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星の国から星の街へ(旧 ヴァン・ノアール)

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2025.01.04
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カテゴリ:本帰国で再発見!
 札幌芸術の森で明日まで開催の「ロートレック展 時をつかむ線」に昨日行って来ました。在星中はお正月と言えば暑い中(或いは大雨でも)まずは美術館でしたが、雪景色の中の美術館はとても新鮮でした。

 今回の展覧会はギリシャ人コレクターの
「フィロス・コレクション」の中から​​「線の画家」と呼ばれるロートレックの「素描」を中心に「リトグラフ」「ポスター」等260点の展示でした。素描については36歳で死去するまで1日1枚描いた計算となる約5000点が残されているそうです(因みに最初に素描を手掛けたのは7歳ごろ)

 1864年(パリでジャポニズムの大流行の頃)南仏のアルビで長い歴史を持つ貴族の家系の子として生まれたロートレックは15歳の時には2度目の骨折事故で両足の発育が止まってしまいます。その後パリでレオン・ボナ(後に美術学校エコール・デ・ボザールの教授に)のアトリエへの入門を皮切りに本格的に絵画の世界へと入って行きます。展示は1880年後半から1890年前半の作品がほとんで10代後半から20代にかけて精力的に制作したことになります。

    
「ディヴァン・ジャポネ」​1893年(ロートレック29歳)​

 展示されたリトグラフはデザインが斬新で現代のポップアートと比べても全く遜色がないという感じでした。そして一番惹かれたリトグラフはタイトルに「ジャポネ」が入ったもので日本風の装飾が施された長椅子の宣伝用のポスターとして描かれたそうです。

      
「君がため!」のための石販(結構厚みがあります) 1893年 
 
 ドイツで発明されパリで花開いたリトグラフ(石販画)の仕組みについても詳しい説明がパネルにあり、実際に画家が石販に描いた絵を初めて見ました。紙に刷ると確かに反転しています。

 個人的に特にロートレックについて興味を持ったのは「踊り子」の絵で有名な印象派画家「エドガー・ドガ」を尊敬し画風を真似て油彩を描いていた時期があり、その中の一枚「赤毛の女(化粧)」が私のお気に入りの絵だった事(ドガはロートレックを嫌っていたようですが・・)やユトリロの母でありルノワール等の絵のモデルを務めた「シュザンヌ・ヴァラドン」の絵の才能をいち早く認めた事があります。シュザンヌ・ヴァラドンの絵も力強い線が特徴です。

 ロートレックは1899年にアルコール中毒となり入院、退院、そして2年後に脳出血のため36歳で亡くなっています。ゴッホと同じようにまだまだ志半ばでの死だったのではと思うと、もう少し後の作品も見てみたい気持ちになります。   





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最終更新日  2025.01.04 14:38:02
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