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2011.12.30
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カテゴリ:ヨタ話
今日は趣味の話を一つ。

武道愛好家の一部には馴染み深くも、謎とされているものの一つに、針ヶ谷夕雲を祖とする無住心剣流剣術の相抜けがある。
私の知る限りでは、夕雲と弟子の小田切一雲との間、一雲と弟子と言って良いであろう井鳥巨雲(雲弘流を創始)との間で生じたという伝承がある。

この相抜けが世に知られたのは、自らも直心影流を学んだ臨済宗の高僧、大森曹玄が高く評価、紹介したことによるものらしい。
一方で、非常に残念なことに、その一雲自身は、巨雲以上に遥かに長く自身に師事してきた真里谷円四郎とは相抜けとならず、三度対峙して三度とも円四郎が勝ってしまったという伝承は脇に置かれがちだ。

一雲は無住心剣流剣術の術理整理も進め、非常に学識も高かったであろうことは伝書を見れば一目瞭然、学に疎かったと評される夕雲より始まる無住心剣流が、伝書だけでも伝えられた功績は大きい。
ただ、その伝書を後世の都合に合わせて再構築(?)してしまうのはどうか?とも想う。
相抜けがいかなるものかは諸氏見解があるが、円四郎の弟子が語録として残した、いわゆる前集・中集で触れられている相抜け観によれば、
「(先生云、)両方立向て、互の気に相争ふものなき時は、あたるべきものなし、
 是を相ぬけとかゝれたり、争ふものあれば相討なり」
と、非常に素っ気ない程の端的な表現で済ませているのみだ。

伝書を読むと、よく分かるのだが、円四郎も学は相当にあった様子である一方、どちらかというと、
「こまけぇことは、いいんだよ!やりゃー、分かるさ!!」
とでも言いかねないような、至って突き抜けた陽性の人柄が伺える。
そのこともあってか、円四郎は(元)同門からも大酒呑みだのなんだのと、およそ剣の実技とは無関係な批判を盛んに受けたらしい。

円四郎は、弟子に対しても夕雲・一雲を立ててはいるのだが(当流伝書は一雲による二冊のみとも言っている)、先の引用に続いて、
「(先生云、)相ぬけは一人なり、当流弟子中にも、同じ様のもの、一世に弐人は有べからずとあるは、
 先生之心には不叶、国に聖帝ましゝて、其外に聖人出来る事あれば、
 壱人と限り給ふは、余りに道理すぎたりと也。」
と述べるなど、理に過ぎることは戒めた様子が伺える箇所も少なくない。

その円四郎自身、師匠・一雲の兄弟子である片岡伊兵衛の弟子、つまり夕雲から見て三代目同士に当たる中村権内に敗れたという伝承があると聞く(さらに中村権内の弟子、加藤田新作が加藤田新陰流の祖)。

確かに相抜けというのは、非常に心魅かれるエピソードではあることは分かる。
しかし、相抜けは、いわば全く同じ(レベルの)二人あって始めて成立するものであって、やはり理に過ぎるという円四郎の感想が的外れとは言い難いと想う。
その「過ぎる理」を絶対としてしまった時に、あるいは相抜け自体も役目を終えてしまったたのかもしれない。

*以上、引用部は筑波大学武道文化研究会の剣術諸流心法論集による






Last updated  2011.12.30 16:42:55
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まっく @ Re[1]:昨日が春分の日だったのですねw(02/05) 【亞】2さん >まっくさん、ご無沙汰して…
【亞】2@ Re:昨日が春分の日だったのですねw(02/05) まっくさん、ご無沙汰してます。 亞です。…
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