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テーマ:試写会で観た映画の感想(677)
カテゴリ:映画鑑賞録
ジャック・ニコルソン、モーガン・フリーマン、この二人のやりとりだけで、お腹いっぱい。 劇中の演技を見ても、やっぱりこの二人は上手い。 最初はこの二人の演技を堪能できればそれで満足、って思ってましたけど、脚本もなかなかの佳作、不覚にも後半のとあるシーンで涙してしまいました。
ありがちなストーリーと言ってしまえばそれまでですけど、使い古された凡庸なベースストーリーに、美味しいスパイスで味付けし、捻りを効かせて、あの「一枚の紙切れ」を巧みな演出で膨らませた素直に「良い映画を観た」と言える作品に仕上がっています。 素材は「死」と「癌」って題材は暗いですけど、要所要所、二人の個性を使い分け、そのキャラに合ったユーモアを効かせて、物語のエッセンスにして客席から終始笑い声が。 ジャック・ニコルソンの怪演も流石ですけど、個人的にはモーガン・フリーマンのあの「枯れた演技」がやっぱり見所で。 今までの人生、散々苦労してきたんだ!ってあの人が演技で言っても真に迫るものが有りますからね、キャスティングもそう言う役柄だから尚更、こういう演技させたら右に出るものはいないかと。 んで、此処からネタバレ以下注意。 泣いたシーンは、ジャック・ニコルソンが会わないから、絶対会わない!とごねていた因縁のある娘に最期、会い、その孫娘が出てきてキスをして、あの紙切れに「世界一の美女にキスをする」に打ち消し線を引く所で、ダメだ、こういうシーンは、みたいな。 映画自体、最後の纏め方は実に上手かったです。 中盤の二人の何気ないやりとりが効いている感じです。 結局、モーガン・フリーマンが先に死んでしまい、教会で葬儀が行われるのですけど、ジャック・ニコルソンがスピーチして、またあの紙切れに「赤の他人に親切にする」に打ち消し線を引くのが、また、あんた、まだその紙持っていたのかと。 で、ジャック・ニコルソンも死んでしまい、遺灰を彼の秘書がヒマラヤの山岳地帯に中盤の会話で出た缶詰に入れて、最後にその秘書がまたまたあの紙切れに「荘厳な景色を見る」に打ち消し線を引いて、二つの缶詰の間に挟んで、おしまい。 見終わった後、澄んだ心になれる、そんな映画でした。 もうね、「僕の彼女はサイボーグ」とか三流以下のダメ映画観た後だと、こういう映画は心に響きますね。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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