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カテゴリ:本帰国で再発見!
今週水曜放送のNHK歴史探偵「天才ダヴィンチ(1452-1519)3つのミステリー」を見て「モナリザ」が何故世界一の名画と称賛されるかやっと分かった気がします。
モナリザの「肌の色」がまるで生きている人物の肌のように見えるのは2023年に発見された絵の下地に「酸化鉛の化合物の顔料」を使っているためという事でした。酸化鉛は当時は絵具の乾燥剤として使っていて顔料として使ったのはダヴィンチが最初で、その酸化鉛の上にピンク色をのせる事で深みや温かみがある顔色を作り出すことに成功したようです。 ![]() 「蛍光X分析」の画像 そして「謎の微笑み」は影の濃淡のみで表現され、当時は影の薄い部分と厚い部分に違う色の絵具を使っていたのが、ダヴィンチは黒と茶色を混ぜた同じ色を顔の部分に合わせて塗り重ねる回数を変えていったという事です(蛍光X分析による)。これは絵画史上でも画期的な手法のようです。実際に日本のダヴィンチ研究家が酸化鉛を下地に使い、影の濃淡のため塗り重ねをして「モナリザ」を描いてもダヴィンチが描いたリアル感のある絵には全く及ばないという実験が紹介されていました。 個人的には2006年にルーブル美術館でモナリザを見、2021年にシンガポールで大規模な「ダヴィンチ展」を見て、ダヴィンチが絵画だけでなく医学分野や発明家として優れた人物である事は理解できても「モナリザ」が500年という時を経ても称賛される理由が今一つ理解出来ないままでした。 下記は2021年「ダヴィンチ展」の後、何故イタリア人画家の絵がフランスのルーブル美術館に?と疑問を持って調べて日記に書いた物です。 ダ・ヴィンチはイタリアを代表する画家なのでイタリアの美術館に所蔵されているのは当然と思うのですが、それでは何故世界的知名度NO1と言っても過言ではない「モナ・リザ」がフランスの「ルーブル美術館」所蔵なのか気になり雑誌「世界の美術館・ルーブル美術館Ⅰ」を改め読み返しました。 『1519年、フランスのロワール河畔の街アンボワーズでダ・ヴィンチは67年の生涯を閉じた。死の傍らには現在ルーブル美術館が所蔵する「モナ・リザ」「聖アンナと聖母子」「洗礼者ヨハネ」の3枚の絵が残されていた。そして死の知らせを受けて駆け付けたのは自国の芸術振興のために老画家をアンボワーズへ呼び寄せたフランス王「フランソワーズ1世」であった・・・』 なるほど、そんな流れがあったのですね。2006年にルーブル美術館で見た「モナ・リザ」はこの絵だけガラス板で仕切りがあり撮影禁止、そしてこの絵の前にだけ人だかりがあり少し離れた位置からはとても小さい絵(77㎝x53㎝)に見えました。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2025.05.17 10:25:05
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