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カテゴリ:中学の漢字指導
知人のKさんが、文科省から出た「中学生のための放射線副読本」を読んでの意見を送って来ました。 ご紹介いたします。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ まだ途中ですが、以下のような問題点を感じました。 これは、文部科学省のホームページからプリントアウトできます。 どこに落とし穴があるか、みなさんで検討する必要があると思います。
1 まず最初の章「不思議な放射線の世界」では、学習のポイントとして、 「植物などから出る放射線が身の回りに存在することを学ぶ」 「いろいろな分野で放射線が利用されていることを学ぶ」とあります。
人間が、自然のなかで、あるいは有効な意図的な産出物としての放射線・放射性物質と、日常的に共存していることからはじめています。 しかし、そもそもこれらのことを学ばなければならなくなってしまったのは、 原発由来の放射線・放射性物質が正に暴走し、 今後どう影響を及ぼすのかわからない中で、 放射線・放射性物質を理解するためであるはずですが、 その原発、由来の放射性物質・放射線ということを問題とする記述は、後の方を見てもはっきりとは記述されていません。
2 自然の放射線と人工の放射線が出てきますが、そこで人工の放射線として出てくるのは、医療用と農業用と考古学の年代測定と工業や先端科学での放射線の利用であり、(確かに「放射線」の利用がテーマですが)今、 不安と恐怖の対象となっている放射線・放射性物質もまた、原発から産出された人工の、人が作り出してしまった放射性物質・放射線であるとしては、 位置づけられていません。 3 「太古の昔から自然界に存在する放射線」という章では、 学習のポイントを 「放射線は宇宙や地球が誕生したときから存在し、地球上にも放射性物質が岩石などに含まれていることを学ぶ」 「放射性物質は、空気や食べ物などにも含まれていることを学ぶ」 などとありますが、その地球上で、生命体がなぜ、どのようにして存在できるようになってきたのか、というようなことは、書かれていません。 まるで生命と共存し得るかの書き方になっています。
4 「放射線による影響」の章では、 「指導上の留意点」として、 「100ミリシーベルト以下の低い放射線量と病気との関係については、明確な証拠がないことを理解できるようにする」として、続けて 「癌の発生にはいろいろな原因があることを理解できるようにする」とあります。 これでは、「証拠がない」のだから、「関係があるとはいえないのだ」という理解になりかねません。 ここのところがとても問題だと思います。 大阪高裁の判決は、この点についてていねいに解明しており、私たちの理解に非常に参考になります。 下記、クリックして応援していただけますとうれしいです。
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