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星の国から星の街へ(旧 ヴァン・ノアール)

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2023.12.14
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 モスクワの図書館で廃棄処分になった本のリストの1冊に村上春樹著「スプートニクの恋人」も含まれていて、理由はロシアのプーチン政権が2020年に「非伝統的な性的関係に関する宣伝を全面禁止にるする法律」を成立させたためと昨年12月のネットの記事で知りました。その後この件については新たな記事がないので果たして廃棄・発禁処分のままなのかはちょっと謎です。

 その後この作品が凄く気になって24年振りの再読を昨日終えました。来星時に日本から持って来た1冊で発行日は1999年(第二刷発行)です。まず驚いたのはどのページも行も読んだ記憶がなく全く新しいそして極めて興味深い作品として読み終えた事でした。



 主人公「ぼく」の大学の同級生で作家を目指す「すみれ」が恋に落ちた相手が17歳年上の女性「ミュウ」で、これが「非伝統的~」に当たるのだと思いますが、ミュウはある事件がきっかけで全く性的関係が持てなくなっているのでスミレの思いを受け止める事は出来ません。たまたまギリシャの小さな島に滞在した時のスミレのミュウに対する初めての告白のような箇所も僅か数ページです。内容としてはもっと奥深いこちら側の自分(ミュウにとって性的関係が持てない)とあちら側の自分(性的関係が持てる)というもしかしたら誰でもが持ち得る二面性の不思議と悲しみのような事象を宇宙的な観点で描いているのではと勝手に解釈します。

 そしてこの作品の今年のニュースはイギリスで舞台化され、イギリスの名門劇場「Arcola Theatre」で10月末から1ヶ月間上演された事です。ネットで画像を見ると「海辺のカフカ」を彷彿させる場面もあって、機会があれば是非見てみたいものです。

 余談ですがこの作品が村上春樹氏がギリシャの「ハルキ島」で執筆したのか「ロードス島」なのか知りたいなぁと思っています。作品に登場する「小さな島」がとても魅力的に描かれていました。





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最終更新日  2023.12.18 08:39:12
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