1424587 ランダム
 HOME | DIARY | PROFILE 【フォローする】 【ログイン】

青森の弁護士 自己破産 個人再生 

青森の弁護士 自己破産 個人再生 

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

PR

Profile

yuuseiーyuusei

yuuseiーyuusei

Category

Freepage List

Calendar

2014.07.31
XML
カテゴリ:契約
弁護士が交通事故に関する代理人業務を受任した場合における報酬に関する合意が暴利行為に当たり、無効とされた事例(東京地裁 平成25年9月11日判決)

「事案の概要」

Xらの息子であるAは、平成22年10月、広島市内の道路を歩行中、Bの運転する乗用車に衝突される事故に遭い死亡した。

そこで、Xらは、弁護士であるYに対し、Aの死亡事故に関して代理人業務を依頼し、法律相談料として5万円、刑事告訴手続に関して着手金及び報酬として100万円、Bに対する不法行為に基づく損害賠償請求権を行使する代理人業務に関して着手金100万円、自賠責保険金の請求の報酬として255万円、以上合計460万円を支払った。

しかし、Xらは、Yに対して支払った弁護士報酬等は、その業務内容に比して著しく高額であり暴利行為に該当し無効であるとし、Yに対して支払った弁護士報酬等の返還を求めた。

「判旨」

弁護士との間の委任契約に基づく報酬の支払行為は、その報酬額が客観的にみて高額であっても、依頼者と当該弁護士との間では、契約自由の原則に照らし、暴利行為に当たらない限りは有効というべきである。

そこで、被告と原告らとの間の弁護士報酬の合意が、暴利行為に該当するといえるか否かについて、弁護士報酬に関する規定(すでに廃止されているものを含む)や本件の難易度、依頼者にもたらす経済的利益、弁護士の労力等諸般の事情を考慮して、検討する。

旧報酬会規38条では、簡易な自賠責請求について、給付金額が150万円を超える場合は、給付金額の2%とし、損害賠償請求権の存否又はその額に争いがある場合には、弁護士は、依頼者との協議により適正妥当な範囲内で増減額することができると定めているところ、被告の主張や供述を前提としても、自賠責保険の請求に関する限り、本件が、通常の事案と比べて困難を伴ったとは認められず、旧報酬会規が、民事事件や示談交渉事件の弁護士報酬とは別に、簡易な自賠責請求について報酬の基準を定めていること、自賠責請求に関する委任状の作成を受けた段階で、報酬金に関し説明がなされた形跡は認められないこと、着手金額を決めるに対し、加害者側に対する訴訟提起に関する金額も含んでいたが、これは被告において、刑事事件記録を検討した段階で、訴訟提起をしない方がよいとの見解を持ち、実際には被告は訴訟提起に関与していないこと等の事情に照らせば、被告は、原告らから、損害賠償請求を一括して受任し、また、原告らと被告との紛争が生じたのは、被告が加害者らへの訴訟提起に消極的な姿勢を明確にした段階であり、報酬金を支払う段階では特に争いは生じていないことを考慮しても、通常の民事事件の基準に照らして報酬を定めるのは相当とはいえない。

そうすると、報酬金に関する合意は、高額に過ぎるため、暴利行為に該当し無効といわざるを得ず、弁護士の報酬額につき当事者間に別段の定めがなかった場合において、裁判所がその額を認定するには、事件の難易、訴額及び労力の程度等により当事者の意思を推定して相当報酬額を定めるべきであることに照らせば、本件においては前記認定の事実を総合考慮し、100万円の範囲でこれを認めるのが相当である。

判例時報2219号73頁





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2014.07.31 16:57:01



© Rakuten Group, Inc.