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カテゴリ:シネマ
◆疑惑◆
2024年4月17日 BS松竹東急にて放映 松本清張原作、野村芳太郎監督のサスペンス映画。殺人容疑者の女と彼女を弁護することになった女弁護士の確執・葛藤を描いている。 仲谷昇/白河福太郎は富山で有名な白河酒造の社長で妻を亡くして桃井かおり/球磨子と再婚した。福太郎には中学生の息子がいる。球磨子は恐喝・傷害などで前科四犯~流れ流れて新宿のクラブでホステスをしてる時に福太郎と知り合い、福太郎が一方的に球磨子に惚れて結婚することになった。そして球磨子は富山に嫁いだ。 福太郎と球磨子がドライブに出かけ、二人の乗った車が富山港の埠頭から海へ転落した。天草育ちの球磨子は浮かび上がり助けられたが、福太郎は亡くなってしまった。 球磨子は早速警察の取り調べを受ける。調べていくと福太郎には数件の保険、合計3億1千万円の保険が掛けられていた。保険金目当ての殺人かとの疑惑が~それに球磨子には前科があり殺人を犯してもおかしくないと思われた。福太郎が亡くなれば法律に従えば彼の遺産が球磨子にかなり入る。球磨子の言い分は福太郎は釣り好きで毎週のように出掛けるが、泳げないので保険に入ったと~ 世間が球磨子の事を騒ぎ出し、悪女だ殺人鬼だと話題になった。球磨子は自分は無罪だと会見の場で主張した。この事件を追う新聞記者役が柄本明。しかし、転落した車を運転していたのが球磨子だとする証言者が現れ、球磨子は福太郎殺害容疑で逮捕された。事件の究明は法廷へ持ち込まれることになるのだが、検察側としては球磨子が殺害したとの物的証拠がなく、すべては状況証拠しかなかった。 球磨子の弁護を引き受けることになったのが岩下志麻/佐原律子~当初は白河酒造の顧問弁護士が弁護する予定だったが、彼は高齢で1審、2審と進んでいくと体力的に無理があるとして辞退した。仕方なく裁判官によって国選弁護人として律子が選ばれた。律子は本件の刑事裁判の経験はあまりなく、民事裁判では腕の立つ弁護士だった。 我がまま、自己主張が激しい球磨子を冷徹に抑え込む律子~流石の球磨子も律子に従わざるをえない。 小林稔侍/宗方~球磨子の裁判の検事。球磨子の殺人を立証しようとする。 法廷にはさまざまな証人が召喚される。三木のり平は福太郎の釣り仲間。 山田五十鈴/堀口とき枝~球磨子が働いてた新宿のクラブのママ~ママの仲介もあって球磨子はこの店で福太郎と知り合った。 鹿賀丈史/豊崎勝雄~球磨子が前に付き合ってた男で、球磨子の前科にすべて関わっていた。豊崎本人も数件の前科があり今は仮釈放中。球磨子との微妙な関係も続いていて~ さまざまな証人が立って、その度に球磨子は取り乱したり、暴言を吐いたり~その度に裁判官にたしなめられ、律子からも責められる。 新聞・マスコミや世間の声は圧倒的に球磨子が殺人犯だと決めつける中、律子は冷静に事件を分析し、情報を収集していく~車を運転していたのは球磨子ではなかったことを立証した。他にもいろいろ球磨子が殺害してない、殺害する動機がないことを明らかにした。そして決定的なある人物の証言により、福太郎が球磨子を殺害しようとしたこと、福太郎自身が自分も一緒に死のうとしたこと~無理心中だったのだ。結果は球磨子は無罪となった。 裁判に勝った球磨子は自分が働く店に律子を招いた。福太郎が保険に入って1年以内の無理心中だったので保険は全く出ない。現状から福太郎の遺産も取れる状況ではない~なので球磨子は冗談めかして律子に慰謝料とってと言う。律子が球磨子にいずれは福太郎を殺すことを考えたかと聞くと、それはあるかもと球磨子は言った~今回のことで二人の間にはいろいろなことがあって、なじり合う、ワインをかけ合う~なにかあったらいつでも言いなさいと言って律子は店を出て行った。 無罪が確定して、それでも球磨子への世間の目は厳しかった。衆目の中、球磨子は富山から東京へ行くのか?不敵な笑いを浮かべて、ひとり特急電車に乗って行った。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2024.04.19 00:50:32
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