私の好きなディープソウル
私の好きな甘茶ソウル(3)
TROY / AND TOMORROW MEANS ANOTHER DAY WE'RE APART (COLUMBIA 4-45748)'72
この曲は多くのソウルファンにはどう位置づけられているのだろう?甘茶ソウル?ディープソウル?ヴォーカルだけ聴けば絶唱タイプでスウィートというよりはディープ風。ただし制作はフィリー、アレンジはBOBBY MARTINなので、サウンドは甘茶ソウル仕立て。然しながらこれだけの名曲にもかかわらず甘茶ソウル百科事典には未掲載。コンピで言うと「SOUL FROM THE VAULT RARE SWEET DYNAMITE VOL.1 SILVER BLUE COLLECTIONS」に収録。スウィートとタイトルでは言ってても一応シルバーブルー・コレクションの一環なのでディープソウルだよという言い訳も通用するか。
「MASKMAN PRESENTS THE CITY OF BROTHERLY LOVE 2」のマスクマン氏のライナーでは、「フィリーのバラード」、「デルズのマーヴィン・ジュニア」なんて表現されている。「THE LOST SOUL GEMS」で鈴木啓志氏は「スウィートなバラード」と。(ここではTROYの正体は66年にMUSICORからシングルを二枚出しているJEFF B.TROYだと推測されている。因みにそれを受けて収録された「THE SPIRIT OF PHILADELPHIA 3」では、単に正体不明と書かれているだけ。)
以上を踏まえて考えると、絶唱タイプの甘茶ソウルとカテゴライズするのが妥当な気がするけど、個人的編集盤ではディープ篇に収録しています。是非他の人の意見も聞いてみたいですが、ディープソウルなんて言ったら笑われちゃうかな?曲は素晴らしく良く出来たメロディで徐々に盛り上がっていく感動的なナンバー。途中転調する箇所もバッチリ決まってて痺れます。女性コーラスにストリングス、グロッケンの入ったサウンドは大甘ですがヴォーカルは超絶唱・熱唱タイプでかなり圧巻的。単なる恋愛系の歌詞のようだけど、壮大・荘厳なテーマを持ったファンタジーの主題歌にでも似合いそうなぐらいの奥深さを感じさせます。ズバリ絶唱系甘茶ソウルの最高傑作と言えるでしょう。
「YOU TUBE」で聴けます。
(後にこのTROYは80年に「Into the Night」というヒットを出したBenny Mardonesという白人歌手であることが判明しました。)