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Ｙａｓｕａｋｉの株式投資日記

[同業比較] カテゴリの記事

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コンビニの比較・２００６年度版

コンビニ業界の比較です。市場規模は日経ＭＪによると２００５年度で７兆６４３３億円とのこと。このうちセブンイレブンが２．５兆円と３３％を占める独占企業であることがわかります。また上位３社合計で５兆円と業界の６６％を占める寡占業界となっています。売上高は各社のチェーン全店売上です。経常利益は各社連結決算ベースです。上場企業７社の売上高は毎年わずかながらも伸びており、一応まだまだ成長業界と言えるようです。ただ伸びがわずかと言っても、規模が桁違いに大きいので、たとえばトップのセブンイレブンでは国内での店舗数の伸びは５２３店舗、２位のローソンは２８９店舗にもなります。日本中がますますコンビニだらけになりつつありますね。既存店売上前期比、及び日販の比較です。セブンイレブンは開示がないので７社の比較ですが、既存店は全社前年割れとなっています。日販も全社で前期は減少していますね。セブンイレブンとＣＶＳベイの日販の高さは際立っていますが、既存店、日販の両方を見ても業界全体で過当競争であることが想像できます。チェーン全店売上高の伸び率トップはファミリーマートなんですね。とは言っても上位でほとんど差がありません。コンビニ業界も勝ち組と負け組みではっきり分かれています。毎年減収組みのスリーエフ、ポプラ。上位組みにシェアを奪われているのでしょう。経常利益率はセブンイレブンがダントツ。他社の倍ですね。加盟店からのロイヤルティ契約にも違いがあるのかもしれません。一番の要因は店舗の日販の違いだと思います。同業他社が４５万円強なのに対してセブンイレブンは６５万円と４割もの差があります。店舗あたりの経費があまり変わらないとすると、日販の差はそのまま利益率の差になってきます。キャッシュフローの比較です。セブンイレブンは投資ＣＦが大きくなっていますが、前期は関係会社の増資引き受けで１０００億円、２期前はＩＹＧホールディングの子会社化が要因となっています。ローソンも投資ＣＦが大きくなっていますが、毎年「有価証券の購入による支出」が大きくなっています。ＰＥＲの比較です。ポプラ、スリーエフが低ＰＥＲ上位ですが、売上、利益が減少傾向ですので、妥当な評価なのでしょう。反対にファミリーマート、ローソンの業界上位の勝ち組の評価が少し高いです。成長が頭打ちとなった業界は結局規模で勝る上位企業しか生き残れないということを反映しているのかもしれません。今回で今年度の業界比較シリーズを終わります。本当は１０月には終わりたかったのですが、なかなか書くモチベーションが上がらなくて・・・。とにかくコメント書くのが大変でした。毎回どうまとめようか、と頭を悩ませましたが、去年よりは少し詳細なコメントになったと思います。何とか年内に終わってほっとしました。次からどうしようかな。

2006年12月19日

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カーディーラーの比較・２００６年度版

カーディーラー業界の比較です。去年も書いたのですが何でこの８社だけが上場しているのか不思議な業界ですね。日本自販連のＨＰのデータによると２００５年の新車登録台数は５８２万台、前年比９９％と減少しています。１０年前の９７年に比べると８０％の台数、厳しい状況ですね。ただ軽乗用車だけ見ると、９７年の９７万台から０５年の１３６万台に１．４倍になっています。時代を表していますね。カーディーラーの市場規模ですが、「経営状況」のページに１社平均のＰ／Ｌが載っています。これが全ディーラーの合計かどうかわかりませんが、１７年度１３１１社を合計すると、売上高は１３兆２２９３億円となります。う～ん、さすがに日本を代表する産業だけあって市場規模が半端じゃないですね。上場カーディーラーは昨年は２社が上場廃止となっており、現在６社となっています。６社合計の売上高は５６４８億円で、市場規模に対して４．３％。愛知トヨタだけで２．７％です。カーディーラー自体は個別の会社は品揃えも固定されており、テリトリーも固定され店舗拡大もできず、差別化がかなり困難なビジネスだと思います。個別の店舗のサービス、営業力によるんでしょうね。増収率・増益率の比較です。ＶＴホールディングスが増収率トップ。今期も２倍の予想です。カーディーラーには珍しく成長戦略を志向している会社です。ホンダ系なのですが前期は日産ディーラーを子会社化し売上規模を拡大させています。ただ既存のホンダ系の新車販売は７．２％減となっており、Ｍ＆Ａ及び住宅事業など多角化に活路を見出そうとしています。愛知トヨタは愛知県の好況、高単価のレクサス効果により増収を達成しています。ただ経常利益はレクサス導入に伴う初期投資により大きく減益となっています。この２社以外は減収、ファミリー以外は減収減益と厳しい状況です。経常利益率・粗利率・販管費率の比較です。同じようなビジネスなのですが、利益率は大きな差がありますね。粗利率はファミリー以外は２０％前後でほぼ変わりないです。販管費率で差がついていますね。実際の収益構造はよくわかりません。ホンダクリオ東葛が６％でトップ、販管費率が低いですね。在庫が少ないので回転で稼いでるんでしょうか。ファミリーが４．４％で２位ですが、こちらは恐らく単価の高い輸入車を扱っているためだと思われます。キャッシュフローの比較です。各社安定した営業ＣＦを稼いでいますね。ただ投資ＣＦもそれ以上に発生しています。これはリース資産取得によるもののようです。新車販売が頭打ちなのでリース事業を伸ばしているということです。在庫回転期間の比較です。ホンダクリオ東葛が一番少ない（高回転）ここが利益率の高さにつながっているのでしょうか。ファミリーが在庫が一番多くなっています。これは輸入車を扱っており、高単価で在庫回転は低いということでしょうか。ＰＥＲの比較です。東日カーライフを除き５社がＰＢＲ１倍割れと超低評価、または割安な業界となっています。市場は縮小傾向であり、各ディーラーの規模拡大も望めませんので仕方ないですね。ＶＴホールディングスが最もＰＥＲ低くなっていますが、毎期多額の特損の計上、前期は少数株主利益もありコンセンサス純利益が低くなっているためだと思われます。Ｍ＆Ａによる拡大志向ですが、ほとんど評価されてないような。このほか、ファミリー、愛知トヨタ、ホンダクリオ東葛もＰＥＲ１桁台。愛知トヨタは昨年は成長株のような株価上昇でしたが、今年は一貫して下落傾向で結局１年半前の水準へ逆戻りですね。去年はなんだったんでしょう？？？またここは保有するトヨタ自動車株の時価が４０９億円で自分の時価総額５０５億円の８割を占めており、資産割安株として評価できるのかもしれません。それにしてもいつも不思議なのが東日カーライフの株価水準です。業績最悪、財務最悪会社なのにＰＥＲ、ＰＢＲが一番高いんですよね。

2006年11月30日

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調剤薬局の比較・２００６年版

調剤薬局の比較です。この業界は行政の医薬分業政策による誘導により急成長を遂げてきました。しかし今期は薬価改正・診療報酬改正ともに厳しい状況であり、明らかにステージの転換点を迎えています。今期以降、中小薬局の淘汰がより進んでいくのではないかと考えられます。年々上昇を続けてきた分業率ですが最新の日本調剤師会のデータによれば１８年２月で５５．６％となっており、前年より低下してるんですね。１４年２月　　１５年２月　　１６年２月　　１７年２月　　１８年２月　　４７％　　　　５１％　　　　５３％　　　　５７％　　　５６％ただ４月以降は薬価改正により病院で行われている調剤も収益が厳しくなり再び処方箋の院外化が進むのではないかと思われます。取り上げた８社合計の売上高は約２９００億円。調剤市場の規模は３．８兆円と推測されていますが、上場８社で７．６％を占めていることになります。前期の売上高合計の伸び率は２４．５％と高成長ですが、これは新規出店の他に上位企業のＭ＆Ａによる中小薬局チェーンの取り込みによるものです。今後もこの流れは続いていくと思われます。ただ今期予想が＋１０％と成長率が鈍化。これは薬価引下げに加えて、調剤報酬も４年振りに引き下げられたことも影響しています。アインＦでは薬価▲６．７％、調剤報酬▲３％、合計▲９．７％の影響を見込んでいるようです。経常利益ですが、伸び率は６２％→３６％→８％→１％（今期予想）と伸び幅が急激に縮小。前期については処方箋の長期化、そして今期については薬価・調剤報酬改定の影響によるものです。経常利益額は前期は１位クラフト、２位アインＦ、３位日本調剤の順で３社ともほぼ３０億円前後ですが、時価総額は１位日本調剤、２位アインＦ、３位クラフトとなっており、クラフトだけが引き離されて小さい額ですね。今後取り組む第２のビジネスの評価によるものと思われます。増収率・増益率の比較です。売上高は８社中６社が３期連続の２桁増収、経常利益は３社が３期連続の２桁増益。前期減益だったのはアインメディカルとアインＦの２社。アインＭは新規出店先の患者の集客が予想を下回ったこと、アインＦはドラッグストアの不振によるものです。今期予想はメディシスを除くと２桁増益は日本調剤のみ。業界全体が苦しい経営状況です。減益予想は当初アインＦ、アインＭの２社のみで他の会社は強気の増益予想でしたが、その後メディカル一光が中間は増益だったものの通期を下方修正しています。また阪神調剤も通期予想経常利益８．１億円に対して中間ではわずか０．３億円にとどまっている事から今後下方修正されると思われます。（会社の言い訳はＭ＆Ａ案件が多数あるので・・・というものですが）またクオールも中間決算では予想を１０％下回っています。これらは薬価引き下げに見合う仕入値下げが獲得できていないことによるものです。従来では仕入もスライドして下がったのですが、今回は厳しい状況のようです。経常利益率・粗利率・販管費率の比較です。１位はアインＭ。４期前の３．２％から大幅に上昇しています。これは経費（原価に含まれる）削減努力によるところが大きいです。２位はクラフト、３位は日本調剤。こちらは安定した高利益率を持続しています。４位はアインＦ。前期利益率が大幅に低下していますが、主にドラッグストアの不振に伴う利益率悪化、本部管理費用の増加によるものです。セグメント別では調剤事業の利益率は６．９％、本部費用を売上比率で按分すると５．９％となり調剤事業では実質的に業界１位となります。キャッシュフローの比較です。前期はクラフトの営業ＣＦが前期比＋２３億円と大きくなっていますが、これは減価償却費を除いた営業利益の大幅増益が＋７億円、債権流動化に伴う預かり金増が＋５．６億円となっています。投資ＣＦはほぼ営業ＣＦ内ですね。アインＦ、日本調剤とも営業ＣＦは３０億円前後で安定していますが、両社とも投資ＣＦが大きくなっています。積極的な出店、Ｍ＆Ａによるものとなっています。在庫回転期間の比較です。アインＭが０．２５ヶ月と非常に高いレベルの在庫管理体制です。阪神調剤は毎期減少傾向にあり経営効率化が進んでいます。アインＦが最も多いですが、これはドラッグストア事業の影響です。ＰＥＲの比較です。会社予想ＰＥＲで一番低いのが阪神調剤。ただ中間で下方修正も通期据え置きなので通期下方修正を織り込みつつあると思います。アインＭがＰＥＲ９．７倍と２番目に低くなっています。通期減益予想なので仕方ないかもしれませんね。ただ中間は増益を確保しています。クオール、メディシスはＰＥＲ１４倍前後で相対的には妥当な水準～やや割安な水準と言えます。業界上位３社のアインＦ、日本調剤、クラフトですが、アインＦ、日本調剤がＰＥＲ１８倍前後なのに対してクラフトはＰＥＲ１３倍と低評価となっています。利益水準、成長率とも同レベルなのですけどね。この評価の差はジェネリック医薬品卸事業など第２の収益の柱に対する取り組みが評価されているのではないかと考えられます。これらが実際に利益に貢献するかどうかは全く未知数だと思いますけどね。やはりアインＦ、日本調剤と単純に比較してクラフトは割安ですね。今年の薬価改定後の医薬卸との仕入値交渉は非常に厳しい状況のようです。各社の４半期決算等を見る限り粗利率は１％以上悪化しています。ただクオール、クラフト、アインＦの３社はあまり変わらないんですよね。クラフトは先週の中間決算を見ると逆に上昇しています。会社によって結構仕入に差が開いているのでしょうか？最新決算の粗利率比較　　　　　　前期中間　　　　　今期中間クラフト　　１２．０％　　　１２．５％　　＋０．５％クオール　　　９．７％　　　　９．６％　　－０．１％アインＦ　　１３．３％　　　１２．９％　　－０．４％　（１Ｑ決算）アインＭ　　　９．９％　　　　９．１％　　－０．８％日本調剤　　１６．８％　　　１５．９％　　－０．９％メディ一光　１０．３％　　　　８．９％　　－１．４％阪神調剤　　　８．４％　　　　５．９％　　－２．５％

2006年11月28日

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宝飾専門店の比較・２００６年度版

宝飾専門店の比較です。市場規模等は昨年の記事を参考にしてください。市場規模は１．４兆円前後で、徐々に縮小傾向にあるようです。今年はこの業界の優良企業の一つ、ＦＤＣプロダクツがアスティと経営統合、（Ｆ＆ＡアクアＨＤ）上場廃止になってしまいましたので、今回は８社を取り上げています。売上高合計は毎年５％前後でわずかながら伸びています。市場全体は縮小傾向ですが、上場企業の出店はまだ拡大傾向にあります。経常利益は前期は＋２７％。あずみ、エステール、ベリテなど、大幅増益となっています。前期はようやく少し消費が回復してきた年だったのでしょうか？今期予想は＋６％と低成長に戻っています。今のところ大幅上方修正しそうな会社はなさそう。売上トップは製造小売が強みのツツミ。経常利益では８社合計の６割を占めており、超高収益企業です。増収率、増益率の比較です。売上高はサダマツ、サハダイヤモンド、シーマが高い成長率。逆に田崎真珠、ベリテは連続減収と厳しい状況が続いています。経常利益ですが、前期は８社中５社が増益確保、その中でもエステールが２期連続、あずみが３期連続の２桁の大幅増益と好調。経常利益率・粗利率・販管費率の比較です。ツツミが相変わらず安定した超高利益率を持続。ＳＰＡの強みを発揮していると言えます。２位はあずみで、３年連続利益率が改善。その原動力は粗利率の改善です。具体的には値引き販売の圧縮に取り組んでいること、及び仕入コスト低減によるものです。一昨年に社名を変更して以降、経営改革が順調に進んでいると見られます。エステールもＳＰＡ業態と言えますが、利益率は業界の中では普通。ただ前期は大幅に利益率を改善させていますが、これは為替差益、デリバティブ評価益で１．５％の改善であり、営業利益では１．０％の改善にとどまります。サダマツ、ベリテ、サハダイヤモンドは年々利益率が悪化。苦しい経営状況です。宝飾業界では原材料の高騰が言われていますが、シーマ以外は粗利率が上昇しているんですね。一般に言われているように昨年は高額商品が売れたということなのでしょうか。キャッシュフローの比較です。安定した営業ＣＦを稼いでいるのはあずみ、ツツミの２社。田崎真珠も経常利益自体は比較的安定しているものの、在庫の増減が大きく、ＣＦは安定していません。在庫回転期間の比較です。業界平均で１４．７ヶ月、つまり１年と３ヶ月も保有している、常識的には恐ろしい業界です。しかも年々回転期間が悪化しているんですね。田崎真珠に至っては３年分も溜め込んでいます。単価が高く滅多に売れない商品で、かつ品揃えは豊富である必要があるためだと思われますが、投資対象としてはリスクの高い業界となりますね。宝石類なので在庫の価値がそれほど変動しないと言っても、いつ評価損が出るかわかりません。あずみだけは在庫が比較的少ないですね。理由はよくわかりませんけど。それほどの高額商品を扱ってないのでしょうか。ＰＥＲの比較です。８社中、５社はＰＢＲ１倍割れ。つまり資産価値を評価されていない＝在庫リスクが認識されているということだと思います。エステールが一番低ＰＥＲとなっています。今期は原材料高騰を理由に経常利益を１３億円から９億円に下方修正してます。売上高は低いながらも成長を続けいていますが、利益はピークアウトと取られているのでしょうか？あずみもＰＥＲ９倍台と低くなっています。売上成長率が年々落ちていることが要因でしょうか？利益額は年々増加しており、またＲＯＡも業界トップと、経営自体は良くなっているのですが、全然評価されてませんね。現預金も豊富でＥＶ／ＥＢＩＴＤＡも３倍と非常に割安水準です。典型的なバリュー株ですね。ツツミはＰＥＲ１７倍。利益率は抜けていますが、在庫が多いためＲＯＡが普通です。成長性からも妥当な水準でしょうか？ＥＶ／ＥＢＩＴＤＡは割安水準です。この３社以外はどう評価すれば良いのか、困りますね。単純なＰＥＲなどでは投資判断できそうにないです。

2006年11月25日

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総合スーパーの比較・２００６年度版

総合スーパーの比較です。この業界の上位企業はスーパーだけでなくコンビニ、外食、金融業なども重要な構成を占めており、近年の業界再編なども加わり総合スーパーというより総合流通業に変化しつつあります。セブン＆アイは前期売上高の約半分、営業利益の８割をセブンイレブンが占めており、実質的にコンビニが主力事業となっています。＜セグメント＞売上高　　　　　０５年　　　　　　０６年コンビニ事業　１８０６２億円　　　２０１５２億円スーパー事業　１６４２３億円　　　１６８７７億円営業利益コンビニ事業　１９５４億円　　　２０９８億円　　　　　　（　１０．８％　　　　１０．４％）スーパー事業　　　７８億円　　　　１５４億円　　　　　　（　　０．５％　　　　　０．９％）■イトーヨーカ堂売上高　　　　１４７３６億円　　１４９３６億円営業利益　　　　　　８８億円　　　　１２１億円経常利益　　　　　２７１億円　　　　３０９億円経常利益率　　　　　１．８％　　　　　２．１％イオンは売上のうち最も大きい割合なのがイオン単体で約４割を占めて　　いますが、経常利益についてはイオンクレジットなど金融業が２３％を占めており、イオン単体の１８％を大きく上回っています。■イオン単体売上高　　　　　１８３０３億円　　１８９２９億円営業利益　　　　　　１７４億円　　　　２４３億円経常利益　　　　　　２２４億円　　　　３１１億円経常利益率　　　　　　１．３％　　　　　１．６％ダイエーの前期の営業利益４４５億円のうち、本業のスーパー事業は▲４１億円に対し子会社オーエムシーカードによる金融事業が３７０億円となっており、厳しい実態がうかがえます。今回イオンによる支援を受け入れることになりましたが、今更、という感じですね。再生機構やら、外車営業のＣＥＯだとか、誰が見ても、でしたね。ユニーは売上の６割はユニー単体ですが、経常利益についてはサークルＫサンクスが５５％を占めているのに対し、ユニー単体は２４％に留まっており、セブン＆アイ同様、コンビニが実質的にグループを支えている状況です。■ユニー単体売上高　　　　７１３８億円　　　７１９５億円営業利益　　　　　９５億円　　　　　９６億円経常利益　　　　１０１億円　　　　１０６億円経常利益率　　　　１．４％　　　　　１．５％本業のスーパー業の収益回復に手間取っている上位５社に対して、６位のイズミ、７位の平和堂は実質的に最も成功している総合スーパーと言えます。それぞれ中四国、滋賀県に特化し地域独占企業として、その地域の需要をしっかりと取り込んでいます。増収率・増益率の比較です。前期まで積極出店により売上を拡大させてきたイオン九州も成長鈍化。ただ２年連続７％成長とこの業界では良いほう。一方経常利益は事業の拡大に利益が伴わず４期前をピークに減少傾向も、前期で下げ止まりのようです。イオンは積極的なＭ＆Ａなどにより４兆円を超えてもなお成長を続けていますね。目標は小売業世界ベスト１０入りらしいですからね。西友の前期＋１３．９％は変則決算のためです。経常利益は前期ダイエー、イオン九州、イズミヤのイマイチ会社が大きく回復。イズミ、天満屋、平和堂の地方組みは地味ながら毎年増収増益を続けてるんですね。経常利益率・販管費率・粗利率の比較です。セブン＆アイの高利益率はコンビニのセブンイレブンによるもので、イトーヨーカ堂単体の経常利益率は前期２．１％、前々期１．８％と平均以下。一見華やかに見えるセブン＆アイもスーパー事業だけみれば負け組みです。この業界で実質利益率ＮＯ．１なのはイズミ。低い粗利率・販管費率にも要因がありそうです。しかも毎年利益率を上昇させており、体質が良くなっています。ビジネスモデルとしてはどちらかと言えばローコスト経営によるディスカウント業態に近いのかも。食品スーパーと比較しても高利益率ですのでかなり経営レベルの高い会社です。イオンも単体では前期１．６％、前々期１．３％ですのでイトーヨーカ堂同様にスーパー事業はイマイチ。子会社のマックスバリュには優良企業が多いのですけどね。ユニーも単体では前期１．５％、前々期１．４％。平和堂は３％台ながら実質業界ＮＯ．２の利益率。かなり安定しています。天満屋は毎年少しずつ利益率を改善させています。これ以外はダメダメです。キャッシュフローの比較です。業界平均は低成長業界だけあってフリーキャッシュフローが大きいです。セブン＆アイは搾取ビジネスのコンビニを有し潤沢なフリーＣＦを稼いでますね。ユニー、イズミは積極投資。在庫回転期間の比較です。結構上位から下位まで差がありますね。食品の構成比が大きい会社は在庫が少なくなります。フランチャイズ売上が多くを占めるセブン＆アイも相対的に在庫が少ない傾向。イオン、イオン九州とも在庫削減を進めて効率化を図っているようです。ポスフールは逆に在庫が増加傾向。既存店の比較です。開示しているのは６社。今期は前期に対してどこも好調な会社が多いです。景気が徐々に回復しつつあるのでしょうか？２期連続１００％超えのイズミはこの業界では特筆すべきことです。ＰＥＲの比較です。この業界は特別損益の増減が激しかったり、持分法損益などの利益に与える影響も大きく、単純にＰＥＲで判断しにくい会社も多いです。ＰＥＲ１５～１７倍の平和堂、イズミがこの業界では辛うじて検討に値するのかもしれませんが、去年から結構見直されてますね。天満屋は無成長かつ地味な岡山銘柄なので低ＰＥＲなのも仕方なさそう。イオン、セブン＆アイとも会社予想ＰＥＲ２１倍と同じようなＰＥＲ評価。事業の方向性は結構異なりますけどね。両社ともビジネスや子会社が多岐に渡り個人投資家には分析困難かも。同じ時間で小型株数十社分調べられますね。そういえばトリビア終わっちゃったんですね。水曜日の楽しみが無くなってぽっかりと心に穴が開いたみたいですね。さすがにネタも尽きたのでしょうか。

2006年11月15日

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百貨店の比較・２００６年度版

百貨店の比較です。「日経流通・サービス業界地図」に載っている日本百貨店協会のデータによれば、業界全体の売上高は９１年の約９．７兆円をピークに縮小が続いており０５年は約７．８兆円となっています。小売業界の中でも最も衰退の激しい業界と言えます。取り上げた上場企業は１６社。合計売上高は５．６兆円で市場規模の７２％。ミレニアムのそごう・西武百貨店合わせて９５百億円でこれもあわせると６．５兆円、８３％となります。１６社合計売上高増減率は３期間でほぼ横ばい。これに対し経常利益は毎年２０～３０％増収。終わったとされていた百貨店業界ですが、業界全体の体質が強化され、収益力が高まっていることがわかります。増収率・増益率の比較です。売上が伸びている会社はなし。（伊勢丹は合併によるもの）それに対して経常利益は１６社中１１社が２桁増収と業界全体が好調となっています。一般に言われているように、土地、株の上昇による資産効果が表れているのでしょうか？何社かの短信を見てみましたが、どこも紳士服の伸びが大きいです。前期はやはりクールビズ効果が表れているのでしょうか？経常利益率の比較です。業界平均の利益率は２．５％ですが、毎期平均値が改善されてきていますね。上位５社は３．６％～８．２％で百貨店も意外に利益率良くなったんだなと思います。丸井の高利益率は消費者金融業での営業利益１９７億円が利益に貢献していることが要因で、これを除いた営業利益率は５％程度となります。それでも利益率トップですけど。若者ファッションに特化して成功しているようです。２位は阪急百貨店。梅田店の改装により今期は減収となりますが、３期間４％台を維持しており、業界の中でも実質一番の勝ち組と言えそう。グループ会社との相乗効果により関西では絶対的なブランド力を保ち続けていると思います。３位～５位までで業界平均以上かつ３％以上の利益率であり、現時点での勝ち組でしょう。伊勢丹、大丸、高島屋とも毎期急激に利益率を改善させてきており、経営体質の強化が数字に表れています。粗利率・販管費率の比較です。経常利益率上位５社中大丸を除く４社は粗利率も高くしかも毎期改善。また販管費率は前期は１６社中１２社で低下。これ前期のは売上好調による相対的な比率低下によるものと考えられます。キャッシュフローの比較です。業界平均値はほぼ毎期１００億円の営業ＣＦに対し投資ＣＦは２０～３０億円とキャッシュが貯まる構造。近年は新規出店がほとんどなく、閉店も多いからでしょう。投資ＣＦがプラスの会社も多く見られます。在庫回転期間の比較です。場貸し業と言われるだけあって、在庫をほとんど持ってませんね。会社による特徴がほとんど見られないです。ＰＥＲの比較です。平均ＰＥＲ２５．２倍ですが、異常値？の山陽、松屋を除くと２１倍。これだけ見ると妥当かなとなりますが、衰退業界であることを考えると割高ですね。特に勝ち組の阪急、高島屋、伊勢丹、それに老舗の三越などが２５倍前後と相当に高い評価を与えられています。今後の消費回復による利益拡大を期待されているのでしょうか、他の小売業から見ても違和感のあるＰＥＲですよね。ＲＯＡはトップでも大丸の４．５％、阪急、丸井、伊勢丹なども３％台でありあまり効率の良いビジネスとは言えないです。またＰＢＲ１倍割れは意外に少なく、ながの東急、大和、丸栄の３社のみです。自己資本比率がどこも低いことが要因ですね。この業界は少なくともＰＥＲでは買えそうにないですね。

2006年11月13日

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通販業界の比較・２００６年度版

カタログ通信販売業界の比較です。１０社合計の売上高は今期予想含めて５年間ほぼ変わらず、市場が停滞していることがわかります。さらに経常利益は２～３期前は減益となっており、経営環境は厳しいです。やはり楽天等ネットショッピング市場の拡大により競争が激しくなっています。プライムはＴＶ通販会社ですが、参考で載せています。売上高１位はニッセン。通販事業は為替評価損により経常利益では減益ですが、営業利益ベースでは前期比増益の予想となっているのに対して、現販事業（呉服・宝石）が不振で大幅減益の見通しです。インターネット経由の売上が中間決算時点で前期の２７．４％から３２．３％へ増加しており、業界全体の傾向が現れています。商品単価アップにより客数が想定以上に減少してしまったこともあり中間決算で大幅下方修正を出しています。２位は千趣会。４年前までは業界首位でしたが、その座をニッセンに明け渡しています。０１年の１５２１億円をピークに０２年以降は売上高は１４７０億円台でほぼ横ばいで推移しています。ベルーナが３位ですが、この厳しい業界において唯一安定した成長を持続している稀有な会社です。実際はカタログ通販事業は不振で減収減益なのですが、化粧品・健康食品など単品通販事業、及び通販会員相手の消費者金融事業が大幅な増益となっており、同社の成長を支えています。このほか、順調に成長が続いているのが生協組合員を主な顧客対象としているアイケイです。収益構造改革、業務改革に取り組んでおり、高収益企業への脱皮を図ろうとしているようです。生協組合員は平均的な消費者より安全、健康志向が強いため生協会員となっていると思いますが、その生協が扱う商品が通販対象なので市場規模は大きくないものの競争もそれほど激しくないのではないかと思います。中高年男性向けが特徴のＳＴＥＩＬＡＲは順調な成長を続けてきましたが、前期ついに下方修正を出し減収減益に。成長の岐路に立っている感じですね。これ以外のカタログ通販会社はほぼ事業は縮小傾向です。増収率・増益率の比較です。イマージュは前期に衣料小売りのトランスコンチネンツの買収により大幅増収となっています。前期、前々期とも減収、今期予想もほぼ横ばいと実質的には事業の縮小傾向にかわりはないようです。ベルーナは毎期５％前後の安定成長を保っています。利益もほぼ同じ割合で安定して伸びており、経営が上手い会社ですね。実質的に一番成長率が高いのがアイケイ。前期は３％の伸びも今期は＋１０．５％計画。数年前まで成長株だったニッセンもついにマイナス成長。利益は半減です。ＳＴＥＩＬＡＲも前期減収減益。今期は＋７．６％と高い計画ですが、１Ｑを見る限り苦しそう。経常利益率、粗利率、販管費率の比較です。１０社合計の粗利率の平均は２期連続マイナス、逆に販管費率は２期連続上昇と厳しい状況を表しています。ベルーナが１０％前後で安定しています。決して本業の通販事業は順調ではないのですが金融事業などがうまくカバーし、ポートフォリオ経営の鏡のようです。ニッセンが５．１％で２位ですが、今期下方修正後の予想では２．６％まで低下、非常に厳しい状況に追い込まれています。２期前は値引きに走り失敗、今期は値上げで客離れ。この２社以外は３％以下でダメダメな状況です。今期予想ではアイケイ、千趣会、ＳＴＥＩＬＡＲが３％以上を目指していますが、千趣会は３Ｑ経過時点で３．３％と利益が回復傾向にあります。表には出ていませんが今期の粗利率は前期までの４８％台から４９％台へ１％改善していることが効いてますね。キャッシュフローの比較です。安定したフリーキャッシュフローを稼いでいると言えるのは千趣会くらい。ニッセンは前期大幅に営業ＣＦが減益。ベルーナの営業ＣＦのマイナスは金融事業の影響です。在庫回転期間の比較です。返礼ギフト用のシャディが一番少ないです。比較的受注の予測が立てやすいからでしょうか。プライムもＴＶ通販であり基本的に売り切れる分だけ仕入れると思われるので在庫が少ないと思います。ムトウ、アイケイ、ニッセンあたりは在庫管理が上手いようです。セシール、イマージュは毎期増加傾向、改善の余地がありそう。ＳＴＥＩＬＡＲが前期急増しているのは有形固定資産を販売用棚卸資産に振り替えたためのようです。ＰＥＲの比較です。業界全体の低迷のせいか、ＰＢＲ１倍割れが半分もありますね。ＳＴＥＩＬＡＲが一番低低ＰＥＲです。前期は大幅下方修正、今期も１Ｑが不振で経営の伸び悩みが株価に現れています。このままだと前期に引き続き下方修正ありそう。実質的に一番低ＰＥＲなのがベルーナ。万年低ＰＥＲですね。去年の比較では転換社債が要因では？という指摘もありましたが、どうなのでしょう。安定成長株なんですけどね。アイケイは比較的成長率高いですが、ＰＥＲ２０倍でそれなりに評価されています。この業界で検討の余地があるのはこんなところでしょうか。前期セシールがライブドアに買収されましたが、今後も業界再編の動きが出てくるのでしょうね。※本日１１月２日（木）より１１月５日（日）まで旅行に出かけます。書き込みのお返事は月曜以降になりますのでご了承ください。

2006年10月31日

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リサイクルショップ業界の比較・２００６年度版

中古・リサイクル業界の比較です。この業界は他の小売業界と決定的に異なるのは扱う商品が「中古」という点です。仕入れ値も売値も商品の状態、需給によりけり。仕入先も販売先も直接消費者。買い付けにも従業員の熟練が必要とされる難しいビジネスなのかな、と思います。また売上規模が大きくなるにつれて良い物（価値が高い商品）が仕入れにくくなるという特性もあります。最近ではネットオークションが競合となりつつあります。今回は８社とりあげています。合計売上高は２期前に△５．４％とマイナス、となっていますが、これはワットマンのリストラによるものでこの影響を除くと＋１１．５％、前期は＋６．６％となります。そこそこ成長している業界であることがわかります。中古本市場規模はブックオフの推定では１０００億円～１２００億円としており、そのうちブックオフのシェアは半数近くとなりますが、将来は３／４程度のシェアを取る計画のようです。また本だけでなく、スポーツ用品、洋服、生活雑貨などリユース５業態ブックオフとともに複合店舗化し、成長を持続させる計画となっています。本は多少物理的に古くなっても普遍性のある内容であれば再度中古市場に出てもある程度売れるのではないかと思いますが、雑貨や服やスポーツ用品などはデザインなど流行があり、仕入れの目利き、データベース構築など高度なノウハウも必要なので一気に拡大というわけにはいかないかもしれまんせん。また今後はさらにネットオークション市場も競合となってきますね。テイツーの売上の伸びの大部分はアイ・カフェ（複合カフェ）事業の伸びによるものです。複合カフェの店舗数は１４店舗から２４店舗へ大幅に出店を増加させています。ただ経常利益は本部移転など経費の一時的な増加により減益となっています。中期計画では翌々期に営業利益を今期予想の８億円から２．５倍の２０億円に伸ばす計画ですが、その増加分のほとんどが複合カフェ事業となっています。＜アイカフェ事業・中期計画＞　　　　０７年２月期　　　　　　０９年　２月期売上　　　４，０００　　　　　　　８，４００営業利益　　　　　０　　　　　　　　　９００９月に業績修正を開示した際、アイ・カフェ事業は実質的に下方修正しています。今期出店した新規店舗の立ち上がりが悪いこと、ＦＣの出店見込み数を減少させています。はたして中期計画は達成できるのか？実現すればすごいことになりますが。コメ兵は主に宝石・貴金属・ブランド雑貨を取り扱う中古店です。現状では地元名古屋地区の売上が７５％を占めていますが関東、関西への進出により次の成長ステージを目指しているようです。前期は新規出店した新宿店の経費増により減益となっています。また今期もその経費をカバーしきれないようで、２期前の利益水準には達しない見通しとなっています。ハードオフは前期既存店の不振、出店予定数の減少により大幅下方修正を出し、今期はほぼ横ばいの計画となっており、成長が鈍化傾向となっています。ただ前期末５４４店舗を２０１３年に１０００店舗とする目標を立てており、成長をあきらめているわけではないようですね。テンポスバスターズは中小飲食店向け店舗設備の中古店です。今期は金融会社、内装会社の子会社化により大幅増収を計画しています。中期計画として前期末４１拠点・売上高７８億円を５年後に１００拠点、２５０億円としています。年に１０店を出す計算になりますが、現時点では苦しそうです。まんだらけは中間決算にて通期予想の上方修正を出しています。既存店の好調、新規出店の札幌店、宇都宮店の好調によるものとのこと。一時期利益が停滞していましたが今期は順調なようですね。増収率・増益率の比較です。上位３社は似たような動きで面白いのですが、３期前は＋３０％前後、その後１０％台に下がり、上位２社は今期予想は１桁成長となり成長鈍化傾向。テンポスバスターズ、テイツーは再び増収率をＵＰさせていますが、両者とも事業の多角化によるものです。経常利益では安定した増益を続けているのはブックオフのみ。８社中５社が減益と前期は厳しい業界環境にあるようです。経常利益率・粗利率・販管費率の比較です。ハードオフはダントツの高利益率です。ＦＣが全店舗の約８割というのも要因でしょうか。ただ利益率が毎期悪化傾向にあります。粗利率はほとんど変化がなく、販管費率が大幅に悪化しています。もともと各店舗で買取、販売を完結させることによりローコストを実現していたのですが、これが崩れてきているのでしょうか。また店舗あたりの平均売上が落ちてきているのかもしれません。逆にブックオフが毎期着実に利益率を上昇させてきています。粗利率は悪化傾向ながら、販管費率が下がっていますね。フランチャイズの増加によるものでしょうか。テンポスバスターズとコメ兵は利益率が安定してません。テイツーは利益率が悪化傾向です。粗利率が毎年悪化しています。これは粗利額の２／３を占める中古品の粗利率が悪化傾向にあることと（中古ゲームの構成比が高くなっているので恐らくこのため？）、粗利率自体が低いアイカフェ事業の構成比が高まっているためです。ただアイカフェ事業の粗利率は前期改善しています。（５．８％→１５．４％）キャッシュフローの比較です。ブックオフ、ハードオフともに安定したフリーＣＦを稼いでます。テイツーは逆に投資先行型です。在庫回転期間の比較です。テイツーが驚異的な在庫の少なさです。テイツーの売上構成の特徴は新品ゲームが半分を占めているところにあるのですが、このあたりが要因なのでしょうか？毎期減少傾向にあるのはＦＣ店の増加のためと思われます。リサイクル業界は全体的に在庫が多い傾向ですね。まんだらけの在庫はすごいですね。小売業界一ではないでしょうか。マニアックかつ品揃えを豊富にしているというところでしょうか。既存店の比較です。テイツーは古本市場の数値ですが、今期は絶好調ですね。ＤＳのソフトが好調なようです。アイカフェ事業も１０５％となっており、そこそこ好調なようです。ＰＥＲの比較です。１０／１１終値ベースです。テイツーが一番低ＰＥＲとなっています。これは前期決算の下方修正など、成長性の鈍化懸念で悲観されている状況だと思います。古本市場は今後年率５％と低成長を計画しているのに対し、アイカフェ事業は５０％成長を計画しており、このアイカフェ事業の成り行き次第ですね。同社は比較的ＩＲ資料が充実しているので、月次での出店状況、既存店売上次第ではおもしろそうです。個人的には複合カフェは利用したこともないし、あまり興味ないのでよくわかりません。いったいどういった人たちが利用してるんでしょうね。コメ兵も比較的割安な水準です。首都圏への展開次第ですね。ハードオフは成長鈍化によりＰＥＲも切り下げています。個人的にはハードオフに行く位ならヤフオクで売り買いするのであまり高い評価はできないです。ブックオフはＰＥＲ２２倍と、適正水準でしょうか。利益率も毎期上昇傾向ですし、毎年５～１０％成長を続けられるのであれば長期保有でよさそうです。

2006年10月15日

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家具業界の比較

家具専門店の比較です。この業界は「雑貨専門店」「ホームセンター」とかぶる業界ですが、ある程度家具を専門に扱う会社をとりあげてみました。今後の家具業界は今後はイケアを抜きには語れなくなるのかもしれません。イケアは世界33カ国に231店舗を持ち２００５年度８月期の売上高は１４８億ユーロ、約２．２兆円という超大企業です。日本1号店船橋店は4/28に4万平米の巨大店舗を出店しています。9/15には横浜店、さらに０８年には神戸へ出店を計画しているようです。デザイン、低価格が強みでありコンセプトが近いニトリとの競合が言われています。家具・インテリアの商品構成が４０％を占める島忠、家具・ホームファッション用品の構成比が２５％を占めるナフコを加えています。表中ではナフコが売上高１位となっていますが、家具・ホームファションの売上は４７，７８９百万円、また３位の島忠の家具・インテリアの売上高は５１，０３３百万円となっています。ニトリは北海道を地盤として２月末で１３０店舗を展開していますが北海道の店舗数は１９店に対して関東には４６店、中部１４店、関西２２店、福岡９店と本州が出店の中心となっています。大塚家具は売上高は２０００年まで毎期１０％成長を続けてきましたが、それ以降、横ばいで停滞。また今期中間時点で１６店舗のショールームを展開しています。最近１年でスクラップ＆ビルドを積極的に実施しており、吉祥寺、横浜、大阪なんばのショールームを閉店し、日本橋、横浜アウトレット、所沢アウトレットを１２月～５月に出店したほか、今後２年で日本橋ショールーム、名古屋栄ショールーム、仙台ショールームが出店予定となっており、再び成長路線に乗ることができるかどうかですね。カッシーナも２期前をピークに伸び悩んでいる状況です。上記のほか、生活雑貨で取り上げた良品計画、バルスでも家具が主力商品となっており、以下の売上規模となっています。良品計画（ファブリックス、ファニチャ）３６，１１０百万円　06/02バルス（インテリア）　９，３２２百万円　06/01増収率・増益率の比較です。ニトリが売上・利益とも毎期２０％前後の高成長を持続しています。専門店でありながら１５００億円を超えてもなお高成長を持続できるというのは強いビジネスモデルを持っているからこそでしょうか。ニトリ以外は伸び悩みですね。経常利益率・粗利率・販管費率の比較です。ニトリが１２．１％でトップ。ただ３位までとほぼ変わらない利益率となっています。４期前は１０．２％であり毎期徐々に利益率を改善させていますね。実は粗利率が毎期悪化しているのですが、それ以上に効率化を図り販管費率を低下させています。カッシーナも毎期利益率が改善傾向です。一方で島忠は４期前の１２．２％から前期１０．１％となり徐々に利益率が低下傾向です。粗利率は改善しているのですが、販管費比率が上昇、これは既存店の伸び悩みにより坪あたりの売上が徐々に落ちてきていると考えられます。ナフコ、島忠はホームセンターが主体の会社なのでローコスト、低粗利の構造ですね。キャッシュフローの比較です。ニトリが安定して営業ＣＦを稼いでいますが、投資ＣＦはそれ以上に発生しており高成長を維持するために積極投資をしていることがわかります。ニトリと同様に出店を続けるナフコも投資ＣＦがやや上回る傾向です。逆に大塚家具は店舗数が増加していないので、フリーキャッシュフローが大きい状態です。在庫回転期間の比較です。島忠が最も在庫が少ないです。ただ毎期徐々に増加傾向となっているのが気がかりではありますが、基本的に効率経営徹底していると言えそうです。ニトリもほぼ同様の在庫効率ですね。こちらは減少傾向です。大塚家具が約半年分の在庫を抱えています。巨大なショールームに多くの品揃えをしていることがこの数字となっているのでしょうか。常識的にはリスクがると言えますがこれが商売上の強みとなっていると考えられるので、一概に良い悪いはいえないと思います。ＰＥＲの比較です。カッシーナが最も低ＰＥＲです。業績が伸び悩んでいることもあり、妥当な水準と言えなくもないですが、相対的にはもう少し評価されてもよさそうです。ナフコはホームセンターの回のコメントをご参照ください。島忠は業績も停滞気味なのですが、比較的高ＰＥＲですね。有名企業だからでしょうか。大塚家具も直近の業績は伸び悩みですが、それなりのＰＥＲ評価です。ニトリは２０％成長を持続している成長株ということもありＰＥＲ２２．８倍は妥当な水準と言えそうですが、大塚家具、島忠などと比較するともう少し評価されてもいいのかも、と思います。それにしても小型株は異様に弱すぎですねー。今年は確実に会社予想に対して大幅な上方修正が見込める会社を主力にしているのですが、この作戦も全然ダメですね。先月のタビオ、今日のパスポートと相当のサプライズ決算のはずなのですが、高値をつけるのは一瞬ですぐに株価も元通り。ワッツもチムニーも上方修正にもかかわらずすぐに株価が下がっています。全体のトレンドには逆らえません。上方修正直後に一旦売り抜けるしかないですね。

2006年10月02日

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メガネチェーンの比較・２００６年版

メガネチェーン業界の比較です。市場規模はビジョンメガネの資料によれば２００４年度は５９９２億円となり前年比で＋３．７％と２００３年度の底から回復傾向にあるようです。これは低価格ショップの流行による２００２年～２００３年の市場規模の縮小に対して、２００４年は低価格ショップで買った客の買い替え時期にあたったと説明されています。実際、低価格ショップの店舗数がどの程度あるか、ですがが、店舗数が開示されている以下の４店舗で１４３店舗、一方で上場５社の店舗数合計は２８１５店舗であり、これだけで５％、低価格ショップの業界全体への影響はそれほど大きくなさそうなんですけどね。＜主な低価格ショップ店舗数＞ハッチ　　　　　４５店オプトレーベル　１９店アルク　　　　　４３店マックスエー　　　　？ゾフ　　　　　　３６店＜上場企業店舗数＞三城　　　　　１０５５店（国内）メガネスーパー　５２２店メガネトップ　　３９６店愛眼　　　　　　２９２店ビジョンメガネ　２５８店（合計　　　　２８１５店）※9/29　daikoroさんに教えていただき、今年新規上場したジェイアイエヌを　　　　比較に追加しました。コンタクトレンズが主力の日本オプティカルも含めて７社取り上げています。６社合計の売上高は約２０００億円、前年比＋３．５％とわずかに成長しています。一方で経常利益は△９．４％と前年割れ。６社中４社が減益となり、非常に厳しい市場環境にあると言えそうです。売上高トップは三城で、過去３年ほど売上、利益とも横ばいで安定しています。時価総額は１１００億円と他の５社を大きく引き離し、高く評価されていることがわかります。メガネトップは今期に入ってから完全に業績が回復、時価総額も業界２位となっています。日本オプティカルは今期予想売上が２１６億円ですが、３年後の２００９年度に今期予想の２倍の４４０億円、経常利益は４倍の４２億円を目指す超強気の中期経営計画を開示しています。これが実現すればすごいことになりますが、同社は１年半前に発表した中期計画の２００６年度を下回っていますので、あくまでも目標程度にとらえるのがよさそうです。ちなみに強気計画の主要戦略がドラッグストアと連携した小さなコンタクトレンズショップの大量出店のようです。同社の販売するコンタクトレンズのうち、使い捨てタイプが半分以上を占めているようなので、ドラッグストアにしても来店頻度が高まり、ＷＩＮ－ＷＩＮの関係となる、ということなのでしょう。ビジョンメガネは期初の経常利益予想の１３．５億円を１Ｑ決算で５億円へ下方修正しています。低価格帯の価格競争が厳しく売上が低迷したということのようです。今年新規上場したジェイアイエヌが売上高がたったの２９億円と小規模な会社です。ただ前期から急成長を遂げており、小売業の上場のタイミングとしてはかなり理想的な時期だと思います。ジェイアイエヌの販売形態は基本的にはZOFFなどと同様販売価格を４タイプに絞った低価格ショップです。商品はファッション性を追求し、頻繁に買い換えるファッションアイテムという新しいコンセプトでリピーターを増やしているようです。また企画・製造・販売を手がけるメガネのＳＰＡというのも特徴です。増収率、増益率の比較です。増収率・増益率ともにジェイアイエヌがトップ。売上が２倍、利益が３．３倍になっています。企業の成長の初期段階ですね。今期予想でも３３％増収、２２％増益と高い成長率を予想しています。コンタクトレンズショップの日本オプティカルが１０％以上の成長を持続。今期も１２％成長予想ですが、医療費改正の影響もあるようで、６月の中間決算では売上高を下方修正、８月累計でも５％増収にとどまっています。ただ売価のコントロール、販管費抑制により利益はなんとか確保しそうです。メガネトップが前期１３％増収となりメガネチェーンではトップ。前期は販売子会社の売上が順調だったようです。経常利益については前期は減益ですが、今期は既に上方修正し前期比４倍の予想と爆発しています。その他４社は売上高はほぼ横ばい、経常利益はビジョンメガネ以外は減益と不調です。経常利益率・粗利率・販管費率の比較です。利益率トップがジェイアイエヌ。約２０％と小売業としても限界の超高収益。この要因ですが、粗利率は６４％他と変わりません。一方で販管費率が４４％と他を引き離して低いです。この要因は何点か考えられます。・在庫回転月数が１．６ヶ月→年間７．６回転であり業界平均の３回転の倍以上の　　在庫効率。つまり１商品あたりの単価・粗利額は低いものの１店舗・１人あたりの　販売数量が多く、結果的に粗利額を多く稼ぎ、相対的に販管費比率が低くなる。。・会社が若く、平均給料が２７８万円と安い。（今後売上比率が増加する可能性あり）・出店立地はショッピングセンター等のインショップが多い。出店コストが比較的　安い。在庫効率から見ても他のメガネチェーンとは明らかにビジネスモデルが異なっているということがわかります。三城が１４．５％と高利益率を維持。６社平均が９％なので１．５倍ですね。これは粗利率は２位とそれほど高くないですが、販管費率が下から２番目と非常に低くなっています。これは高い客単価が要因です。日本オプティカルの資料によれば、２００４年は三城が約３万５千円、愛眼が２万９千円となっています。他のチェーンはこれらより低そうなので三城が客単価は業界トップと考えてよさそうです。坪当たり、また従業員１人あたりの売上額、粗利額が大きく、相対的に販管費率が小さくなり、経常利益率が高くなっています。ビジョンメガネが毎期大きく改善させており前期は８．２％となりましたが、今期は失速、３．３％予想となっています。メガネスーパーは２期前は１０％と高い利益率となりましたが、前期、今期とやや悪化しています。メガネトップは前期まで毎期利益率が悪化していましたが、今期は６％まで急回復しています。同社は過去３年で利益構造を大きく転換してきており、粗利率は７０％からメガネ５社中最低の６３％へ低下、一方で販管費も６７％から６２％へ削減しています。つまり低価格戦略にたえられるローコスト体質に変わりつつあるところに、昨年からの低価格戦略が当たり前期下期から既存店が大幅回復しました。過去数年の経営改善が実を結んできていると言えそうです。キャッシュフローの比較です。さすがに三城は安定した営業ＣＦ。それに加え、ほとんど投資ＣＦがなくキャッシュがたまりまくる構造です。おいしい商売ですね。それ以外の会社は既存店の改装など積極投資の傾向です。在庫の比較です。業界全体で在庫回転日数の平均が下がってきています。業界全体で経営の効率化が進んできているようです。特にメガネトップと三城は毎期減少傾向にあります。逆に増加傾向なのがメガネスーパー。過去２年利益率も悪化傾向にあり、経営状態が伸び悩んでいることが在庫を見てもわかります。日本オプティカルは主力商品がコンタクトレンズということもあり在庫が少ないです。既存店の比較です。何度も出てきますが、メガネトップが爆発。日本オプティカルも好調維持。逆にビジョンメガネは大不振、三城、メガネスーパーも苦戦していますね。ＰＥＲの比較です。今回からMakkyさんの要望によりEV/EBITDAを加えています。業界平均ＰＥＲは１５倍と割安な業界です。メガネスーパーがＰＥＲ（調整）１１倍で最も低ＰＥＲです。利益がマイナス傾向なので仕方ないでしょう。ビジョンメガネが調整ＰＥＲ１１．５倍と低い評価。こちらも今期業績が大幅悪化で悲観されています。日本オプティカルがＰＥＲ１４．６倍。株価は今年に入って大暴落しています。昨年上げすぎの反動もあるかもしれません。ただ売上の伸びが月次で５％に留まっており、成長を疑問視されていることも考えられます。中期計画は超強気なのすが、だれも信じてないんでしょうね。メガネトップは昨年まで万年低ＰＥＲ株だったのですが、今年の業績改善によりそこそこ高く評価されていますね。三城は低成長ながらＰＥＲ２１．５倍と非常に高い評価です。ただ高い利益率と比較的キャッシュリッチ体質なことからEV/EBITDAは約６倍とそこそこ割安となっています。ジェイアイエヌがＰＥＲ３６倍と高い評価。上場直後はＰＥＲ２０倍そこそこだったんですよね。あっと言う間に人気化してしまいましたね。今後どこまで成長が続くかですね。主店地域はまだ群馬・栃木など地方都市がメインであり出店余地は問題なさそう。現状の利益率を保つためにはリピーターに常に買い替えてもらう必要があり、常に新鮮なデザインの商品を投入し続けられるかが今後も好調を維持できるかの鍵となりそうです。顧客ターゲットは現状ではファッション感度の高い層だと考えられるのでターゲットはニッチ市場と言えそうです。それにしてもＲＯＡが２０％と化け物級です。会社規模が小さいということもあるのでしょうが、設備をあまりもたないこと、ローコスト経営、在庫高回転による高収益などによるものです。いつまで続けられるかですね。

2006年09月28日

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靴専門店の比較・２００６年版

靴専門店の比較です。靴小売の市場規模をネット上で調べようとしたのですが、よくわかりませんでした。今回は靴関連小売の上場企業を６社取り上げています。今年は婦人靴が主力のビューカンパニーが新規上場しています。チヨダがダントツの売上です。東京靴流通センター、CHIYODAなどの店舗を展開しています。ただ売上は停滞、減少傾向にあるようです。あのじみ～な店がこんなに大企業だったんですね。利益は改善傾向です。エービーシー・マートが２位。売上は６６０億円なのでそれほど大きくないですね。この業界は他の業界に比べて大企業が少ないです。流通チャネルが専門店より百貨店、スーパーが主流だからでしょうか？ただ経常利益は１５６億円とアパレル関連としてはかなり上位です。時価総額は２０００億円と大きく、アパレル関連ではユニクロの１兆円、しまむらの４千億円、オンワードの２．７千億円、青山の２．４千億円に次ぐ規模で高い評価です。成長性、ビジネスモデルの強さを評価されているのでしょう。リーガルコーポレーションが３位ですが、卸売りが主体で、売上比率は以下の通り約１／３です。小売　30.8%　　卸売　66.3%近年は卸売りが小売店のＰＢ化で不振で、小売事業を伸ばしているようです。ツルヤが４位。全国のショッピングセンターなどにＡＳＢｅｅなどの店舗を展開しています。店舗自体はエービーシーマートに近いのでしょうか。大量出店を続けています。卑弥呼、ビューカンパニーが１００億円で並んでいます。卑弥呼は過去3期は売上利益共にほぼ横ばいです。ビューカンパニーは毎期順調に成長を続けています。比較的若い女性向けの靴が主力でショッピングセンター等に出店する形態で、大阪を中心に出店を拡大しています。中間時点で97店舗を出店していますが、200店舗体制へ向けて出店にまい進すると強気な姿勢を見せています。今後は関東への進出がカギとなりそうです。が、22日にいきなり下方修正出しています。認知度向上の為に販促費の増加、新規出店数の増加による経費増とのこと。これが事実であれば株価動向次第では買い場なのですが。増収率・増益率の比較です。ＡＢＣマートが高い成長を続けています。ただ今期は伸び率が落ちる計画です。ナショナルブランドとの共同企画など規模のメリットを生かしていますね。次いでツルヤ靴店、ビューカンパニーともにも１０％超の高い成長を続けています。この3社のような比較的若い世代にターゲットを絞ったスポーツ・カジュアル中心の靴ディスカウント店の市場が伸びているということになります。百貨店やスーパーなどの販売チャネルから客を奪っているということでしょうか。ツルヤ靴店は前期の経常利益はＰＢ商品比率上昇に伴う原価率改善により大幅増益となっています。下位3社の売上はほぼ横ばい。スポーツ・カジュアル専門店と２極化していますね。経常利益率・粗利率・販管費率の比較です。ＡＢＣマートと卑弥呼が異常なほどの高利益率となっています。他の４社とは同じ靴屋と思えない利益率ですね。これは粗利率が他の４社と大きく異なり、高粗利率を実現しているところにあります。要因ははっきりとはわかりませんが、やはり自社ブランドの比率に起因するものでしょうか。特に両社とも毎期大幅に粗利率が改善しており、ＡＢＣマートは３期前に比べて３．３％も上昇しています。利益率の高いＢＰ商品比率の拡大、また利益率の高いレディース商品への注力によるもののようです。ちなみに２３％という高い経常利益率は小売業全体でもトップです。ちなみに経常利益率が２０％を超えている会社はサンマルク、日本レストラン、ポイント、ツツミ、ユーエスエス、そしてＡＢＣマートの６社しかありません。上記２社のほか、ツルヤ、ビュー、チヨダも利益率が毎期上昇傾向です。販管費率はツルヤが最もローコスト、ＡＢＣマートが中間ビューカンパニーが高いです。人件費、家賃ともにビューカンパニーの比率が高いんですね。これはツルヤは郊外型店舗であるのに対してビューカンパニーはインストア主体なのですが、出店しているテナントが賃料が高いのでしょうか。キャッシュフローの比較です。全体的に投資ＣＦの２倍前後の営業ＣＦを稼いでいますね。かなり儲かる商売のようです。ＡＢＣマートは利益率が高いので当然として、利益率があまり高くなく成長率もそこそこ高いツルヤ、ビューカンパニーでもキャッシュフローに余裕がありますね。在庫回転期間の比較です。卑弥呼が極端に在庫が少ないですね。しかも毎期減少傾向です。非常にマネジメントレベルが高い会社なのではないかと思います。ファッション性が高く季節商品であることも要因でしょう。それでもアパレルの小売企業でも１ヶ月を切っている会社はないので独自のノウハウがあるのかもしれないです。ビューカンパニーも比較的ファション性の高い商品のようなので在庫が少ないということでしょうか。逆にチヨダの在庫の多さはどうなんでしょうね。定番品が多いということなのでしょうが、経営効率悪いような気がします。ＰＥＲの比較です。９／２２終値ベースです。６社平均で調整ＰＥＲ１８．８倍となっており小売業としては比較的割安な業界です。ツルヤが最も低ＰＥＲです。１Ｑ決算前年比減益とイマイチで悲観されているようです。ただ２Ｑは+７％の増益なのでそれほど不調というわけでもなさそうです。中間決算のみ下方修正しており、通期は下方修正していませんが、中間のマイナス分を考慮すると会社予想ＰＥＲ１３倍程度となります。ただそれでも２桁成長を続けていることを考えるとかなり割安な水準ではないかと思います。ただ最大の難点は流動性でしょうか。１３日以降１０日近く出来高がないんですよね。卑弥呼が会社予想ＰＥＲ１４倍。成長性からは妥当な水準でしょうか。財務のよさ、経営効率の高さからもう少し評価されてもいいかもしれないです。リーガルコーポが１５倍。妥当な水準なのでしょうか。最近力を入れている小売事業次第でしょう。チヨダも妥当な水準と言えそう。ビューカンパニーはＰＥＲ２２．５倍ですが、２２日に下方修正したばかりであり、月曜以降の株価次第ではもう少しＰＥＲが低くなると思います。下方修正前ではＰＥＲ１５倍です。下方修正の内容は業績不振ではなく先行投資によるものという説明ですのでこれが本当であれば月曜以降の株価次第では買い時かもしれません。個人的には月次開示がないので手を出しにくいです。ＡＢＣマートは十分高い評価を与えられていますね。

2006年09月23日

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ホームセンター業界の比較・２００６年版（２）

経常利益率・粗利率・販管費率の比較です。経常利益率の業界平均値は４期前の３．１％から徐々に悪化し２期前は２．１％となりましたが、前期は２．４％に回復しています。それにしても利益率が低い業界です。過当競争であることがわかります。この業界では経常利益率３．５％くらいあれば十分優良企業と言えそうですね。家具を中心に取り扱う島忠・ナフコの利益率が高くなっています。島忠は１０％を超える利益率ですが、年々悪化傾向にあります。粗利率は改善傾向にあるものの販管費率は年々悪化しています。店舗当たりの売上が悪化傾向にあるのかもしれません。逆にナフコは利益率が改善傾向にあります。上記家具系を除くとコメリが飛びぬけて高い利益率であり、しかも年々上昇傾向にあります。粗利率はやや低下傾向ですが、販管費率が低下傾向です。１店舗あたりの売上が少ないかわりに、自前の物流システム、情報システムを構築し店員の作業効率を高めているようです。ＤＣＭＪＡＰＡＮの３社、カーマ、ダイキは売上は減少傾向にあるものの、利益率が大きく改善傾向です。これはＰＢ比率を高め、粗利率が改善しているためです。ホーマックも前期は粗利率が２％も改善、結果的に経常利益も大きく改善しています。アークランドサカモトは５％前後で比較的安定しています。ハンズマンは２期前までは５％を超える高レベルで推移していましたが、前期は３．２％と大きく悪化しています。既存店が前年割れしたこと、また大野城店出店の一時費用のためということです。上場企業中売上高トップのコーナン商事は利益率が年々悪化傾向にあります。これは２期前に既存店が悪化し、相対的に経費比率が上昇したこと、また短信によれば遠隔地出店による賃借料上昇、人件費上昇によるもののようです。今期も回復の兆しが見られず、下方修正しました。比較的成長率の高いダイユーエイトは２期前に０．９％まで低下しましたが、前期は１．８％に回復、今期予想で２．２％を目指します。今のところ１Ｑ決算でも前期１Ｑの１．３％に対し２．４％と好調のようです。年々赤字幅が広がるナカイは６月に四国以外の名古屋、岡山などの１５店舗をドンキホーテに売却し、足元を固める経営改善に取り組むようです。キャッシュフローの比較です。コメリが非常に安定した営業ＣＦを稼いでいます。そのキャッシュを全て出店に回している状況です。このほか、上位５社は営業ＣＦが安定しています。コーナン商事は投資ＣＦが大幅超過。無理な拡大路線を続けているように見えますがどうでしょう。ダイユーエイトも同様ですね。在庫回転期間の比較です。ダイヤ通商の在庫が少ないのは事業の半分がガソリンスタンドだからです。マキヤも少なく、年々減少傾向ですが、これはホームセンター事業から総合ディスカウントストアに業態転換、さらに業務スーパーを展開しているためです。島忠も３位と少ないです。もうひとつの家具系のナフコは４ヶ月ですが、同じ家具店でこんなに差があるのは何ででしょうかね。利益率も高いですし、効率経営を徹底しているということは言えます。ハンズマンは４．３ヶ月と非常に在庫が重いです。ここは品揃えが命のビジネスモデルで成功してきており、単純な比較はできないかもしれません。コメリが最も在庫が重いです。ここは他のホームセンターとは商品構成が違っており、農家向けの商品（工具・金物）に比較的特化していること、店舗当たりの売上が小さいことによるものです。在庫効率が悪い代わりにローコスト経営に徹して、高収益を維持しています。既存店の比較です。月次開示会社は７社のみです。もう少しあるといいんですけどね。ハンズマンが絶好調。既存店１０８％はすごいです。アークランドサカモトも１０２％と好調、コメリも安定しています。ＤＣＭのホーマック、ダイキは厳しい状況です。ＰＥＲの比較です。９／１３終値ベースです。業界平均ＰＥＲ（調整）は２０倍と低成長業界としてはそこそこ高いですが、ＰＢＲ平均は１倍を切っており、妥当な評価を与えられていると言えるかもしれません。ダイユーエイトが最も低ＰＥＲです。成長率が比較的高い会社なのですが。財務が悪すぎることが低ＰＥＲの要因でしょう。利益率は毎期改善傾向、もう少し営業ＣＦを稼いで財務が改善してくれば面白そうです。エンチョーは減収傾向、利益率も低い、財務も悪い、ということで妥当な評価でしょうか。セキチューも同様に減収傾向、利益率低いということで妥当な評価でしょうか。アークランドサカモトが会社予想ＰＥＲ１３．８倍と低ＰＥＲ。１Ｑ決算がやや悪かったことが要因でしょうか。３月出店の「フードデポ神戸みなと店」の立ち上がりが悪いようです。ただ８月累計では月次を見る限り売上はほぼ計画線上であり、既存店も好調でもう少し見直される余地はありそうです。ナフコが５番目。財務がよく、ＲＯＡも同業でトップです。５％前後とやや低いながら安定して成長を続けており、優良企業と言えると思います。１Ｑ決算でも好調を維持しており、今のところ業績不安もないですし、同業と比較してももう少し見直される余地がありそうです。サンワドーはマイナス成長組み。タカショーは原材料上昇の影響か１Ｑでは原価率悪化で利益が圧迫されているようで、中間に対する進捗が良くないです。会社予想を若干下回る可能性もあり、現状では妥当な線でしょうか。マキヤは１Ｑ決算も前期比減益と不調、直近の業績からは妥当なところ。コーナン商事は売上は伸びているものの利益がマイナス傾向で、今期既存店も不振、ちょっと買えそうにないですね。ハンズマンは逆に今期は絶好調、中間の予想売上伸び率１１１．７％に対して２ヶ月だけですが、１２７．７％です。実質的なＰＥＲは１３～１４倍くらいでしょうか。ただ過去の月次を見る限りは好調が長く続くケースは少なく、急に調子が悪くなることも多いので、毎月のチェックが欠かせませんね。ある程度差別化された業態のようで、比較的競争力もありそう、また店舗数も少ないため成長余地もあり、長期で保有しても面白そうです。くろがねやは成長性なし、ＰＥＲ１７倍は妥当でしょう。ＰＥＲ２０倍以下だとこんな感じですかね。コメリは成長率が鈍化傾向ながらＰＥＲ２２倍と比較的高い評価です。ビジネスモデルの強さを評価されているのでしょう。ＤＣＭのＰＥＲは３社の統合前の中間期までの純利益＋統合後のＤＣＭとしての純利益を単純合計して算出しています。業界トップだからか、高い評価ですね。高ＰＥＲのカンセキ、ジュンテンドー、ダイヤ通商はＰＢＲが異常に低く、ＰＢＲが株価の下支えとなっている感じでしょうか。２期前は２２社中１４社が減益と業界全体が絶不調でしたが、前期は１５社が増益と復調傾向です。１年前同様の比較をした時は全く検討するに値しないダメな業界だと思っていましたが、今年は面白そうな会社がいくつかありそうですね。

2006年09月16日

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ディスカウントストアの比較・２００６年版

ディスカウントストアの比較です。上場企業８社を取り上げています。売上高合計は毎年５％前後伸びていますが、ほぼドン・キホーテの分です。経常利益は２年連続マイナス。ディスカウントストアという業態自体が衰退業界と言えそうです。カテゴリーごとのディスカウンターが出てきたことが要因でしょうか。ドラッグストア、ユニクロ、ヤマダ電機、１００円ショップ、トライアルカンパニー・大黒天などの食品ディスカウンターなど。ドン・キホーテは今期予想で売上が４期前の約２倍に成長です。この規模になってもまだ成長し続けており、強い競争力を保っていることがわかります。増収率・増益率の比較です。スーパーセンター、ＰＬＡＮＴが＋１５％で１位、今期も２店舗出店、売上＋２１％と高成長の予想です。ただ経常利益は４期連続の減益と厳しい状態が続きます。日本にはやはりスーパーセンターという業態が成り立つような本当の田舎は存在しないのでしょうか。ドン・キホーテが＋１２％。経常利益は２期前は放火事件で伸び率鈍化しましたが、前期、今期予想と２桁成長です。規模が大きくなりさすがに２０％成長は困難なのでしょうけど、２桁成長を続けているのは立派ですね。最近開発した新型コンビニの行方を見守りたいです。サンクスジャパンが毎期５～６％の安定成長です。利益は２期前に競争激化で減益となっています。前期以降徐々に利益も回復傾向のようです。このほか、やまやがかろうじて成長を保っていますが、それ以外は毎年売上を落としており、負け組みと言えるのかもしれません。経常利益率の比較です。平均利益率も２年連続悪化しています。ドン・キホーテも３期前までは６％台でしたが、５％台へ下がっていますね。ドンキに限らずどの会社も利益率は悪化傾向なのですが、ジャパンだけは利益率が回復傾向にあり、３期前の２．６％から前期は３．４％へ改善させています。粗利率・販管費率の比較です。粗利率の平均は２０％で３年間変わらず、販管費率は前期１８．６％と小売業としては当然低いながら毎年上昇しています。これは売上の伸び悩みによる相対的な比率上昇と考えられます。粗利率・販管費率ともほぼ同じ順位となっていますね。同じディスカウントショップでも比率には大きな差があります。本当のディスカウント店と言えるのは粗利率２０％以下の４位以下の会社ではないかと思います。サンクスジャパンは粗利率１４．２％、販管費率１２．６％という驚異的な低さですね。上場小売企業中でも恐らくＮＯ．１でしょう。店を見たことないですがどうやって運営しているのでしょうか。商品構成を見ると食品、化粧品が上位でドラッグストアと似ていますね。九州なのでコスモス薬品と競合しているのでしょうか？それと販管費率が毎期上昇傾向なので店舗当たりの売上が伸び切れてないのかもしれません。やまやもサンクスＪＰと同じくらい低粗利・低コストです。新宿の店舗によく行きますが、賃料高そうですけどね。恐らく郊外立地がメインなのでしょう。値段は驚くほど安いですね。さすがに。キャッシュフローの比較です。ドン・キホーテの投資ＣＦは前期オリジン株の売却益によりプラスです。営業ＣＦはきれいに伸びていますが、２期前、３期前の投資ＣＦは大幅に上回っており、かなりの強気投資です。ＰＬＡＮＴも毎期投資ＣＦが営業ＣＦに対し大幅超過。ここまでくると出店より既存店舗の立て直しが優先のような気もするのですが。サンクスジャパンの営業ＣＦが大きくマイナスですが、これは仕入れ債務の支払期日の問題のようです。Ｍｒ．ＭＡＸ、カウボーイは成長がないだけありキャッシュがたまる構造になってます。在庫回転期間の比較です。カウボーイがほぼ半月とかなり少ないです。これは商品構成が食品主体というところによるものです。このほかはドン・キホーテを除き各社１．５ヶ月前後とかなり少ないレベルであり薄利多売、高回転というディスカウント店の特徴が表れています。ドン・キホーテは価格訴求・利便性を追求したディスカウント店というより時間消費型娯楽施設というビジネスモデルであり、品揃えの多さが店の魅力ですので、単純な比較はできないと思います。既存店の比較です。Ｍｒ．ＭＡＸが今期絶好調ですね。またやまやも１０３％と好調維持。最後にＰＥＲの比較です。この業界はドン・キホーテ以外は全社ＰＢＲ１倍割れとなっており、一見割安な業界、実際はＲＯＥが低く効率の悪化した衰退産業ですね。サンクスジャパンが相変わらずの万年低ＰＥＲです。１Ｑ決算があまり良くなかったということも一つだと思いますが、ここまでのＰＥＲの低さの理由はなんでしょうね。利益が２期前に大幅減益となったことが市場の信頼を失ってるのでしょうか。月次は今のところそこそこ順調のようですけどね。ジャパンは２番目に低ＰＥＲです。スギ薬局の子会社となりました。スクラップ＆ビルドで経営改善を図っているようで、ドラッグストアに近い業態を出店していくようです。ここは売上は減少傾向ですが、利益率は唯一改善していっており、これで売上も安定してくれば面白そうですね。やまやがＰＥＲ１６．７倍。成長性から見れば妥当な評価でしょう。ドン・キホーテもＰＥＲ１６倍台。１株利益の希薄化考慮するとＰＥＲ１８倍ちょっととなります。ビジネスモデルの独自性また成長性からはもう少し評価されても良いのではないかと思います。これ以外の会社は利益水準が低く、恐らくＰＢＲが下支えとなっているのではないかと思います。しかし最近は全体相場に関係なくいきなり暴騰してすぐ戻ってしまう銘柄が毎日いくつかありますね。小売ではくらとか三光マーケとか。今日は持ち株のひとつオンリーも。これをボックス圏の仕手株相場と言うのでしょうか。小型割安銘柄が見直されつつある兆候であればうれしいのですけどね。

2006年09月12日

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生活雑貨専門店の比較・２００６年度版（２）

（前回の続き）キャッシュフローの比較です。良品計画が素晴らしく儲けているのが一目瞭然ですね。逆にドンキは相当無理しています。最近は資金調達が頻繁です。昨年のオリジン株売却でも結果的にかなりのキャッシュを得ています。雑貨屋ブルドッグも成長優先で投資先行型です。在庫回転期間の比較です。良品計画が飛びぬけて在庫が少ないです。あれほど多岐にわたる商品群ですが、驚異的な在庫効率です。ほぼＰＢ商品だからでしょう。１００円ショップを除くと４位のサザビーも在庫が少ないです。ここもＰＢ商品が多いことが要因でしょうか？１００円ショップはやはり薄利多売が命だけあって在庫が少ないですね。ただセリアが若干多いです。これは品揃えにも関係する部分なので一概に良い悪いはわからないと思います。バルスも４ヶ月超とやや多いのですが、ここは家具など高単価、低回転の商品も多く取り扱っていること、商品自体も実用品というよりは嗜好品的なデザインの商品が多いのでどちらかといえば高粗利・低回転の商売なのかもしれません。逆に在庫が重いのがヴィレッジＶと雑貨屋ブルドッグ。両者とも年々在庫が増えていってるんですよね。上のキャッシュフローでヴィレッジＶの営業ＣＦが極端に落ちていますが、この大きな要因が在庫の増加です。ヴィレッジＶと雑貨屋ＢＬともに品揃えが店舗の魅力に直結しており、ヴィレッジＶなどは店頭に並べる在庫自体が内装の役割を果たしていますので、これをどう捕らえるかは人それぞれでしょう。ただ売れ残りでも値引き販売はせず、業界の慣習で返品も可能のようなので在庫リスクはそれほどないのではないかと思います。既存店の比較です。ヴィレッジＶが今期も１０３％と好調をキープ。７月までで６５ヶ月連続で既存店前年比プラスという化け物級です。この記録、どこまで続くのでしょうか。店長に対する評価基準が唯一既存店売上前年比ということのようで、その制度が生きています。良品計画も好調が続いています。家具を中心に高単価商品がよく売れているようです。パスポートも前期の後半から回復に転じてきており、今期も好調をキープしています。数年前からの経営改善がようやく効果を発揮してきているのでしょうか。一方で１００円ショップは総崩れ。ワッツはなんとか持ちこたえてますが、キャンドゥが今期はボロボロです。一体どうしたのでしょうかね。市場の飽和で以前にも増して競合が激しくなってきているのだと思いますが、消費者も飽きてきてるんですかね。最後にPERの比較です。８／２３終値ベースです。見事に１００円ショップが低ＰＥＲ上位を占めています。３社の中でも、成長率１位、既存店も一番好調なワッツが何故か一番低ＰＥＲです。今期の２度の上方修正でも全然株価が上がっていません。私もワッツを保有して１年以上たちますが、本当に市場から見放されてますね。規模が小さいということが一番の理由でしょうか。気長に放置状態です。キャンドゥ、セリアは年初はＰＥＲ２０倍近くまで評価されていましたが、成長鈍化、既存店悪化で評価が落ちています。現状ではわざわざここを買う理由はないような気がします。パスポートが４位。調整ＰＥＲ１５倍ですが、３％成長であれば妥当な評価でしょうか。ただ今期は既存店が計画を上回っており、実質的にはＰＥＲがさらに低くなります。サザビーが１８倍。成長率からは妥当なところかなと思います。保有するスターバックス株はＢ／Ｓ上では２８億円ですが、時価評価すると約２９０億円に相当し、これを考慮するとＰＢＲが１倍を切りますのでここを評価するかで見方も変わります。ドン・キホーテが会社予想ＰＥＲで１６倍。潜在株式が１割くらいあるので実質１８倍弱でしょうか。ただ成長性、競争力を考えればもっと評価されてもいいのではないかと個人的には思うのですけどね。バルスが２２倍と手頃な水準になっています。昨年末は狂ったような暴騰でしたが。店舗数も少なく、全国の出店余地を考慮すればそれほど割高な水準でもないように思います。雑貨屋ＢＬはそれなりの評価になっています。３Ｑでほぼ通期予想利益を稼いでいるので上積分を考慮すれば実質的なＰＥＲは２０倍～２２倍くらいだと思います。現在の好調がいつまで続くか、ですね。ここは月次開示がなく、在庫も重いのでちょっと投資するにはリスクが高いです。良品計画とヴィレッジＶがやはり高評価されています。ヴィレッジＶは７月の決算発表直後にＰＥＲ２０倍まで下がったんですよね。あの一瞬を捕らえたかったですね。成長率がやや落ちてきているので今のＰＥＲ水準では割高感は否めないと思います。それと、２ちゃんねるのＴＯＳＨＩさんへ、ご指摘というかアドバイスありがとうございます。私もいつも考えていることではあるのですが、私は難しい？分析方法はさっぱりわからないですし、今の私の能力では長く続けるためには現状が精一杯なので業界の概要を大雑把に把握する、今の方法が投資でどこまで通用するのか試しているところでもあります。もう少しやって結果が出なければ少しずつ変えていくと思います。

2006年08月23日

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生活雑貨専門店の比較・２００６年度版（１）

生活雑貨専門店の比較です。この業界はドラッグストア業界に次いで私の好きな業界です。生活に密着していて身近でわかり易いからです。だからというわけではないですが、この業界は３社（ドンキ、ワッツ、パスポート）に投資しています。昨年同様に私の独断と偏見で比較対象企業をとりあげています。本当は本屋だけど雑貨の売上構成比が７０％と一番高いヴィレッジＶ、何でも取り揃えるドンキ、価格帯が違うだけで商品内容は生活雑貨全般である１００円ショップを入れています。１００円ショップは黄色で色分けしました。生活雑貨業界の市場規模を調べようとネットで検索したのですが、よいデータが見つかりませんでした。恐らく一つの業界として固まっていないのではないかと思います。ただ今後の日本では生活が成熟していくにつれてニーズも高まっていく業界だと思います。想定商品群：家具、カーテン、カーペット、家電、照明器具、食器、キッチン用品、バス用品、洗面用品、寝具、ファブリック類、などを総合的に取り扱う小売店少し前まではは生活雑貨の販売チャネルはデパート、総合スーパー、ホームセンターなどが比重をしめていたのではないかと思います。そのほかは個人経営の雑貨屋でしょうか。この業界の扱う商品は生活に密着しており多岐にわたるにも関わらず専門店の上場企業って少ないんですよね。私の生活圏を見回しても比較的小規模の雑貨店が多いので、今後全国規模のチェーン店がもっと出てきてもいいような気もします。取り上げた１０社の売上高の伸び率は３期連続で＋１０％～１５％前後で推移しており、それなりの成長業界であることがわかります。実質的な業界トップの良品計画でも売上高は今期ようやく１５００億円になろうかというレベル、実質２位のサザビーで８００億円なので、他の小売業界と比べても規模の小さい会社の集まりであり、業界自体が成熟していないのかもしれません。全社合計の経常利益も年々伸び率が低下傾向とはいえ、＋１５％～２０％と高成長を続けています。時価総額は経常利益２位の良品計画がダントツ１位。経常利益はドンキが１位なのですが、それだけこの市場の潜在的な成長性が見込まれているということでしょう。売上高増収率の比較です。まず、売上がマイナス傾向の会社が一つもなく、勢いのある会社が多いことがわかります。生活雑貨店って品揃えにおいて個性を発揮しやすく、差別化しやすい業態だと思うので、一度消費者に受けいれられた会社は長く高成長が続く場合も多いのではないかと思います。おなじみ、ヴィレッジヴァンガードが増収率１位。年率２０％～３０％の高成長を持続しており、小売業界では化け物級です。ただ今期予想は＋２０％とやや鈍化傾向ですが、いつもの保守的予想でしょうか。既存店が今のところ好調維持ですので上振れ余地はありそうです。フランフランのバルスが２位。安定して１５％前後の成長を続けています。今のところ月次の全店伸び率は１０６％と成長率が落ちていますが、９月以降１０店の大量出店を計画しており、成長率も回復しそうです。出店立地は都心から、郊外あるいは地方都市へシフトしていますが、店舗数は９２店舗と少なく、まだまだ全国への出店余地はあるのではないでしょうか。３位はワッツ。２期、３期前は変則決算で伸び率は計算できませんが、過去の月次情報を確認する限りは＋１０％～１５％で推移しています。ただ直近３ヶ月では売上の伸び率が＋５％を切っており、表面的には成長鈍化ですが、今期は出店数７５店に対して閉店数４６店と、不採算店の閉鎖を積極的に進めているためだと思われ、来期以降の収益向上につながってくると思います。４位は雑貨屋ブルドッグ。ここは儲けそこなったいやな思い出しかないです。ここの失敗から、私は店舗の実地見学は投資判断とは切り離すことにしています。小売業の知識もない個人の主観的な印象を投資判断に加えるのは全くあてにならないと思っています。ただどんな会社なのかを理解するために店舗見学はよく行きます。５位はセリア。前期まで１５％前後の高成長を続けてきましたが、今期＋６％と成長鈍化です。６位はドン・キホーテ。売上２０００億を超えてもなお２桁成長を続けられる、その店舗の強さは素晴らしいと思いますね。先週新コンビニを渋谷に出店したとかでニュースになっていましたが、まだまだ未知数です。新規ビジネスへの進出なので、いきなり成功する可能性は低いのかな、とあまり期待していないです。７位は良品計画。４～５年前は一時的に経営が悪化しかけましたが、なんとか立ち直り、再び１０％近い成長路線に乗っています。８位はキャンドゥ。２期前まで＋２０％の高成長を続けてきましたが、前期から急に成長率が鈍化。今期はほぼ横ばいです。セリア、キャンドゥと成長鈍化傾向が顕著になっており、この業界もさすがに飽和状態なのか、それとも消費者の消費傾向が変化してきたのでしょうか。９位はパスポート。成長率が低いながら安定した成長。ただ今期は経営建て直しのため出店をおさえ、既存店の建て直しに注力するようです。１０位はサザビー。売上に占める生活雑貨の比率は約２０％。その他は衣料品が５０％、飲食業で３０％となっています。また主力ブランドのアフタヌーンティは売上の３５％を占めています。最近の売上高伸び率はほぼ横ばいとなっていますが、中期計画では今後安定して１０％成長を目指しているようです。ただ今期は今のところ閉店が多く、売上の伸びは止まっています。経常利益伸び率の比較です。一見高成長企業が多いのですが、利益が順調に伸びる会社はそれほど多くなく、４期連続２桁増益は１０社中良品計画とヴィレッジＶの２社のみとなっています。その良品計画も５期前は減益になっています。雑貨店というのは経営が難しい業態なのかもしれませんね。雑貨屋に比べると同じ成長業界でもドラッグストアは連続増益企業も多いですし比較的経営が容易なのかもしれません。規制業種は得です。セリア、キャンドゥと１００円ショップが上位です。２社とも粗利率の改善が効いているようです。ただ上でも書きましたが今期は成長鈍化傾向であり、キャンドゥは最近下方修正を出し、減益予想となっており、厳しい状況です。３位、良品計画は過去３年で連続して３０％前後の伸び率。後ほど書きますが、素晴らしい経営の改善を見せています。４位バルスも３期前の減益から急速に立ち直ってきています。ワッツは前期はサブ業態のディスカウント店などの不振で減益となっていますが、不採算店の整理をすすめていることに加え、ローコスト化に注力、大幅増益予想となっています。今期は中間、第３四半期と２度上方修正していますが、株価は下げ続けですね。経常利益率・粗利率・販管費率の比較です。小売業の中でもアパレルなどと並んで高収益企業が多いですね。良品計画が１位、しかも４年連続利益率を上昇させています。驚異的な経営の改善具合ですね。これは粗利率の改善、販管費削減、と両方が影響しています。粗利率は特に生産体制を見直したようで、家具は生産工場を大手に絞り受注生産に対応できるようにしたこと、アパレルも店頭での販売状況を見ながら追加生産できる体制を整え、それぞれ売れ残りを減少させているようです。販管費は特に物流の仕組みを徹底的に見直したこと、このほか出店基準を厳格化し、賃料の安い物件に出店を絞っているようです。それにしても改善振りは素晴らしいですね。生活雑貨屋としての利益率の限界に近づいているのではないでしょうか。２位はヴィレッジＶ、昨年は１位でしたが、良品計画とは僅差です。新規店舗の利益がやや落ちたことから、前期から若干落ちているようですがそれでも高収益をキープです。店舗数も２００を超えてきましたが、この会社は店舗ごとのオペレーションを統一していませんので、今後どう店舗のレベルを保っていくのか、というところでしょうか。在庫の管理にさすがに手を焼いているようです。３位はサザビー。前期はやや利益率落ちていますが、それでも高いレベルをキープしています。４位は雑貨屋ブルドッグ。前期までは２年連続利益率が悪化していましたが、今期は完全復調、３Ｑで既に１２．２％という超高利益率を達成しています。特に今期は粗利率がさらに改善、前期の４９．６％から３Ｑ時点で５１．６％と大幅に上昇しています。ＰＢ商品の拡充が一つの要因なのでしょうけど、すごいですね。雑貨屋ブルドッグはある意味オンリーワン企業だと思います。ドンキと同様に深夜営業が特徴ですが、郊外型店舗で深夜営業している雑貨屋ってほかにないんですよね。競合がないので、あんなヘボイ店でもこんなに儲かってしまうということだと思います。今更ながら１年前売ったことが悔やまれます。５位はバルス。３期前は苦戦しましたが、ここも完全復調し、利益も安定してきました。６位ドンキは完全に安定していますね。７位～９位は１００円ショップが並んでいます。キャンドゥが４．５％と最も利益率高いですが、これは販管費率が大幅に低いことが要因です。ただ今期は既存店悪化により予想経常利益率は３．７％と低下です。次にセリアが僅差の４．３％。ここは３期前の２．８％から大きく上昇しているんですね。これは粗利率が大きく改善していることが要因です。そしてワッツが２．９％で一番低いです。２期前は３．６％で１００円ショップ中トップでしたが、最下位転落です。これは不採算店舗の増加と採算が悪いディスカウントショップややすらぎ系の業態の展開も一因ではないかと思います。今期予想では若干持ち直しています。最下位がパスポート。１．２％とダメダメ企業ですね。粗利が５０％近い商売でこれはないでしょう、と思いますが、商品が１００円ショップとかぶっていること、また商品自体にも個性がなく総花的な品揃えで１店舗当たりの売上が取れていないことが要因だと思います。たださすがに経営者も危機感を持っているようで、数年前から経営改善に取り組んでいるようで、商品政策の見直し、具体的には従来の総花的な品揃えから小さな子供を持った若い女性向け商品へややターゲットを絞っていること、また現場への権限移譲によりより地域に密着した店舗つくりを進めているようです。・・・続く

2006年08月23日

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カー用品チェーン業界の比較・２００６年度版

カー用品チェーンの比較です。昨年の私の記事で書いたのですが、この業界は市場の成長は頭打ちで市場規模は毎年１兆１５００億円前後で推移しているようです。全部で９社とりあげましたが、オートバックス系の会社は黄色で色分けしてあります。日ごろ生活していればいやでもわかりますが、店舗数だけだとオートバックスとイエローハットで業界の８割を占める完全な寡占市場となっているようです。小売業のひとつの業界としての完成形というか行き着く先という感じです。それでも売上高は９社合計で＋５．５％、今期予想で＋４．１％とそこそこ成長しています。全社合計の売上高は５千億円で市場規模の４４％程度を占めています。９社の中ではオートバックスセブンが売上高のほぼ半分、経常利益では７割をしめている独占企業であることがわかります。２位のイエローハットは売上高で１／４を占めていますが、経常利益は１２％に留まっています。オートバックスセブンはフランチャイズ利益が大きいということもあるかもしれませんが、やはり規模のメリットを最大限に享受していますね。またこの業界は昨年は近年まれに見る大雪の特需があったことのほか、ＥＴＣ車載機増加などにより、経常利益は９社合計でなんと３６％も増加しています。その反動なのか、今期予想は売上高の伸びを下回る＋３．７％予想となっています。売上高増収率、経常利益増益率の比較です。増収率１位はＧ－７。ご存知の通り、オートバックス事業が伸びているわけではなく業務スーパーの大量出店によるもので、すでに売上高でみればスーパーが主力事業となっています。ただ今期は出店数の伸びが鈍化、１０．６％に伸びが落ちています。２位はバッファロー。毎期大型店舗の積極出店により高成長を続けています。３位以下は比較的安定成長ですが、その中ではフジ・コーポレーションが毎年５％前後の成長を続けていますね。経常利益増益率１位はイエローハット。既存店の改装、不採算店の閉店など経営改善に努めたこともあり大幅増益となっているようです。粗利率の改善が一番大きく効いているようですが、タイヤ・ホイールの構成比が高まっていることが要因でしょうか。２位がアップガレージ。ただ今期は大幅減益予想。四季報によれば「ネットオークションでの中古パーツ売買活発化で仕入れ難と買取価格上昇。利益率低下と前期連結開始したＥＣ事業会社の赤字で営業減益」とのこと。３位のＧ－７を初め、オートバックスセブン、アイエー、バッファローとオートバックス系は比較的好調が続いていますね。モンテカルロは毎年減収減益が続いています。今期は増収増益の計画ですが、相当厳しそうです。どこかに買収されるしか生き残る道がなさそうな気もします。経常利益率・粗利率・販管費率の比較です。オートバックスセブンが１位。粗利率が毎期改善、販管費率は逆に毎年低下、経営改善が着実に進んでいることがわかります。粗利率の改善は高単価のカーナビ、ＥＴＣなどの好調のほか、フランチャイズ向け売上が伸びていることによるものです。２位バッファローは安定して高い利益率を保っています前期までは業界１位の利益率だったんですね。３位アイエーは前期は既存店が大幅に回復し、それに伴って利益率も改善しています。特に粗利率が大きく改善しているんですよね、要因がイマイチわかりませんが。４位フジ・コーポレーションも地味ながら着実に利益率を改善させてきています。ここも粗利率が良くなってるんですよね。特に３期～２期にかけて業界全体で粗利率が大幅に改善しているので何か特殊要因でもあったのでしょうか。この業界に疎いのでよくわかりませんけど。オートバックス系では最も利益率が悪いのがＧ－７。オートバックス事業だけだと８％（セグメント情報ベース）と高収益ですが、業務スーパー事業が利益率ほぼゼロで今のところ足を引っ張っている状況です。この業務スーパーが今後どれだけ既存店を伸ばせるかがカギですね。キャッシュフローの比較です。オートバックスセブンのフリーキャッシュフローはすごいですね。さすがに成熟産業かつフランチャイズ胴元は違います。余った？お金は前期は海外企業の買収などに向けているようです。２位以下は大きく差が開いていますが、どこも改造費用など低成長といえども競争に打ち勝つにはそれなりに投資が必要なようです。在庫回転期間の比較です。Ｇ－７が１位。それも毎期減少させていますが、これは業務スーパーの売上比率が高まり相対的に在庫回転期間が小さくなっているものです。２位はオートウェーブ。前期は在庫増えていますが、それでも業界他社よりはかなり少ないです。決算書みただけだと要因がよくわかりませんが、利益率が低いなりにぎりぎりの管理でしのいでいるのでしょうか。利益率低いので在庫が陳腐化すると赤字転落になりかねません。同様にイエローハットも在庫が少ないです。逆にアイエーが在庫が重くなっています。オートバックス系でも飛びぬけて悪いですね。効率化の余地がありそうです。既存店の比較です。この業界は３社だけしか開示されていません。オートバックスセブンが前期、今期と好調を維持。フジも今期わずかにマイナスながら安定しています。一方でアイエーは前期は大きく回復したものの、その反動か、今期はまたもマイナスに転じています。今日開示された１Ｑ決算もあまり良くなかったですね。最後にＰＥＲの比較です。株価は８／７終値ベースです。この業界は９社中４社がＰＢＲ１倍割れとなっており、割安な業界ですね。モンテカルロは表面上は低ＰＥＲですが、会社計画の未達が想定されているためでしょう。利益が安定していないのでＰＥＲでは評価が難しいかもしれません。アイエーもＰＥＲ７．３倍と超低ＰＥＲですが、今のところ既存店がマイナスで、昨日の１Ｑを見る限り会社計画を１．５億円は下回っていると思われ、実質ＰＥＲは９倍前後でしょうか。それでも低ＰＢＲでもあり全然安い水準ですが。万年割安株ですね。フジ・コーポレーションもＰＥＲ１１倍とかなり割安。毎期利益も改善しているし、売上も５％前後ではありますが、安定成長です。ＰＢＲも０．８倍ですし、既存店もそこそこ好調、割安株投資の対象としてはそこそこ面白そうです。Ｇ－７がＰＥＲ１３．３倍まで売られています。今期予想が出た後ひたすら売られ続けてしまいました。前期までの売上２０％成長が今期は１０％成長に鈍化したことが嫌われたのではないかと思います。利益率は上昇傾向ですし、昨日開示された１Ｑ決算もなかなか良かったと思いますので、まだまだ強気で放置です。（約１年前からのホルダーです）バッファローも売上１０％～２０％成長ながらＰＥＲ１３倍でかなり割安だと思います。今期利益の伸びが鈍化する予想なのがここまで売られた要因でしょうか。検討に値するのはこのあたりまででしょうかね。今の相場状況を反映してか、ドラッグストア業界に劣らず低ＰＥＲ・低ＰＢＲの割安株が多いですね。真剣に検討するに値する会社が多いような気がします。明日の晩から実家に帰省しますのでしばらく更新しないと思います。東京から大阪まで車で下道でひたすらノンストップドライブの予定です。ガソリン高いのにな～。長野～岐阜経由なのでゲンキーが見れるかも。

2006年08月09日

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ドラッグストア業界の比較・２００６年度版（１）

ドラッグストア業界の比較です。前期は薬王堂・レディ薬局、クスリのアオキの３社が新規上場し、ドラッグストア業界の上場企業も２１社とにぎやかになりました。２１社合計の売上高は１．９兆円、伸び率は＋９．３％とそこそこの高い成長率ですが、２期前、３期前の２桁成長からは鈍化しています。今期予想合計の伸び率は＋１５．６％と高い成長となっていますが、これはスギ薬局のジャパンとの合併があり、この影響（７３百万円）を除くと＋１１．６％となります。経常利益の伸び率は＋８．４％となり、２期前、３期前から徐々に低下傾向です。今期予想は＋１３．６％と伸び率が高くなっていますが、スギ薬局の合併の影響を除くと＋１０．６％となります。ただ今期の各社１Ｑ決算を見る限り＋１０％は厳しそうです。売上高上位５位の合計は９９百万円、２１社の半分を占めます。上位企業では１位のマツキヨ、２位のカワチは成長が止まっていますが、３位以下のツルハ、サンドラッグは依然１０％以上の高い成長を保っています。前期はクリエイトＳＤがついに１０００億企業の仲間入りで１０００億企業は全部で８社になりました。この８社の中でもスギ薬局、コスモス薬品は３年間で売上を約２倍にしており、急成長してきています。今後数年の間に１０００億企業の仲間入りしそうな会社はウエルシア関東くらいでしょうか、そのほかは成長率が鈍化傾向です。このほか、ジップとライフォートが今年１１月に合併（正確には共同持株会社設立）しますので、来期は１０００億円を超えてきますね。そう考えると今後も競争が激しいこの業界での生き残りをかけた合併、買収などが増えてくるのではないかと思います。市場も飽和点に近くなってくると自社店舗だけの拡大には無理が出てきます。イオンやマツキヨなどグループ化の動きもありますが、実質的には何も機能していないのではないかと思われ、やはり個々の会社の経営を強化していくしかなさそうです。時価総額では１０００億企業はサンドラッグを筆頭にマツキヨ、スギ薬局の３社のみ。スギ薬局は経常利益は５位ながら、時価総額は３位。調剤薬局併設型ドラッグストアというビジネスモデルを確立し、高い成長率を持続している点が将来の医薬分業の進展、特に面分業の拡大が予想されていることもあり、高く評価されているのではないかと思います。このほか、ツルハがもう少しで時価総額１０００億円をクリアしそうですが、時間の問題でしょう。増収率・増益率の比較です。増収率１位はコスモス薬品で３期連続で３０％超の急成長を続けており、経常利益でも３期連続３０％成長です。今期は伸び率が２０％とやや鈍化の予想ですが、今後の既存店の伸びがあればプラス要因となりますが、現在のところ前年までの既存店の伸びは落ち着いています。増収率２位～６位までほぼ差がなく、１５％～１８％の間に５社が並んでいます。２期前は増収率２０％超の会社は８社だったのに対し、前期は１社にとどまっています。ただ今期予想では５社に増加する見込み。増収率１０％超の会社は３期前は１４社、２期前も１４社、前期は１２社、今期予想でも１２社と徐々に減少傾向にあるもののまだまだ各社の高い成長は続いています。経常利益の増益率を見てみると、前期は実に２１社中８社が＋２０％、１６社が＋１０％増益であり、逆に減益企業はわずかに３社となっており、いかに業界全体が好調であったかがわかります。やはりインフルエンザ、花粉症、ＣｏＱ１０のトリプル特需は大きかったと言えそうです。ちなみに３期前の減益企業は４社、２期前は７社でした。経常利益率の比較です。長い間利益率トップの座を守ってきたサンドラッグにかわりセイジョーが１位になっています。２期前の５．２％から一気に２．２％も改善させています。逆にスギ薬局は４期前は７％台だったのが前期は５．３％まで下がり、今期は４％台の予想です。既存店はＨＰで確認できる限り５年以上にわたって１００％以上で推移しているにもかかわらず利益率が低下です。販管費率が年々高くなっているからですが、この要因は短信によると「賞与の業績連動に伴う人件費増加」「新規出店に伴う人件費増加」「賃料の高い関西地区への出店」があげられています。マツキヨも徐々に利益率が低下傾向。これは集中出店している都市部の競争激化により既存店のマイナスが続いており、相対的に利益率が低下していると思われます。ミドリ薬品は２１社中最も利益率の改善が顕著で、４期前の１．２％から４．２％へ急激な改善となっています。これは一番の要因はカウンセリング販売に取り組み、ＰＢ品など粗利率の高い商品の販売に注力したことが大きな要因です。粗利率・販管費率の比較です。前期は粗利率の業界平均値が０．５％も改善しており、２１社中１８社で改善していま。これは業界全体でＣｏＱ１０など健康食品がブームになったこと、また粗利率の高い化粧品に注力する傾向にあることなどによります。販管費は逆に業界平均値が２年連続上昇傾向にあります。粗利率は１位ミドリ薬品の３１．３％からゲンキーの２０．２％まで１１％も幅がありますが、これは業態の違いによるもので、上位の会社は従来の薬局に近い形態で医薬品の割合が高い傾向にあります。下位の会社は薬局というよりディスカウントストアに近い形態で、食品、雑貨など日用品の割合が高い傾向にあります。これは販管費率の順位にもほぼ当てはまります。キャッシュフローの比較です。平均値はほぼ営業ＣＦ＝投資ＣＦとなっていますが、成長率の高い会社は投資ＣＦが大きい傾向にあります。スギ、コスモス、キリン堂、アオキ、ゲンキー、薬王堂、寺島薬局、レディ薬局などはかなり積極的な投資です。特にゲンキーは毎年営業ＣＦの倍の投資ＣＦとなっています。前期は利益がついてきていない状態です。サンドラッグは高成長ながら余裕があります。これは業界唯一のフランチャイズの成功など超効率経営によるものです。在庫回転期間の比較です。メガドラッグストアのパイオニア、カワチ薬品はかなり在庫が少なく効率経営であることがわかります。利益率も低下傾向とは言え、３位ですし、基本的な企業の実力は高いです。ただ業態がある程度完成されていること、規模も大きくなっていることから、成長が鈍化傾向であり、市場の評価は低いですね。逆に２．０ヶ月以上の在庫が多い会社は医薬品の構成比率が高い傾向にあります。ミドリ薬品、薬王堂、マツキヨ、スギ薬局、セガミなど医薬品の売上構成比率が３０％を超えいている会社です。業態によって在庫効率も違ってきます。既存店の比較です。※セイジョーの前期は１０４．４％、マツキヨの前期は９７．１％の間違いです。前期は１００％クリアの会社は２０社中１１社と好調だったのですが、今期は今のところ５社に減少。業界の勢いもやや減退傾向です。しかも９５％以下も６社となっており、伸び悩みは深刻な状況です。その中で上位５社は２連続１００％を越えており、勢いが持続しています。特にツルハは今期になってさらに上昇傾向であり、注目に値しますね。これを受けて株価もそこそこ好調です。昨年１１０％と既存店が大きく伸びたコスモス薬品も今期はその伸びもおちついてきています。さすがのコスモスも特需の反動には勝てないとういところでしょうか。（続く）

2006年08月06日

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家電専門チェーンの比較・２００６年版

家電専門店の比較です。上場１４社合計の売上高は４兆円、カメラ系非上場２社を加えると５兆円を超えます。家電量販店の市場規模は８兆円前後らしいので、この１６社で６割強をしめています。上位５社合計で３．５兆円、シェア約４．５割と市場の寡占化が進んでいることがわかります。従来は郊外型のヤマダ・コジマと駅前のヨドバシ・ビックとうまく立地を住み分けていましたが、近年のヨドバシの地方巨艦店進出に対抗するように、ヤマダも昨年の大阪難波への駅前立地進出など今後さらに熾烈な争いが予想されると同時に規模の小さな家電店が淘汰されていくことが予想されます。※非上場企業■ヨドバシカメラ　０５年３月期売上高　　５，８０８億円経常利益　　　３６５億円経常利益率　　６．３％■ビックカメラ　０５年８月期売上高　　４，３３２億円経常利益　　　１４７億円経常利益率　　　３．４％ヤマダは売上高１．３兆円とその拡大は衰えを見せません。市場シェアは１社で約１５％、非上場含めた１６社中では２５％となっており、経常利益額では３８％を占め、ほぼ独占企業といっていいでしょう。１０年の９６年は売上高８７９億円、経常利益２１億円だったので、１０年間で売上は１５倍、利益で３１倍となり日本を代表する超成長企業となっています。家電量販店は売っている商品自体は差別化が無理であり、最大の差別化要因は価格になってしまいます。そうなると体力勝負は明白で、いち早くそこを追求したヤマダがあっという間に覇権を握ってしまいました。２位は中国地方のデオデオと東海地区のエイデンの弱者連合エディオンです。前期はミドリ電化とも合併し、売上規模７千億円の大企業に。生き残りを模索しています。規模的にはなんとか目処がたったと言えるのでしょうか？３位は非上場のヨドバシ。経常利益は２位です。近年は大阪、福岡、札幌、仙台など地方主要都市の駅前へ徐々に進出し拡大策をとっています。徹底した品揃えと社員教育が同社の強みであり、ここで大きな差別化を図っているようです。上場企業３位、実質４位はコジマ。一時期はヤマダと並ぶ北関東組みの２強と言われていましたが、すっかり大きな差をつけられてしまいました。経常利益にいたっては１０倍もの差が。ここまで差が開いた要因を調べるともっと面白そうです。５位はビックカメラ。今月上場を果たします。調達した資金は借入の返済に充てるらしいです。ここに限らず駆け込み的な増資が最近多いです。私の持ち株のサンエーインターも同じで、株価暴落です（泣）。上場企業４位、実質６位はギガスケーズデンキ。ここは上位企業と違い、ポイントカードを導入せず、全て現金値引きを頑なに貫いている点で差別化を図っています。ちなみに私はいつもケーズデンキです。ヨドバシのポイント還元後の値段に合わせて値引きしてもらっています。関西の人間にとってはポイント制はどうもなじみがないし、ファイナンスの観点でも大きな損ですからね。増収率・増益率の比較です。この業界ほど勝ち組、負け組みの差がはっきりとるついているのも珍しいのではないでしょうか。増収率では上位６社が２桁増収に対して下位５社はほぼ毎年減収を続けています。増益率では上位８社が２桁増益を続けているのに対して下位企業は赤字・黒字を繰り返す不安定な経営。ある程度の規模がない限りどうしようもない状況ですね。増収率１位はエディオン。前期はミドリ電化との合併で大幅増収増益です。２位はＰＣ販売専門店のオーエーシステム。ＰＣデポ傘下で経営再建中のようですが前期はやや回復しているようです。３位はノジマ。スクラップ＆ビルド、既存店の改装に注力して競争力をつけていく方針。そのほかＣＤ・ＤＶＤ販売会社の子会社化によって前期、今期は大幅増収増益となっているようです。４位はヤマダ。今期予想含め４期連続で１５％～２０％の高い成長を持続、経常利益に至っては２０％～７０％の非常に高い伸び率となっています。１兆円を超える規模になってさらに高成長を続けています。規模のメリットが最大限に生きていると言えるのでしょう。経常利益の増益率では上新電気が今期含め４期連続２桁増益とかなり経営が改善されてきています。一時期は衰退しかけていましたが。コジマも売上の伸びは頭打ちですが、経常利益はなんとか２桁成長を保っていますね。経常利益率・粗利率・販管費率の比較です。ヤマダが４．９％という圧倒的な高い利益率を達成しています。ただヨドバシはこれをさらに上回る６．３％です。ヤマダをはじめ、利益率上位のピーシーデポ、エディオン、さらにノジマなどは年々利益率を改善させていることがわかります。ヤマダの場合は２期前は販管費の低下、前期は粗利率上昇が要因、ピーシーデポ、エディオンの場合は粗利率の上昇が主な要因です。このあたり、合併による規模の拡大に伴って価格交渉力が高まってきているのかもしれません。このほか、上新電機、コジマも４期前は赤字スレスレだったのですが、徐々に利益率を改善させてきており、なんとか１％をクリアするレベルになってきていますね。一方で売上高５位のベスト電器は年々利益率を悪化させています。キャッシュフローの比較です。平均して営業ＣＦ＝投資ＣＦとなっています。このビジネス、拡大できなくなったら終わりなのかもしれません。ヤマダは高い成長率を持続させるべく積極的な投資を続けていることがわかります。エディオンは毎期合併を繰り返しているからか、投資が過大な傾向です。フリーキャッシュフローに余裕のある会社はほとんどありませんね。在庫回転期間の比較です。ソフマップ、ピーシーデポ、オーエーのパソコン系の在庫が少ない傾向にあります。詳しくは知りませんが、一般の家電に比べて製品寿命が短いのでしょうか？家電量販店系ではノジマ、エディオン、ヤマダあたりが在庫が少なく、在庫管理が徹底されている傾向です。この３社とも経常利益率が高い方ですが、比較的効率経営であることがわかります。逆に利益率が低い会社は在庫も多い傾向なのか、コジマ、ベスト電器は在庫が重いです。最後にＰＥＲの比較です。株価は８／１終値ベースです。この業界はやたらと低ＰＥＲ株が多いです。平均ＰＥＲは会社予想ベースで１５倍ですからね。デンコードー、ノジマが相変わらずの超低ＰＥＲとなっています。１年前と全然変わってませんね。小売業七不思議のひとつです。売上・利益とも成長してるんですけどねー。同族経営だからですかね。特にデンコードーはＰＢＲ０．６倍で相当悲観されています。ピーシーデポ、ギガスケーズデンキも１０％前後の成長を続けているのですが、ＰＥＲ低いですね。結構よさそうな気はするのですが、私を含めて買っている人を見たことないです。やっぱりこの業界は上位企業の寡占のイメージが強く、他の企業の将来性が悲観されているのでしょうね。コジマ、上新、エディオンあたりは妥当な水準でしょうか。超成長企業のヤマダ電機はＰＥＲ２５倍です。１年前の比較の時はなんとＰＥＲ１６倍で、カンガエルさんと「何でこんなに成長している会社のＰＥＲが三越と同じなんでしょうね。」とのんきなことを言っていたのですが、すっかり高い評価を与えられてしまいました。特に昨年後半から買ってきている外国系投資家の好みそうな典型的な成長株ということもあるんでしょうね。この業界は月次を開示している会社がひとつもないんですよね。それも投資対象になりにくい要因のひとつです。→全くの勘違いです。スミマセン。

2006年08月02日

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アパレル業界の比較（子供服・和服・作業服・靴下編）

子供服・和服・作業服・靴下などアパレルニッチ業界の比較です。業種自体がそれぞれ違うので比較に意味がありませんが、一応この業界の会社も把握しておきたいと思います。売上高は西松屋チェーンが今期予想で１０００億円企業を目指します。子供服というより幼児向けですね。同じ子供服でもナルミヤは小学生向けでしょうか（私のイメージ）。ちなみに西松屋のライバル、非上場のアカチャン本舗も売上高は２００４年３月期で９６０億円であり、いい勝負です。和服ではヤマノホールディングが売上高大きいですが、和服事業の占める割合は２６％でその他様々なアパレル事業を保有してます。ニッチ市場としては作業服のワークマン、靴下専門店のダンを取り上げています。増収率・増益率の比較です。ダメダメ企業を買収しまくっているヤマノが毎年＋２０％の高成長を続けています。ただ経常利益は全然安定していません。前期は減益、今期は大幅増収を計画していますが、はたして。京都きもの友禅は２期前はやや減収となったものの前期は１１％増収、今期も勢いを持続です。今のところ月次も会社予想を大きく上回っており、勢いがあります。経常利益も売上の伸びに伴い２期連続の増益の予想です。靴下のダンも前期１０％増収です。近年は中国製の安価な靴下にシェアを奪われ苦戦を続けてきましたが、頑なに国内生産を貫き、あくまでも高品質の靴下にこだわり続けている個性派企業です。経常利益は２期連続でややマイナスとなっていますが、昨年の冬以来の好調で今期は１７％増収を計画。ワークマンも成長率は低いながらも安定して売上、利益を伸ばしています。ワークマンはまさにニッチトップのオンリーワン的な企業だと思います。高成長を続けてきた西松屋も成長率鈍化傾向です。数年前まで大ブームとなったナルミヤもブームが過ぎ去ったのか、急激な業績の悪化です。このような超個性的なブランドは飽きられたらこわいですね。私のいとこの小学生はいまも好きなようなので完全にダメになったわけでもないような気もします。経常利益率・粗利率・販管費率の比較です。京都きもの友禅が１９％という高収益。アパレル業界全体でもポイントに次ぐ２位の成績。６４％という高い粗利率がその要因です。この粗利率はアパレル業界全体と比較しても圧倒的な１位となっています。ちなみに２位は６０．５％のポイント。振袖に特化しているということですが、優良顧客の囲い込みによりターゲットを絞った活動をしているようです。ワークマンも１３．８％という高収益。特筆すべきは利益率が毎年上昇している点です。これはフランチャイズ収入が伸びているためで、相対的に販管費率は下がっています。販管費率自体も２２．４％とローコスト経営です。西松屋チェーンも毎年利益率が上昇していますね。販管費率は上昇しているのですが、それ以上に粗利率が大幅に改善しています。ナルミヤは３期前は１２％と高利益率を出していましたが、今期予想では１．２％、赤字転落目前まできています。ダンは２期連続で利益率が低下傾向。これは既存店の前年割れが続いたことが要因です。キャッシュフローの比較です。どこもカネがたまってしょうがないと言ったところでしょうか。Ｍ＆Ａを続けるヤマノ、業績回復の見えないさが美は別ですが。西松屋やワークマンは投資ＣＦの３倍の営業ＣＦを稼いでいます。在庫回転期間の比較です。ダンが１位。販売と製造を直結した独自のＳＣＭシステムを構築しています。またアパレルでは珍しいフランチャイズ展開をしていますが、売上の約半分がＦＣ店向けの売上であることも在庫回転の短さの要因です。ワークマンも在庫が少ないです。低粗利、低コスト、少在庫と効率経営を徹底していることがわかります。またここもＦＣ展開していますので、それも在庫回転期間が短い要因のひとつです。京都きもの友禅、さが美の和服系は在庫が多いです。流行がそれほど短くない、多くの柄をそろえる必要があるところが要因でしょうか。スーツ量販店に近い構造ですね。既存店の比較です。ナルミヤは前期も今期もすごいことになってますね。今後の展開に興味があります。子供服以外の会社は反対の意味ですごいことになってますね。アパレル業界全体で比較しても既存店の伸びはトップレベルです。ＰＥＲの比較です。ヤマノホールディングが一番低ＰＥＲです。毎年特損出してますので、会社予想のＰＥＲ１４倍の方がコンセンサスでしょう。今年の予想利益もかなり強気に思えますし、過去の利益も安定していませんので、これでも高いかも？ダンは会社予想ＰＥＲで１７．５倍。既存店が会社前提を大きく上回っており、で実質的にはＰＥＲは１５倍を切ってくると思われます。一応ホルダーです。流動性低いので買うのに苦労します（笑）。ワークマンもＰＥＲ１７倍。会社予想売上伸び率は３％ですが、すでに月次で１０％を超えて推移しており、実質のＰＥＲはもっと低くなります。ＲＯＡも９％で優良、こちらもなかなか面白そうです。京都きもの友禅はＰＥＲ２０倍。こちらも会社予想売上伸び率を月次で大きく上回って推移。なぜ急に和服が売れ出すのか謎ですね。西松屋は成長率鈍化傾向にあり、やや割高な印象です。さが美、ナルミヤはＰＢＲでは割安な水準。ただこれらの会社をＰＢＲだけで買う人はいないと思いますが。今日のアパレルニッチセクターは個人的には面白そうな会社が多いですね。

2006年07月15日

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アパレル業界の比較（レディス衣料編）

レディス衣料の比較です。レディス衣料もカジュアル系、ミセス・キャリア系などいくつかのカテゴリーに分かれると思いますが、詳しく調べるのも面倒なので、２５社まとめて比較します。２５社中専門店１１社、アパレル会社が１４社です。２５社合計の売上高は今期予想含めて４年連続５～１０％成長を続けており、そこそこの成長業界ですね。売上高１位はしまむら。ユニクロに次ぐアパレル業界２位の売上ですね。経常利益もユニクロに次いで業界２位ので３００億円という巨額な利益を上げています。ただダブルスコアと大差をつけられていますが。時価総額も約５０００億円でこちらも業界２位です。日本を代表する企業に育っています。売上高２位～８位には総合アパレルと呼ばれる企業が並んでいます。婦人服から紳士服、子供服など広範囲な商品を取り扱い、製造・企画・販売まで事業範囲も多岐にわたっているようです。専門店２位のユナイテッドアローズは最初男性向けの店だと思っていたのですが、商品構成を見ると男性向け４３％、女性向け３７％となっており、女性向け商品の割合も多いですね。１０位ポイント、１１位パル、１２位ハニーズは業界でも有名な超成長企業で、過去３年で売上高がいずれも２倍～３倍、経常利益は３倍～４倍となっています。売上高増収率の比較です。昨年は特にレディスアパレル当たり年と言ってもよく、２５社中１１社が２桁増収、１５社が２桁増益を達成しています。増収率上位はレディスカジュアル専門店のパル・ハニーズ・ポイントに加えアパレル系のリンクセオリーも急成長を続けています。今期予想も含めて４年連続２桁成長は上記４社にユナイテッドアローズを加えた５社のみ。小売業界の中でもレディスカジュアルは超成長業界となっていますね。ただ昨年良すぎた反動もあるのか、ポイント、パルは成長率が鈍化しつつあるようです。ポイントはいつも超保守的予想を出すのですが、今期に限っては、月次でも３ヶ月連続で＋２０％を割っていますね。ラピーヌが増収率４位ですが、前期は２社から営業譲渡を受けたことが要因となっています。８位、サンエーインターナショナルは２期連続２桁成長でしたが、今期は＋５％ですっかり安定成長路線でしょうか。この業界規模も成熟化しており、規模になると大きな成長は難しいですよね。今期新たに投入した新ブランドもあまり軌道にのっていないようで、既存のブランドが伸びているようです。業界にとって追い風となった前期でも減収となった会社は７社も存在します。三陽商会、インパクト２１、レナウンなど、古くから親しまれている強いブランドを持った会社が多いようです。あまり経営努力などせずとも一定のコアなファンがついているので安泰なのでしょうか。経常利益増益率の比較です。２５社中４社が＋１００％超の増益、１０社が＋３０％超の増益、１２社が＋２０％超の増益、１５社が＋１０％超の増益とすさまじいまでの好調ぶりを発揮してますね。一方で７社が減益。勝ち組と負け組みの差がはっきりしてきているようです。そんな中、今期予想も含めて４期連続２桁増益となる会社は３社のみ。ハニーズ、しまむら、ブルーグラスです。１位はクロスプラスですが、これは為替予約に伴う評価益計上３１億円によるものでこれを除けば、経常利益は３．７億円、増益率－５０％となってしまいます。３位ナイスクラップは２期連続の１００％増益。ＳＰＡ化、スクラップ＆ビルドなど経営改革がダイレクトに利益に反映されていますね。６位の鈴丹は売上はマイナス傾向ですが、ブランド戦略の見直し、在庫管理の見直し、店舗のスクラップ＆ビルドなど経営改善を図っており、２期連続４０％超の大幅増益、今期も４０％増益予想です。１５位ブルーグラスも売上高は３期連続マイナスながら、経常利益は今期予想も含め４期連続増益。こちらも海外直輸入の推進による原価率改善、経費削減、店舗のスクラップ＆ビルト゛など経営改善を図った結果です。経常利益率の比較です。業界の平均利益率は８％とかなりの高収益業界です。上位にはＳＰＡ業態の専門店が多く並んでいます。また前期は天候の追い風もあり２５社中１８社で利益率を改善させています。反動で今期の利益率上昇を予想する会社は１１社に減少しています。ポイントがダントツの１位となっています。しかも年々利益率の上昇幅もＵＰ。文句なしですね。しかし、その利益率の上昇もようやく頭打ちの傾向。すでに２０％ですからね、これを維持するだけでも相当苦労すると思います。バリュー投資家に人気にインパクト２１が２位。そしてポイントとならぶ超成長企業のハニーズが１６％。ハニーズの超高収益を支えている要因のひとつが実は業界最低水準の給与金額です。小売業自体も全業種中で最も低い平均給与なのですが、その最低の小売業の中でもさらに最低水準なのがハニーズです。最近急成長した企業であり、ほとんどが若い社員ということもあると思います。ハニーズの平均給与は３３０万円（平均年齢２５．５歳、勤続年数２．３年）となっています。今後は利益率上昇の圧迫要因となってくるでしょう。４位の東京スタイルが１４．３％と業界でもトップクラスの経常利益率ですが、実は営業利益率は業界平均以下のたったの５．４％。現預金、有価証券、投資有価証券、投資不動産など直接事業とは関係なく現預金に近い性格の資産を総資産を２０２４億円のうち１６４２億円も持ってるんですね。これらからもたらされる配当やら利子やらで莫大な営業外収益を計上しており、これが高い経常利益率の要因となっています。営業利益の倍近い営業外収益ってすさまじいです。村上ファンドが目をつけたのもわかりますね。今期予想も含めて４期連続で利益率が上昇している会社が３社あります。ナイスクラップ、しまむら、ブルーグラスです。粗利率・販管費率の比較です。粗利率の順位ですが、これは完全に特徴が一目瞭然で出ていますね。ＳＰＡ業態の専門店が上位を占めています。しかもそのほとんどの会社で２期連続で大幅に粗利率を改善させています。この業界で急速にＳＰＡ化など経営の変革が進んだことがわかります。上位３社はカジュアル衣料で単価は低いはずなのですが、アパレル業界最高水準の粗利率を出しています。そのほか特徴的なのがしまむらで粗利率が下から３位、一方で販管費率も徹底的にローコスト経営にこだわり２番目に低いという完全にディスカウントストアに似た収益構造となっています。２５社の中ではめずらしく郊外型店舗です。粗利率の改善が著しいのとは対照的に販管費率は上昇傾向。前期は２５社中１３社で販管費率が上昇しています。人件費、賃料などの上昇によるものでしょうか？キャッシュフローの比較です。業界平均値で営業ＣＦが投資ＣＦの１．５倍となっており、確実にキャッシュがたまる業界です。ほとんど、オンワードとしまむらが稼いでいるのですが。超成長企業のポイント、ハニーズ、パルですが、以外にもＣＦ構造に差があって、ポイント、パルはほとんど投資が少ないのに対して、ハニーズは投資ＣＦが営業ＣＦを上回っていますね。出店形式の違いなのだと思いますが、意外な特徴です。在庫回転期間の比較です。やはりＳＰＡ業態の専門店が上位をしめていますね。１位のクロスプラスも企画だけやって生産は中国の協力工場、あとは百貨店や量販店へ納めるという流れなのでタイムリーな生産さえできれば在庫を持つ必要ありません。ＳＰＡでも専門店の場合は自社店舗で売る分在庫リスクを負うはずなのですが、ポイント、リオ、ナイスクラップ、パルなど２ヶ月を大幅に切っており、非常にシビアな在庫管理をしています。一方で同じＳＰＡ業態専専店のハニーズは２．５ヶ月と専門店としては重めです。ハニーズの場合は製造工場も自社で持っていることも要因でしょうか。しまむらはＳＰＡではないのですが、かなり在庫が少ないです。しかももともと少ないのに年々さらに減少させていっています。これぞ乾いた雑巾を絞るということなのでしょう。専門店と違いアパレル系はやはり在庫を多く持つ傾向にありますね。既存店の比較です。１００％超の会社が多い業界ですね。ポイント、しまむらなど連続して１００％超と好調を長く続けています。サンエーインター、パレモは回復傾向、リンクセオリー、ユナイテッドアローズなどやや高単価系は苦戦傾向となっていますね。次回に続く・・・・

2006年07月04日

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アパレル業界の比較（ドレスシャツ編）

ドレスシャツ業界の比較です。あまり興味がないのでさらっと流したいです。この業界は３社とりあげましたが、経営がボロボロの会社ばかりという印象で３社合計で２期前、３期前と大幅な減収となっていますがすが、前期はクールビズの効果もあってか増収・増益となっています。特にトミヤアパレルが大幅な増収増益を達成しており、一時期の不振から脱しつつあるようです。比較的業績が安定しているのが山喜ですね。経常利益率・粗利率・販管費率の比較です。トミヤアパレルは２期前に大幅に粗利率が改善していますが、これは在庫の処分損だけでなく評価損も原価ではなく特損として計上したことにもよるのではないかと考えられます。ちなみに前期も製品処分損を特損として計上しています。また販管費も前期は－４．５％と大幅削減、主に輸送費や人件費が減少しており、２年連続で大規模なリストラを実施し、経営の効率化を図っていることがわかります。これらにより経常利益率は５．５％と一気に大幅上昇となっています。山喜は１％台で低空飛行を続けていますね。キャッシュフロー・在庫回転月数の比較です。トミヤアパレル、山喜の営業ＣＦが大幅に改善しています。トミヤアパレルは利益率の改善に加えて、どちらも在庫の圧縮が寄与しています。トミヤアパレルの投資ＣＦが大きなプラスとなっていますが、これはリストラの一環かどうかわかりませんが、保有していた有価証券を売却したことによるものです。持ち合い解消でしょうか。ＰＥＲの比較です。一番低ＰＥＲなのがトミヤアパレルです。とにかく前期は抜本的なリストラをしていることが数字を見てもわかりますので、今期さらに利益率が改善されてくれば面白ろそうです。ただこの会社、ＩＲのやる気ゼロで、ＨＰにＩＲのページがないんですよ。１Ｑ決算を見逃してしまったのですが、非常に興味ありますね。山喜はこんなものでしょうか。もともと利益率がかなり低い会社なので今期クールビズ効果などでさらに利益率が改善してくれば面白いかもしれません。先月は配当が続々と届きました。配当再投資とかできる人うらやましいです。私の場合悲しいことにすべて奥さんに吸い取られてきます・・・。そしてそれは土曜から始まったバーゲンに早速注ぎ込まれ、果ては私の投資先のサンエーインターナショナルの収益の一部となり、最終的には投資リターンの源泉の一部を担うことになり結果として配当連鎖につながる・・・んなわけないか・・・ちなみにサンエーインターナショナルは奥さんがどうしても株主になりたい！と以前からさんざん言われていて、暴落でようやくちょっとだけ安くなったかな、という株価だったので持っているものです。５％だけ儲かっているし、もう売りたいよー。と言っても絶対だめ！と聞いてくれないし・・・配当もこれも投資を続けるためのコストと割り切ってます（泣）

2006年07月02日

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アパレル業界の比較（スーツ専門店編）

スーツ専門店の比較です。ある意味、この業界がアパレル業界の仲でも一番同業他社比較が意味があるのかもしれません。全ての会社がほぼ同じ商品を同じターゲットユーザーに販売していますからね。しかも商品であるビジネススーツはデザイン、色、素材が限定的であり、アパレル業界の仲では極めて差別化が難しい業界でもあると思います。なので経営の良し悪しが数字に表れやすいともいえます。上場企業は全部で９社。売上高合計は４，４４８億円であり、業界トップの青山商事がほぼ半分を占めている独占企業です。郊外型スーツ専門店の草分け的企業であり、７４年に広島に開店したのが最初とされています。その後後発企業が参入、アオキ、はるやま、コナカで４強を形成しています。ただこの業界は２００７年問題と言われる団塊世代の大量退職以降市場規模が縮小していくことは明白であり、各社も早くからスーツ以外の事業へ多角化を図っています。青山は１００円ショップ事業、ＡＯＫＩはブライダルやカラオケ事業などです。２位はＡＯＫＩで売上高は青山の約半分。ただ以下の表のように、スーツ事業は全体の７割で、近年ではブライダル事業、カラオケ事業に注力し売上、利益が大きく伸びている状況です。５位のフタタは昨年にコナカの持分法適用会社になっています。６位の銀座山形屋、８位のエフワンはオーダーメイド主体の専門店です。■２プライス業態売上７位のオンリーは９９年に日比谷に開店した「ザ・スーパースーツストア」が同質化されていた業界に衝撃を与え、大きな話題となり一躍有名になったことは記憶に新しいと思います。現在北海道から九州まで全国に４０店舗を展開しています。立地は主にショッピングセンターなどインストアがメインです。１．９万円、２．９万円の２プライスに価格を固定、身長別、タイプ別に展示、店員が接客しないフリースタイルという従来にないビジネスモデルでしたが、速攻で競合企業に真似されて、今ではその優位性も薄れつつあるのかもしれません。青山の２プライス業態である「スーツカンパニー」は２６店舗。身長別・タイプ別の展示と、ほとんどオンリーのパクリです。出店方法は新宿のドミナント化など、都心部が中心です。店内内装は明るくナチュラルテイストで統一されています。はるやまの「パーフェクトスーツファクトリー」は３９店舗。地方都市のショッピングモール、ファッションビル等への出店が主体です。増収率・増益率の比較です。売上高増収率１位はオンリー。経常利益伸び率も２位とこの業界の中では一番の成長株です。２期前、３期前は事業の急拡大の反動から事業が一時的に低迷したようですが、前期から再び高成長路線へ転換しているようです。業界自体は成熟であっても比較的新しいビジネスモデルであること、売上自体もまだ小さい事からある程度の高成長を続ける事ができます。ただどこまで伸びるかはかなり未知数だと思います。市場が成熟している上に商品自体の差別化もあまりないですからね。２位はＡＯＫＩ。上記の表でもわかるように近年はスーツ事業よりもカラオケ事業が伸びています。この２社以外の売上はあまり伸びていません。オーダーのエフワンがやや高い成長ですね。経常利益増益率は前期は９社中８社が増益、しかも６社が２桁増益と好調でした。これは昨年はクールビズに加えて冬の気温低下により冬の売上が大きく伸びたためです。経常利益率の推移です。青山がダントツの１位でかつ２期前より４％も上昇していますが、これは一過性の営業外収益が発生したためであり、これを除くと１１．１％となります。これでも１位です。２位がＡＯＫＩ。このライバル同士の２社は年々利益率を改善させてきていますね。はるやまが３位でコナカが４位ですが、面白いように売上高の順位に近いです。規模のメリットが働く業界のようですね。粗利率・販管費率の比較です。粗利率はオンリーが１位。２期前は在庫の整理により原価率が一時的に悪化したようですが、前期は３．５％も改善しています。高粗利率の要因は唯一のＳＰＡ業態だからでしょうか。客単価は１．９万円と２．９万円の２プライス業態が主力であることから考えても決して高くはないと思われます。２位のコナカ～５位のはるやまはほぼ似たような粗利率ですね。４社とも毎年粗利率が大きく改善しています。在庫管理の効率化を図っていることのほかに、中国を初めとするアジアからの輸入比率を増加させていることによるものでしょうか。販管費率はイチヤは無視するとして、フタタが２位、オンリーが３位です。これは都心部への出店がメインという出店立地の特性によるものと思われます。逆に郊外ロードサイド型が主体の４強の販管費率は低くなっていますね。キャッシュフローの比較です。ＡＯＫＩ、青山は比較的余裕がありますが、コナカ、はるやまはギリギリ営業ＣＦ内の投資になってますね。オンリーは今のところキャッシュフローに余裕がある状態です。ショッピングセンターなどインストア出店が主体だからでしょうか。在庫開店期間の比較です。オーダーのエフワン、銀座山形屋はほとんど在庫を持っていません。この２社以外のスーツ専門店あ５ヶ月前後と在庫が極端に多くなっています。これはスーツ専門店の特徴です。カジュアル衣料と違い１人の客が年に何度も買う商品ではなく、せいぜい１～２年に１度買うか買わないかなので、とまず客当たりの商品回転期間が長くなります。それに対してオーダースーツでないので、多くのパターンのサイズを店頭に並べる必要がありますので、店頭には膨大な量の商品を用意しておく必要があります。カジュアルであればＳＭＬの３種類か４種類くらいですみます。なのでスーツ専門店は在庫回転期間が長い分、粗利率を高く設定して経費あたりの粗利を稼ぐ仕組みになっています。ほかの小売業だとメガネ業界も同じ仕組みです。４強も在庫政策はかなり違いが出ています。ＡＯＫＩの場合はスーツ事業の割合が全体の７割ということもあると思いますが、在庫が少ないです。はるやまが極端に多いですね。数字だけみれば効率悪そうな経営です。既存店の比較です。この業界は２社しか開示していません。青山は２年連続で１００％超えで好調維持です。ＡＯＫＩも前期は１００％クリア、今期も４月は悪かったですが、５月は１００％をクリアしており、この業界の好調さを物語っているのかもしれません。男性衣料復活は本物なのでしょうか？ＰＥＲの比較です。はるやまが一番低ＰＥＲです。はるやまは万年低ＰＥＲなんですよね。時価総額ではコナカの半分しか評価されていません。今期予想経常利益は同じなんですよ。ほかの経営指標を見てもコナカとほぼ同じ実力です。なのに時価総額は半分。ここまで差がつく要因がまったく不明ですね。オンリーは２番目に低ＰＥＲとなっています。一時期業績が低迷していたといっても２年連続２桁増収と成長率高いのですが、ＰＥＲは１５倍です。３Ｑ決算が悪いのかな～。一応私はホルダーです。月次がないのでリスクありますが、青山もＡＯＫＩも既存店悪くなく業界には追い風の状況なので、オンリーもそれほど悪くはならないだろう、と。あとＲＯＡは業界１位で最も効率経営ですね。３年前にリストラしたことが聞いているのではないかと思います。ＡＯＫＩ、青山がＰＥＲ１８倍前後です。ＡＯＫＩは予想増収率は３．７％と一見低いですが、月次ではかなり上回っており、実質的には２桁成長ではないかと思います。なので結構今の株価水準では面白いかなと思います。前回のメンズ衣料ではあまり魅力的な投資対象はなかったのですが、この業界はそこそこ面白いのではないかと思います。

2006年07月01日

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アパレル業界の比較（メンズ衣料編）

メンズ衣料業界の比較です。ここで取り上げる会社は比較的高単価なカジュアル衣料品を取り扱う会社です。男性向け衣料品の分類は以下の３つに分けており、今日はこのうちの２番目です。１．カジュアル衣料（低価格）２．メンズ衣料（高価格）３．男性用スーツ全部で８社取り上げましたが、この中で、オンワード樫山、三陽商会、レナウン、は総合アパレルと言われており、女性向け衣料品がメインですが、男性向け、子供向けと様々な商品を取り扱っています。ワールドもこの中に入ると思いますが、上場廃止になりました。ヤマトインターナショナルは前回のカジュアル編でも取り上げましたが、今回も単価が近いので入れています。売上高の商品別内訳が開示されているオンワード、三陽商会、レナウンの内訳は以下の表の通りで、女性向けがメインと言っても紳士服の取り扱い金額は大きいです。レナウンは２００３年に旧レナウンと旧ダーバンが経営統合、レナウンダーバンとなり、今年持ち株会社含めた３社合併によりレナウンとなっています。今期予想売上高は持分法適用会社のレリアンを子会社化したことにより大幅な増収となっています。ユナイテッドアローズはビームスなどから始まったセレクトショップの先発企業として独自のビジネスモデルを持っており、上場アパレル企業の中では異色の存在です。８社合計の売上高の伸び率は２～３％であり低成長業界と言えそうです。増収率・増益率の比較です。独自の品揃え、個性的な店頭演出で独自のビジネスモデルを構築するユナイテッドアローズが増収率１位です。２期前は天候不順に加え、トレンドをハズした事などが要因のようで、８％の増収に留まっていますが、それ以外は１５％～２０％と高い成長を続けています。２位以下は増収率１０％以下となっており、成長企業が少ないですね。やはり低成長業界でしょうか。経常利益の増益率では１位はタカキューです。３年連続で毎期利益を倍に伸ばしており、ここまで業績の回復が顕著で、かつ長く続く会社も珍しいのではないかと思います。何しろ、四季報で確認できる限り、９６年～０２年で７年連続大赤字を計上、よく潰れなかったな、と関心しますが、それ以上にここまで業績が回復した事も驚愕ですね。タカキューのほか、ユナイテッドアローズ、ヤマトインターは利益の伸びが安定していますが、このほかはバラツキが大きく、やはり天候やトレンドに利益が大きく左右されてしまう業界です。ダイドーリミテッドの今期売上高増収率が１２％と高くなっていますが、これは売上高の会計処理を変更していることによるもので、これは前回のアスティでも同じ要因で増収率が高くなっていますので、注意が必要です。今年は監査もより厳しくなっているのか、外食業界でのフランチャイズ売上基準といい、業界の会計処理を統一するような動きがよく見られますね。経常利益率の比較です。８社平均の利益率は９．０％と高く、カジュアル衣料業界とほぼ同じ利益率です。前期はほとんんどの会社で利益率を改善させています。なにしろ前期はアパレル業界にとっては久しぶりの追い風の年でした。この状況で利益率を落としているインパクト２１、オンワード、レナウンは、強力なブランド力にあぐらをかいていた経営の怠慢と言われても仕方ない状況でしょう。とは言ってもインパクト２１の利益率は驚異的です。ポロ　ラルフローレンという競争力のあるブランドを持っているためですが、強いブランドを持つ会社とうのはやはり一種の消費者独占企業ですね。利益率２位のユナイテッドアローズも１４％と驚異的な利益率です。こちらも独自のビジネスモデルを構築していることが要因でしょうか。タカキューは利益率が低いながらも大幅に改善傾向となっています。今期もさらに改善する予想となっています。粗利率・販管費率の比較です。業界平均の粗利率は４８．５％となっており、カジュアル衣料業界の４４．３％に対しては４％ほど高くなっています。やはりブランド力が強い高単価商品を扱っているためでしょうか。粗利率の１位はタカキュー。粗利率が高いのはスーツを取り扱っているためでしょう。スーツ業界は次回の予定ですが、平均粗利率が高い業界です。商品回転率が低いですからね。タカキューの粗利率は前期２．４％と大幅に改善しています。ただ粗利は高いですが、販管費率も業界１位なので結果的に利益率が低くなっています。恐らく粗利率の改善はアパレル業界の水準から見ても限界なので今後の利益率改善は経費削減にかかっているかもしれません。粗利率２位はユナイテッドアローズです。販管費率は６位と低い水準であり、ローコスト経営が際立っています。三陽商会、ダイドーリミテッド、インパクト２１は年々粗利率が低下傾向であり、少々不安な点です。キャッシュフローの比較です。アパレル業界らしく、業界平均ではフリーキャッシュフローが大きいです。オンワード、ユナイテッド、インパクト２１など、儲かってしょうがないでしょうね。在庫回転期間の比較です。インパクト２１が最も回転期間が短いです。ただ毎年増加傾向ではあり、注意は必要でしょう。ただここまで圧縮できるというのは基本的には経営の効率化が進んでいるのではないかと思います。タカキューは２位、しかもこちらは毎年大幅な減少傾向です。粗利率の大幅上昇、在庫の大幅圧縮といい、経営改善が数字に顕著に表れています。ユナイテッドアローズが最下位です。毎期改善傾向ですが、５ヶ月分持っています。セレクトショップという業態の特徴なのでしょうか、多品種少量展示、雑貨も扱っていますし、品揃えの豊富さが勝負と言えそうです。この在庫の持ち方はヴィレッジ・ヴァンガードと似ていますね。既存店の比較です。月次を開示している会社がたった２社と寂しいです。アパレル系ももっと積極的に開示してほしいです。タカキューが１位、しかも前期、今期と１００％を大きく上回って推移しています。滅多にタカキューには行きませんが、相当売場が変わったのでしょうか。ちなみに私は１０年前にタカキューで買ったダッフルコートを冬はいまだに毎日来ています。物自体は昔から良かったと思うのですけどね。ユナイテッドアローズは今期は天候不順もあり少々苦戦しています。ＰＥＲの比較です。株価は６／２９終値ベースです。業界平均ＰＥＲ（調整）は２４倍となっておりカジュアル衣料業界よりは割高ですが、平均的な水準です。一番低ＰＥＲなのがインパクト２１。この会社はＰＥＲというよりキャッシュリッチで買う会社なのでしょうね。成長性はほとんどないです。強いブランド力を持つ超高収益企業なので個人投資家の間では人気がありますね。前回も書いたヤマトインターが２位。この業界の中でも成長率に対しては結構割安です。オンワードは成長性から見ればやや割安～妥当な線でしょうか。強いブランドを多く抱えているのでその分は評価されてもいいかもしれません。経営改善が急激に進み、既存店も絶好調のタカキューもＰＥＲ（調整）は２７倍と既に高く評価されています。ＰＥＲ２０倍くらいならまだ面白いんですけど。レナウンはＰＢＲでは最も割安。ただ何度も赤字を出していて、下方修正の常連の超ダメダメ企業ですからね。３年前の経営統合の効果が未だ表れてないように思われます。

2006年06月29日

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中食業界の比較・２００６年版

中食業界の比較です。この業界は比較的成長業界と言われて久しいですが、取り上げた上場企業８社の売上高の伸び率は０４年の＋６．２％から０５年＋２．７％→＋１．６％と年々伸び率は鈍化しています。ただ今期予想では＋５．２％と再び上昇となっています。経常利益は８社合計では前期は減益となっています。カネ美食品、オリジン東秀などの減益が要因です。やはり市場規模の伸びも頭打ち傾向でしょうか。この業界はここの８社以外でも、コンビニの弁当の強化、スーパーの惣菜強化など他業態の参入も多く、競争が益々激化しているのではないかと思います。売上高はほっかほっか亭を展開するプレナスがダントツ１位です。特に経常利益は全体の半分以上を占めています。店舗形態もラウンドトップ型の導入など、新しいイメージを打ち出しています。増収率・増益率の比較です。柿安本店が売上・利益とも成長率１位です。デパ地下ブームもあり成長を続けてきましたが、前期は主力の惣菜部門の増収率は＋３．５％と頭打ちになっています。一方でブッフェスタイルのレストラン事業を拡大させており、新たな成長路線に乗せようとしているようです。０５年まで毎年２０％前後の高い成長を続けてきたオリジン東秀が前期、ついに減益、売上も＋５％に留まっています。主力市場である首都圏の出店余地が少なくなってきているのでしょうか。昨年はドンキホーテによるＴＯＢで話題になりましたが、結局イオンの子会社に収まってしまいましたね。業界トップのプレナスは地味ながらも増収を続けており、今期も９％成長の計画です。６位以下ハークスレイ、小僧寿し、魚喜は売上のマイナスが続いています。ハークスレイはフランチャイズ店の大量閉店が続いているようです。前期は３８店の出店に対し閉店８０店となっており、スクラップ＆ビルドを推進しています。小僧寿しはすかいらーくが子会社化していますね。経常利益率の比較です。ほっかほっか亭の２社、プレナス、ハークスレイが圧倒的な高収益です。やはりフランチャイズ主体であることも要因でしょうか。食材供給によって粗利を稼いで経費はかかりませんからね。２社とも粗利率は高くないですが販管費比率がかなり低いです。３位～６位の会社はどこも５％前後で推移しています。オリジン、ＲＦ、カネ美と前期は利益率が悪化していますが、今期は改善の予想です。粗利率・販管費比率の比較です。以外に各社差があります。オリジンの粗利率が一番高いんですね。材料費を相当抑えているのでしょうか。単価はＲＦ、柿安などの方が高いと思うのですが。柿安は精肉部門の粗利率が低いのも影響していますね。販管費ですが、ほっかほっか亭２社が有利です。ＦＣですからね。キャッシュフローの比較ですプレナスが圧倒的にフリーキャッシュフローが大きいです。ほんと儲かってますね。既存店の比較です。柿安本店が１００％超え。プレナスも健闘。地味ですが流行り廃りがない業態なので飽きられないのでしょうか。オリジンは不調で、利益率も下がってますね。ＰＥＲの比較です。この業界は小僧寿し、魚喜を除きどこもめちゃくちゃ財務が良いです。ほとんど無借金経営に近いですね。１年前はカネ美食品が一番低ＰＥＲでしたが、かなり評価されてしまいました。ハークスレイが一番低ＰＥＲで会社予想で１２倍。ただマイナス成長なので、これでも高いと思います。ＰＢＲが１倍割れです。ＰＢＲで買える銘柄でしょうか。成長性では柿安本店、オリジンでしょうけど、かなり割高水準です。あ、オリジンは上場廃止でしたね。どこもあまり食指が動きません。今回で外食企業の比較は終わりです。８つに分けて比較しましたが、去年に比べるとかなり割安株が減っています。下げ相場と言われていますが、業績堅調な会社はそれほど下がってないんですよね。１年前よりは明らかに割高な市場と言えます。外食では今のところチムニー、スシロー、なか卯を持っています。結局これ以上に魅力的な会社はあまりなかったです。次回よりアパレル業界の比較の予定です。いったいどこまで続くか自分でもわかりません・・・

2006年06月22日

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ファストフードチェーンの比較・２００６年版

ファストフード業界の比較です。昨年同様ハンバーガーチェーンに加えて独断でココイチとてんやを入れています。つっこみはなしで。富士経済によればファストフード業界の２００３年の市場規模は約２兆３０００億円とのこと。https://www.fuji-keizai.co.jp/market/04042.html６社合計の売上高は５，１２１億円で、市場規模の２２％を占めています。このうちマクドナルドが３，２５６億円、業界規模の１４％を占める独占企業となっています。ただ６社合計の売上高は３年前とほぼ変わらない状態で、市場が飽和していると考えられます。時価総額はマクドナルドがなんと２５百億円と超高評価です。外食企業の中では、すかいらーくの２９百億円についで２位です。経常利益は今期予想でもたった３０億円です。これはブランド力なんでしょうか、それともただの優待のおかげでしょうか。謎です。すかいらーくが今年上場廃止となるので時価総額１位ですね。※非上場企業　　　　　　　　　売上高ロッテリア　　　３８８億円　（０４年３月期）　　　　ロッテ子会社ファーストキッチン　１１５億円（０４年１２月期）　　サントリー子会社フレッシュネスバーガー　　？ウェンディーズ　　？　（ゼンショー子会社）ロッテリアはあのリヴァンプの玉塚氏がＣＥＯになって事業再生に乗り出しています。　増収率・増益率の比較です。低成長企業ばかりですね。１位のマクドナルドの増収率は＋５．７％です。モスもケンタッキーも２００３年から売上が減っているんですよね。マクドナルドの狂ったような安売りに結果的には負けています。相当厳しい業界です。壱番屋は地味ながら売上・利益ともに安定成長を続けています。カレーチェーンって小さなチェーン店も結構あり、それなりに競争厳しいという印象ですが、安定した成長を持続できているのはそれなりに強みがあるんでしょうね。私的には何度か行ったことありますが、あまり特別な印象はなかったです。壱番屋以外は経常利益はあまり安定していません。マクドナルドも毎年下方修正ばかりで、新社長もいつも強気な発言は良いのですが、結果が出ませんね。経常利益率の推移です。壱番屋がダントツの高収益でかつ安定しています。大和フーヅが０４年をピークに落ち気味。逆にモスは０３年を底に毎年利益率が改善してきています。経営改善の成果が少しずづ出てきているのでしょうか。昨年ロイヤルと資本提携したてんやも回復傾向です。私も時々行きますが、つねに新しいメニューを入れて、リピーター獲得に努めています。マクドナルドが最下位。赤字スレスレの状態です。１００円マックにより安売りのイメージが定着してブランド力が落ちてしまったのでしょうか。私の子供の頃は贅沢品のイメージだったのですが、ただのジャンクフードに成り下がりましたね。粗利率・販管費比率の比較です。各社数値が違いすぎてあまり比較になりませんね。粗利率と販管費比率の順位がほぼ同じです。マクドナルドは店舗自体が工場という認識であり原価に人件費、経費が入ってるので粗利率が低くなっています。ただ前期は大幅な粗利減ですね。これはサービス向上のために人員投入を増やしたためのようです。キャッシュフローの比較です。マクドナルドはさすがの営業キャッシュフローですね。フリーキャッシュフローも大きいです。フランチャイズ＆低成長銘柄の特徴ですね。ちなみに、０５年の営業ＣＦが小さいのはリストラに伴う退職金支払いなどによるもので、特殊要因を除けば１２０億円です。壱番屋も営業ＣＦが大きいですね。フランチャイズが多いからでしょう。５月末で直営３６０店に対してフランチャイズ店が６５６店とフランチャイズ主体の会社です。既存店の比較です。ケンタッキーとマクドナルドが１００％超えなんですね。マクドナルドは２年連続１００％超えのようです。月次を見ると特に客数が大幅に増えて客単価が大幅に落ちていますね。恐らく私のように１００円マックばっかり注文して水しか飲まない客が多いのでしょう。（そんなことはないか？）業績は堅調な壱番屋も既存店は１００％を割っています。やはり外食が基本的に厳しいです。ＰＥＲの比較です。６社平均のＰＥＲ（調整）は５１倍と超割高です。これはマクドナルドが意味不明なＰＥＲであることが要因です。ただマクドナルド以外の会社も軒並み２０倍～３０倍であり、ちょっと真っ当な投資家にとっては投資対象にはならない業界ですね。

2006年06月21日

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コーヒーチェーンの比較・２００６年版

コーヒーショップの比較です。この業界は非上場企業も多く、過当競争です。非上場企業の店舗数などは昨年の日記を参考にしてください。ちなみに個人的にはタリーズがダントツでお気に入りです。ここは一度ナスダックに上場したあと、ＭＢＯにより上場廃止しているんですね。先週の日経新聞に出てました。アメリカのタリーズでは品質にこだわるあまり利益はでていないらしいです。客としてはうれしいですが。喫茶市場の市場規模はドトールのＨＰによれば、８２年に１．５兆円だったのが年々縮小傾向にあり、０４年では1兆円前後になっているようです。上場3社売上高合計は１，３９８億円なので市場規模に占める割合は１４％ほどですね。３社で１４％ならそこそこシェアがあると言えるでしょう。３社というか実質２社ですけど。３社合計の売上の伸び率は３年連続し５％前後で伸びており、旧来の喫茶店から新しいコーヒーショップへ移り変わっていることが推測されます。増収率・増益率の比較です。スターバックスは赤字になる０３年までは急成長を続けていましたが、無理な出店にサービス体制が追いつかず既存店の弱体化を招いた事、シアトル系コーヒーの競合店が増加した事もあり出店政策を見直し、成長率を１０％前後に落としています。経常利益は０３年の赤字以降、メニューの見直し、サービス体制の充実など既存店のたて直しに注力した結果、毎年回復傾向にあります。ドトールは毎年安定して５％前後の売上・利益成長を持続させています。銀座ルノアールは既に安定志向で、赤字でなけりゃいいや、という感じの業績推移ですね。初めはニューヨーカーズカフェの出店を加速させていくのではないかと期待していたのですが、期待はずれでしたね。経営者やるきあんのか？といいたくなりますが。経常利益率の比較です。前期はドトールが８．１％に対してスターバックスは５．５％と差が開いています。業態もターゲットも違うので直接比較できませんが、ドトールはフランチャイズ主体なのに対してスターバックスは直営店主体であることも要因です。ドトールの直営事業の営業利益率が８．３％であるのに対してフランチャイズ事業の営業利益率は１３．６％と高収益です。粗利率・販管費比率の比較です。銀座ルノアールが８７％と超高粗利、スタバが中間、ドトールが低粗利です。これは感覚的に客単価と比例していますね。銀座ルノアールは席が広く、客の回転も低いと考えられるのに対して、ドトールは席がせまく持ち帰りも多く、商品は超高回転です。銀座ルノアールは空間も商品ですからね。その空間と居座る時間も本当は売上・原価がかかっているはずなので、空間・時間を売上算定すれば意外と粗利も低くなるかもしれません。表面上の数字をアパレルに例えれば銀座ルノアールは高客単価・低回転の紳士服、ドトールは低単価・高回転のしまむらと言えるでしょう。キャッシュフローの比較です。フランチャイズ主体のドトールの前期投資ＣＦが大きいのは有価証券取得のためです。（詳細は調べてません）スターバックスは以外にフリーキャッシュフローが大きいですね。成長率があまり高くないからでしょうか。既存店の比較です。スターバックスは既存店の回復に注力している効果もあってか１００％超えです。ＰＥＲの比較です。株価は６／１５終値ベースです。低成長のドトールは２２倍、１０％成長のスターバックスは３０倍とやや割高水準ですね。銀座ルノアールはすでにＰＥＲでは買えません。そのかわり典型的な低ＰＢＲ株ですね。

2006年06月17日

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焼肉屋チェーンの比較・２００６年版

焼肉チェーンの比較です。この業界は牛丼と同様、ＢＳＥ問題の大きな影響を受けており、上場４社合計の売上高は２年連続マイナス、経常利益は３年連続のマイナスとなっており、外食業界の中でも最も厳しい業界のひとつではないかと思います。ただ今期予想では前期赤字だった安楽亭、焼肉屋さかいを含めて各社回復を見込んでおり、４社合計で大幅な増益となる予想です。増収率・増益率の比較です。あみやき亭が１社気を吐いている状況ですね。この逆風の中毎年２０％～３０％の高成長を続けられる秘密はどこにあるのでしょうね。前期は２２店の出店、今期は２８店の出店を予定しており、成長は加速しています。がんこ炎は前々期に減収減益となったものの、今期は増収増益を見込んでいます。特に１年前コロワイドの子会社となり、その後コロワイドの店舗を営業譲渡により譲り受けているのでその分も寄与するようです。焼肉チェーンの老舗、安楽亭と焼肉屋さかいは悲惨な状況ですね。経常利益率の比較です。あみやき亭が１２％前後の高収益を持続しています。次にがんこ炎が続きますが、８．６％と以外にも高い利益率ですね。この２社が飛びぬけています。ＢＳＥ問題があって傍目にはどこも厳しそうですが、経営が強い企業と並みの企業ではこうも差がでるものなんですね。粗利率・販管費比率の比較です。粗利率の４社平均は６１．７％で、がんこ炎が最も高粗利率、安楽亭が低粗利、つまり安売り業態と言えます。販管費比率を見るとあみやき亭だけが抜けて低く、ローコスト経営であることがわかります。ここが高収益の要因ですね。がんこ炎の販管費比率は平均並みですが、粗利率を高く設定する事により高利益率を維持している構造となっています。キャッシュフローの比較です。あみやき亭は非常にきれいに営業ＣＦが伸びており、設備投資資金をまかなっています。安楽亭は不採算店舗の売却などリストラを進めている事により投資ＣＦがプラスになっています。しかしリストラしても回復にはほど遠い状況ですね。既存店売上の比較です。あみやき亭は１位ですが、前年割れが続いており、厳しい状況にはかわりないです。ただ他の２社に比べれば好調を保っていると言ってよいです。最後にＰＥＲの比較です。株価は６／９終値ベースです。予想ＰＥＲ（調整）の業界平均は５３倍と超割高水準です。これは不振企業の利益回復が前提となっているということでしょう。あみやき亭は既存店がやや前年割れであるものの、外食業界全体と比較しても、高収益、高成長、高ＲＯＡ、堅実財務と現状ではほぼ完璧な経営と言えますが、ＰＥＲも３０倍とすでに高い評価をされています。１年前のＰＥＲと変わらないんですね。がんこ炎も前々期は減益となったものの、比較的優良企業の部類です。ただＰＥＲが３０倍を超えており、投資対象にはなりにくいですね。焼肉屋さかいは前期に減損処理などにより大幅赤字、債務超過となっています。はたして回復はあるのでしょうか。

2006年06月13日

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回転寿司チェーンの比較・２００６年版

回転寿司チェーンの比較です。寿司業界全体の市場規模は昨年上場した寿司ロボットメーカー、鈴茂器工のＨＰによれば、最近１０年で1兆４千億円～５千億円前後で推移しているようです。外食全体の市場規模は２７兆円と言われているので５～６％を占める比較的大きな市場と言えます。このうち上場している回転寿司企業７社の売上合計は前期で２千４百億円と業界市場規模の１６％を占めるに至っています。※今回の表の中で１００円寿司は紫色、グルメ業態は黒字で表示しています。７社合計の売上高は前期比＋６．４％と前々期の１３．７％から成長率が鈍化傾向です。回転寿司業界の市場規模が飽和になりつつあるのとカッパの成長が止まったことが要因です。今期予想では＋３．２％とさらに成長率は鈍化しています。市場の成長に乗ることにより事業規模を拡大してきた各社も市場規模の成長鈍化により経営の良し悪しが表面化し勝ち組と負け組みの差が明確になってくる時期ではないかと思います。これはどんな業界であっても普遍的な事象です。経常利益では前期比で△３２％と大幅マイナスで、これもカッパの大幅減益が要因となっています。今期予想経常利益ではスシローとくらがほぼ同等、カッパがその半分以下なのに対して時価総額ではくらとカッパがほぼ同等、スシローがその３分の２と大きな差が開いている状態です。増収率、増益率の比較です。売上に関してはくら、スシローが安定した高成長を持続していますが、今期予想ではともに成長率が鈍化傾向です。この２社以外は成長が止まりつつあり、アトムはマイナス成長です。経常利益では元気寿司、京樽が一時期の不振を脱したのか、大幅増益となっています。今期予想ではアトム、マリンポリスも一時期の不振を脱し前期比２倍近くの増益を計画しており、達成が注目されるところです。経常利益率の推移です。業界平均の利益率は３．７％と外食産業の中でも低い方です。０４年から年々低下傾向であり、やはり競合の激しさがわかります。くらがダントツの１位。スシローがそれに続きます。業界平均以上はこの２社。カッパは１年前まで１３．１％と超高収益企業でしたが、１年で赤字スレスレ企業に落ちてしまいました。安かろう・不味かろうでは当然長続きしませんね。注目されるのは先ほども書きましたがマリンポリス、アトムで、今期予想で５％、６％と大幅な改善を計画しています。粗利率・販管費比率の比較です。業界平均の粗利率は５７．２％でこれは３年間変化ありません。逆に販管費は年々上昇傾向となっており、これは既存店の悪化による相対的な比率上昇と考えられます。くらとスシローの販管費比率と粗利率の圧倒的な低さがわかります。１年前の比較でも同じことを書きましたが、１００円寿司同士の比較では、価格が１００円と同じであるなら粗利率が低い（＝原価率が高い）方がネタの質が良く、それだけ競争優位性を保てるということになります。そしてその低粗利を維持するためには徹底したローコスト経営が必要となります。カッパの粗利は６０％でありスシローと１０％以上も開きがあります。これでは対抗のしようがないですね。ネタの質を高めようにも販管費比率は１２％も高いので現状不可能です。今後カッパは根本的に経営体制をリストラしないかぎり復活は厳しいと思われます。キャッシュフローの比較です。業界平均を見ると投資ＣＦが営業ＣＦを毎年上回っています。シェア獲得のために各社強気の出店を続ける必要があります。既存店の比較です。表を見てわかるとおりどこも１００％割れというのが業界の厳しさを物語っています。元気寿司、京樽のグルメ業態２社が上位です。特に元気寿司は前期１５０％増益となっており、さらに今期の既存店も１０４％と絶好調です。くらは９５％～１００％の間で推移しており、この業界では比較的安定している方です。スシローとカッパはともに９０％前後と苦戦していましたが、今期になりスシローは回復傾向が顕著に表れています。最後にＰＥＲの比較です。株価は６／９終値ベースです。業界平均ＰＥＲは２４．８倍と成長業界であることからそこそこ妥当な水準です。ＲＯＡの平均は４．３％ですが、スシローとくらが圧倒的に高い水準であり、販管費も含めて効率経営が徹底している事がわかります。一番ＰＥＲが低いのはマリンポリスで１１．６倍。前期△２６．６％と減益に対して今期は８０％の増益予想となっています。これが達成できれば割安水準ですが、１Ｑ決算では計画経常利益率５％に対して１％、既存店も平均９３％で推移、前途多難でしょう。２番目に低ＰＥＲがスシローで予想ＰＥＲ（調整）１６．６倍です。ただ中間決算では計画を３．８億円超過しており、下期が仮に計画通りだとすると予想経常利益２７億円、予想ＰＥＲは１４倍となり、売上で実質＋１５％、利益で実質＋２０％成長であることを考慮すると割安な水準と言えると思います。アトム、元気寿司は利益が回復傾向ですが、売上高の成長性がほとんどないことを考えると妥当な水準と言えます。くらは業界では成長性・利益率・ＲＯＡ・財務と全てにおいて１位、現状では非の打ち所がない経営ですが、ＰＥＲ２５倍とそれなりに評価されています。最も意味不明なのがカッパ。この株価は優待により持ちこたえているとしか言い様がないですね。スシローについては今期は少なくともほぼ間違いなく大幅達成ですが、今月の月次を見ても判るとおり、新規出店数が激減しており、来期以降の成長鈍化が懸念されます。主な要因は競合もありますが、一番大きいのが首都圏、中京地区の賃料高騰です。スシローはローコストオペレーションを徹底しており、出店に際しては採算が最優先です。そのローコスト経営徹底が地価上昇局面において成長を阻む要因となっている状況です。その打開策として今後は賃料が比較的低い中国地方への出店を予定しているようです。ただ中国地方は首都圏に比べて人口が圧倒的に少なく、市場規模が小さいです。その中で従来のペースで成長が持続できるか慎重にフォローしていく必要があるでしょう。くらも同じく出店ペースが鈍っており、前期５月末で２０店の出店でしたが、今期は１３店にとどまっています。同じ傾向のようですね。

2006年06月11日

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レストランチェーンの比較・２００６年版

レストラン業界の比較です。１７社取り上げています。全社合計の売上高はたった２０００億円であり、外食業界の中でも大手の存在しない小粒ぞろいの業界と言えそうです。一般的には大規模なチェーン展開をするにはそれなりに市場が大きい事が前提で、その上で店舗の合理化・標準化が必要となると思うのですが、レストランは外食産業の中でも客単価が比較的高く、また毎週のように頻繁に行くところでもないのでやはり市場規模が小さいのかな、と思います。居酒屋なんか、客単価はそれなりに高いですが、週に何度も行くサラリーマンもいますしね。それと比べると市場規模が限れられているのでしょう。売上高・経常利益・時価総額の比較です。業界全体の売上高の伸び率は前期が＋５．４％、前々期は９．５％とそこそこ成長している業界のようです。経常利益も毎年１０％前後で伸びています。売上高１位は木曽路。関東～関西に全業態合わせて１８３店舗を出店しています。ただ経常利益は３位と収益性は低いです。２００億円台に４社ランクイン。２位は急激な勢いで成長を続けるクリエイトレストランツ。昨年上場しました。「マルチブランド戦略」ということで、都心から郊外まで全ての立地、ディナーレストランからファストフードまで全ての業態を運営し、常に変化しつづけるという方針のようです。３年前は６０億円だったのですが、こんな急成長を達成したレストラン会社も少ないです。よく人材が追いつくな、と関心します。３位、４位はお馴染み外食業界でも１、２を争う超優良企業の日本レストランシステムとサンマルクです。安定した高成長をつづけており、経常利益に関しては高レベルなトップ争いを演じています。時価総額ではサンマルクがダントツなんですね。５位は粉飾決算で有名な宮。どうしようもない腐った会社です。今期コロワイドが買収、子会社化する予定です。コロワイドもダメダメ企業ばかり買収してますね。うまく再生できればリターンは大きいのでしょうけど。６位以下は２００億円以下、時価総額もトリドール以外は１００億円以下の小型株ばかりですね。増収率・増益率の比較です。売上高増収率１位はフジオフードシステム。「まいどおおきに食堂」という業態を中心に大量フランチャイズ展開する会社です。それにしても驚愕の伸び率です。売上が１年で２．３倍、経常利益で３倍ですからね、小売企業でＭ＆Ａなしに売上がこれほど伸びた会社は過去にもほとんど例がないのではないでしょうか？もともとが５０億円という小企業だったというのもありますけど。店舗数は前年の２６１店に対して前期は１３９店舗とすさまじい出店スピードですね。フランチャイズ本部の利点を最大限に生かしていると思います。売上増収率２位はクリエイトレストランツ。こちらもすさまじい成長率です。３年連続５０％超ですからね。不動産流動化企業並みの成長です。小売でもあるんですね。５０％超を数年にわたって続けられる会社が。ここは昨年は愛知万博でのフードコートを引き受けた事での特需もあり、今期は売上は３０％成長ながら利益は減収の計画になっています。万博では割高なメニューでぼったくってたということですね。売上増収率３位はトリドール。こちらも２年連続５０％成長です。今期も３０％成長を計画しています。４位のサンマルクは２０％成長を続けており、今期も同等の伸び率の計画です。経常利益も同様に２０％の伸びを維持しており、消長の激しい外食にあって稀なケースです。５位のワイズテーブルは年々成長率が鈍化傾向です。客単価が高い業態なので出店立地も市場も限られてくるので高成長の持続はなかなか難しいですね。６位のひらまつも客単価が高い業態ながら比較的成長率が高いですね。ただ過去２年は利益は苦しい状況が続いていました。ただ今期は上方修正もしており、今後は消費回復の影響がそれなりあるのではないかと思います。にここは株主懇談会のディナーが有名ですね。７位の大戸屋も売上の伸びは安定しています。既存店が伸びず利益は０４年、０５年と苦戦していましたが、前期はようやく回復してきたようです。８位グローバルダイニングは一昨年までは幹部の退職もあって苦戦していましたが、前期ようやく回復してきたようです。東和フードサービスは売上は平均５～６％の低成長ながら、経常利益は２０％成長を続けています。これは高級喫茶の出店比率を高めている事、エリアオペレーション強化により人件費比率を下げていることによるもののようです。ピエトロも売上は完全に頭打ちながら利益は大きく伸ばしています。前期はパスタファストフードのミオミオの不採算店整理により赤字が減った事が要因のようです。それにしてもこのレストランセクターは超成長株が多く出現するセクターでもあるんですね。何ででしょうね。偶然ではないですよね。経常利益率の推移です。外食業界においては比較的高収益企業が多いです。ただ赤字かそれに近いダメダメ企業も多いのも事実です。業界平均経常利益率は６％前後で推移しています。今期は平均で７％の見込みとなっており、不振企業の回復が全体を押し上げている格好です。いつもながらサンマルク、日本レストランシステムの高利益率はほれぼれしますね。競争の激しい業界でしかも客単価もそれなりに高い業態で長年にわたり安定して高収益を上げているというのは、根本的な経営能力が秀でているとしかいいようがないですね。３位のトリドール、５位木曽路、７位東和フードは３年連続して利益率を改善させています。７位のフジオフードサービスは０４年までは８％近い利益率でしたが、翌年からの大量出店に伴う先行投資により利益率が落ちています。今期はやや出店速度を緩めるようで利益率も改善する見込みのようです。１２位ひらまつは急激に利益率が悪化傾向。不況のあおりを受けていたのでしょうか？大戸屋、ワンダーテーブルは０４年～０５年の大不振から前期は立ち直り、利益率を改善させていますね。粗利率・販管費比率の比較です。日本レストラン、サンマルクが異常な高粗利というのは一つの特徴なんでしょうけど、それぞれ業態や客単価も違いすぎるので特徴がつかみづらいですね。あと会社によって厨房の費用を原価にするか販管費にするかによっても違ってくるので表面上は比較しづらいです。そんな中で、傾向としてはサンマルク、クリエイトレストランツ、トリドール、ワンダーテーブルは毎期粗利率が改善しています。客単価を上げているのでしょうか。逆に大戸屋、フジオフード、ひらまつは粗利率が低下傾向にあります。フジオフードは喫茶業態の比率上昇によるものと思います。キャッシュフローの比較です。利益率上位の２社がここでも上位。日本レストランは出店が多くないのでキャッシュが溜まります。クリエイトレストランツ、トリドールなど急成長企業は投資ＣＦが大きく、積極経営です。もう一つの急成長企業・フジオフードはフランチャイズメインだけあり、キャッシュフローが余裕ですね。既存店の比較です。１００％超は開示８社中２社あります。トップは木曽路。ここは３年連続で１００％を超えています。特に主力のしゃぶしゃぶ「木曽路」が好調です。要因は客単価の継続的な上昇です。　　　　「木曽路」客単価０３年　　３，９２２円０４年　　４，０３７円０５年　　４，１９８円０６年　　４，３１７円最後にＰＥＲの比較です。株価は６／７終値ベースです。業界平均ＰＥＲ（調整）は３０．８倍と成長企業が多いことを考慮すれば妥当な水準です。ここと比較するとファミレス業界はかなり割高ですよね。　一番低ＰＥＲはピエトロでＰＥＲ１２倍台。財務悪い・ＲＯＡ平凡・売上低成長と不人気なのもわかりますね。ただ利益は回復傾向ですし、たしかここは優待でドレッシングもあったような気がしますので、そこそこ面白いのでは？と思います。宮も低ＰＥＲです。コロワイドの子会社化でどこまで変貌できるか？に注目です。財務の悪さはリスクあると思いますが。親会社も財務は悪いですからね。ダブルでレバレッジ掛けているような感じでしょうか。超優良企業の日本レストランシステムが会社予想ＰＥＲで１６倍台ですが、成長率はほとんどないので、実力からすればやや安いかもしれませんが、それほどＰＥＲも高くなりそうもないです。大戸屋、東和フードが会社予想ＰＥＲで２０倍前後ですが、妥当な評価でしょう。超成長株のトリドール、フジオフード、クリエイトレストランツはそれぞれＰＥＲ３０～４０倍と高く評価されており、手が出ませんね。ＰＥＲ２５倍くらいなら面白いのですが。ひらまつはＰＥＲ３４倍と割高水準ですが、直近の業績も良く、今後の消費回復の恩恵を受けて急に低ＰＥＲになりはしないかと少し期待しています。最近の下げ相場でどこも相当売られていますが、ここのセクターでは少なくとも積極的に買いたい企業は見当たらない印象です。サンマルクも１年前の比較を見るとＰＥＲ２０倍でしたので、いくら売られているといってもこの１年の間にそれなりに水準是正されたと言えそうです。それにしても毎日更新はきついです。それ以上にきついのがポートフォリオですが・・・騰落レシオ５０％台は９８年９月以来８年ぶりらしいですね。歴史的な売られすぎ相場を経験しているということである意味貴重な経験です。

2006年06月07日

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居酒屋業界の比較・２００６年版（２）

週末体調を崩していて更新できませんでした。だいぶ間が開きましたが、前回の続きです。まず売上高増収率の比較です。ａｍ．ｐｍ、成城石井を買収したレックスが1位。過去３年連続５０％超の成長、今期も全業態での大量出店により２８％増収と急成長が続いています。２位はチムニー。海鮮居酒屋業態の「はなの舞」が大当たり、全国に毎年６０店舗の出店を続けていく計画になっています。建売を主体とした独自のフランチャイズシステムによって大量出店を可能としているようです。３位はコロワイド。こちらは毎年Ｍ＆Ａを続けている事によるものです。以下はコロワイドのＭ＆Ａの推移です。自社開発業態に対してＭ＆Ａ業態が倍以上になってしまいました。　　　　　　　会社名　　　　　　　　　店舗数０２年　平成フードサービス（北海道）　５４０３年　ＷＰジャパン（ウルフギャング・パック）　５　　　　明治製菓リテイル（うまいもの市場）　３４　　　　ドリームフード（いろはにほへと）　６４０４年　贔屓屋　７４０５年　アムゼ（夢創館）　４２０６年　がんこ炎　７１　　　　アトム　１７７　　　　ワールドピーコム（セルフオーダーシステム開発）自社開発業態　２５４店Ｍ＆Ａ業態　　５３３店４位はワタミ。前期１００店もの大量出店により＋２５％の大幅増収となっており、さらに今期も同じく１００店の出店により、＋２２％成長の計画となっており、達成されれば１０００億円企業の仲間入りとなります。５位は三光マーケティングフーズですが、年々伸び率が落ちてきているところが気になります。一六堂は変則決算のため比較できませんが実質的に３０％超成長です。大庄、かんなん丸、テンアライド、マルシェの大衆居酒屋系は低成長。タスコシステムは破綻寸前？で大幅減収です。大量閉店を実施したようです。経常利益増益率です。１位は赤字から立ち直りつつあるテンアライド。２位はチムニー。３年連続７０％超の大幅増収と驚異的な伸びです。既存店が毎年１００％以上の成長を続けている事が要因の一つです。上位５社は大幅増収に対して、６位以下は減収となっています。いづれも既存店の不振によるもので、業界の厳しい実態がわかります。その中でもワタミと三光マーケは今期予想で大幅増益を計画しています。特にワタミは増益のうち、介護事業を大きく伸ばす計画のようです。＜ワタミ営業利益内訳＞　　　　　　０６年実績　　０７年計画外食事業　　３１億円　　→　３９億円介護事業　　　７億円　　→　１２億円介護事業の営業利益率は９％の計画です。介護事業の業界は競争が厳しいというイメージがあったのですが、いきなりこんなに儲かってしまうものなのでしょうか？ちょっとびっくりです。達成できればこの事業は大成功ですね。三光マーケも既存店が回復傾向にあるようで、６月決算なのですが、経常利益の進捗率は８３％でほぼ達成確実です。最も悲惨なのがタスコシステムです。前期は３０億円の大赤字です。既存店が前期比９０％と不振だったのが主要因のようです。また加盟金売上の処理方法の変更により１４．５億円の売上・利益を来期へ繰越しています。これはレックスの１Ｑ決算でも同様の処理に変更となっていることから、業界での会計処理を統一する動きがあったのかもしれません。「継続企業の前提に関する重要な疑義」の烙印を押されていますので、よほどのひどい状態です。昨年１０月にジェイブリッジと資本提携し、事業再生を図っています。ジェイブリッジ子会社の小杉産業とは内装デザインなど、トランスデジタルとはシステム開発、ＴＲＮコーポレーションとは金融サービス事業、篠崎屋とは食材供給・メニュー開発と、様々な企業と提携し経営改善を図っているようです。しかし、どこも怪しい会社ばかりとうのもいい味出してますね。今期は既存店舗の回復に注力すべきところなのでしょうが、何故かフランチャイズ事業にも力を入れるようです。直営店が競争力不足で不振なのにフランチャイズなんて上手くいくんですかね。しかも既存店の計画前提が前期比１０３％と超強気計画なのですが、現在４ヶ月平均で９７％です。まだまだ厳しい状況は続くようです。次に経常利益率の推移。業界平均はタスコを除き６．３％となっています。前期より０．５％悪化しています。トップは一六堂です。ほぼ毎年利益率を上昇させています。客単価が高い業態であることも一因でしょうか。２位はかんなん丸。１０％前後で安定しています。３位はチムニー。３年前の３．４％から８．３％へ急激に上昇させています。これはフランチャイズ収入の増加、既存店の伸びによるものです。４位は三光マーケ。既存店の一時的な落ち込みにより前期から大きく利益率を落としていますが、今期はすっかり回復しています。５位のマルシェも利益率が改善傾向です。５％以下の大庄、レックス、ワタミは利益率が悪化傾向です。いづれも既存店の不振が大きな要因となっています。１０位のテンアライドはギリギリ黒字のレベルながら毎年徐々に回復傾向です。今期予想では２．６％ですが、そこまで回復するかどうか。次に粗利率・販管費比率の推移です。粗利率の業界平均は６６．３％となっており、これはほぼ毎年変化ありません。平均以下の会社はチムニー、大庄、マルシェ、レックスと４社ありますが、これらの粗利率が低い理由はフランチャイズ方式だからです。それぞれフランチャイズに食材を低粗利で供給してお、これが全体の粗利率を低く見せている要因です。レックスについては粗利率２６．５％の成城石井も要因です。ちなみに直営店の利益率が開示されている会社の粗利率は以下の通りで、業界平均以上です。　　　　　直営店　　　　　ＦＣ供給チムニー　７０．０％　　　１８．６％レックス　６６．６％　　　　５．２％またフランチャイズ方式のチムニー、マルシェ、レックスは粗利率は毎年上昇傾向です。特にチムニーの場合は原価の発生しないフランチャイズ収入の割合が増加しているからで、ＲＯＡも高まり投資先としては魅力的なビジネスモデルです。販管費比率ですが、業界平均は６２．６％となっています。平均以下の会社はかんなん丸、大庄、マルシェなど大衆居酒屋系ですが、その中で９位のチムニーは比較的単価の高い個室居酒屋業態でありながらローコスト経営を成り立たせています。キャッシュフローの比較です。直営方式の会社は投資ＣＦが大きくなる傾向にあり、フランチャイズ方式の会社は投資ＣＦが小さいです。ワタミの投資ＣＦが２年連続１００億円を超えていますが、０５年は介護事業子会社の株式取得、０６年は大量出店によるものとなっています。レックスは０６年の営業ＣＦが大きくマイナスですが、仕入債務の減少によるもので、何で仕入債務が急減したかはよくわかりません。■出店方式の違い居酒屋業界は直営方式とフランチャイズ方式の企業とで明確に分かれています。・直営方式　　コロワイド・ワタミ・三光マーケ・テンアライド・一六堂・フランチャイズ　大庄（６２９：２２９）・チムニー（１４１：１６３）　　　　　　　　　マルシェ（２５５：５１０）・タスコ（７０：２８７）　　　　　　　　　レックス（３３７：１０８３）　※（直営：ＦＣ）それぞれメリット、デメリットがあると思うのでどちらが良いのかはそれぞれ経営方針によるものなので一概には言えないと思います。資金的にはＦＣの方が楽ですが、店舗運営のレベルを保つことが鍵となります。投資対象としては投資をせずに利益を稼げるＦＣの方が魅力的ではありますけど。既存店の比較です。唯一チムニーは１００％越えています。競争の激しい業界でチムニーの１００％超はかなり評価できるのではないでしょうか。最後にＰＥＲの比較です。６／１終値ベースです。最もＰＥＲが低いのがマルシェ。調整ＰＥＲで１１．５倍。ＰＢＲも１．２倍です。前々期にやや減益となりましたが、安定した業績の推移、今期は売上高で＋８％成長の予想です。マルシェだけ安い理由はないと思うのですけど、何故でしょうね。レックスは今期も６０％超の利益成長予想ながら会社予想ＰＥＲで２１倍と成長率に比べると安いです。今年に入って売られ続けています。強気のＭ＆Ａと出店計画が悲観されているのでしょうか。自己資本比率も１２％とかなり悪化していますしね。さらに１Ｑ決算も先行投資により赤字になっており、リスキーな会社と評価されているのかもしれません。経営戦略を評価できるのであれば今の株価はかなり安いと思います。コロワイドは調整ＰＥＲでは１８倍ですが、毎年大きい特損を計上していますので、コンセンサスは会社予想の４２倍の方だと思います。高成長がすでに評価されています。チムニーは予想増益率１５％に対してＰＥＲ２５倍とやや割高ですが、既存店が会社計画９５％に対して４ヶ月累計で１００％超で推移しており、全店売上も会社予想では＋１９％に対して＋３５％で推移しています。仮に通期で既存店が１００％となったとすると、経常利益は２６～７億円となる計算で、実質的には５０％成長で、ＰＥＲは１８倍の評価となります。今の水準は個人的にはかなり安いと思います。今後の月次次第ですけどね。自己資本比率はやや低いながらＲＯＡは２位の高水準です。タスコは意味不明な株価です。優待でしょうか？一六堂は成長率も高いですが、ＰＥＲも実質一番高い評価を受けていますね。まだ続きを書いてたのですが、文字数制限で載せられません。残念。

2006年06月05日

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居酒屋業界の比較・２００６年版（１）

いつものパターンだとここらへんでドラッグストアの比較なのですが、いい加減ドラッグストアも飽きてきましたので今日からしばらく外食業界の比較をしてみようかと思います。外食業界は以下の日本フードサービス協会のデータで確認すると、０３年を底に既存店が回復傾向にあります。特に昨年０５年は９９．２％と９年ぶりの高水準となっており、このデータで見る限り消費の回復傾向がうかがえるのではないかと思います。前期の日本企業の業績拡大を受け、今年の夏の賞与も増加傾向にあることが予想されますので、外食業界へ落とされる支出も増加していくのではないかと思います。居酒屋、ファミレス、ディナー業態など、結構潤いそうじゃないですか？今日は居酒屋業界の比較です。既存店売上の過去１２年の推移ですが、９６年の１００．６％をピークに悪化傾向にありましたが、０２年、０３年の９１％を底に全体の傾向と同じように回復傾向が見られ、０５年は９７．１％まで回復しています。ただそれでも前年割れであることには変わりなく、競争が激しいです。＜既存店売上高推移＞　　　外食全体　居酒屋94年 98.6% 　98.9% 95年 98.2% 　 96.6% 96年 99.8% 　　100.6%97年 98.8% 　 97.9% 98年 95.9% 　 96.0% 99年 96.4% 　 94.5%00年 96.5% 　 95.1% 01年 96.7% 　 95.7% 02年 94.4% 　 91.1%03年 94.2% 　 91.2%04年 97.2% 　 95.0%05年 99.2% 　 97.1% まず売上高、経常利益、時価総額の比較です。前回は９社でしたが、今回は新規上場の一六堂に加え、実質的に居酒屋業態に近いレックスを選んでいます。独断ですので、つっこみはなしでお願いします。参考までにそれぞれの企業が展開する業態を載せておきます。１１社の売上高は５，０６５億円で前年比＋３１％、経常利益は２０２億円で前年比＋２％となっています。売上の伸び＋１２０８億円のうち、６８０億円はレックス、その中身はコンビニとスーパーの買収ですので純粋な業界の伸びではないです。ただこの影響を除いても成長が続いている業界であるということがわかります。利益の伸びが低いのはタスコシステムの△３０億円の赤字が影響しています。今回独断で入れた売上１位のレックスは１年半前に以下のように大型Ｍ＆Ａを実施し、急激に事業規模を拡大させています。２００４年１０月　成城石井株式取得、子会社化２００４年１２月　am.pm.株式取得、子会社化　この２社の売上、経常利益は以下の通りであり、レックス全体に占める割合は売上高で５３％、経常利益で４５％とそれぞれ約半分を占める中核事業となっています。成城石井　　　　　　　売上　　　経常利益０５年実績　３５９億円　　１１億円０６年計画　４３０億円　　１８億円ａｍ．ｐｍ　　　　　　　売上　　　経常利益０５年実績　４２０億円　　１８億円０６年計画　４７５億円　　２６億円同社の中期計画によれば、２００８年には売上３０００億円、２０１１年には外食日本一、２０１６年には小売業日本一を目指す、としており、相当な急拡大を志向しています。毎年＋２０％～３０％成長となり、傍目にはリスキーに見えます。０８年までの中期計画もａｍ．ｐｍは日販伸び率１０５％、成城石井も１０２％で計画されており、かなり強気の計画ですね。売上実質２位は非上場のモンテローザです。ただし１年前のデータです。実質的には居酒屋業界トップですね。２５業態もありますが、パクリ王と呼ばれていたり、従業員の過当労働など、良い噂は聞かないです。上場企業での２位はコロワイド。こちらもレックス同様Ｍ＆Ａによって急拡大をしています。業態一覧を見てもわかりますが、４０業態も持っています。和洋中と多岐に渡る多品種少量生産的な業態開発です。経営者はこれら全て把握できてるんですかね？とにかくすごい量です。各企業の業態開発のパターンを見ると、少業態、多店舗展開　他業態、少量展開の２パターンに分かれますね。レックス、テンアライド、養老乃瀧、村さ来などは少業態型コロワイド、大庄、タスコ、マルシェ、モンテローザなどは多業態型ワタミも当初は業態を絞っていましたが、近年は多業態化しつつあるようです。三光マーケティング、チムニーも今のところ業態を絞っているようですが、徐々に増やしていく傾向でしょうか。消費者も飽きやすく、一業態の寿命が短くなっていることが多業態化する要因だと思いますが、１０年以上続く大ヒット業態を開発するか、内野安打をこつこつと続けるか、ですね。・・・次回に続く

2006年06月01日

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スーパーマーケットの比較・２００６年版（３）

最後にＰＥＲの比較です。「予想ＰＥＲ（調整）」は１株利益を簡便的に経常利益×５０％で計算している参考値です。株価は５／２６終値ベースです。業界平均ＰＥＲは２３．２倍ですが、平均以上のＰＥＲは１１社／４２社で半分以上が２０倍以下となっています。低成長かつ地味な業界なのでＰＥＲ評価も妥当～やや割高と言ったところでしょうか。またＰＢＲ１．０倍以下は１４社／４２社です。予想ＰＥＲで１０～１２倍以下の絶対的な割安水準と言えるのはマルミヤ、マルキョウ、ジョイスの３社です。さらにひいさんの書き込みにあるように今日マミーマートの中間決算が出ていますが、経常利益が計画の８．８億円に対して、１０．３億円と大幅に上回っていますね。通期の経常利益も１９億円から２０億円へ上方修正しています。今日時点で会社予想ＰＥＲ１０．６倍ですか。う～ん、素晴らしいです。ＰＥＲ１２倍以下はこの４社のみであり昨年と比較して割安株がかなり減っていますね。１年前はサンエー、ハローズなどがこの水準でしたからね、今から見れば道端に金が落ちてる状態ですね。それにしてもＰＥＲ８．５倍と最も割安なマルミヤは万年割安株ですね。売上も毎年安定して５％成長を続けていますし、利益も改善傾向ですし、十分買える水準ですね。ただ流動性ですね。何度か指値入れたことはあるのですが・・・。マルキョウ、ジョイスなどもＰＥＲ１２倍、こちらも万年割安株です。ＰＢＲも０．４倍、０．３倍と今時・・・という水準です。売上は完全に横ばい、利益がイマイチ安定していませんので、ＰＢＲで買う銘柄でしょうか。マックスバリュ西日本が調整ＰＥＲで１２倍、会社予想ＰＥＲで１７倍です、毎年閉店費用が特損として発生しているのでどちらがコンセンサスなのか微妙ですが、今後３年間で１０店の閉店を予定していることからもしばらく特損が続く事が予想され、会社予想ＰＥＲで見た方が無難でしょうか。ただ経営改善が着実に進んでおり、利益率が大幅に上昇傾向です。不採算店舗の整理が終われば非常に面白そうです。今後３年間で４０店舗の出店を予定しており、成長路線を志向するようです。ヤマザワ、アオキ、ベルクなどもお馴染み低ＰＥＲ株です。それぞれＲＯＡ、財務とポイント高い堅実な会社ですが、成長性を考えてると割安感があまりなくなったような気はします。マックスバリュ東海も会社予想ＰＥＲで１５倍とそこそこ割安かもしれませんが、成長率が一服という感じですね。オオゼキも今期は伸び率高いですし、もう少し評価される余地はあるのではないかと思いますが、ＰＥＲ２０倍以上にもなりそうにないです。安全域は少ないです。割安水準と言えるのはこのあたりまででしょうか。ＰＥＲでは買ってもいいかな、というのはマルミヤくらいですかね。それ以外は無理しなくても他の業界にもこのレベルで成長率が高い会社が結構あります。成長株系だと、個人的にはバローが面白そうです。ＰＥＲ２３倍で割安感はありませんが。あとは大黒天物産ですね。ＰＥＲ３５倍ですし、今のところ月次も好調キープ。どこまで伸びるかに注目したいです。あらためて１年前と比較してもスーパー業界もフェアバリューに近づきつつありますね。

2006年05月31日

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スーパーマーケットの比較・２００６年版（１）

さて、２００６年３月決算も出揃ったところで、またまた小売業・同業他社比較をやってみようかと思います。こんなことしてどれだけ意味があるのかはイマイチ不明ですが、昨年２回やってみてやはりやる前と後では格段にひとつの企業に対する見方がかわった、あるいは、業界での位置づけ、特徴が理解でき、より客観的な評価ができるようになったかもしれません。スクリーニング法として絶対値を重視していたのですが、相対的に良いのであれば、絶対値にこだわる必要はないと気づきました。今日はスーパーマーケットの比較です。上場４３社の一斉比較です。※注１　２００６年３月で区切っており、２００５年４月～２００６年３月決算を　　　　「２００６年度」としています。※注２　２００７年予想売上高は「売上高」以外の営業収入を含んでいない場合があります。まずは売上高・経常利益・時価総額を比較し、業界にどんな会社があるのかをざっくりと見てみたいと思います。４３社合計の売上高は５兆３０８億円で、前期比＋２．５％の増収を確保しています。経常利益は合計で１，２２８億円、＋１．７％の増益となっています。やはり日本を代表する巨大な産業ですね。ただ業界全体の成長性は極めて低く、数字で見ても成熟している市場である事がわかりますね。売上業界トップはライフです。大阪が地盤ですが、関東にも多数出店している珍しいスーパーです。一定地域以外への進出はあまり見られないと思います。確か最近社長が三菱商事出身の人と交代して現在業務改善に取り組んでいますね。ちなみに私が最もよく利用するスーパーなのですが、あまり変化ないですね。ライフを筆頭に売上１０００億円超の企業が１７社あります。それぞれ地域別に棲み分けているのでしょうか。経常利益額トップは１４２億円のヨークベニマル。突出していますね。これを受けて時価総額もダントツです。経常利益５０億円以上の企業は９社／４３社です。そして時価総額５００億円以上の企業も９社／４３社です。このあたりが一つの壁になっているかもしれません。ちなみに売上高では下から５番目の大黒天物産が時価総額では１４位と上位に位置しています。高い利益率と成長性が評価されています。次に売上高増収率です。１０％超の企業はたったの５社／４３社しかないです。やはり成熟産業です。岡山を地盤とする食品ディスカウントスーパーの大黒天物産がダントツ１位です。毎年３０％～４０％成長を続けており、小売業界でもその成長性の高さは尋常ではありません。食品ディスカウント業界は非上場企業を含めて今後競合も厳しくなっていくと思われますが、今のビジネスモデルがどこまで通用するか、将来が楽しみですね。今期は兵庫、山陰へ進出を始めています。本当のオンリーワン業態であるなら、今期計画の売上高４１６億円は単なる通過点なのでしょう。バローが２位。昨年北陸で展開するスーパー・ユースを買収していますが、その効果もあり＋２７％もの大幅な増収を達成しています。バローはスーパーだけでなく、ドラッグストア（中部薬品）やホームセンターも積極出店を重ねており。とにかく東海・北陸を制圧しようかという勢いを感じます。そのあおりを食ってゲンキーは苦しんでいるわけですが・・・。今期も＋１５．５％増収という大幅増収の計画。もっと早く気づいてこっちに乗り換えればよかったです。３位はマックスバリュ東海。毎年１０％超の高い成長を続けている優良企業です。今期は少し成長が鈍化でしょうか。ハローズが４位。広島の成長企業です。こんな成長企業が長年ＰＥＲ１０倍そこそこで放置されていましたが、昨年ようやく評価されましたね。２４時間営業を武器に岡山へ進出、そして瀬戸内ドミナントを形成する計画のようです。１０位のオオゼキですが、毎年少しずつ成長率を上昇させており、今期予想ではなんと＋１２％増収の計画です。競合激しい首都圏でこの成長率はすごいですね、今期予想では大黒天は当然として、２位が新潟の原信で＋３０％、３位が三重のマックスバリュ中部で＋２５％と大幅増収の計画となっています。原信は「ナルス」と合併、マックスバリュ中部は「ナフコはせ川」の買収によるものです。次に経常利益の増益率です。この業界は利益率が低く、また業績のブレが大きいので、毎年大幅な増収や減益を繰り返す企業が多いですね。今期予想を含めて４年間増収を続けている企業が１５社／４３社しかありません。この業界で毎年安定した業績を続けるのは難しいようです。地味なところでは丸久、マックスバリュ中部、ヤマザワ、ヤオコー、ドミーなど安定して伸びていますね。上位７社までは全て前期、あるいは前々期からの回復によるものです。前期の減益は１３社／４３社。０５年度は２１社だったので、前期はやはり景気回復の兆しがあったと言えるのかもしれませんし、各企業のリストラ効果が表れているのかもしれません。次に経常利益率です。今期予想を含めて５年間の推移です。やはりこのようなブレが大きい業界では過去からの変化も合わせて比較するとより理解しやすいです。（青色は利益率上昇、赤は低下をあらわしています）業界平均の平均利益率は２．４％と低い水準です。５％以上が３社、４％以上で６社、３％以上でも１４社しかありません。スーパー業界では３％以上あれば十分優良企業と言えますね。やはりオオゼキは化け物級ですね。一度店を見に行った事があるのですが、全然普通のどこにでもあるような小さなスーパーなんですよね。ただその小さい店にあふれんばかりの客が来るんですよ。坪当たりの売上が異常に高いんですね。サンエー、大黒天も説明するまでもありませんが、注目は６位の山口県の丸久でしょうか。３年連続で利益率を改善させており、３年前の２．７％から４．３％へ大幅に改善させています。またマックスバリュ西日本も０４年の１．８％から３．７％へ改善しています。東武ストアも０３年の０．５％から毎年上昇させており、前期は２．７％へと大きく改善しています。それぞれ地道な経営改善が実を結びつつあるようですね。逆に利益率が低下傾向なのがベルクです。０３年は６．３％と業界トップだったのが、前期は３．７％と１０位へ落ちています。埼玉が地盤ですが、やはり相当競合が厳しいのでしょうか。ベルク以外でもマミーマート、東急ストア、いなげや、ユーストア、ダイイチ、マルヤ、マルエツなども利益率低下傾向でジリ貧です。このあたり負け組みになりつつあるのかも。・・・次回へ続く。４３社もあると表にするだけでも相当しんどいっす。もうすでに嫌になりかけてます（笑）。今年は去年より平均して帰宅が２時間くらい遅いのでこのマニアック企画もいつまで続くかさっぱりわかりませんけど、ちょうど、相場も低迷中で業界調査にはちょうど良い時期ですし、なんとかがんばりたいです。本当は同じような情報をどこかの雑誌が定期的に提供してくれないかとずっと期待していたのですが、なかなかないですね。

2006年05月29日

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回転寿司の比較（４）

まず３社の、予想経常利益、時価総額、予想ＰＥＲ（EPS=経常利益*50%）の比較です。　　　　　予想経常利益　　　時価総額　　　予想ＰＥＲ　　　スシロー　　　２３億円　　　２１２億円　　１８．４倍くら　　　　２４．５億円　　　３８９億円　　３１．８倍カッパ　　　　１０億円　　　３５７億円　　７１．４倍予想経常利益はスシローをくらが７％ほど上回っていますが、時価総額は２倍近く差があります。成長率が違うことが大きな要因ですが、ここまで実力差があるのか？と思いますね。カッパはすでに意味不明な水準ですね。将来の回復期待が大きいのだと思います。実は月次から３社とも実績は会社予想から大きく乖離するであろうことが推測できます。まずカッパですが、５月決算なので現在第３四半期決算まで開示されていますが、３Ｑまでの経常利益は４億円です。先日下方修正しましたが、それでも残りの４Ｑで経常利益６億円も稼ぐ予想です。４Ｑの利益率３．８％です。まずありえませんね、恐らく良くても通期で６億円ほどでしょう。再度の下方修正は間違いないです。となるとＰＥＲは１００倍以上になりますね、今後の株価の動向に興味あります。今後回復したとして経常利益２０億円に回復してもＰＥＲ３５倍ですからね、株価は今の半分まで下がってもおかしくないように思います。＜今期の経常利益推移＞　　　　経常利益　　　　経常利益率１Ｑ　　２．９億円　　　１．８％２Ｑ　　　　０億円　　　０．０％３Ｑ　　１．１億円　　　０．７％４Ｑ　　６．０億円　　　３．８％　（会社予想）　→　下方修正するのでは？次にくらです。現在第１四半期決算まで開示されています。中間決算は、会社予想では売上高で＋１７％予想ですが、直近５ヶ月間累計で＋２０％で推移しており、絶好調です。４月も前年比＋２０％であれば、中間決算では売上高は会社予想を５億円前後上回ることになりそうです。これは２月、３月で既存店が１００％を超えたことによるものと思われます。大雑把に中間決算を試算してみます。粗利率を１Ｑと同じ、販管費も１Ｑと同じと仮定します。　　　　　１Ｑ実績　　２Ｑ試算　　　中間試算　　　会社予想売上高　　９４．５　　９５．８　　１９０．４　　　１８５．５粗利　　　４８．３　　４９．０　　販管費　　４３．１　　４３．１営業外　　　０．３　　　０．３経常利益　　５．６　　　６．３　　　１２．０　　　　１１．４経常利益率　６．０％　　６．６％売上が良いわりに販管費を１Ｑと同じ額としても経常利益はあまり上回りそうにないです。次にスシローです。第１四半期決算まで開示されており、来月中間決算です。１Ｑで既に中間の予想経常利益の６６％を達成と、かなりの保守的予想です。そして既存店の前提は９５％なのですが、直近の３ヶ月では平均でこれを２％上回っています。また売上高も月次ですでに中間予想を８．５億円上回っています。では中間決算を試算してみます。粗利率を１Ｑと同じ４８．８％、販管費は１Ｑから２Ｑの店舗数の増加分の＋３％と仮定して１Ｑ＊１０３％とします。　　　　　１Ｑ実績　　　２Ｑ試算　　　　中間試算　　　会社予想売上高　　　１１９．１　　１２２．２　　　２４１．２　　２３２．７粗利　　　　　　５８．１　　　５９．７　販管費　　　　５２．２　　　５３．８営業外　　　　　０．３　　　　０．３経常利益　　６．２　　　６．１　　　　１２．３　　　　９．５経常利益率　　５．２％　　　５．０％これはそこそこ保守的な試算だと思うのですが中間予想に対して＋２．８億円、３０％上方修正になってしまいます。実際は経費次第でどうなるかはわかりません。さらに下期も既存店が現状程度の１００％近くで好調に推移するとすれば下期でも上期同様に経常利益が３億円前後はプラスされそうです。上記はあくまでも上期の増益額から推測したものですが、次に限界利益の考えでに計算してみます。１ヶ月の既存店売上高を単純に、昨年の売上と同じと考えて、1ヶ月の既存店売上は約３９億円あります。既存店が会社前提の９５％を１％上回れば1ヶ月で３７百万円の売上、１８百万円の粗利がプラスされます。下期で平均して１％良くなれば１８×６＝１０８百万円の増益となる計算です。今期の経常利益の予想ですが、あくまでも既存店が現状あたり（９７～９８％）で推移すればの話ですが、会社予想の２３億円から２８～２９億円となってしまいます。と言う事は３０％前後の増益でＰＥＲ１５倍前後ですね。私の全くの妄想ですが（笑）、スシローの回復がコンセンサスを得られれば、成長性・外食業界の平均ＰＥＲから考えてもＰＥＲ２５倍くらいまでは評価されてもおかしくないと思います。２８億円×５０％×２５倍＝３５０億円となりますね。株価で６０００円くらいです。これでもくら、カッパと同程度ですので、全然不自然ではないと思います。まあ、今後の月次次第です。スシローの回復要因となった取り組みは２月の月次で書いたとおり主に以下の点です。ただしこの効果がいつまで持つかわかりませんけどね。・いつも新鮮なネタを回すための３０分の自動廃棄システム・店舗でネタをスライスできる設備の導入・客の需要を最大限に満たしつつ廃棄損を抑えるための皿の裏のＩＣチップを利用した単品管理　システム最近の復調は地道に良いネタを提供する事を追及した結果であり、決して偶然ではないと考えています。なのでここから急激に悪化する事もないのではないかと思います。今回のシリーズの結論としてはくらは適正水準、カッパは超割高、そしてスシローはまだまだ悲観された状態であり、また大きな上方修正余地もあり、非常に割安なのではないか？ということです。いずれ見直される日が来るでしょう。

2006年04月24日

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回転寿司の比較（３）

前回の続きです。出店数の推移です。首都圏・中部・関西の3地域別の店舗数の推移です。２００６年は決算期に合わせており、カッパは６月～３月の１０ヶ月間、スシローは１０月～３月の６ヶ月間、くらは１１月～３月の５ヶ月間の数値です。カッパですが、２００６年になって出店数を減少させています。２００４年　出店６１　閉店１０　期末２５７店（＋２５％）２００５年　出店３８　閉店　５　期末２９０店（＋１３％）２００６年　出店１０　閉店　２　　（１０ヶ月）　スシローは特に昨年に＋３８店と大量出店しています。特に中部、首都圏へ集中させています。２００４年　出店３５　閉店８　期末１４０店（＋２４％）２００５年　出店３８　閉店６　期末１７２店（＋２３％）２００６年　出店１３　閉店１　　　（６ヶ月）くらは毎年＋３０％超の大量出店をしています。特にスシロー同様に中部、首都圏への出店を集中させています。２００４年　出店２８　閉店０　期末１１１店（＋３４％）２００５年　出店３７　閉店１　期末１４７店（＋３２％）２００６年　出店　９　閉店１　　　（５ヶ月）スシロー、くらの出店地域の推移から、１００円寿司市場は関西はほぼ飽和状態であり、逆に首都圏には１００円寿司の出店余地がまだ残されているのではないか、ということが推測できるのではないでしょうか。次に首都圏での３社の店舗数推移です。２００４年までは首都圏ではカッパの独占だったのですが、２００５年にほぼカッパ＝スシロー＋くらとなり、２００６年にはこの２社の合計に抜かれる勢いです。首都圏でも１００円寿司市場の競合がかなり激しくなっている状況がわかります。次に３社の経常利益率の推移です。くらが最も安定して高い利益率で推移しており、スシローは昨年１Ｑの３．３％を底に回復傾向で、今期はくらと同等レベルで推移しています。カッパは６四半期前を境に急激に利益率を落としています。これは昨日の１店舗当たりの月商推移をみてもわかりますが、ちょうどカッパの１店舗あたり月商が２～２．２千万円から１．６～１．８千万円へ急激にダウンした時期と重なります。そして上で見たようにこの時期はくらとスシローが大挙して首都圏へ出店攻勢をかけてきた時期とも重なります。つまりカッパはかなりの客をスシローとくらに奪われたのではないかということが推測されます。これらのことから少なくともカッパはしばらくは低迷が続くでしょう。では、スシローとくらはどちらが良いのか？という事ですが、経営数値的には甲乙付け難いのではないかと思います。昨年はスシローが利益率でやや劣っていましたが、今期はスシローの既存店が回復し利益率もほぼ同等レベルです。そして最も差があるのが成長率です。　　　　　■売上高増収率　　　　　　　　　　　　スシロー　　くら　　　　カッパ　　２００３年　　　　　　　２１％　　　３７％　　　３４％２００４年　　　　　　　２５％　　　３３％　　　２１％　２００５年　　　　　　　２２％　　　２５％　　　　３％２００６年（予想）　　１３％　　　１５％　　　－４％２００６年（直近月次）１７％　　２０％■経常利益増益率　　　　　　　　　スシロー　　くら　　　　カッパ２００３年　　　　１７％　　　５８％　　　４５％２００４年　　　　２４％　　　２４％　　　２３％２００５年　　　　１２％　　　３６％　　－７８％２００６年（予想）　７％　　　１１％　　－４６％くらの方が全体の店舗数が少ない事もあると思いますが、成長率が平均で＋３０％前後と高くなっています。この点がＰＥＲ評価の違いに直結しています。ビジネスモデルとしては１００円回転寿司ってダイソーなどの１００円ショップと似ているのではないかと思います。つまり１００円でこんな美味いものが！という驚きを与えているのではないかと。つまり単に食事する施設だけではなく一種の娯楽施設かもしれません。ということは常に驚きや意外性を与え続けなければ飽きられてしまいます。なので頻繁に特別なネタのフェアなどを続けているのかもしれません。とくにくらはネタの良さに加えてタッチパネルの導入により娯楽性を追及しているので、１００円寿司チェーンとしては一番強いのではないかと思います。・・・次回に続きます。

2006年04月23日

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回転寿司業界の比較（２）

ここ１～２ヶ月はすっかり株に対する熱が下がり気味です。ただモチベーションが下がったというわけではなく、熱中度が下がった感じです。それというのも１月、２月の市場低迷時に今年の勝負銘柄を十分仕込むことが出来たので安心・放置モードで、新たな銘柄探しや株価チェックもほとんどやる気が起きません。私は極端なタイプで熱しやすく冷め易いんですね。ブログもフェードアウトモードです。ただ主力銘柄（アインＦ、ゲンキー、Ｇ－７、ワッツ、サッポロＤ）はどれも馬券で言えば中穴狙いで、一時的に利益が伸び悩んでいる会社ばかりであり、私としては結構リスクをとった銘柄選択なのでみんなハズレばかりだったらまた銘柄調査に夢中になるかもしれません。それか本命馬券的な薬王堂、チムニーあたりにシフトするかですね。今日は最近既存店が好調なおなじみあきんどスシローについて１００円寿司業界の同業比較をしてみようと思います。・スシロー・くら・カッパの業界大手３社の比較です。まず、前回の「回転寿司の比較」を良くお読みください。このデータを理解していただいていることを前提に進めます。カッパの業績が昨年急激に悪化したことは有名です。その業績悪化の原因は一時的な伸び悩みではなく、根本的な問題であることは販管費と原価率の関係を比較すれば容易に判断できると思います。この３社が競合すれば明らかにカッパが不利です。つまりカッパは単純に、スシローとくらに比べて「原価率が低い＝まずい」ということです。値段は同じ１００円ですからね。現在の３社のＨＰから拾えるデータを下に既存店や利益率を比較してみます。まず既存店売上の比較です。過去２年半の推移です。昨年２月まではカッパが平均的に悪いながらもスシローとカッパの２社が同様の動きをしていることが分かります。しかし昨年の７月～８月を境に明暗が分かれます。スシローが１００％に近づいてきています。つまり明らかに回復傾向にあります。またくらはほぼ９５％以上で推移していて１００％超えの月も過去１年間で４回あります。つまり既存店売上だけを見るとくらが最も好調です。次に１店舗当たりの月商の推移です。（単位：千円）まずこれを見ればカッパの不振が明確です。もともとカッパが一番低いのですが、それでも一昨年の８月までは２００００千円～２２０００千円の間で推移していたのがそれを境に１６０００千円～１８００００千円へと大きくダウンしてしまっています。スシローとくらは２年前までは同程度だったのが、１年半前辺りからくらが徐々に低下傾向です。既存店売上ではくらが好調そうに見えますが、１店舗あたり売上で見ると以外にスシローが堅調なんですね。この点については昨年okenzumoさんも分析されております。それでは念のためこの１店舗当たり売上の前年比の推移を見てみます。まずわかるのか３社とも１００％を恒常的に割っている事です。つまり限られたパイを奪い合っている激しい競合状況が推測されるのではないでしょうか。カッパが大幅に下がり続けている事がわかります。特に昨年３月以前はマイナス１０％以上が続いていますからね、恐ろしい状況です。最近１年でも一時的に回復しかけましたが平均的にマイナス５％～１０％の間で推移しています。くらも以外に良くなく、平均的にマイナス５％前後をいったり来たりです。しかし！この２社に比べスシローは昨年２月を境に徐々に安定して回復傾向です。他社の様にボラティリティが高くなく、本当に安定した動きなんですね。全店舗を通じた店舗運営が平均的に向上しているのではないかと思います。今年に入ってからは１００％にかなり近く、好調振りが明らかです。・・・ここらで眠いのでもう寝ます。次回に続きます。

2006年04月21日

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ドラッグストアの過去実績推移の比較

ドラッグストア業界各社の過去の実績推移の比較です。売上高「増収率」経常利益「増益率」「経常利益率」の３つの指標の時系列推移をグラフにしています。手持ちの四季報で調べられる限りなので、会社によって年数に差がありますがご了承ください。過去減収になった会社は１社もないのは当然として、以下は連続増益記録を更新し続けている会社のランキング。太字の会社は過去１度も減益になっていないです。・ツルハ（１０年）・サンドラッグ　（１０年）・マツモトキヨシ（１０年）・カワチ薬品　（８年）・スギ薬局　（７年）・ゲンキー（６年）・コスモス薬品　（５年）・薬王堂　（５年）・ウェルシア関東（５年）・クリエイトＳＤ（５年）２度以上減益の経験があるのが以下の会社・セガミメディクス　（２回）・サッポロドラッグストアー（２回）・寺島薬局　（２回）・ライフォート（３回）・セイジョー（３回）これらのグラフを俯瞰してみてわかることはやはり安定的に利益を伸ばし続ける会社は皆無だということですね。どんな優良企業でも伸び悩みの時期はあります。高成長と堅実財務を両立させる超優良企業のサンドラッグも９８年と０３年は伸び悩んでいます。カワチ薬品のように年々利益率を伸ばす理想的な会社もあれば、スギ薬局や２年前までのセイジョーのように坂道を転げ落ちる如く利益率が年々悪化する会社もありますね。恐いです。経常利益率が過去１度も下がった事のないコスモス薬品の伸びは今のところ突出しています。未だに経常利益率が３．５％と低いので伸びる余地はまだまだあるのではないでしょうか。

2006年03月27日

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同業他社比較の分類イメージ

私が同業他社比較をするのは業界内での各社の位置づけを把握するためです。私はいつも各業界毎に頭の中で以下の表のような分類をイメージしています。成長率・利益率・自己資本比率でおおざっぱに分類しています。小売業では経常利益率は５％以上は良い企業ということになると思います。これは小売業全社のだいたいの平均値だと思います。自己資本比率は３０％以上であれば健全という認識です。２０％でも問題ないと思います。特に薬局系は支払いサイトが２～３ヶ月、売掛は即日入金なので既存店前年割れが長く続かない限り資金繰りに窮する事はない商売です。極端に言えば仕入れの為の資金なんて用意しなくても商売が始められてしまうおいしい商売です。利益率が落ちてきたらとりあえず出店をとめればよいです。最近ではミドリ薬品とかサッポロドラッグとか出店スピードを減速してます。このような分類より相対的に割安になっている会社に投資するようにしています。そしてこの業界内の位置づけというのは刻一刻と変化していきます。なので時々は見直して、相対的に割安になっている会社はないかチェックしていきます。この変化を見逃さないということも重要です。特に利益率はある時急激に変化する場合が多いので、四半期毎にチェックします。昨年で言うと、セイジョー、ミドリ薬品、コスモス薬品は急激に利益率が改善し、株価が大きく変化しました。（ドラッグストア業界の例）この表では左上にいくほど成長企業ということになります。この表を見れば一目瞭然、ゲンキーとサッポロドラッグは明らかに割安だと思います。なので今回の暴落で寺島薬局、セイジョーを売って相対的にかなり割安になったゲンキーとサッポロを買い増ししました。はっきり言ってゲンキーの３０万、サッポロの２７万は道に金が落ちているようにしか見えません（笑）。ゲンキーは下方修正が影響してるんでしょう。サッポロは昨年の前期、前々期の利益率の低下が悲観されていると思います。しかし今期は少し改善しています。このほかジップもＰＥＲ１０倍でかなり割安で購入を迷いましたが、成長率の好みで２社に絞りました。明日以降買うかもしれません。あとミドリ薬品も３Ｑ時点で利益の進捗が９０％近くで実質的にはＰＥＲ１３倍前後だと思います。ミドリ薬品は利益率が毎年大きく改善しているのでまだ見直される余地が十分あります。私がゲンキーとサッポロドラッグストアーにウェイトをおいているのもこのような理由です。相対的に株価評価のゆがみがあるからです。また薬王堂もＰＥＲが２０倍以下です。成長率との比較で割安であることがわかります。このように同業他社比較をすると合理的な判断がよりしやすくなると思います。コスモス薬品を持ってるのは、割安株だけだといつ見直されるかわからないリスクがあるからです。コスモス薬品は毎月高成長が確認できるので、それが触媒になります。ちなみにワッツも昨日買い増ししました。２０万円は道端に金が落ちているようにしか見えません。私はＰＥＲを重視した投資をしていますが、ＰＥＲの前提は成長率と財務健全性や事業内容などから見た事業継続性が反映されているという認識です。リンチの成長率とＰＥＲの関係を表すＰＥＧの考え方は非常に単純で気に入っています。少なくともＰＥＧ１以下が基準ですね。

2006年02月22日

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外食業界の比較－株価の推移－

今日は外食業界の株価５０社（ほぼ）一斉比較です。もう別々にするの面倒になってきたので許して下さい（笑）。業界平均の株価上昇率は３９％。（今回の平均の取り方は各セクターの平均の平均ですので全社の平均とは少し異なります）ＴＯＰＩＸをやや下回る結果となっています。５０社中株価が下がったのが１８社、３６％もあります。今期の減益予想が２４社。５０社もあるのに株価２倍以上がたったの６社です。逆風吹き荒れる厳しい業界ですね。そのような中で減益予想が1社もないのが居酒屋業界。四季報６月号から１２月号にかけて経常利益が全社プラスになっているんですね。昨年は９社中６社が減益でしたので、今期はかなりの復調だと思います。競争厳しい中で企業努力、経営改善をいち早く図ってきている結果が出てきているのかもしれません。とにかくこの業界は利益の変動が激しすぎますね。１００％の増益、あるいは減益の会社も多いです。小売業の中でも特殊だと思います。やはりはやりすたりが大きく、既存店売上がものすごく変動しやすいですね。さすがに各社にコメント付ける能力がないので、不親切ながらご自分で興味のある会社をみていただければあり難いです。私は各社の最近の月次推移と業績とＰＥＲを見比べながらもう少し調べてみようかと思います。成長株の王道を行くならサンマルク、カルラ、ゼンショー、コロワイド、ワタミ、チムニー、くら、あみやき亭あたりでしょうか？わかりやすいターンアラウンド狙いならフライングガーデンかな？月次を毎月チェックです。個人的には今後の好景気の持続、消費拡大によってこの業界も今年から来年は恩恵を受けるのではないかと予想しています。ということで昨年末から続けてきた株価比較シリーズは今日で終わりです。既に私のブログもマンネリ化してきていますが、飽きもせずご訪問くださった方、ありがたくコメントいただいた方々に心から感謝いたします。私も自分の記事を読み返して改めて今年の戦略を考えたいと思います。ちょうど相場も調整していますしね。

2006年01月24日

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中古車業界の比較（２）－株価の推移－

今日は中古車業界の株価の比較です。参考：中古車業界の比較　　　　中古車輸出業界の比較　■前提・業績データは全て四季報です。・実質ＰＥＲは経常利益×５５％／株数で計算。・１２月末　６月末　１２月末　と並んでいる欄は左から２００４年１２月、２００５年　６月、２００５年１２月にそれぞれ発売された四季報の経常利益を使用、つまり半年　毎の四季報の経常利益とその当時の株価でＰＥＲ計算しています。業界平均株価上昇率はなんとたった１４．８％です。小売業界でも最低でしょう。それほど悲観されている業界なのでしょうか。業績が順調な会社も多いんですけどね。１位はジャックホールディングス、現在はライブドアオートですね。多分この業界では今年の株価上昇率最下位決定かもしれませんね。８月末にライブドアによる買収が発表されて以来、年末にかけて上げ続けました。その後１１月末にはライブドアから０６年初にも中古車ネットオークション出品代行サービスを始める意向が示されたことを材料視され、１ヶ月で３倍近くに株価が上昇しています。そして一昨日の事件で、株価は元に戻りました。業績は０２年から不振が続いており、業界の負け組みで回復のめども立たない状態でしたので、今後ライブドアの実力が問われるところですね。２位はケーユー。４０％の上昇です。以前の比較でも私が割安なので見直されるのでは、とコメントしていますが、やはり割安水準の訂正による上昇ではないかと思います。１０％前後の成長率でＰＥＲ１０倍台ですので、まだ見直される余地はありそうです。ここはＢＭＷ販売代理店を前期に買収していますので、今後バブル経済になれば面白そうな会社です。３位・オークネット、４位・アガスタ、５位・アップルインター、６位・ガリバー７位・ＵＳＳとほとんど株価が動いていませんね。アガスタ以外は比較的業績も堅調なのですけどね。ガリバー、ＵＳＳなどはまだ買える水準なのではないかと思うのですが、今期の増益率がやや鈍っているので今後の利益成長が懸念されているのでしょうか。ＵＳＳは株価も１１月の中間決算以降下げてますね。前期中間決算の営業利益は４３．３％だったのが、最近オークション以外の販売業も始めたからでしょうか、今期中間では３８．２％に下がっていますね。それでもこの利益率ですからね。不動産流動化企業並みの利益率です。同じ手数料ビジネスですね。成長率ではトップクラスのトラストが値下がり率トップです。前期決算の下方修正をしていますが、原油価格高騰により海上輸送費が増加したもののようです。１年間下げ続けでしたが、原油価格の水準が今のまま推移すればしばらく株価も厳しいのでしょう。今日のフージャースの３Ｑ決算、やはり凄いですね。利益は１００％以上の伸びですからね。今の株価はありえないです。水曜に買い増ししておいて良かったです。

2006年01月19日

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スポーツショップの比較（２）-株価の推移－

今日はスポーツショップの株価の比較です。といってもこの業界で上場しているのはたったの３社です。参考：スポーツショップの比較■前提・業績データは全て四季報です。・実質ＰＥＲは経常利益×５５％／株数で計算。・１２月末　６月末　１２月末　と並んでいる欄は左から２００４年１２月、２００５年　６月、２００５年１２月にそれぞれ発売された四季報の経常利益を使用、つまり半年　毎の四季報の経常利益とその当時の株価でＰＥＲ計算しています。業界平均の上昇率はなんと！１１３．１％です。この斜陽業界になにがあったのでしょう。１位はヒマラヤで株価が２．４倍になっています。０１年～０４年に低迷していましたが、今期ようやく復調してきているようで、今期は２５％の増益予想となっています。またdsanさんもコメントされているように、昨年３月以降既存店売上が１００％を上回り続けています。それに伴い株価も徐々に上昇しています。詳しくはdsanさんのブログを確認していただければ、今期決算は会社予想より良い状況の可能性が高い事がわかります。２位はコージツ。正直、何が評価されて株価が上がったのかよくわかりません。ただ今月に入って急落しているので、上昇相場につられただけなのかもしれないですね。11/28の変則１Ｑ決算では経常利益は前期比＋１５５％、そして来期予想経常利益は前期比２．９倍と急上昇する見込みですが、ＰＥＲ的には２４倍とそれなりに評価されています。３位はゼビオ。ここも約２倍です。7/29に通期予想を上方修正してから上昇が始まっています。その後10/28に通期予想を下方修正し、一時的に急落していますが、すぐに反転、その後急上昇です。やはり気候に敏感なセクターなのでしょうか。単に上昇相場に乗っただけかもしれませんが。ここも最近の月次がすごいことになっています。１１月は１１０．１％、１２月は１２５．１％と大雪特需の恩恵をフルに受けています。また上方修正するかもしれませんね。それを見越して今の株価になっているのだと思いますけど。今週は仕事が激務で更新がしんどいです（笑）。でも早くこのシリーズ終わらせないと2月になっちゃうしね。しかしアインまで下げるかね（怒）そう言えば私の持ち株で唯一セイジョーだけが上げました。ドラッグストアの中で一番ディフェンシブなのでしょうかね。

2006年01月18日

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クスリのアオキ

昨日クスリのアオキの東証２部上場が承認されたようです。これでドラッグストア業界では２０社目の上場企業です。以前の「ドラッグストア業界の比較（８）－北陸・甲信越－」で取り上げた際、上場したら投資してみたいな、と思っていたら早速上場のようでとても楽しみです。ではＨＰに記載されている過去の業績の推移をみてみます。■売上高と経常利益の推移　　　　　　　売上高　　　　経常利益２０００年　１７５億円　　　３．５億円　２．０％２００２年　１９３億円　　　７．３億円　３．８％２００３年　２１６億円　　　７．０億円　３．２％２００４年　２４８億円　　　７．０億円　２．８％２００５年　２８５億円　　　８．７億円　３．１％毎期ほぼ＋１５％増収とそこそこ高い成長率ですが、利益率が安定していないようです。０３年、０４年と低下傾向ですが、０５年に少し上昇しています。経常利益率は昨年で３．１％なので業界平均よりもやや低いです。以前はツルハや薬王堂に近いイメージを持っていたのですが、経営的にはやや劣るのでしょうか。■出店地域今日現在ＨＰを確認する限り石川県を中心に８８店舗を展開しています。（１１月時点）２００５年５月決算で８１店舗でしたから、半年で７店の出店です。かなり積極的ですね。長期的には２００店舗を目指しているようです。福井県　　　２０店石川県小松エリア　１２店松任エリア　　９店金沢エリア　２２店能登エリア　　３店呉西エリア　　９店呉東エリア　１２店新潟県　　　　１店■店舗形態１店舗あたりの売場面積は２５０坪～３００坪。取り扱い商品は医薬品・衣類・家庭用品・文具・食料品・酒類・冷凍食品、などゲンキーと同じく多岐に渡っています。最近は５００坪の大型店舗を開発しているようです。大型店に力を入れ始めたら、特に石川県ではゲンキーと競合になるのではないかと思われますが、そのあたり興味ありますね。

2006年01月17日

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宝飾専門店の比較（２）－株価の推移－

今日は宝飾専門店の株価の比較です。参考：宝飾専門店の比較　業界平均の株価上昇率は６１．９％とＴＯＰＩＸを上回っています。市場規模自体は年々縮小傾向にあるようですが、景気回復期待から業界全体が評価されたのでしょうか？上昇率１位はサハダイヤモンド。前期まで７年連続営業赤字が続いていますが、今期は一応黒字の予想です。しかし中間決算も１．６億円の赤字です。はたして黒字回復なるのか、どうでしょう。株価も一応期待しているのでこのような動きになっているのでしょうか。１年で２倍以上ですからね。私は恐くて買えません。２位はエフ・ディ・シィ・プロダクツ。２倍になっています。ここは以前の比較の時、livin_on_a_prayerさんに詳しく教えていただきました。厳しい市場環境の中、着実にブランド力を高め、業界の勝ち組になっています。業績も四季報で確認できる限り８年連続増収、営業利益も０３年を除き増益を続けています。売上の伸び率は決して高くありませんが、利益率は改善傾向にあること、強いブランド力が評価されているのではないでしょうか。ここの親会社、アスティとは時価総額で親子関係のねじれが生じているのは有名ですね。以前の比較でわさびやさんとdsanさんに教えていただき、しばらくして買いましたが、そこそこ上がっていますね。３位はベリテ。今期は減益で、既存店も前年割れらしいのですが、何故株価が上がっているのか不明ですね。４位はあずみ。ここは年初ではＰＥＲが１０倍以下でしたので純粋に割安さが見直されたのでしょう。業績も増収増益を続けており、在庫も少なく、この業界ではまともな会社の一つです。５位のツツミはこの業界でも飛びぬけた高収益企業です。ＦＤＣ同様わずかながらも成長を続けています。今期は既存店も回復傾向にあるようで中間決算前に通期の経常利益予想を上方修正しています。６位は田崎真珠。１２／９に通期業績を上方修正しておりこれに株価が反応しています。これらを見ると少しずつ業界の景気も回復してきているのかもしれませんね。

2006年01月16日

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メガネチェーンの比較（２）－株価の推移－

今日はメガネチェーン店業界の株価の比較です。今日開示された、売ったばかりのミドリ薬品の第３四半期決算が超絶好決算でかなり落ち込んでおり、今は何もする気が起きないのですが、嫌な事を忘れるためにヤケ食いしつつ、更新でもしてみます。参考：メガネチェーン業界の比較：■前提・業績データは全て四季報です。・実質ＰＥＲは経常利益×５５％／株数で計算。・１２月末　６月末　１２月末　と並んでいる欄は左から２００４年１２月、２００５年　６月、２００５年１２月にそれぞれ発売された四季報の経常利益を使用、つまり半年　毎の四季報の経常利益とその当時の株価でＰＥＲ計算しています。業界平均の株価上昇率は３７％とTOPIXをやや下回っています。やはり市場規模伸びの鈍化に伴い、今期予想は６社中４社が減益予想となっていることが要因でしょう。その中でビジョンメガネは０３年の大不振から立ち直り、０５年３月期は２期連続大幅増益、さらに今期も増益を続けるなどすっかり順調さを取り戻しています。それに伴い株価も２．４倍と業界１位です。前回の比較を見てみると、販管費が大幅に減少しています。経営改善の努力の跡が見えますね。２位は日本オプティカルで約２倍になっています。売上成長率２０％近い高成長企業なのですが、１年前はＰＥＲ１５倍前後でした。今はＰＥＲ３０倍以上（会社予想では５０倍）と評価が急激に高まりました。愛眼、三城はほとんど株価が動きませんでした。両者とも通期予想を下方修正しており、前期比で減益予想です。やはり厳しい業界ですね。メガネトップはokenzumoさん懐かしの会社ということですが、今期は１００％増益予想から一転、赤字の大幅下方修正となってしまいました。この会社、調剤薬局もやっているらしく、四季報によればこれも重荷になっているようです。今後は調剤薬局は経営力が高い会社しか生き残れません。さっさと撤退したほうがよさそうだと思うのですが。最下位はメガネスーパーで－２５．５％です。三城についで売上高が業界２位です。売上高は出店により増収傾向が続いていますが、既存店があまりにも悪すぎ、営業利益は減収予想です。１２月の月次でも既存店前期比９１．８％とかなり寒い状況です。それにしても、メガネ業界は厳しさ満点ですね。各社客離れが止まらないようです。メガネ人口は老人の増加により増えているようなのですけど。こんな中で増益を続けるビジョンメガネは注目に値すると思います。今期の会社計画を達成するのか見守りたいと思います。しかし最近は何でもかんでもストップ高、こんな手間のかかる分析してるのが馬鹿バカしく、むなしくなりますね。「新聞の株式欄にダーツを投げる」方がよっぽど儲かりそうです（byリンチ）。

2006年01月13日

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カーディーラーの比較（２）－株価の推移－

今日はカーディーラー業界株価の比較です。参考：カーディーラーの比較　■前提・業績データは全て四季報です。・実質ＰＥＲは経常利益×５５％／株数で計算。・１２月末　６月末　１２月末　と並んでいる欄は左から２００４年１２月、２００５年　６月、２００５年１２月にそれぞれ発売された四季報の経常利益を使用、つまり半年　毎の四季報の経常利益とその当時の株価でＰＥＲ計算しています。業界平均上昇率は４１．４％とほぼＴＯＰＩＸ並。業界全体の成長率が低い割には株価が頑張っていると思います。東日とＶＴ以外は全てＰＢＲ１倍割れでしたので、割安水準が訂正されたと言えます。しかし６社中４社が大幅減益です。厳しい業界ですね。半年前まで上場していたトヨタカローラ岐阜と岐阜日野自動車は上場廃止になっています。１位は東日カーライフグループ。株価は２倍になっています。昨年の４月に突如暴騰しています。未だに何故暴騰したのかが不明です。お世辞にも経営が良いとは言えませんし、財務も最悪極まりないです。ほんと謎です。２位以下は上期にはほとんど株価が動かず、下期の上昇相場に乗って株価が動いています。ファミリー、愛知トヨタ、ホンダクリオ東葛は低ＰＥＲ、低ＰＢＲに放置されてましたので、割安株の見直しによる株価上昇でしょう。業績は決して改善しているわけではないようです。最後、ＶＴホールディングスだけ株価が下がっています。一番業績が堅調だと思われるのですが、いったいどういうことなのでしょう？？？売上、経常利益ともに高い伸びでＲＯＡも高いのですが。決算書を見ているわけではなく、四季報レベルですが、多角化した事業が結構失敗しているようで、特損が大きく発生するようです。このあたりが要因でしょうか。この業界はＰＥＲで見ればファミリー、愛知トヨタ、ホンダクリオ東葛あたりはまだまだ割安な水準ですね。恐らく少しづつ見直されていくのではないでしょうか。

2006年01月12日

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生活雑貨専門店の比較（２）－株価の推移－

今日は生活雑貨専門店の株価の比較です。参考：生活雑貨専門店の比較　■前提・業績データは全て四季報です。・実質ＰＥＲは経常利益×５５％／株数で計算。・１２月末　６月末　１２月末　と並んでいる欄は左から２００４年１２月、２００５年　６月、２００５年１２月にそれぞれ発売された四季報の経常利益を使用、つまり半年　毎の四季報の経常利益とその当時の株価でＰＥＲ計算しています。ドンキ、ＶＶ、１００均も含めた業界の平均上昇率は８３％とかなり高い上昇率を示しています。この業界は独自のビジネスモデルを築いている企業が多く、そのため、成長性も高い企業が多い事が株価の上昇に繋がっています。特に上半期は上昇率５．２％と不調だったのに対して超楽観相場が続いた下期は７２．５％と各社驚異的な上昇を見せています。上昇率１位はバルスでなんと４．３倍です。特に下期だけで３．５倍。ちょうど１年前は業績の下方修正をするなど一時的に不調でしたが、最近は好調を取り戻すと同期して株価も暴騰しました。バルスと言えばなんと言っても「livin_on_a_prayer」さんを抜きには語れませんね。雑貨業界市場性、バルスの独自のビジネスモデルを見抜き、以前より集中投資をされており、かなりの大儲けをされている天才的な方です。私なんか月に一度はフランフランへ行くのですが、ここまで高い評価を得るだろう事は全く見抜けませんでした。だって、見た目だけで使いづらいものが結構多いんですよね。単に私のセンスがないというだけですけど。２位は良品計画で株価は約２倍になっています。下期での上昇です。ほとんどＰＥＲ水準が上がったんですね。良品計画は一時期の伸び悩みから脱し利益率が改善しています。ただ売上高成長率は１０％以下と決して高くはないのですが、すでにＰＥＲは３５倍。バルス同様独自のビジネスモデルが高く評価されているのだと思います。３位は雑貨屋ブルドッグ。下期に２．４倍の上昇となりました。ここは思い出すだけで落ち込むのでコメントは控えさせていただきます。どうせそのうちまた下方修正出すんじゃないでしょうか。（←負け惜しみ、根拠なし）４位はパスポート。ここも中々業績が回復しませんね。下方修正の常連です。品揃えが１００円ショップとかぶっていて、独自性を見出しにくいのかもしれません。お店には良く行くんですけどね。５位はサザビー。昨年末上方修正していましたね。直近の業績は好調のようです。四季報には「アニエスベーのライセンス終了と新事業立ち上げ負担で営業減益。」とあります。ただ成長率は低いので今のＰＥＲ水準は妥当な線なのかもしれません。昨年の株価の評価を見て一つわかることは、独自の強いビジネスモデルを持った企業、つまりオンリーワン的な企業は少し成長率が低くても高く評価されて余地がある、ということです。バルスも成長率が２０％以下なので、ＰＥＲ５０倍は尋常じゃないと思いますが、将来性をかなり期待されているということです。

2006年01月10日

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リサイクルショップの比較（２）－株価の推移－

今日はリサイクルショップの株価の比較です。参考：リサイクルショップの比較■前提・業績データは全て四季報です。・実質ＰＥＲは経常利益×５５％／株数で計算。・１２月末　６月末　１２月末　と並んでいる欄は左から２００４年１２月、２００５年　６月、２００５年１２月にそれぞれ発売された四季報の経常利益を使用、つまり半年　毎の四季報の経常利益とその当時の株価でＰＥＲ計算しています。業界平均株価上昇率はなんとたったの１８．７％に終わりました。これは成長企業はすでに高いＰＥＲで評価されていた事、他には業績が伸び悩んでいる企業も多い事によります。１位のまんだらけは上期に株価は２倍となりましたが、今期が営業利益で減益予想のため下期の株価が低調に終わりました。四季報によれば「出店計画が下期にずれ込み。新店準備費や人件費など費用先行で営業減益」ということです。経営不振というわけではないようです。ＰＥＲ評価はすでに高い水準なのでしばらくは株価的には我慢が続く展開でしょうか。２位のブックオフも上期に株価１．５倍になったのに対して下期は横ばい。上期の時点でＰＥＲ３０倍前後と高く評価されていたためでしょう。成長率から見ても上方修正などがない限りしばらくは株価的には苦戦しそうです。そう言えば、先週のガイアの夜明けでＮＹ進出が紹介されてましたね。現地の日本人向けに展開を図るようです。上記２社以外は年間を通じて株価が変化なしです。テイツー、テンポスバスターズとも業績は順調だと思いますが、テイツーはネットカフェ事業での利益がまだ出ていない段階であること、テンポスはすでにＰＥＲが高かったことが株価が伸び悩んだ要因だと思われます。テイツーはネットカフェが今後予定通り軌道に乗るのかどうかですね。利益が出始めれば面白そうです。ハードオフは業績下方修正をしており、その後株価も下げ基調です。新規出店数を減らしたことによるものです。ＰＥＲ的にはそれほど高くないので来期以降従来のペースを取り戻せるかどうかです。個人的にはこの中古業界の将来性はどうしても悲観的に見てしまいます。古本はいまやアマゾンでも出品されていますし、あらゆる中古品がネットオークションに出品されています。また前回の比較のコメントでmarcoさんから景気回復時には中古じゃなくて新品が競合になりえるという鋭い意見もありました。そうは言ってもたまにブックオフに行くといつも客はいっぱいなので、しばらくは心配いらないとは思いますけど。

2006年01月08日

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靴屋の比較（２）－株価の推移－

今日は靴業界の株価の比較です。■前提・業績データは全て四季報です。・実質ＰＥＲは経常利益×５５％／株数で計算。・１２月末　６月末　１２月末　と並んでいる欄は左から２００４年１２月、２００５年　６月、２００５年１２月にそれぞれ発売された四季報の経常利益を使用、つまり半年　毎の四季報の経常利益とその当時の株価でＰＥＲ計算しています。業界平均は（たった４社だけですが）９６．７％と大幅な上昇となっています。これは特に下期にＰＥＲ水準が一気に高まった事によるものです。地味な業界なのにこれですからね・・・１位はＡＢＣマートで株価は２．６倍になっています。誰もが知っている超優良成長企業ですね。２位はツルヤ靴店です。今期は利益率が急激に改善されています。ＰＢ商品比率を高めたことにより粗利率が改善したようです。どこの業界でもＰＢ商品戦略がうまくいけば利益率が大幅に改善しますね。年末はイオンとの提携ニュースで株価が暴騰しました。こんな超地味な靴屋が半年で株価２．５倍ですからね・・・３位はもっと地味なチヨダで１．７倍。四季報によれば不採算店の閉鎖、ＰＢ品に注力で利益が改善したとのことです。最後に卑弥呼。１年中株価が動いていません。バリュー投資家に一時期人気だったような気がします。今期の利益がやや落ちているせいでしょうか。四季報によれば「主力の靴は堅調。だが新業態のバッグ、財布が立ち上がり苦戦。」ということです。しっかしこんな地味な業界でもこの上昇率ですからね。２倍ですよ。

2006年01月06日

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１００円ショップの比較（２）－株価の推移－

今日は１００円ショップの株価の比較です。参考：「１００円ショップの比較」　　　「生活雑貨専門店の比較」業界の巨人、のダイソーは非上場です。業界２位以下が上場してます。業界平均の株価上昇率は１４．８％と大幅にＴＯＰＩＸを下回っていますが、これは業績下方修正により株価が急落した九九プラスが足を引っ張っています。というか、株価が上がったのはセリアだけで、キャンドゥとワッツは１年間変化なしです。セリアは証券会社か何かのカバーが株価上昇の要因でしたっけ。ワッツは結局前期決算が会社予想を若干下回った事と、今期予想が弱気な事から市場に見放されてしまいました。前期が悪かった要因は副業的なディスカウントショップの不調であり、本業の１００円ショップは好調だったんですよね。今期は本業に力を入れるようですので、利益率も回復するのではないかと思います。＜経常利益率の比較＞　　　　ワッツ　　　セリア０３年　３．４％　　３．２％０４年　３．６％　　２．８％０５年　２．９％　　３．１％０６年　２．６％　　３．７％　※予想利益率の比較では０４年まではワッツが上回っていたんですよね。成長率は同程度だし、セリアがワッツに比べて決して経営が優れているわけではないと思いますので、今期の決算が出てくればＰＥＲもセリア並になると思います。セリアは去年＋３０％で早々と売ってしまったんですよね・・・サンエー、ハローズと並んで私を憂鬱にさせる会社です（笑）。九九プラスは毎期＋５０％の超成長株です。３００億円の小売企業がたった３年で１０００億円超になるなんてほとんど前例がないのではないでしょうか？競合が全く存在しないオンリーワン企業なのでどこにでも出店可能なんですね。ただ生鮮品を扱っているので商売は市況に左右されやすく難しいようです。（とokenzumoさんが主張されています）　　　　　　　　売上高　　　経常利益率０３年　　３００億円　　０．２％０４年　　４３０億円　　１．３％０５年　　７２１億円　　２．３％０６年　１１３５億円　　２．２％　※予想今期は業績の下方修正をしています。おかげで株価が急落しています。昨年の既存店が良すぎて、相対的に今期の既存店が伸び悩んでいるようです。昨年は天候不良で他のスーパーより安く販売できたのが、今期は天候が順調で１００円のメリットが薄れたというのが要因のようです。ただ１２月は野菜が高騰してますので、九九プラスにとってはチャンスなのではないでしょうか？残念ながら私の町には１店もないんですよね。早く出店してほしいです。今日は急騰したミドリ薬品を昼休みに売ったのですが、なんか、売った後もストレスなんですよね。売ってもコワイ、買ってもコワイ相場です。（by tallman_investさん）

2006年01月05日

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衣料品専門チェーンの比較（２）－株価の推移－

今日はアパレル業界の比較です。恐らく小売業界では昨年最も株価が好調だった業界ではないかと思います。一昨年は天候不良でどの会社も伸び悩みましたが、昨年は気候的には通常どおり、さらに年末の冷え込みが厳しかったこと、及び一昨年の低迷の反動も重なり株価は爆発しました。■前提・業績データは全て四季報です。・実質ＰＥＲは経常利益×５５％／株数で計算。・１２月末　６月末　１２月末　と並んでいる欄は左から２００４年１２月、２００５年　６月、２００５年１２月にそれぞれ発売された四季報の経常利益を使用、つまり半年　毎の四季報の経常利益とその当時の株価でＰＥＲ計算しています。業界平均の上昇率はなんと＋１１０％、対ＴＯＰＩＸにダブルスコアです株価上昇率１位はパル、なんと６倍以上です。過去の売上・利益の推移を確認してみます。＜売上高＞００年　１１１．７億円　０１年　１２７．２億円　＋１３．８％０２年　１６０．１億円　＋２５．９％０３年　１９５．２億円　＋２１．９％０４年　２４９．２億円　＋２７．７％０５年　３０５．１億円　＋２２．４％０６年　４００．０億円　＋３１．１％　※会社予想＜経常利益＞００年　　６．２億円　０１年　　８．２億円　　＋３２．２％０２年　１３．２億円　　＋６１．０％０３年　１５．２億円　　＋１５．１％０４年　２３．２億円　　＋５２．６％０５年　２０．３億円　　－１２．５％０６年　４１．５億円　＋１０４．４％　※会社予想売上の伸びはきれいに毎期２０％～３０％で推移していますが、経常利益は１年おきに大きく伸びる傾向です。それにしても今期は好調ですね。昨年１０月に通期予想を大幅上方修正しています。売上高　　３２０億円　→　４００．０億円　（ナイスクラップ＋４０億円）経常利益　　２８億円　→　　４１．５億円　（ナイスクラップ　＋２億円）この時点で年初来３倍となっていましたが、上方修正により株価はさらに年末までに２倍に上昇しました。ここは月次を開示していませんが、既存店は＋１５％前後で推移しているのではないかと思います。昨年の２～３月頃にパルの社長井上氏のインタビューが業界紙に載っていたのですが、自分の経験や過去の分析を元にファッションのサイクルの周期を読む事により事業展開を図っているということです。具体的には１２年周期などいくつかの法則を自分なりに持っており、それを元に戦略を立てているようです。これは恐らく誰でも真似することができるものではなく、社長独自のセンスによるものでしょう。私はこの記事を読んでからずっと株価ウォッチしていましたが、ずっとＰＥＲ２０倍以上だったので、ついに買えないままでした・・・２位はナイスクラップで４倍です。０１年～０３年は赤字続きで低迷していましたが、ブランドの見直し、店舗のスクラップ＆ビルド等経営改善により昨年業績が急回復しました。今期も既存店は前期比６％台で好調に推移しているようです。今期は冬の天候の追い風があるとしても、ダメダメ企業がまともになるとすさまじいパフォーマンスです。＜経常利益＞０４年　１．７％０５年　５．１％０６年　８．１％　※予想利益率が急上昇です。それでも業界平均並ですが。３位はユナイテッドアローズで約３．４倍となりました。ＰＥＲも４５倍とかなりの高評価です。成長率は売上、利益とも１０％台とそれほど高くありませんが、高い収益性とともに独自のビジネスモデルが評価されたのではないかと思います。４位はタカキューで約３．３倍です。ここもナイスクラップ同様、ダメ企業がまともになった例です。過去１０年の推移を見ると０２年まで巨額の赤字を計上しています。ようやく経営再建が軌道に乗ってきたのでしょうか、利益が急激に改善しているようです。＜経常利益＞０２年　－１７００３年　　１０６０４年　　２５５０５年　　４２９０６年　　６５０　※予想５位はポイントで約３倍、６位はハニーズで２．５倍で、両者とも説明の必要のない超成長優良企業ですね。３０％超の成長を続けているとはいえ、ＰＥＲは５０倍です。７位以下も２倍株が目白押しです。ホント、昨年はこのセクターの当り年でしたね。dsanさんが一年前言っておられた通りでしたよ・・・全体を見渡すと、アオキ、青山、オンリーなど紳士服系は利益の伸び率に比べてＰＥＲが２０倍前後と相対的に低いです。業界規模の飽和などが要因かもしれませんが、どうなのでしょうかね。ちなみに私は昨年この業界はレナウンダーバンに投資していた時期があったのですが、＋２０％程度で早々と利確してしまいました。まさかこんな、ねぇ・・・今さら言っても意味ないのですが、去年は薬局なんか熱心に調べてないでこの業界の研究に集中すりゃ良かったです。今年の大当たりセクターでも探すとしますか。

2006年01月04日

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