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カテゴリ:広島東洋カープ
『矢野雅哉』 引き続き広島の選手を見ていきたいと思います。 今回は矢野内野手、昨季は遊撃の座を小園から奪ってレギュラーに定着して自身初の規定打席に到達、打率.260・2本塁打でOPSは.655と小園を上回るなど上々の出来、更に守備範囲の広さと強肩を活かした遊撃守備が評価されてゴールデングラブ賞を受賞しました。 今季は背番号も4になるなど更なる期待が掛かります。 まず打撃内容を見ていきますと、ミートは430打数109三振で3.94と意外とかなり低めの水準となっており、BB/Kは.349とこちらもかなり低い水準となっています。 ただIsoDは.062とまあまあ標準ぐらいなのかな?と感じます。 昨季のIsoPは.073とこちらも低い水準となっており、指標で判断するならばまだまだ打撃は課題が多いですね。 続いてbatted ballですが、193GB:84FB:31LD:19IFFB:2HRとなっており、GB/FBが1.84と2.00に到達しそうな水準で、圧倒的にゴロが多くなっています。 続いて打球別打率ですが、GB打率が.306、FB打率が.314(内F抜きで.384)、LD打率が.710と全打球の打率が高くなっており、しっかりとミートさえすればヒットゾーンに飛ばせる打撃ができているというのは興味深い発見です(ちなみにGB打率が高いのは恐らく内野安打が多いからと言えそうで、18本を記録しています)。 そして外野への打球方向ですが、レフト方向が59、センター方向が41、ライト方向が49と逆方向への打球が多くなっています。 続いて打球方向別打率ですが、レフト方向が.627、センター方向が.585、ライト方向が.714となっており、こちらも満遍なく打ち返せているようですね。 それにしても全打球方向が大体約6割以上を記録している上に逆方向の打率がこれほど高い打者は結構珍しいですね。 最後に打撃フォーム(youtube)ですが、一昨年の逆方向にしか狙わない打撃から脱却した事が功を奏して三塁打王や打率.260を記録できたのかな?と思います。 上半身は前肩を内側に捻らずにバットを持つ両手が本塁側からはっきりと見えますし、スイング軌道もしっかりと内側から出せているのではないかな?と思います。 ただ下半身が左膝が前を向くのが早いのかな?という印象で、この辺り末包と同じような課題を抱えているのかな?と思います。 後、個人的に一番問題だと思うのが追い込まれてからの打撃で、極端にポイントを後ろにする傾向があるように思います。 あれだと結果的にファールしか打てず、結局振り遅れて空振り三振という結果になりがちで、三振が多いのも恐らくここに原因があるのではないかな?と思います。 四球を狙おうという気持ちが分かるのですが、「四球を狙う打撃」と「四球しか狙えない打撃」では打撃結果の幅が全然違ってくるのでそこは注意して欲しいなと思います。 それでも1年目の打撃を考えればよくここまで成長してきたなと感慨深いですね(正直言わせてもらうと、新人時代に初めて打撃を見た時は全く期待できなさそうな打撃だったので守備走塁のバックアップ目的で獲得したのかな?と思っていました^^;)。 過去記事にて期待を込めて1番打者として起用したいと書かせていただいており、あわよくば3割狙えない事もないのでは?と思っています。 実際に打ち返せばどの打球でも高い打率を残している上にどの打球方向でも打率がまずまず高く、スイングも良いと思うので三振さえ減らせば一気に打率は上昇するのではないかなと思います。 秋季キャンプでは強い打球で間を抜く打撃を目指しているとの事で、もう少し下半身を上手く使えるようになればあわよくば首位打者も狙えるポテンシャルは秘めているのでは?とかなり期待しています(プロ2年目はライトスタンドにぶち込む打撃を披露するなど意外なパンチ力もあります)。 新井監督は「矢野はまだレギュラーではない」とコメントしていますが、個人的な見解だと矢野は不動のレギュラー遊撃手になるだろうと踏んでいます。 後はできればもう少し盗塁の成功率を上昇させて欲しいところで、何故か広島の選手は足こそ速いものの盗塁失敗が多く、矢野も13盗塁10盗塁刺と例外ではありません。 個人的には昨季で引退したヤクルトの青木を目指してみても良いのでは?とかなり大きい期待を寄せてみたいなと思います。 「追記」 ちなみに独自の守備指標であるCBRFでも25.84%とやはり高い水準を記録しており、守備は二の広さが窺えますね。 ホームページは長らく更新が途絶えていますが、何とか地道に更新していきたいと考えています。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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