平賀源内が描いた「日本最古の油彩画」& 商人から初めて「税」を徴収した「田沼意次」@大河「べらぼう~」
2021年の朝ドラ「おかえりモネ」で気象予報士の斉田季実治さんが本職である気象予報士の役で好演し、次回は大河に出演したいと抱負を語った時に「温度計」の発明もした「平賀源内(1728-1780)」の役はどうかな?と思いその時の日記に書きました。 現存する「平賀源内」唯一の肉筆画で日本最古の油彩画。 日本の「レオナルド・ダヴィンチ(1452-1519)」と称されるほどの多才な平賀源内は「エレキテル(静電気発生装置)」で有名ですが、オランダ製の壊れた器械を長崎で見て復元させたり歩数計や温度計の発明もしています。更に地質学者、蘭学者、小説家、俳人という肩書の他、昨日の「厠の男」では吉原に客を呼び込むためのコピーライターとして登場しています。もう1つの肩書と言えるのか「画家」としての才もあったようで、平賀源内による日本最古の肉筆の油彩画が残っているそうです。 田沼意次(1719-1788) 肖像画の飄々とした表情から「非情の人」とも言われているようですが、安田顕さん演じる平賀源内は表情といい言葉使いといいとても魅力的な人物でした。そしてもう1人気になる人物は渡辺謙さん演じる「田沼意次」です。歴史の教科書で「賄賂政治を行った田沼意次」という負のイメージが私を植え付けられた感がありますが、百田尚樹著「新版 日本国紀 上」の江戸時代の章で「傑物、田沼意次」というタイトルで彼の偉業が書かれています。彼の偉業やその後については下記の通りです。 悪化していた幕府の財政立て直しのため徳川第10代将軍「家治(1737-1786)」に側用人・老中として仕えた田沼意次は紀州藩の足軽の出でしたが家治の祖父8代将軍「吉宗」の能力重視方針によって世に出ることになります。著書の中で、彼の一番の偉業として「商人から初めて税金を徴収したこと」を挙げています。長く農民からの「年貢米」が主な税金源であった時代に、当時多くの利益を得、大名に利子を付けてお金を貸していた商人から税金を取ろうと考えた最初の人物で、それ以前に商人から税金を取るということを考えた将軍も老中もいなかったそうです。 更に「鉱山の開発」「干拓事業」「清との貿易の拡大と専売制」「ロシアとの交易の可能性を探るための蝦夷地(北海道)の天然資源調査」など数々挙げられています。 商人の税金は具体的には「株仲間(幕府から独占権を与えられた商人の仲間)」を奨励し、そこから「冥加金(百田氏によると現代の事業税)を取り経済も潤いを見せるようになりました。もしこの政策がその後長く続いていれば世界に先駆けて日本が「資本主義時代」に入っていた可能性もあったと予想しています。 将軍の死と共に田沼意次の反勢力の「商人と武士を結びつける」等のデマや中傷で失職してしまい、財産も全て没収されてしまいますが、驚くのは彼の私財はほとんど無かったということです。全ては個人の資産を増やすためではなく天下国家のための偉業であったことを知ると、偉業の凄さが倍増される気がします。 「べらぼう~」の主人公「蔦屋重三郎(1750-1797)」は私は全く知らなかった人物で、大河好きとしては今までスポットライトが当てられなかった人物が登場するのは嬉しい限りですが、後世に名を残した人物たちとの関わり合いが今後とても楽しみです。