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「国立西洋美術館」の基礎を築いた「松方幸次郎」が1910年から20年の10年間でコレクションした西洋画のうちロンドンに保管していた絵画255点(版画、彫刻等を含めると953点)が1939年に起きたロンドン火災で全て焼失したというのがどうしても気になりネットで調べてみると、2010年、当時松方幸次郎が取引していたロンドンの画商の遺族が保管していたコレクションのリストを「テート美術館」に寄贈したという記事を見つけました。
リストの中の絵として「マネ」の「闘牛士」、「ゴッホ」の「花瓶の花」等、数点のみの詳細がありました。 そしてもう一つネットの記事で見つけたのは、所在不明となっていた「モネ」の「睡蓮 柳の反映 1916」で、この絵は「ルーブル美術館の収蔵庫でロールに巻かれた状態(キャンパスの半分以上が消失)で発見され、2018年に国立西洋美術館に返還され、翌年1年の修復期間を経て公開されていました。 作品購入のため松方幸次郎が直接モネを数度訪れた事も記事の中にありました。 『少なくとも2度は訪れ、計34枚の絵を買ったとされているが、最終的に何度も足を運び、何点購入したかは明らかではない。コレクターには売らないと決めていたお気に入りの絵ばかりをモネが結局何点か売ることになったのは松方幸次郎の日本の貧しい画学生にモネの素晴らしい絵を見せてあげたいという私利私欲ではない熱意や、モネの好みを知り手土産にしたワインとその心遣いに心を動かされたのかもしれない・・。』 「睡蓮 柳の反映」1616-1619 マルモッタン・モネ美術館蔵 同じタイトルで描かれた絵ですが、あまりに時を経て、保存状態が悪かった絵の修復の難しさがよく分かります。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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ブログを更新されているようで安心しました。
松方幸次郎のコレクションの記事、私にとってもタイムリーです。 原田マハ氏作の『美しき愚かものたちのタブロー』を読んでいる最中 なのですが、物語の語り手として美術史研究家の田代という人物が出てきます。彼が松方氏の命のもと国立西洋美術館の礎を築くというストーリーです。作中には二人がモネに会って、直接絵を買い付けるというエピソードも。いつも通りマハ氏の史実と空想を絶妙に取り入れた筆致だけに、 それが事実かも分かりませんが、ワクワクして読んでいます。 ちなみにこの文庫本の表紙はゴッホの『アルルの寝室』です。 壁のブルーグレーの色が目に飛び込んでくる感じです。 (2022.07.23 14:30:44)
鳥キチさんへ
コメント&貴重な本の情報有難うございます!「美しき~」は全く知りませんでした。田代さんは「たゆたえども~」の重吉さんのように架空の人物なのか興味津々です。「アルルの寝室」・・フランス政府から返却を許可されなかった一枚ですよね。この絵が本の表紙にとは・・それだけで切なくなります。本屋さんでこの本を探してみます。ところでネットの記事では松方幸次郎はモネが好きなワイン「ナポレオン」を手土産にとあるんだけど、私はモネが好きだったワインはナポレオンが愛したブルゴーニュの「シャンベルタン」だと信じています(^^♪🍷 (2022.07.23 15:31:54) |