昨晩のネットの速報記事で村上春樹氏が今年の「スペイン文学賞」を受賞した事を知りました。正確には「アストゥリアス王女賞(又は皇太子賞)1980年創設」という名称らしく、私はスペイン文学賞を初めて知りましたが、記事によっては「ノーベル文学賞」に匹敵するものともありました。
17ヶ国の37人の候補から村上春樹氏が選ばれた理由について「ドストエフスキーやディケンズ、カポーティなどの影響を感じさせる文章で40ヶ国以上の外国語に翻訳されている熱狂的な人気を誇る作家であり、時に超現実的でユーモアを感じる語り口で、深刻な社会問題を描き、人間の本質的な価値を守ろうとしている」と財団はコメントしています。
ノーベル賞が創設されたのは1901年でこの賞の歴史は80年ほど短いですが、調べてみると文学賞だけでなく社会科学、技術研究、芸術等などの分野があり日本人では宇宙飛行士の「向井千秋」氏、物理学者の「飯島澄夫」氏が過去に受賞していて、村上春樹氏は日本人としては3人目の受賞になります。そして文学賞ではアジアの国々では初受賞です(近々では2022年はスペイン、2021年はフランスの作家が受賞)
ちょうど今週の日曜にフランスやカナダなどの国の合作アニメ映画「めくらやなぎと眠る女」を見たばかりで、また先月6年振りに発行になった長編「街とその不確かな壁」を読んでいるところなので「スペイン文学賞」の受賞はハルキストとしては最高に嬉しいニュースとなりました。
個人的な楽しみの1つとして村上春樹氏の本の1ページ目はどこで開けよう・・というのがあります。今回はシンガポール川沿いのカフェに行ってスパークリングワインを飲みながら読み始めました。15ページ目に「きみがぼくの街を訪れるときには、だいたい川べりか海辺を散歩する」「水を見ているとなぜか気持ちが落ち着くのときみが言う(きみの住む街には川は流れていない)」という箇所もあってそれだけでこの場所を選んで良かったと嬉しくなり、「自分の影」が自分から一個体として分離するとか「夢読み」という職業とか村上春樹氏独特の超現実的な描写が出て来て、やっぱりこの世界観は唯一無二の物だなぁと・・。さてさてこの超現実的描写の結末は「1Q84」の夜空に浮かぶ「2つの月」を超える事が出来るのかと読み終わりが楽しみです(今年のノーベル文学賞が発表される日は例年通りやっぱりソワソワしていると思います💦)