序盤から、涙腺決壊な演出が。
決して突出した箇所があるとか、そんな出来ではないですが、地味にじーんと来る、久しぶりの良質な出来具合の邦画でした。
「人生、49歳からでもやり直せる」って、テーマ自体は、ストレートと言うか、下手をすれば、単調極まりない、退屈な出来具合の映画になりそうですが、演出が巧く、台詞の一つ一つが、ずしーんと心に響き、心に染みます。
個人的には、元野球少年のエピソードが、最初は投げやりな仕事への心情が、徐々に、主人公の中井貴一の仕事へのひたむきさに感化され、ラストの台詞に繋がったりするのが、巧い脚本家の仕事だなぁと、感じたりして。
序盤の、ガチガチのエリートサラリーマン風情な中井貴一の演技も安心感があり、こんな、社会的地位も捨てて、何故に、地方の寂れた列車の運転手になったのかを、その切っ掛けを、この辺りの演出って、脚本家泣かせだと思える難しさだと思うのですが、上手に処理している感を受けました。 何せ、人生の一大決心を如何に映像化するかですからね、活字なら容易な作業でも、映像となると、困難を極めると思われるからでした。
本仮屋ユイカって、映画「スウィングガールズ」から、いつの間にかに、こんなに綺麗になったのか、と、別視点で観る楽しさもあったり。 ホント、アレから、別人になっていましたね。
140分の長さを感じさせない、最初から最後まで、上手なストーリーテリングに企画、制作のROBOT、映画「ALWAYS 三丁目の夕日」な安定した出来具合に、万人にお勧め出来る映画として、それなりに評価されても宜しいかと。
個人的に五点満点中、★★★★☆半分、な4.5点をこの映画に捧げたい、そんな気分に観終わった後させる清々しさをこの映画は持っているとお勧め度、高めで。