アイドルポップ3アイドルポップの世界(3)アイドルポップの世界(1) (2) (3) (4) (5) (6) (7) アイドルポップ映像の世界 穂口雄右氏インタビュー アニソンポップの世界(1) (2) (3) (4) (5) (6) (7) (8) アニソンポップ映像の世界(1) (2) 電波ポップの世界(1) (2) (3) (4) (5) (6) 電波ポップ動画の世界 アイドルマスターの世界 「恋はあせらず」トラック世界大会 【 ポップ偏差値 64 】 薬師丸ひろ子 / 夕暮れを止めて '91 作曲楠瀬誠志郎 編曲清水信之 「風に乗って」 80年代初期に一世を風靡したアイドル歌手、薬師丸ひろ子の91年のCDシングル「風に乗って」のカップリング曲。ベストアルバム「歌物語」にも収録されています。曲はしっとりと落ち着いたアイドルバラードだけど、聴いて驚きの実に完成度の高いウォール・オブ・サウンド仕様。作曲編曲は92年のハリーラブなCRAZY FOR YOUで当ブログでもお馴染みの楠瀬誠志郎&清水信之のコンビ。楠瀬誠志郎氏はやはり音壁な一時間遅れの僕の天使でもお馴染み。カップリング曲という地味な位置での作品だけど、その音壁は実に素晴らしく渾身の力をこめた傑作と言えるでしょう。重量感のあるベース&ドラムにエコー感のあるピアノが軽快に鳴り響き、カスタネットの繊細な響きも心地よい。全体としてバランスの取れた内容で、大型ステレオシステムでの大音量再生でも全くアラの聴こえない素晴らしいサウンド。個人的には薬師丸ひろ子の声質や唱法がいまいち馴染めないけれどメロディの出来も良く末永く愛聴出来そうな予感。つい先日やはりアイドル音壁大作の「中嶋美智代 / 泣いていいよ」を発掘したばかりだけど、検索してみるとこの曲も音壁者には馴染みのない埋もれた名曲の発掘と言えそうです。 「YOU TUBE」で聴けます。 平山三紀 / 熟れた果実 '74 筒美京平作曲編曲 筒美京平のフィリーマジック。高揚感たっぷりのストリングスが70年代の高く青い空を見事に描いている。他にも出だしの低音の迫力ある振幅感などバックサウンドの表現力は実に豊かでお見事。声質はダミ声だしアダルトな感じがアイドルポップをご所望の方には不向きかも知れないが、ソウル/R&B系など本格志向ボーカルがお好きな方などにはオススメです。ところでフィリーと言ってはみたものの、実際のところ誰の何て曲に似てるのかさっぱり検討つかないんだけど、元ネタなど分かる方いらっしゃいます?
松田聖子 / 裸足の季節 '80 小田裕一郎作曲 信田かずお編曲 松田聖子のデビュー曲で化粧品のCMソング。80年代アイドルポップの黄金時代の幕開けを予感させる期待感に満ちた曲。乾いた、高揚感たっぷりの小田裕一郎節に松田聖子の力量あるヴォーカルがうまくマッチ。この頃の彼女の歌声は後年の変なクセが付いて無くてイイ。四半世紀過ぎた今考えても、この二名の当時は無名に近いポップアーチストが出会い、この後の「青い珊瑚礁」を生み出した事は偶然にしては出来すぎだと思うが、、、。因みに曲名候補として「青い季節」、「青いメロディー」、「エクボの季節で」、「潮風の季節」、「ハイヌーンは熱く」、「素足の季節」があげられていたそうです。
【 ポップ偏差値 63 】 YUI(浅香唯) / Ring Ring Ring '97 作曲編曲安田信二 浅香唯が改名しYUI名義で発表した97年のウォール・オブ・サウンド仕様の作品。近年の音壁と言えば岩崎元是Pによる洗練された緻密なサウンドが主流だけれど、ここで聴ける音壁は60年代の元祖フィルスペクターによるサウンドに近い。ちょっと古臭くアナログ臭漂いながらも華やかで厚いサウンドは往年の音壁ファンには堪らない内容でしょう。手間暇かけてこだわって作った、その徹底した職人魂に感激!サウンドと比べてメロディと浅香唯による歌唱がいまいち魅力薄なのが惜しい。しかしこのサウンドは既聴感が強いなあと思って探してみたら古いポピュラーヒットをJackie Trentが64年に音壁カバーしたIf You Love Me (Really Love Me)が元ネタみたいですね。 「YOU TUBE」で聴けます。
井森美幸 / 99粒の涙 '85 作曲林哲司 編曲萩田光雄 高揚感のある胸キュンコーラス、エコーの深い電子ピアノの重低音、軽やかなカスタネットの響き、とバックは実に素晴らしいスペクター/ナイアガラ系音壁サウンド。ちょっと湿った派手さの無いメロディながら良くまとまった旋律で曲のグレイドは相当高い。それに対し残念ながら井森美幸のヴォーカルは不安定で魅力、フェロモンにかなり乏しい。また説明調の歌詞もいまいちでこれらが曲全体の足をひっぱり一聴して名曲とは認識されにくいかもしれない。然しながらアイドルポップとしては数少ない貴重な音壁バラードの名曲と言えます。【注意】明るくポップな曲ではありませんのでご注意下さい。
桑江知子 / 永遠の朝 '80 都倉俊一作曲 萩田光雄編曲 出だしのゆっくりとした爽やかな朝の雰囲気は正統フィリー「M.F.S.B. / LOVE IS THE MESSAGE '74」似。そして途中からグッとテンポアップしていく展開はアイドルポップの範疇を超えとてもダイナミック。力強く華麗なダンスサウンドはまさにフィリーダンサーそのもので軽快でノリがいい。そして途中の間奏ではU.S.BDG高沢仁氏のレア皿コーナーで紹介されるほどのマニアックソウル「J.O.B. ORQUESTRA / CAN'T FIND THE WAY '78」似の景気のいいフレーズが入るとんでもない曲。爽快で小気味良いコーラスの入れ方などアレンジ面で光る作品で、歴戦のソウルファンをも唸らすであろう出来栄えだ。ポップな作品なのだがフェロモンが全く出てないのが惜しい。画像4はこの曲用の衣装で当時のファッション雑誌から。画像5はレコードコレクションを前にして。PETER TOSH , BOB MARLEY , TOOTS & THE MAYTALS / REGGAE GOT SOUL などが見え、レゲエ、ソウルが好きなことが伺える。
九重佑三子&パラダイスキング / ロリーポップ・リップス '64 (H.HUNTER-S.VINCENT) 編曲ダニ一飯田 64年の洋楽カバーのいわゆる和製ポップス。陽気でスピード感のある軽快な曲調と全体に漂う明るい未来感が素晴らしいですね。オリジナルはコニー・フランシスで、彼女の日本語版('64)、渡辺順子のカバー('64 訳詩/漣健児 編曲/寺岡真三)もあります。(コニーの英語版は未聴です。) この九重佑三子版で特筆すべきは、甘くピリリと引き締まったカワイコちゃんアイドルフェロモン漂う歌声。嫌みにならない程度に鼻にかけたロリ系ヴォイスとその魅力を振り撒きながら流暢に歌う様が素晴らしい。この時代にここまでロリ系フェロモン出してたアイドル系シンガーがいたとは!ルックスの印象以上に乾いた可愛らしい歌声で新しめのアイドルポップ好きな方にも十二分に堪能できる内容だと思います。 バックの演奏も60年代R&B的ポップスのストレートで荒削りな魅力を伝える素晴らしいグルーヴ。パラダイスキングの合いの手コーラスも楽しい。「ワシントン広場の夜は更けて」のB面収録曲。「九重佑三子 ゴールデン・ベスト」や漣健児関連コンピなどで容易に聴けます。(このページで試聴出来ます。この曲以外は特別ポップな曲はありません。)
【 ポップ偏差値 62 】 寿美奈子 / SUMMER BREEZE '11 作曲編曲TSUKASA 「Aチャンネル 第7話劇中歌」 テレビアニメ「Aチャンネル」の劇中歌で、完全生産限定版DVD「Aチャンネル 4」の特典CD収録曲。曲は80年代アイドルポップを彷彿させる明るくポップなアニソン。「石川秀美 / 妖精時代」や「松田聖子 / 青い珊瑚礁」といった小田裕一郎メロディに強く影響を受けた、というか敢えて似せて作ったとしか思えない、アイドルポップの黄金期ど真ん中といった雰囲気。いきなり始まるテンションの高い高音域で展開する高揚感あるサビメロは秀逸で、将に小田裕一郎節といった趣きですね。少しトーンダウンしたAメロ、再びサビへ向けて盛り上げていくBメロ共に出来は良く魅力的。これは、全盛期の松田聖子が歌っていたら、80年代アイドルポップのスタンダードとして語り継がれる存在にさえ成り得た秀作に思えます。個人的には軽快に鳴り響くピアノの音色もツボで全体として実に好印象。 「YOU TUBE」で聴けます。 劇中でのシーン
岩崎宏美 / センチメンタル '75 筒美京平作曲編曲 筒美京平流フィリーサウンド炸裂(とはいえ誰の何て曲がお手本になっているのかは不明)。70年代初期の明るい空気感が素晴らしいです。切れのいいストリングス、うきうきするようなチャカポコギター、たまに入るチュクチューンというギターのフレーズもいい。 このチュクチュンは例えば74年8月のヒット曲 「JOHNNY BRISTOL / HANG ON IN THERE BABY(MGM 14725)」(又はFREE SOUL PARADE収録のALTON MCCLAIN & DESTINY版)の出だし20秒ぐらいのところで聴こえるやつなんですが、こういうギターのフレーズは通称なんて言うんですかねえ。大好きなんでこういったチュクチュン入りの名曲を沢山聴きたい!どなたか教えて。 岩崎宏美の歌声はアイドル歌手としては相当うまい部類なんですが、声にちょっとフェロモン足りませんネ。逆に言えばソウルファンとか一般音楽ファンにも十分受け入れられやすいとも言えるでしょう。メロディも明るくテンション高めだし、ラララーのリフレインで終わる手法も見事なんだけどちょっと大味で飽きやすいのがたまにキズ。 手持ち音源は「筒美京平 ULTRA BEST TRACKS / SOUL & DISCO」なんですが、これがかなり上手にリマスタリングされたのでしょうか、メチャクチャ音がいい。実は私はこのCDを聴いてその音世界の素晴らしさを再認識いや、初めて気付いたのかも知れない程。アナログや古い音源しかお持ちでない方、これはお勧めですヨ。音質までは伝わりづらいかもしれませんが、こちらで試聴できます。
沖田浩之 / E気持 '81 筒美京平作曲 出だしの女性コーラスが元気で軽快でいいね。スクールメイツ風というかチアガール風というか、何て言えばいいのか分からないけど、この女性コーラスの存在が大きな魅力。ライブやテレビではどうだったんでしょうか。画像2みたいな感じかな?是非動画で見てみたいですね。バックの演奏は佐野元春かスタイルカウンシルを思わせる疾走感のあるポップで軽快なもの。ピアノの響きが気持ちEネ。大味で飽きっぽく安っぽいメロディがちょいマイナス。歌詞が色物だからといって決して一介のコミックソングで終わらない、ポップ偏差値の高い秀逸曲。なめんなよ。ショーン・キャシディ(shaun cassidy) / Carolina's Comin が元ネタのようです。
堀江しのぶ / ビキニ・バケーション '84 作曲松田良 編曲水谷公生 オールディーズ風で明るく爽快なコーラスが楽しいビーチサイドポップス。この頃の巨乳アイドル河合奈保子の楽曲はその幼稚な世界観についていけないものがあるが、この曲で聴ける堀江しのぶの「気軽にやれそう」「手頃な女」「後腐れ無し」感フェロモンはなかなか良い。「おしえてアイドル ポリドール編VOL.1」収録
【 ポップ偏差値 61 】 チェッカーズ / 涙のリクエスト '84 作曲編曲芹澤廣明 80年代に活躍したアイドル男性グループ、チェッカーズのオールディーズタッチのヒット曲。作曲を手掛けた芹澤廣明氏は当ブログで既に「森口博子 / エンドレスドリーム」、「堀江美都子 / DON'T YOU・・・?」などを取り上げていますが、この曲も同じくオールディーズ・ロックンロール風の作品。歌詞は悲し気だけど明るく軽快な曲調に良く出来たキャッチーなメロディ、サビの高揚感などが素晴らしい。詞の方も映画「アメリカン・グラフィティ」をヒントに作られたということで往年の邦題「涙の・・・」シリーズを彷彿させる曲名もイイね。個人的にチェッカーズを初めて見たのは確か「夕やけニャンニャン」でデビュー間もない時だったはずだけど、いかにもチャラそうな風貌に全く食指が動かず、後の不良路線の曲とかで更に遠ざかったものだけど、流石に老齢となったこの頃はそうした経緯など全く気にならなくなりました(笑)。これからは男性アイドルものも積極的に聴いて良曲発掘に邁進する所存。チェッカーズ・クローンものとかにも良曲が埋もれてたりするのかな。最近の女性アイドルグループ「カントリー・ガールズ」によるカバーがあります。2016年のものですが出来はなかなか。 「YOU TUBE」で聴けます。
中嶋美智代 / 天文台と海岸 '91 作曲羽田一郎 編曲新川博 「中嶋」 90年代初期に活躍したアイドル中嶋美智代の1stアルバム収録曲。編曲は後にアイドル音壁大作「泣いていいよ」を作り上げる新川博氏で、どうやら中嶋美智代のメイン編曲家として活躍されていたようですね。 曲は明るく軽快な50/60年代ロックンロール風ガールポップ。恋する少女の気持ちを歌ったもので若くて可愛らしい女性っぽさを強調した歌詞に中嶋美智代の可愛らしい歌声が萌える。ちょっと甘えた歌唱に声質もなかなか可愛らしいですね。私は彼女が現役で活躍していた頃を全く知らないんですけど、「泣いていいよ」と共に個人的に人気急上昇中。この曲はシングルカットされていないので結構隠れた名曲と言えるかも。 「YOU TUBE」で聴けます。
フィンガー5 / 恋のアメリカンフットボール '74 作曲/編曲/都倉俊一 日本版ジャクソン5という感じで70年代に一世を風靡したキッズグループの74年のヒット曲。 「小沢健二 / 流れ星ビバップ」の元ネタと思われます。(95年の「痛快ウキウキ通り」のカップリングの方のバージョン) 具体的には「やがて種を吐き出すような」と「恋しているといいたいために」の所のメロディと、「ヘイ ヘイ ヘイ」と「ハイ ハイ ハイ」の掛け声の部分ですね。これを意識的に使ったのか?というと疑問が残りますが、子供の頃から歌謡曲に慣れ親しんだと言われる小沢君に大なり小なり影響を与えていたのではないかと推測します。 元曲の方は大ヒットとなった訳ですが、今でも私は愛聴しています。明るく元気な曲調にキャッチーかつ魅力的なメロディ。晃の突き抜けるように溌剌としたよく通るリードは声質、発声ともに美味。「ハイ!」の掛け声も曲の瑞々しさをより増幅させていますネ。ところで「吹き抜けて行く熱い風に」の部分のメロディも小沢君どっかで使ってませんでしたっけ? 「フィンガー5 / 恋のアメリカンフットボール」 「小沢健二 / 流れ星ビバップ」
高岡早紀 / 悲しみよこんにちは '89 作曲編曲加藤和彦 「SABRINA」収録 元サディスティック・ミカ・バンドで、音壁ファンには「岡崎友紀 / ドゥー・ユー・リメンバー・ミー」などを手がけた事でも知られる加藤和彦Pによる軽めのウォール・オブ・サウンド。曲は静かで落ち着いたバラードですが、アイドルポップ系バラードとしては、かなり高品質の素晴らしいメロディを持っています。洋楽的ハイカラ・センスを持つ加藤和彦ならではの流石のメロディラインという感じですが、アレンジも同級に見事な出来栄え。 イントロ等で複合的に奏でられるストリングスの音色は優しさ、品の良さ、そしてどこか物悲しさを感じさせ、軽くエコーのかけられたドラムスは曲全体を淡い靄をかけたかのように幻想的なムードを高めます。高岡早紀の柔らかな歌声もそんなソフトフォーカスされたような音世界に合わせ大人っぽい色香をも漂わせていますね。音壁という程に派手なアレンジでは無いけど、ストリングスの持つ優雅な響きとエコーによる音響効果をバランス良く配した、上品にして味わい深い実に玄人好みのサウンドです。あまり知られていない加藤和彦Pの隠れた名曲と言えるでしょう。「YOU TUBE」で聴けます。(注:明るくポップな曲ではありません。) あいざき進也 / 恋のリクエスト '75 作曲/井上忠夫 編曲/萩田光雄 基本は60'Sテイストながらかなり垢抜けた70年代風の味付けとなっている。明るくテンポ良く楽しい雰囲気の曲。お願いDJ(ディスクジョッキー)系ってのはなんとなくハイカラな雰囲気を漂わせるからお徳だね。声変わり前?のなんとも可愛らしい声でグループサウンズ風の過剰にこみ上げる歌唱方で歌ってくれちゃうんだからショタコンなお姉さまやいけないおじさんを熱狂させたに違いない。
石川秀美 / 妖精時代 '82 小田裕一郎作曲 萩田光雄編曲 「松田聖子/裸足の季節、青い珊瑚礁、風は秋色」、「沢田富美子/風のシルエット」そして「石川秀美 / 涙のペーパームーン」と80年代アイドルポップの数々の名曲を作り出してきた小田裕一郎氏。当時リアルタイムで松田聖子のスーパーポップ3連発を聴いた時はロック少年であった私にさえ衝撃的だったけど、あれから30年を経た現在に到るまで未だ彼を超えるアイドル・ポップ・クリエイターが出現しないというのも凄い。今にして思えば世紀の名作曲家の全盛期を肌で感じられた幸せなひと時だったということでしょうね。 この曲は小田氏が松田聖子の次に、聖子に続いて多くの作品を手掛けた石川秀美の82年のデビュー曲。ちょっと幼稚な雰囲気もあるけど、高音部でなだらかに伸びやかに描かれるメロディラインが如何にも小田裕一郎しています。空高く舞い上がるストリングスの高揚感、キャッチーでテンションの高いサビのフレーズ、明るく夢のある世界観など80年代アイドルポップを代表するポップな名曲の一つと言えましょう。
岡本舞子 / ファンレター '85 山川恵津子作曲編曲 アイドル版ウォール・オブ・サウンド。編曲者は音壁ものとしては珍しく女性です。こうした音壁ものはアレンジは素晴らしいけどメロディや歌唱がいまいちだったりとバランスの悪い曲も多いのだけれど、この曲はアレンジ、メロディ、歌唱と三拍子揃った数少ない作品のひとつ。音数も少なく音壁の厚さはそれほどでもないけれどエレピの響きやドラムスのエコー感、コーラスの高揚感などはなかなか。メロディもテンション高めの突き抜け系でなかなかキャッチー。歌唱もフェロモンこそ足りないが満足のいく出来。 「YOU TUBE」でこの曲の映像が楽しめます。大音量でお楽しみ下さい。(実際の長さは4分30秒ほどです。)
岩井小百合 / いちごの片思い '83 作曲編曲馬飼野康二 「YOU TUBE」アイドル映像アップの巨匠、jisaku2006さんのものは欠かさず観るようにしてますが、2007年4月にアップされたこの曲の動画にはビビビーンと衝撃が走りました。デビュー曲のスーパー・アイドル・ポップ「ドリームドリームドリーム」が有名な彼女だけど、まだこんなポップで魅力的な曲があったんですねえ。 シングル第三弾のこの曲は、作曲こそ横浜銀蝿の手を離れたものの編曲は同じ馬飼野康二氏。曲調も前者を引き継いだアップテンポでノリノリなオールディーズ・ロックンロール。いきなりテンションの高いキャッチーなサビから始まりますが、この曲の最大のハイライトと言える、息もつかせぬ小気味良い掛け合い部分含めたサビ部分はそのスピード感、歌詞の無意味さ、流暢なメロディ等においてアイドルポップの理想形と言えます。うーん、美味。 この曲を聴くと「歌そのものが持つパワー」が強靭であれば、凝ったアレンジ、装飾音などなく仮にアカペラであっても、十二分に楽しめるのではないかと思えます。その意味ではここでのサウンドもデビュー曲を引き継いだ飾り気の無いストレートなロックンロールで、この曲の持ち味を旨く生かしてますね。岩井小百合の歌声も明るく弾けててグッド!
北原佐和子 / マイボーイフレンド '82 梅垣達志作曲編曲 いきなり始まるちょっと高揚感ある胸キュンなサビの部分が魅力。後半に時折入るカンツォーネなんかでよく聴かれそうな弦の音色も魅力的。正統的アイドルポップという感じで夢を見させてくれていいですね。さて夢見がちな曲はともかくこの方のルックスは一体全体当時どういう評判だったのでしょう?いつも疑問に思うのですが画像2など見ると「いじわるでエッチで可愛げなルックスを鼻にかけてる」感じがプンプンし、アイドルとしてはいかがなものか?と思うのですが。 北原佐和子さんについてのレビューは「赫いわななき-vampireさん」のものが素晴らしく面白いですヨ。
工藤夕貴 / カレン '86 作曲鈴木キサブロー 編曲和泉一弥 「STRAWBERRY TOWN」収録 フィルスペクター/大滝詠一ナイアガラ系音壁サウンド。「カレン」というタイトルは大滝詠一氏へのリスペクトが感じられますね。サウンド製作にもナイアガラ関連の方々が多く関っているらしいです。唐突に始まり一気にエコーの深いタイトなドラミングを中心とした、心地よーい音壁ワールドへズン、ズン、ズン、ズンと突入。ストリングスも爽やかで高揚感があっていいです。メロディは決して突出した出来ではないが、なかなか乾いてて明るい。このアルバムでは、しっぽりとしたバラードタイプの「DIARYは秘密でいっぱい」、疾走感のあるロック調の「涙のペチコート」も偏差値60クラスの傑作です。
つちやかおり / すてきなメモリー BrooksArthur/AlanLorbar作曲 椎名和夫編曲 '82 JOANIE SOMMERS / Memories,Memoriesのカバー。60年代の味を損なわず、80年代風アイドルポップの味付けで原曲以上に明るくポップに華やかに仕上がった。つちやかおりにとっては哀愁路線よりもこの程度の軽くて明るい曲の方が向いていたのではないだろうか。彼女には「つのる思い」(TEDDY BEARS / TO KNOW HIM IS TO LOVE HIM - PHIL SPECTOR作曲)、「シュガータウンは恋の町」(Nancy Sinatra / SUGAR TOWN)なんてオールディーズ好きには嬉しいカバーもある。
若林加奈 / COOL~アナタガタリナイ~ '85 作曲大森隆志 編曲船山基紀 作曲は2006年5月に覚醒剤取締法違反等の現行犯で逮捕された元サザンオールスターズの大森隆志か?だとしたら桑田佳祐の陰でなかなかの作曲を披露していると言える。ただそれよりもこの曲の最大の売りはカランカランとウルサイぐらいに鳴り響くエレピや重量感あるベース、エコー深めのドラムスなどのスペクター/ナイアガラ系サウンドだ。純粋なアイドルポップスとしてこれだけ厚く深く作りこんだサウンドは少ないようで現時点でかなり貴重な音壁作品と言える。ヴォーカルも声質、歌唱ともなかなか良い。「おしえてアイドル 日本コロムビア編 地下鉄マドンナ」収録。
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