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テーマ:試写会で観た映画の感想(678)
カテゴリ:試写会感想録
原作、脚本、監督の三つの作業を手掛けた、小林政広監督へ終映後にティーチインの場を設けて頂いた今回の試写会、やはり、映画制作の中心に携わった方の話には、凄く説得力がありました。 「ドキュメンタリータッチで仕上げたかった」「なので、今回はオールロケーションで行った」仰った、この二つの言葉に集約されると思います。 所謂、セットを設営しての撮影が一切行われていない映画なのでした。全編、「順撮りオールロケーション」も、リアリな描写を追求した結果だと思います。 で、面白かったのが、ティーチインの時、観客の方の質問で、主人公の一人、「春」の歩き方について、監督に説明を求められた方がいて、うあ!しっかり観ている人だなぁ、短時間で、質問ワード?を生成されたその方の頭脳の切れに凄いなぁ、と感じました。最初に「三つ質問があるのですが…」と仰ったり、単純に、その人スゲー!と感嘆でした。 実際、主人公、仲代達矢演じる「忠男」に終始付きそう「春」の歩き方は、監督自身の指示で、純朴そうな、どたどた歩き?みたいな演技指導がされていたとの事。 その質問を投げ掛けた人、ビンゴ! と、再度唸ったり。 「春」の母親は自殺したという設定で、その自殺する前に旦那と離婚していたのでした。 そう言う、核となる映画の設定も、説明調にならず、淡々と「映像で語っている」のはとても好印象でした。 一見、冒頭から観客を突き放した導入部と感じますが、しかも、台詞は皆無な冒頭からの演出、この辺は、演技力のある役者じゃないと務まらないと思いますが、二人共、熱演、且つ、無難にこなしていました。 最初に訪れる身内が、大御所、大滝秀治演じる兄の家に行ったのですが、ロングショット、ワンカット、そんな、「役者の演技力」が試されるシーンですが、もう、流石、大御所二人の演技には、文句の付けようがないです。 まぁ、言ったらバチが当たります。 しかし、あくまで淡々と物語はそれからも続き、小林薫、田中裕子、淡島千景、柄本明、美保純、戸田菜穂、最後に、香川照之、って、まぁ、よく、これだけ演技達者な役者を集めたなと、監督の人望が伺い知れます。 「春」と「忠男」は、二人とも凄く頑固、上記の歩き方の演技指導も相まって、二人ともぎこちない、不器用な生き方しかできない、そんな、二人の出した、結論は、劇場で是非観て欲しい、そんな映画でした。 これだったら、1800円払っても、文句はないかと。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2010年05月01日 20時43分27秒
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