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今年6月のシンガポールの「アリアンス・フランセーズ」でのイベントは絵画についての
ドキュメンタリー映画3本の上映でした。そのうちの1つイギリスのドキュメンタリー映画 「The Impressionists and the man who made them(印象派画家達と彼らを世に知らしめた男)」を見ました。 タイトルが興味深く映画を見る前に簡単な映画紹介を読むと「Paul Durand -Ruel(ポール・ デユラン・ルエル)1831-1922」という初めて聞くフランス人画商の名前が紹介されていました。
パリではポール・デユラン・ルエルが生まれた時代は「サロン」が認めた「官展」が’美術界を牛耳っていた時代で、やっと多数派を占める官展に落選した画家達のクレームを受けて「ナポレオン3世」の計らいで「落選展」の一回目が開催されたのが1863年です。ニューヨークでの展覧会の僅か23年前です。
アメリカでの展覧会を決意したのは一枚の手紙をアメリカの美術協会から受け取ったのがきっかけでした。ニューヨークを皮切りにボストンや西海岸でも開催さた展覧会は反響を呼び、アメリカで印象派絵画人気の火付け役になりました。ニューヨークの展覧会は「メトロポリタン美術館」で開催されたのだろうかと期待してそのシーンをじっくり見ましたがたが、名前は出ず実際は小さな会場だったようです。 ![]() 映画のポスターに使われた絵は「ルノワール」が1883年に描いた「ブージヴァルのダンス」です。「都会のダンス」「田舎のダンス」と共に「ダンス3部作」と呼ばれています。モデルをつとめたのは自身も画家であり「ユトリロ」の母でもある「シュザンヌ・ヴァラドン」です。 ポール・デュランが特に愛した絵なのか、この3部作は亡くなるまで彼の手元に置かれ、ヨーロッパ各地で展示されたようです。 日本で2足3文で売られていた浮世絵が19世紀フランスで大きな反響を呼んで一大ブームになったように、新天地でその本来の価値が見出されることがあるのだなぁと絵画の運命についてちょっと考えさせられた貴重な映画でした。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2025.01.18 08:59:55
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