月見禅(04年10月）

　　　月見禅　2004年10月

なんと言うこともないものを作り続けています。状況ただそのままor説明が多いです。でも難しいことを考えるとできなくなってしまうから、今は思いつくままに、記録しておこうと思っています。(10･12記）たまに短歌も。

†道迷う友まぶしくて踏む落ち葉(10/1)

†野を分けて風かの人の便りかな(10/2)

†濡れ縁にりすが木の実の置手紙(10/2)
　　　
†叱られてつんと月見の猫のひげ(10/3)

†月見禅の猫励ませよアシジの聖よ(10/3)

†アシジの聖いさなんとする猫の恋(10/3)

†君知るやわれうつむきて片子花(10/3)

†半日の時差越え父の声遠し(10/4)
　
†不ぞろいが愛しモチーフ編みつぐ夜長(10/4)　

†ミサへ行く夕べ散る葉のロンドかな(10/4)

†身を寄せて柿も恥じ入りフルーツ･バー(10/4)

†はらりひらり落ち葉数えて待ちぼうけ(9月)

†声高のデモさけふりさけあおぐ秋空(10/5)

　ランシング119砲兵大隊、中東へ向け出発
†怖しと言う兵出征す霜の朝(10/5)
　　　
†こころこの葉をかき集め深呼吸
　このごろは葉をかき集めここにあり　こころこの葉よここに留まれ　(10/5)

†風邪心地添う猫寝息の子守唄(10/8)
†風邪の床添う猫寝息の子守唄(10/9)

†捨てきれぬ想い見つめる衣替え(10/9)
†見つめては思い捨てきれぬ衣替え(10/15)

†夕日しみて朝より紅き楓かな(10/9)

†秋風に楓燃え立ち赤に黄に(10/9)

†指を切って聖人にはなれません(10/11)

†落葉にあわせて猫の顔上下(10/12)

†金天井降り敷く落ち葉の照り返し(10/12）

†三十一に足りず十七には余りすわらぬこころいかにとかせん

†ぐるぐるがやがてすうぴい寝息へと私の猫を眠らせる夜

†来たりませ五七の天使外つ国にありてこころを歌にのせたし

†「宗教はみんな同じ」と言う友に「そうかな」としか答ええぬ私

†ながめせしまにうつりゆく花の色小町でなくも思いやはする(10/13)

†ためらいて置くナイフなりかりんの香(10/13)

†猫なれば食うかつま先冷える夜(10/13)

†吾もやと黄色連翹狂い咲き(10/13)

†窓の外のりすの背中をねらいたる猫の背中を背もたれて見る(10/13)

†懐かしき友に会うたり赤まんま(10/13)

†猫ぽとん蒲団の絵であり初時雨(10/16)

†袖を引く猫が抱けよと冬の朝(10/17)

†黒猫の伝えたきことありて来る押されたキーはrrrrrrr･･･(10/17)

†モンローを気取り送風口またぐ全身温し暖を取る猫(10/17)

†同じよに吹かれ舞う葉と居る葉あり(10/17)

†呼び捨てで義母の名が出ず感謝祭(10/17)

†鼻先の検温見舞い告ぐる猫(10/18)

†夫出張南瓜よく煮えふっと惜し(10/20)

†色深む時に差ありて綾錦(10/22)

†省せむと時雨煙立て走る夜(10/23)

　中越に大地震。弥彦山から望む佐渡を思い出して
†島影は夕凪ゼリーに浮かびたり(10/25)

　おふざけ長歌
†天地の　分かれしときゆ　猫どもは　寒さに弱く　神あきれ
暖房入れれば　送風口　またぎ風受け　温まりて
モンローのごと　白裳裾　押さえることは　かなわねど
気持ちのよさは　渡る日を　のらくら暮らし　
照る月の　光も見ずに　飼い主も　小言はばかり
時じくぞ　おしりふりける
語り継ぎ　言い継ぎゆかむ　ぬばたまの猫は

　反歌
†蒲団の裏ゆ　打ち出でてみれば　真黒にぞ　ハチは高値で　おしりふりける

†モンローを気取り温風口の上　目細めたる猫全身温し　　　

　おまけ
†温風口またぎ暖取るモンロー猫(10/26)

　仁和寺
†若僧のキャッチボールや春うらら(10/27）　

†落柿舎や詠まれぬこと葉積もりけり(10/27)

†立ち枯れのとんぼろこしよ空を突く(10/27)

†助けやる天道虫また舞い戻り(10/28)

†冬の猫暇もてあましの悪さかな(10/29)

†ウインドに映る黒髪にはっとせり(10/29)

†３０°F　ふうんと聞けば氷点下(10/29)

†柊の紅実貫きて首飾り(10/29)

†来る年の予定はシャープの芯を立て(10/29)

†葛湯欲しと言いし夫はアメリカ人(10/31)

（†でもやはり納豆ダメは仕方ない?(10/31)）

†シナモンを珈琲に落とす遅き朝(10/31)

†ハロウィンの小さきお化けは手を引かれ(10/31)

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