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2019.10.03
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少ない服で暮らすのならば。 そうなれるといい。

いいえ、これは、「服」のことだけじゃなくて、暮らしの全て。 人間関係のすべて。


もっと許されるのなら、生きることの、すべて。  そうなれたなら、いい。



「好き」や「そこそこ好き」ではなく、
「大好き!」なものが、あなたの周りにはいくつあるだろう。
美意識を研ぎ澄まし、直感を信頼して、
「大好き!」を集める人生にしたい。   by Naoko Okusa



本当にそうなれたら、ああ、どんなに。
それがなかなか簡単なことじゃないから、みんな 迷う。
日々発信・更新される おびただしいほどの情報に、惑わされ、翻弄される。 


「大好き」を、見失う。



*************************************


大切にはいた、大好きなスカートを ゴミ袋に突っ込むことなんて、できなかった。
ウエストのバイヤステープを丁寧にほどき、端の始末をして、きちんとお修理し、
元どおりの、ウエストを内側に折ったデザインに仕立て直し・・・
いつもの担当さんのお店ではなく、近所のリサイクルショップに持ち込んでみました。
自分でお修理した旨をお伝えして。


「900円」の買い取り額がつきました。  





ボロボロになるまで穿き「ゴミになる予定」のスカートでした。が、ゴミなんかじゃなかった。



  *************************************



自分の「服」を。  最後に。

最後に「ゴミ袋」に突っ込んだのは いつのことだったろう。

コミック版「20世紀少年」が大好きで、かつて、全巻揃えていたすずひ家。
おとーさんとわたしは。
服を捨てることを、当時「ともだち」のセリフを真似て、「絶交」と 呼んでいました。


「この服、絶交。」 と。








「絶交」。「絶交」。と。
持ち主から絶縁を突きつけられながら、ベランダに放り出される 服たち。
たちまち服の山ができる。

それを、ベランダに置いてある45Lのゴミ袋に、突っ込む。 突っ込む。 突っ込む。

1枚1枚 たたんだりなんか、しませんよ。 ゴミなんだもの。

山のまま。 ぐわっと掴んで、ゴミ袋に、ぐしゃっと ねじ込む。

ねじ込むのはね。 

ゴミ袋の方が もはや惜しい。 ゴミ袋がもったいないと感じているからだよ。

お金を払って買った、市の指定の45Lのビニール袋。
ゴミの服ごときに「新品のゴミ袋」を、何枚も何枚も使いたくなんかない、という気持ち。

ぎゅっと押し込む。限界まで詰め込んで 体重かけて空気を抜いて・・・袋の口を固く結ぶ。


服が、ゴミになる瞬間。


あの頃は、袋の口を固く結んだこの瞬間からゴミになったように感じていたけれど。

手放す時の扱いがこんな風なのなら、 着ている時から、もうゴミだったんじゃないか。



ゴミを着ていた、わたしたち夫婦。  そこに「服への愛」など、あろうはずもない。







半袖では寒い日なら、まずは、シャツ。 コットンのシャツは、季節の変わり目の「主役」です。





好き、でも「そこそこ好き」でもなく、大好き! か・・・。

そういう風なものの選び方に意外と慣れていないのが この国の女性なのではないか、と思う。
自由になんでも選んでいいはずなのに なぜか「そこそこ好き」を選んじゃったりする。

「控えめ」だったり「奥ゆかしい」だったり「1歩下がって」が美徳とされるこの国の女性は、

「大好き!!!」を選ぶことは
「はしたないこと」「欲張りなこと」みたいに、本能的に感じてしまっているのかもしれない。


わたしには。 そういうところがありました。  


そう。 「少ないもの」で暮らす前までは。





この新しいスカートは実は「USED」です。新古品と呼べるレベルの、良い状態で出会えました。
発売当時の人気は凄まじく、どう頑張ってみても買えなくて。 3年越しの夢が叶いました。

  



そこそこ好き。 好き。 大好き。

そんなのどれも「好き」なんだし、長いこと いっしょくたになっちゃっていましたけれど。

この3つの「好き」の段階を、
好きのレベルを ちゃんと区別して暮らせるようになったのは、ものが少なくなったから。


少ないと、それがわかる。 (多いとわからないです。)


わたしが この夏まで着ていた服も。 この秋から着ようとしている服も。


「大好き!」ばかり。


どれも「ベーシック」なアイテムで、
ファッションエディターさんの発信する「マストバイ!」や「今年はこれ!!」といったものとは無縁のようなものばかりです。




が。



このスニーカーや。









このストールなんかは。








人気に もっとも火がついていたのは、多分、2014年・2015年・2016年頃。
当時、爆発的に「流行って」いたアイテムなのです。

当時のおしゃれさんのインスタは、あちらもこちらもこればかり、でした。
ACNE STUDIOSのストール、モヘアニット、そして 出勤前のスタバでラテ。THE お洒落!

あまりにも人気が凄すぎて、買おうにもなかなか買えなかったこれら。
シーズン中に動き出したのでは とっくに出遅れで、どこに行っても売っていなくて。


スニーカーは、おとーさんに先を越されながら、これを知ってから2年を耐え、ようやく買えた。

ストールも、本当に買えたのは、「欲しい!」と思った その翌々年のシーズンのことでした。


このブログの、記念すべき 最初の投稿がそれです。
よっぽど嬉しかったのだと思うし、あの時の気持ちって、今も鮮明に思い出すことができます。


「買った時の嬉しい気持ち」を ずっと覚えているられるものって、いいですね。

そんな気持ちが持続できるもんですか。 嬉しいのは新しいうちだけ!!

服が多い頃はそうでした。 手に入れる瞬間が、いつも 喜びのピーク。 


あとは愛が薄れるばかりだった。


次に買う「何か」を、帰り道、すぐに、もう、スマホで探していた。 


病気だった。



  *************************************



流行って、毎年追いかけなければならず、すぐに廃ってしまうものばかりだと思っていました。

もちろんそういうものも多いですけれど。
ある年の「流行」でそれを知り、簡単には手に入らなくても、
それでも忘れられなくて、欲しくて、月日を経て、手にすること・身につけることができて。

流行が。 「流行りもの」が。  やがて、わたしの中での「定番」になる。


「わたしの定番」が生まれる瞬間。


服やものがゴミになる瞬間を、見た。  何度も、何度も、何度も、見た。 


けれど、今は。


「定番になる瞬間」を、わたしは 見ることができている。



  ************************************



ストールも、スニーカーも、それぞれが「2代目」なのです。

買ったものを、納得ゆくところまでうんと使い、もう一回 買っている。

すなわち、同じものを買い直している。


そうか!  これこそが「大好き!」ということなのか ∑(゚Д゚) !!


「定番」と「大好き」って、まるで違う次元の話なのかと思ってた。
「定番」はふつうのもの。 「大好き」は特別なもの。 
定番が大好き、になるって・・・ そうか、こういう気持ちだったんだな  ヽ(;▽;)ノ



口で「大好き!」だの「お気に入り!」だのいうのは簡単です。 
あながち嘘でもないのだとは思う。

けれど。

その「大好き」が本当なのかどうかを、靴から、ストールから、こうして 教えられる。 

 
持ちものから知らされる、この気持ち。ものは嘘をつかないし、時に「雄弁」だ。



自分が大切にされているのか、いないのかは、「もの」が 見ている。 知っている。

絶交されたのか どうかも。  

わたしはきっと 彼らから 許してはもらえないのだろう。




この秋のあなたさまの身につける予定のアイテムの中に・・・ 

          そんな「大好き!」なものって いくつ ありますか  ( ´▽`) ?








                                     おわり







毎シーズン様々なものを「愛用品」として紹介しなければならないファッションエディターさんのおっしゃる「大好き」は・・・なかなか一概には信用できないところもありますけど(笑)

↓ まさかこんなに長く愛せるとは、思ってなかったです。 
大好きな「わたしの定番スニーカー」に、今日もポチッと、ありがとう ぺんぎん
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自分が愛されたか。 愛されなかったか。 ものの側は、服の側は、わかっている。
絶交なんてしていたら、こっちだって愛されるわけがないです。 今は それがよくわかります。

余談です。すずひは「ケンヂ」よりも、断然「オッチョ」派、でした  (´∀`*)





え、もう?! & また!?   ∑ (゚ Д゚ ) (笑)!






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最終更新日  2019.10.03 11:27:48
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