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『新たな有望株・裾野拡大へ』 今回はチェコの野球について見ていきたいと思います。チェコの国内リーグであるエクストラリーガはやはりドラチ・ブルノが圧倒的な成績を残して首位を独走しています(twitter)。そんな中でまたチェコから有望な投手が現れてたそうで、twitter情報によればフロシ・ブルノに在籍している17歳のルカス・クロミ投手という右投手で最速90マイル(145キロ)を計測し、先週末はU18リーグにて5回11奪三振を記録したそうです。前回の記事でも触れましたが、コトラージュカ・プラハには18歳のクジェチェク投手という有望株がおり、他にも20歳前後で有望な投手やヤン・コゼルという19歳の右投手(twitter)がいます。チェコは投手層の薄さやパワーピッチャーが不足している印象だったけに、彼らが着実に力をつけて底上げをしていく事ができれば今後の国際大会で強豪国相手にも亘り合う戦力となっていくのではないでしょうか。また、野手では既にアメリカの大学野球でプレーしている選手が多いのですが、ブベニック捕手が新たにアメリカの大学でプレーする事が決まって好成績を残しています(twitter、twitter)。そして巨人でプレーしているフルプ外野手ですが、この日5打数3安打2打点の活躍を見せており、今のところOPS.742の成績を残しています(twitter)。 また、こちらは2部のチームですが、オロモウツ・スコカニというチームがベースボールパブ&グリル(飲食店)をオープンしてパートナーシップを強化した事を発表そうです(twitter)。記事によりますと、クラブチームと大手企業であるZubrブランドとCar Citon,s.r.oとのパートナーシップの関係を結んだ事が発表されたそうです。前者はズブルという生ビールを販売する飲料メーカーで、新しくオープンしたパブにて販売されるそうです。そしてもう1社はオロモウツのラッチェ地区に拠点を構える恐らく自動車関連の企業でしょうか?この企業のオーナーのマイケル・レック氏が大の野球ファンという事で地元への愛着と野球クラブの運営に参加したい思いから参加する事を決めたそうです。これらのパートナーシップはクラブの財政基盤も強化され、更にパブの開店によって野球観戦だけでなく飲食しながらの賑わいも創出でき、ファンの為の包括的な施設を作るというクラブの取り組みを語っています。 上記の通りオロモウツ・スコカニはチェコで最上位となるエクストラリーガではなく一つ下のリーグに在籍しています。エクストラリーガのチーム一覧を見て感じる点として挙げられるのはプラハとブルノの2つの年にチームが偏りが見られる点にあります。オストラヴァやフルボカー、トシェビーチといった2都市以外のチームは僅かに3チームのみで、残り5チームはプラハ(3チーム)とブルノ(2チーム)となっています。チェコの都市の中ではオロモウツは6番目の人口を持つ都市となっており、チェコ野球の裾野拡大の為には2大都市以外の都市でも更なる発展が欠かせません。ちなみに今年のオールスターはオロモウツでの開催が決まっており、これを契機に1部昇格を果たして一層の盛り上がりを見せて欲しいなと思います。 そして記事にも出ていますが、スポーツクラブに対する地元の支援の重要性を強調し、起業家や企業がクラブの更なる発展に参加してもらえるようになっていけばより一層チェコ野球は盛り上がりと発展を見せていくと思います。その為にはやはり国際大会での結果を残す事や国内リーグでの集客を増やしていく事が不可欠ではないでしょうか。今後のチェコの課題となるのは国内リーグでの集客、2大都市以外の都市での発展、そこが充実してくればドラチ・ブルノが先駆けとなりましたが、プロ化も見えてくるのではないでしょうか。個人的には人口の多さを考えるとプルゼニ、リベレツといった都市にも波及していって欲しいなと思います。 最後に本日、オイシックスに入団したパディシャーク投手がNPB初登板を果たし、1回2四球無失点でした(twitter)。これから結果を残してNPB1軍球団やKBO、CPBLへとステップアップしていく事ができるか注目です(元々LMBからオファーはあったそうですが)。また、パディシャーク投手はまだ20代中盤なので次々回のWBCでもまだ30歳前後となるだけに、これからの若い投手を引っ張るリーダー的存在としてチェコ投手陣を牽引して欲しいですね。