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「冬景色」カンディンスキー 1913年 エルミタージュ美術館蔵 「セルゲイシチューキン・コレクション」 エルミタージュ美術館へ行った第1の目的はロシア人の絵画鬼集家「セルゲイ・シチューキン コレクション」の「ダンス」を含む絵画を見るためでした。「マティスの間」ではないホールに展示されていたのにこの絵を見た時、一瞬「あっ、マティスの絵」と思ったのが今でも印象に残っています。 絵の横に置かれている説明に「カンディンスキー(1866-1944)」の名前があって、あの抽象画を生み出した画家の絵とは俄かには信じられず、シンガポールに戻ってから調べてみると初期の頃はやはりマティスの影響を受けたということでした。マティスのパトロン的存在でもあったロシア人絵画鬼集家の「セルゲイ・シチューキン」の影響もあったのかなと想像します。 「Composition Ⅵ」 カンディンスキー 1913年 エルミタージュ美術館蔵 この絵であれば抽象画を確立した「カンディンスキー」の絵だとすぐ分かります。1913年と同じ年に制作されているのが何とも不思議で「どのようにしてカンディンスキーは抽象画を生み出したのだろうと思っていましたが、「モネ」がジヴェルニーで描いた「積藁」シリーズの絵を「フランス印象派展」で見たことがきっかけだったようです。 ネットで30枚ほどの「積藁」の絵を見ましたが、ほぼ同じ構図で描かれていてこの絵から図や直線、四角などを組み合わせた幾何学的な抽象画を生み出すヒントを得たというのは理解できるような気がします。ピカソの「キュビズム」と同じように今まで無かった物を新しく生み出すというのはやはり天才的才能の成せる技なのだと思います。 最近思い出すのはずっと以前に作家の故「渡辺淳一氏」が何かの雑誌に「マティス的不遇な絵」という文を書いていて、日本ではマティスのような色鮮やかな絵が受け入れられるのは難しいという内容でした。その時は確かに「モネ」「ルノワール」や「マリー・ローランサン(1885-1956」のパステル画のような優しい色合いの絵が好まれていたような気もします。 「マドモアゼル・シャネルの肖像」1923年 「ポール・ギョーム婦人の肖像」1924年 オランジュリー美術館所蔵 ふと気になって、マリー・ローランサンを検索すると観客数の減少で2019年に日本の「マリー・ローランサン美術館」が閉館という記事を見ました。 時代は変わって「マティス的不遇」というのは遠い昔の話になっているのかなという気もします。 「Artemis(アルテミス)」マリー・ローランサン 1908年 エルミタージュ美術館蔵 「セルゲイシチューキン・コレクション」 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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カンディンスキーの初期の絵ってホントに
他の人が描いたような絵ですね でもこの絵も好ましいと思います。 抽象画の先駆者であるカンディンスキーの絵は とてもモダンで好きな絵です。 Yellow.Red,Blueという絵をCDジャケットに使ったことがあるんです。 音楽を常に意識しながら作品作りをしていたのだとか カンディンスキーの絵は「目で聴く音楽」 色と音は繋がっているそうです。 コンポジションの絵も 音楽が聴こえてきそうな感じですね 教育者としても有能でエリートな画家だったようで マリーローランさんのパステル画もふわっと優しい感じで いいですね(*^-^*) (2021.11.29 20:40:33)
アストロメリアさんへ
ゴッホの「日本趣味 花魁」やカンデインスキーの抽象画をCDのジャケットに使うなんて本当に面白そうです。使った絵とCDのアーテイスト、タイトルのリストを一枚のポスターに出来たらちょっとした芸術作品ですね。マリー・ローランサンのパステル画は個人的にはすごく好きです。ちょっとNHKの夜ドラ「阿佐ヶ谷姉妹~」に通じるような「ホンワカ」って今の時期特に必要かなと思います。 (2021.11.29 22:15:33) |