2024/07/12(金)11:30
広島ドラ1候補短評
『宗山塁』
今回は現時点で広島がドラフト1巡目候補に挙げている選手を少しだけ見ていきたいと思います。
まずは個人的に現時点で最有力候補ではないかと見ている明治大学の宗山塁内野手から見ていきたいと思います。
宗山選手は右投げ左打ちの大学生遊撃手、1年生の頃からレギュラーに定着して通算98安打をマークしており、三拍子揃った「鳥谷二世」と呼ばれている目玉選手です。
ただ今年の春は右肩肩甲骨を骨折した影響で攻守に精彩を欠き、途中からは戦線を離脱してしまうなど初めて躓いてしまいました(通算成績)。
それでは成績から見ていきますと、確かに打撃面は傑出しており、特にミートは不振だった今年の春でも7.67と高く、例年は10.00以上を記録しています。
BB/Kは三振と同数、もしくは上回る数の四球を選ぶなどこちらも申し分ありません。
長打に関しては2年生の頃は7本塁打を記録していますが、それ以外では1本塁打に留まり、スラッガーというタイプではないのかな?と思います。
それでも打撃動画を見てみますと、オーソドックスなオープンスタンスから無駄のない動作でスムーズにトップを作る事が出来ているように感じます(昨日取り上げた中村貴浩や田村は見習ってほしい程)。
前肩は内側に捻ることもない上にスイング軌道も良く、前足もブレずに最後まで我慢できているなど相当高い打撃技術を持った選手だと感じ、できればもう少しだけトップを深くすればもっと長打も打てるようになれるポテンシャルはあるのではないかと思います。
逆に心配なのが絶賛されている守備面にあります。
以前の記事でも触れたのですが、巷では三拍子揃っていると評されている宗山ですが、一塁駆け抜けは大体4.3秒~4.4秒台で推移し、50メートル走のタイムは12位と寧ろ足は遅い方です。
こちらが守備映像ですが、確かに捕球してから投げるまでの動作は機敏な動きを見せているのですが、肝心の打球に追いつくまでも動きにスピード感があまりなく、やはり脚力自体のなさが出てしまっているなという印象で、正直なところ矢野や小園、佐藤に比べるとやはり守備範囲は狭いのではないかな?と感じ、プロで二遊間を守るにはスピード感に欠けているのではないかな?と思います。
ただ捕球してから投げるまでの動作は速く、肩は強肩で矢野にも負けていない送球の強さを見せているだけに、個人的には三塁手として考えたい選手なのではないかな?と思います。
個人的な印象では打撃の方により魅力を感じさせる選手で、現時点で小園が三塁を守っていますが、将来的には小園と矢野に二遊間を組ませいなという意向もあるのではないかな?と思うので獲得した場合は宗山を三塁コンバートさせるのも手かもしれませんね。
もっと長打を打てそうなポテンシャルを持っていそうな選手だなと感じるだけに、将来的には「三塁を守前田智徳」を目指すのも面白いのではないでしょうか。
野球太郎No.051 2024夏の高校野球&ドラフト大特集号 (バンブームック) [ ナックルボールスタジアム ]