刑事訴訟法 証拠開示命令
取調べ警察官が犯罪捜査規範13条に基づき作成した備忘録は、刑訴法316条の26第1項の証拠開示命令の対象となりうる 最高裁平成19年12月25日 第三小法廷判決偽造通貨行使の事実で起訴被告人は偽札であることの認識を争った事件は期日間公判手続きに付され、検察官は犯行状況等を立証趣旨として被告人の警察官に対する供述調書を証拠請求としたが弁護人はこれを不同意として任意性を争い、公判期日においてすることを予定している主張として、警察官による自白を強要する威嚇的取調べ、利益誘導による自白の誘引などを明示し、「被告人の取調べにかかる取調べ警察官作成の取調べメモ(手控え)備忘録等」の開示請求をした。検察官は、請求にかかる取調べメモ等は本件証拠中に存在せず、取調べメモ等は証拠開示請求の対象となる証拠に該当しないと回答したことから弁護人が開示命令の請求をした。(刑訴法316条)1審は 請求にかかる取調べメモ等は本件一件操作記録中には存在せず、そのような取調べメモ等は個人的な手控えのたぐいであって、性質上開示の対象となる証拠に該当しないとして請求を棄却した。これに対し弁護人が即時抗告したところ高裁は検察官が容易に入手することができ、かつ、弁護人が入手することが困難な証拠であって、弁護人の主張との関連性の程度及び証明力が高く、被告人の防御の準備のために開示の必要性が認められ、開示による具体的な弊害が生ずるおそれがないものは、検察官の手持ち証拠に準じ、証拠開示の対象となるとして、1審決定を変更して証拠開示を命じた。これに対し検察官が特別抗告したところ最高裁は、これを棄却したものである。 判例時報1996号157頁ブログランキング参加してます。↓ クリック、よろしく!