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広島カープ考察

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2025.01.10
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カテゴリ:広島東洋カープ


『末包昇大』

 引き続き広島の選手を見ていきたいと思います。
今回は末包外野手、昨季は故障で出遅れるも一時期は4番に座るなど打棒を発揮、しかしながら2度目の故障で離脱し、再復帰するも9月以降は大不振に陥り、打席が倍増するも9本塁打と一昨年を下回る本塁打数となり、OPSは.664と物足りない打撃成績に終わりました。

 まず打撃内容を見ていきますと、ミートは286打数85三振で3.36とかなり低い水準、そしてBB/Kは.141と目を覆いたくなるような数字が並んでいます。
IsoDは僅か12四球しか選んでいない事もあって.046と当然ながら四球を選ぶタイプでもなく、この打撃内容ならばパワーが重要となってきます。
昨季のIsoPは.143と一昨年のIsoPを下回ってしまいましたが、やはり9月以降の大失速が大きく下げてしまった要因と言えるでしょう。
つまり確実性は非常に脆いものの、パワーのおかげである程度見られる打撃成績を維持していると言えるでしょう。
しかしながら9月以降の失速を見る限りでは故障の影響もあった事は否定しませんが、完全に攻略されつつあるのかな?といった印象で、今のままだと危ういでしょうか。

 続いてbatted ballですが、83GB:71FB:17LD:21IFFB:9HRとなっており、GB/FBは0.82となっており、FBが多い打者となっていますね。
続いて打球別打率ですが、GB打率が.265、FB打率が.317(内Fなしで.400)、LD打率が.824となっており、全体的に良い数字が並んでいるのではないでしょうか。
つまりバットにしっかりと当てさえすればヒットにする事ができるという事でもあります。
小園は飛ばない球の影響を受けた印象を受けましたが、末包の場合はそこまで影響を受けなかったのかな?という印象を受け、やはり技術的や肉体的な面や配球に翻弄されたと見るべきでしょうか。

 そして外野への打球方向ですが、レフト方向が43、センター方向が39、ライト方向が25となっており、基本的には順方向に打ち返すタイプです(極端なプルヒッターというわけでもないでしょうか)。
続いて打球方向別打率ですが、レフト方向が.744、センター方向が.385、ライト方向が.480とセンター方向への打球がレフト方向とさほど変わらないにもかかわらず打率がライト方向の打率よりも低いという結果となっていますね。
ただ個人的なイメージとしてはライト方向へのヒットは外野が後ろ寄りに守っているので結果的にポテンヒットとなっていたように感じ、長打自体はあまり見かけなかったように思います(前進守備を敷いて頭上を越したサヨナラタイムリー二塁打はありましたが)。
できれば小園にも言いましたが、引っ張った際の打率をもう少し上げて欲しいなと感じるところで、鈴木誠也や西川は、首位打者争いをした年の坂倉らは.770以上打っていました。

 最後に打撃フォーム(​youtube​)ですが、前回の記事で取り上げた小園と比べるとやはり下半身の使い方に問題があるのではないかな?と感じ、個人的には踏み込んだ際に軸足の膝が前に出ているところや踏み込んだ前足がスイング中に投手側へ向く段階が早いように思います。
また、前回取り上げた記事にて動体視力に関する部分にて「左目だけで球を追いがち」とあった通り、確かに小園と比べると顔が林のように完全に真横になっている程ではないものの、やはり横向きになりがちなのかな?と思います。
センター方向への打率が非常に低いのもライト方向への長打をあまり見かけないのも下半身をあまり上手く使えていないという点が大きいのではないかな?と感じ、確実性の脆さも二つの要因が大きいのかな?と思います。
スイング軌道はやや遠回りではありますが、菊池やNYYのスタントンらが結構なドアスイングでもこれまで成績を残せているだけに、まあ許容範囲内?なのではないかな?と思います。
そこよりも下半身の使い方を優先させた方が良いのかな?と思います。

 昨季不動のレギュラーとして期待されましたが、少し期待していた活躍を下回る成績となってしまいました。
新人の頃に比べると、2年目は二度引きや極端な上体打ちなどある程度改善されて成績を残す事ができたものの、3年目の昨季は2度にわたる足の故障もあったとはいえ、さほど技術的な成長はなかったのかな?と感じるところです。
秋季練習から新井監督による指導でガラリと変えているとの事で、果たしてどうなるのか注目したいところです。
護摩行を止めて目のトレーニングなどを取り入れるなど自身の課題はしっかりと分かっている選手(個人的には同期入団の森が既にフォークとチェンジアップがあるのに縦のスライダーの習得だったり、活躍の要因となったカット気味の球質を元に戻そうとするなど怪しいですが^^;)だと思うだけに、課題を克服して今季こそ故障なく中軸へと育っていって欲しいなと思います。
今季で29歳ですが、長距離砲は比較的長く活躍する選手が多い(巨人岡本、西武渡部らと共に師事していた西武のおかわり君こと中村剛也は今季で42歳)だけに、ここから定着して10~15年ぐらい広島を支える主砲になって欲しいなと思います。






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最終更新日  2025.01.10 00:33:02
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