1464097 ランダム
 HOME | DIARY | PROFILE 【フォローする】 【ログイン】

石川県 旅館 ホテル 心に残る旅の宿

石川県 旅館 ホテル 心に残る旅の宿

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

PR

Profile

yosshi1019

yosshi1019

Comments

マイコ3703@ 巡り巡ってたどり着きました♪ 普段はコメントしないのですが惹かれてコ…
HANG ZERO@ Re:舳倉島探検(08/26) 日本海に浮かぶ島なのですね。 全く存在を…
HANG ZERO@ Re:金沢散歩(4) 兼六園2(05/29) 季節によって全然違う表情を見せるのでし…
HANG ZERO@ Re:金沢散歩(3) 兼六園1(05/24) 兼六園ってそういういわれからなのですね…
HANG ZERO@ Re:金沢散歩(2) 尾山神社(05/16) 金沢では由緒ある。。。なのですね。 利家…

Favorite Blog

能登つつじ New! 女将 けい子さん

今日は暑い New! mogurax000さん

またフードを 4月… New! ララキャットさん

隈研吾さん設計の守… New! さぁちゅん☆さん

初開花は2品種~ハ… New! 萌芽月さん

Category

2011.10.06
XML
カテゴリ:石川県の民話 伝説
石川県の昔話 大木の木おけ

[大木の木おけ]

[参考:能登の民話伝説より]

この物語は、中能登の「榎の鶴瓶」という短い昔話に手を加えて、もっと面白くなるように創作を入れたものです。ご了承下さい。

むかしむかし、能登の国でのお話です。重衛門(じゅうえもん)の家の近くにエノキの大木がありました。枝の横幅はおよそ18m、木の下は昼でも暗いほどに葉が茂っていて、日差しが強い時には人々はよく下で寝転んで休んでいました。

ある時、5、6人の若者たちが木の下で雑談をしていた時、誰かがこう言いました。
「あ~あ、腹がすいた。ぼた餅でも落ちてこないかなあ。」
すると、大木の茂みからするすると何か降りてきました。見るとツルにつながれた木おけです。若者がその中を覗いてみると、なんと、うまそうなぼた餅が20個ほど入っています。上を見上げてみましたが、暗くてよく見えません。これは誰か親切な人の贈り物だろうとみんなで分けて食べてしまいました。そうして食べてしまうと木おけはまた、するすると木の茂みへ上がって行きます。

次の日、その若者たちは仲間を連れて15人でやって来ました。そして木の下から、
「ぼた餅降りてこい。」
と言うと、やはりするすると木おけが降りてきました。今度はぼた餅が山盛りに入っています。若者たちは喜んで分けて食べてしまいました。
そのあと誰かが、
「ああうまかった。あとはお茶があればなあ。」
そう言うと、また木おけがするすると降りてきたのです。中にはちょうどいい熱さのお茶が入っていました。
「これはすごい。何でも降りてくるぞ。」
若者たちは試しに自分たちの好きな物を思いつくだけ言ってみました。果物、野菜、服、遊び道具、そのつど木おけは忙しく降りたり上がったりして望みのものを降ろしてくれます。ある者は、これは大き過ぎてダメだろうと思いながらも、タンスを言ってみました。すると木おけの下にタンスがつながれて降りてきたのです。

このうわさはまたたく間にあちこちの村々へ広がりました。
ある村から30男がやってきて、
「おらには嫁さが来てくれねえんです。どうかきれいな嫁さを降ろしてくだせえ。」
と言って長い間木の下で待っていましたが、さすがに木おけは降りて来ません。やっぱりインチキかと思って家に帰ると、なんと家の玄関で、肩に木おけをかついだきれいな女の人が待っていたのです。
またある時、女の人が泣きながら訪れて、
「去年、私の大事な息子を亡くしました。どうか息子を戻していただきたいのです。」
と祈って家へ帰ると、木おけを抱えた息子が「おっかあ。」と呼びながら走り出てきました。
浜からはるばるやってきた体格のいい源三が、
「おらには船が無いばっかりに、船ぬしに、とってきた魚のほとんどを取られてしまいます。どうかおらに船をお与え下さい。」
そう祈って浜へ帰ると、なんと船ぬしの船よりでかくて立派な船が浜に横付けされていました。船の横には「源三丸」と名前まで入っています。源三が喜んでいると、マストに引っかかっていた木おけがするすると空へ消えて行きました。

やがて、これは放っておけぬ神様じゃと、村の長老たちが出てきました。こうたびたび願い事をすれば、いつかは無くなってしまう。それに、この大木は村のもの、他の村の者に使わせる訳にはいかぬと、大木の前に鳥居、かたわらに神社を建て、見張りを置いて厳重に管理するようになりました。そして春と秋の2回、感謝のお祭りをすることにしたのです。

村人たちは道を整備し、谷から谷へ大きい橋をかけ、田畑をつぶし、御殿のような立派な屋敷を立てていきました。食べ物や水は木おけに頼めばすぐ出てくるので、村人たちはもう働かなくてもよくなりました。一軒の家によその村から召使いを何人も雇いましたから、ご飯を作ったり掃除をしたりする手間もいりません。着物を着る時でさえ、召使いが我先にと走ってくるのです。こうして村は日本で一番豊かな村になりました。その生活はお公家様よりはるかに裕福だったでしょう。

こんな楽園のような村ですから、各地から住みたい人がたくさん集まってきました。しかし、村人たちはそう簡単に許しません。村が荒れたら困ると、住む人を絞り込んだのです。数百人に数人程度、その道の名のある人ばかりに住むことを許しました。そのため村の文化も発展し、あんな山奥が、まるで京の都のように華やかとなりました。そうなるとまた、各地の人々は住むことをますます恋こがれていきました。

ある年の春祭りは、盛大でした。有名な殿様数人が家来を引き連れてやって来たのです。中には、はるばる四国や九州からやってきた殿様もいました。この殿様たち、村の長老には頭が上がりませんでした。引退後はこの村で優雅に暮らしたかったのです。殿様たちは長老一人一人に丁寧に頭を下げ、家来の中に引込み、この祭りを見守っていました。

さて祭りの式が始まり、神主が大木の前でおごそかにパンパンとかしわでを打つと、大木からするすると例の木おけが降りてきたのです。神主は、おかしいな、なんにも願いはしていないが、と木おけの中を見てみると一枚の紙が入っていました。開くとこんな文字が書いてあります。

請求書 一金一万両

一万両とは現在のお金では10億円くらい。神主は驚いて村の長老たちに見せました。いくらお金持ちといっても村にはこんな大金はありません。物を頼めば何でも降ろしてくれるので、お金を降ろす必要が無かったのです。でもこんなものはすぐ手に入るはず。長老たちは、さっそく木の下で一万両を降ろしてくれるよう頼みました。ところがどうしたわけか、今度ばかりは何度頼んでも木おけが降りてきません。また、他の物を頼んでも全く降りてこなくなったのです。

このままではこれから何も降ろしてくれなくなります。長老たちはどうしようかと話し合いました。しかし、どうした訳か放っておけという意見が大半でした。この村はもう日本でも有名。みんなのあこがれの的。土地を貸した店からどんどんお金が入る。商売人は取引したいと頭をこすりつけ、半額以下で品物を置いてゆく。どの人もみな住みたくていくらでもお金を払う。これでじゅうぶんやっていけるではないか。それに、日本の有名な殿様でさえわしらに頭をさげにくる。いつまでも汚い木おけごときにいちいち頭を下げているのも馬鹿らしいと言うのです。

ところが10日ほどたった時のことです。ある30男のお嫁さんが炊事場で突然消えてしまいました。次には、母親の目の前で息子が消え、海原で船が消え、橋が、道が、御殿が、出てきた順番に、すべすべ、すべすべとみんな消えてゆくのです。村はみるみるうちに昔の姿に戻ってしまい、例の木おけは二度と降りてこなかったそうです。

(文責:津幡町 吉田恵一)

[石川県昔話 目次]

中能登町の地図をご紹介します。矢印のあとをコピーし、検索窓に貼り付けトップをご覧ください。
(グーグルマップ)→ 鹿島郡 中能登町
□□中能登町宿泊施設□□
中能登町の宿は全て楽天と契約がありません。ご希望の方は電話にてお確かめください。
木幡屋.....................100m 0767-77-2373 詳細不明
民宿 びっくり............6km 0767-76-0576 詳細不明
カンガルーホテル..6km 03-3872-8573 本社東京 素泊3300円

☆☆☆ 石川県 旅館 ホテルご紹介☆☆☆

[金沢駅前] [金沢繁華街中心街郊外] [河北郡] [七尾市] [鳳珠郡能登町]
 
[能登町 農家民宿] [珠洲市] [輪島市 (1) (2)] [羽咋郡] [羽咋市] [白山市] 

[小松市]  [加賀市]

どうぞ きまっし石川→ホームへ戻る








お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2014.05.07 21:23:18
コメント(5) | コメントを書く



© Rakuten Group, Inc.