テーマ:温泉について(1626)
カテゴリ:温泉大好き!
久々に、いや今年初めて富岡温泉に行く。我は愛着を込めて「トミ」と呼んでいる。朝7:30いつもの通り空いている。「空いている」という表現は、経営されてる方には、いささか失礼であるが、利用者にとっては、この上ない利点でもある。
トミには、いくつかの特色がある。まず、お湯が良い。64℃の源泉を熱交換後、井戸水を加えて最終温度調整している。動力揚湯ながら、毎分600Lの豊富な湯量にて、浴槽は勿論の事、カランの湯まで源泉を利用している。浴槽は、高温・中温・低温の3つと水風呂。2~3人入れば、一杯感のサウナがある。浴槽は、高温槽に湯が注がれて、溢れた湯が中温の浴槽に、更にそこから溢れた湯が低温の浴槽にと流れ、且つ低温に向うに従って、浴槽は浅くなる。 この自然の原理を利用した温度調整の為、熱いのが苦手な人にとっては、低温浴槽でも熱いらしい。因みに「西ききょう温泉」で熱いのに慣れた我には、高温が一番良い。そして、井戸水の加水が数%あるにも拘わらず、ほんのりと硫黄の香りがする湯は、ピリピリと心地良く身体を温めてくれる。 シャワーも良い。銭湯や温泉のシャワーは通常、ボタンを押すと一定時間シャワーが出る仕組みになっている。トミは手動である。自分の思いのままにシャワーを出したり止めたり出来るのだ。「一定時間」は、無駄を排する目的で導入されたシステムを思われるが、実際には「もっと短くて良いのに」とか、「もう少し出したい」とのユーザの要請がある。出しっぱなしにするような非常識な客が撲滅されれば、このワンプッシュ式をなくした方が経済的ではと思う。 大抵の温泉には「入墨の方は、お断り」なんて書いてある。でも実際には、入墨の方もいる。仕事もOFFタイムのせいか、カミソリの如き目つきや雰囲気を漂わせる人はいない。入墨の人も、入墨の無い人も、何の隔たりも無く温泉の常連として、楽しく会話している。我はまだ、その会話の輪の中に入る程の常連ではないが、彼らの話を小耳に挟んでは視線を向けて、微笑みあったりする。 強いて難点を挙げるなら、密閉性だろう。これは、受け手によって利点ともなる。トミは厚い格子鉄線入りのスリガラスしかないので、外が見えない。カラン間の間隔が狭い、また天井も低い。そんな事から、開放感に欠けるのである。温泉に行くのは、自宅の風呂とは違う「非日常」を味わうのも目的のひとつであり、プチ旅行とも言える。でも、楽しい旅行から自宅に帰り「やっぱり自宅が一番」なんて思った事は、誰しも経験しているだろう。 トミは、そんな自宅感覚の延長線上で入れる温泉である。開放感に欠けるのも、見方を変えれば、実に落ち着ける広々とした贅沢な自宅の風呂に入る感覚にも成り得るのである。実際に自宅の風呂代わりのように、毎日通っている人も数人いるようだ。久しぶりのトミで、その良さを思い出した。いずれ我も、入墨の人たちと仲良く会話するようになるかもしれない。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2005/05/04 08:31:28 PM
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