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現在シンガポールの「サイエンス・センター」で開催中の「ダ・ヴィンチ(1452-1519)展覧会」で実物大の「最後の晩餐」の複製画の展示がありました。
460㎝x880㎝ 1495~1498年に制作 説明にはフレスコ画ではなく石の壁にテンペラ絵の具を使うという前代未聞の方法で描いたため、ダ・ヴィンチの生存中から絵の具が剥がれるという事態が発生し、19世紀の中頃にはかなり状態が悪くなったため1978年から1999年の間に修復が行われ現在に至っているとあります。 「最後の晩餐」を見て思い出すのは2006年にアメリカ人作家「ダン・ブラウン」著の「ダ・ヴィンチ・コード」を読んだすぐ後に「ルーブル美術館」を訪問したことです。本はルーブル美術館で館長の死体が発見されるというところから始まっていて、まさかとは思いながら不安な気持ちで美術館に行ったのが今は良い思い出です。その後に公開になった「ダ・ヴィンチコード」の映画も見ましたが、「キリスト」の横に女性のような姿で描かれているのが「ヨハネ」であるということを私はそれまで知りませんでした。作品や映画に合わせてヨハネを女性のように描いた贋作だと最初思ったほどです。 「ダヴィンチ・コード」は空前のタブーに挑む「神であるキリストに妻や子供がいる」という箇所もあり、ヨハネが実はマグダラのマリアで2人の子孫が現在も生存しているというシーンもありダン・ブラウンの暗殺説まで出た空前の大ヒット作品です。 本や映画が公開された時はキリスト教に纏わるいろいろな記事が出て、その中で私が一番驚いたのは「キリスト教」の世界では1859年にダーウィンが発表した「種の起源(人間は猿から進化した)」を否定しているということでした。「旧約聖書創世記」に基づく「創造論」で「神が人間を造った」と信じているからだそうです。 そして今回「最後の晩餐」を見たことがきっかけで調べてみると「カソリック」ではなく1555年に認められた新教である「プロテスタント(聖書の原点に戻る)」の信者たちに進化論を否定する人が多いということでした。 プロテスタントと言えばドイツ人「マルティン・ルター」が腐敗したカソリック教会の改革に乗り出す宗教革命は学校の教科書で何度も勉強しました。ダ・ヴィンチが亡くなる2年前に始め38年かけて新教として認められています。 アメリカはプロテスタントの比率が高く、現在でも3割~4割の人がダーウインの進化論を否定していて学校によってはこれを教えないところもあると書かれていてやはり少なからず私には驚きです。 ダ・ヴィンチが生きていた時代は様々なことに対して公に批判することが禁じられていたので、絵画の中に何か暗号のように批判を込めたとも言われています。世界的に有名な絵画でも今までさほど気に留めることは無かった絵ですが、何かもうちょっと知りたいという気持ちにさせてくれました。 ダヴィンチ自身は発明家でもあり彼自身が描いた飛行機やパラシュートなどが展示されていましたが、水上を歩くための道具も展示されていてこういうところに彼の人間味のような物を感じて少しほっとさせられました。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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レオナルド・ダ・ヴィンチという名前は知っていても
この人物について詳しくは知らなかったので調べてみると 人類史上最高の万能の天才と言われた人だったのですね ダ・グィンチは数多くの本を読みメモを大量にする人だったようですが 晩年に残したメモの中に 「私は無学な人だ」「まだ何も成し遂げていない」と書いてあったそうな・・・最後の最後まで勉強をして あれだけの最高傑作を残しながら何も出来ていないとは 志しがどれだけ高かったのかまさしく偉人なのではないかと・・・ その大量のメモをかき集めたのがビル・ゲイツで最も尊敬する 芸術家なのだとか you tube 動画で中田敦彦さんが 最後の晩餐や他の絵とダ・ヴィンチの紹介をしていたので 興味深く見ました。 こういう天才の生涯はとても感動します。 (2021.09.19 00:36:11)
アストロメリアさんへ
マイクロソフトのルーツを辿るとダ・ヴィンチなんてロマンですね。ビル・ゲイツがメモを集めていたのは知りませんでした。中田敦彦さんのYoutube見ました。「同じ皿に手を入れる」というキリストの言葉も初めて知りました。いつも貴重な情報有難うございます。美術館で宗教画は速足で見てしまうという感じでしたが、何かちょっとしたきっかけで違った角度でもっと絵画が楽しめるのかなと思いました。頭をもっと柔らかくして絵を楽しみたいという気持ちにも・・こんな時期だからこそかなとも思います。 (2021.09.19 21:20:54) |