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座 禅 猫

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私を通る風(05年9月)

私を通る風(05年9月)




† 秋冷の今日が修女の更衣 (1日)

† ひげに秋とまりてぴくり眠り猫 (2日)

† 聖人になんてなれないきりぎりす (5日)

† 腹の帯は移りにけりな穴の位置わが身世に太るながめせしまに Oh!No!の小町 (8日)

† 秋は澄む私を通った風の色 (10日)

† 死は生へ十字架に主をいただきて (14日 「十字架称賛」)

† 露宿る御母の袖は悲しみになほ開かれて雀らを抱く (15日 「悲しみの聖母」)

† 待つ宵の窓に差す明りほのかかな

† 待宵や少し欠けたる美人かな

† 御国待つ宵や薄雲敷く明り (17日 一人で見上げる待宵の月)

† 雲の間に私だけの今日の月

† 今日満ちて月の落とせる影長し (18日 十五夜)

† ささやかな復讐と飲む今日の月 (19日)

† 夜明け近し十六夜兎は宙返り (20日 明け方に見た十六夜)

† なほ招く宴に捧げる小菊かな (21日 聖マタイ使徒福音記者)

† 何惜しむものなし灯せ秋燈 (21日)

† 秋霖や誰の上にも慈しみ   (22日 ルカ9:7-9 ヘロデの上にも私の上にも)

† 文字は青秋空渡る便りかな

† 猫に読み聞かせる便り秋日和

† 秋分の声に見上げる空は青  (23日 秋分の日、余白さんより複写はがき届く)

† はや林檎色付く君よ顔上げよ (ルカ9:43-45)

† ポケットの両手に気付くそぞろ寒   (25日)

† 記憶には秋の蝶とて残りたし   (25日 マタイ21:28-32 日曜の箇所)

† 開かれる天つ扉に秋の風   (29日 ヨハネ1:47-51)

† 忘らるる草に奇しき露光る   (30日 ルカ10:13-16)

† 打たれつつ啄木鳥宿す大樹かな    (30日)






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