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テーマ:暮らしを楽しむ(388992)
カテゴリ:ミニマルに暮らす
自分が50歳ほどになって。
一番怖い電話って。 これだと知りました。 親と離れて暮らしていて、の、 「救急病院からの電話」です。 すぐにこちらに来られますか?というお医者さんの声。 ふだん低くて仕方ないわたしの血圧が 一気に上昇するのがわかりました。 心臓が、鼓動が、脈拍が速くなる。 「落ち着いて。」「わたし落ち着こう。」 自分に言い聞かせます。 ************************************ すぐにタクシーを呼びました。 タクシーの運転手さんが、またいい人でね (;_;) 大急ぎで支度して息が上がったまま乗り込み 目的地の病院名を告げるわたしに、 「どうかされたの?」と。 すずひ:これこれこういう事態で 病院に向かうところなんです。 運転手さん:それは心配だね、 ちょっとだけサービスさせてね、と。 出発して1.5kmくらい、もっとかな、 「メーターを止めたまま」で走ってくれたの。 金の「プレスバターサンド・栗」です! ホッとして、心に沁みる 優しい甘さ (;_;) ************************************** 14年前の冬の日を思い出しました。 今日とそっくりな、今にも雪が降り出しそうな、 空の低い、寒い日でした。 父が危篤になって病院に駆けつけた日。 そのタクシーの運転手さんもすごく優しくて、 駅から1メーターくらいの距離だったとはいえ、 「お代いらないから!」 「すぐお父さんのところに行って!!早く!!」と (;_;) 最期の日のことを、 わたしはあまりよく覚えていないのですが、 かすかに意識のあった状態の父に、 本当に奇跡のように間に合ってね。 お父さん!!と呼びかけたわたしの声に 父は目を開け、小さく微笑んでくれて。 悲しかった瞬間の記憶の一部が、 わたしの中で。 とてもあたたかな記憶に書き換えられているのです。 暗い中にあっても、 そこにだけ「光があたっている」っていうのかな。 *************************************** 母は、ちゃんと自宅に戻ることができました。 翌日の検査の帰りにはずいぶんと調子も良くなり、 お腹空いたね! ほんとね! となり、 とっても美味しいお蕎麦を、一緒にいただくことができました。 母と2人で食事をできたのは、いつぶりのことかな。 そんな冬の日のできごと。 電話を受けて、家を出るまでのわたしは、 しかし実に早かった。 わたしは「パジャマ姿」だったのですが、 「すぐに出られる格好のパジャマ (にしているオーチバルのワンピース)」 だったことがよかった。 「すぐに外に出られるパジャマ」って。 災害時の避難の事ばかりこれまで考えていましたが、 こういう自分「だけ」にとっての緊急時。 個人的な緊急出動時にも とても心強いのだ、 ということを知りました。 災害の避難の時は、 それこそどんな格好であろうと誰もが飛び出すのだろうと思います。 この度のようなケースの場合は、 どんな格好でも、という訳にはゆかないこともあるなあ。と。 洋服ラックのコートとストールを秒で掴み、 その勢いのままお財布ポシェットを斜めに掛け、 長靴履き、鍵を握りしめ、 一気に階段を駆け下りました。 物が少ないと、 こんなに迷いなく飛び出せるのだ、という実感。 ものの少ない暮らしの良さと 人の温かさに触れた・・ そんな冬の1日。 「ふつうの1日1日」のかけがえのなさ。 母の1日1日が、幸せでありますように。 年老いた母と並んでお蕎麦すすりながら・・・ じんわりと心に沁みわたった、冬の日。 母 : 今日は、佳き日ね。 すずひ : ほんとね。とても佳き日。 今夜は射手座の新月ですね。 この辺りでも 雪がちらつきそうです。 おわり 今日もお読みくださって ありがとう。 にほんブログ村 : お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2020.12.16 13:24:16
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