|
カテゴリ:野球
『????・????』
それでは今回は広島に関連する二人の投手のbatted ball集計の結果を見ていきたいと思います。 今回紹介する一人は2010年に広島に在籍し、昨年SD(サンディエゴ・パドレス)で先発を務めたエリック・スタルツです。 スタルツの広島時代の姿をご存知ない方もおられるかと思いますので説明させていただきますと、野村政権一年目に途中入団してきた左腕投手です。 投球スタイルは最速150キロの直球とスライダー、カーブ、チェンジアップと比較的オーソドックスなタイプで、4月23日に先発投手として登板して以降、ほぼフルシーズン先発ローテを守り抜き、21試合に登板して6勝10敗、防御率は5.07と冴えない成績だったこともあり、シーズン終了後には自由契約となって広島を退団しました。 しかし、個人的にはきちんと二軍で調整登板させていれば活躍したのではないかと考えており、実際二軍での登板は僅か2試合に終わり、見切り発車的に先発登板させてしまったことが不振の最大の原因ではないかと思います。 ただ、「ヒースも二軍での登板は2試合じゃないの?」と思われる方もおられるかと思いますが、ヒースはマイナーで既に24試合に登板していたのに対し、スタルツのマイナーでの登板試合数は何と0であり、スプリングトレーニングででの登板試合数もたったの2試合で、しかも5.1回を投げただけです。 こんな明らかな調整不足の状態で一軍に引き上げるとはどんな考えをしているのかと思ってしまいますが、その時の投手コーチは大野氏であり、皆様も「あっ・・・」と察してしまうのではないでしょうか。 そんなスタルツはSDで3年間先発ローテを務めており、2012年はSDに移籍後先発投手を務めるなど20試合に登板し、8勝をあげて防御率は2.91の好成績を収めると、一昨年11勝をあげて防御率は3.93、投球回数は203.2回を投げて先発として活躍し、、昨年32試合に登板して8勝をあげて防御率は4.30、投球回数は176回と成績こそ落としましたが先発ローテを守り抜きました。 それではMLBでどのようなbatted ballとなっているのか、見ていきたいと思います。 ※ fangraphs様のサイトを引用しています。 日本と違ってきちんと集計されているアメリカが羨ましいですね。ちなみにNPBの記録も実はアメリカのサイトの方が充実しているというおかしな事態になっていますが・・・。 まずpitch/fxを見ていきますと、MLBでの最速は150キロ(2011年に記録)を計測していますが、先発ローテを務めている間の最速は147キロを計測し、アベレージは140.8キロとさほどスピードの出るタイプではありません。 ただし、pitch/fxは普通のスピードガンと違って精度が高いのでかなり厳しく、実際ダルビッシュが一昨年に159キロを計測したと騒がれていましたが、pitch/fxを見てみますと、この年の最速は157キロと計測されており、やはり厳しめであることが分かります。 それでもやはりMLBの中ではスピードがない方であり、今年から広島に加入するジョンソンよりも遅い球速帯となっています。 投球スタイルとしては直球系が最も多く投げていますが、次に投げているのはチェンジアップで、その後はスライダー、カーブといった球種を投げています。 ちなみに直球のキレは10.0と黒田よりも僅かながら上回っている数字を記録していました。 それではbatted ballを見ていきたいと思います。 「batted ball」 253GB:168FB:123LD:14IFFB:26HR スタルツのGB%は43.3%と平均の44%を僅かに下回る数字を記録しており、2012年や2013年も共に40.4%であることからそこまでゴロを打たせるタイプではないようです。 LD%は21.1%と『広島投手 batted ballシリーズ』を見ていただいた方からすればかなり多いと思われるかもしれませんが、MLBの打球判定には「外野へのライナーアウト」が存在している為、必然的にライナーの数が増えています(ちなみにMLBの平均LD%は20%)。 FBタイプの投手なので球威面が重要になってきますが、これまではIFFB%や被本塁打率の数字が良好だったこともあって抑えられていましたが、今年はこの二つが悪化して成績が悪化してしまいました。 奪三振率もかなり低く(5.00、5.79、5.68)、少し厳しいかなと思います。 では何故そこまで防御率などが酷い数字にはなっていないのか?それはSDの本拠地ペトコ・パークによる大きな恩恵を受けているのではないかと思われます。 この球場は本塁打の出にくい投手に非常に有利な球場となっており、FB投手にとっては非常に有利な球場なので、FBタイプのスタルツにとっては正にドンピシャな球場だったと言えるのではないでしょうか。 ですのでTEXで投げていたら恐らく酷い防御率になっていた可能性も捨て切れないかと思います。 3年間先発ローテを務めていたスタルツですが、今年勝負を懸けたSDのロースターから押し出される形で外れてしまい、現在マイナー選手となっています。 ただし、そこまで先発陣は充実しているとは言えない状況ですので、チャンスは大いにあると思われますので、何とかメジャー復帰して先発に食い込みたいところです。
お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2015.01.14 21:39:14
コメント(0) | コメントを書く
[野球] カテゴリの最新記事
|