えない。
マイは本当に大切な大切な親友だった。
かけがえのない存在だった。
心から何もかも話せる関係だったのに・・・。
なのに、私はマイの存在が邪魔に思えてきた。
前は私よりもマイの方が彼に近い存在だった。
だけど、今になっては、彼の恋人である、私が一番彼に近いのだ。
その事実をマイは知らない。
だから、隠しとおすのも大変であって、今さら、打ち明けるわけにもいかない。
もう、マイといる時間が・・・
1分でも・・・1秒でも重々しく思えてきてしまう。
それからというもの、私はマイと必要以上に話さなくなった。


  <<私は、逃げていたのかな・・・>>



小説ホームへ


© Rakuten Group, Inc.