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***  みなさまの おかげで「5刷」です  ***



*  日本で、中国で、1冊の本に なりました *



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2024.11.11
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何がふつうで、何がふつうじゃないかって、

なかなか言いにくい世の中です。


みなさま こんにちは。 すずひです。






今日の日記はこないだお話してた「na」の系列店・・・素敵な「eau」の画像で。




突然ですが「門限」ってわかりますか?

( 死語でしょうか!?)

今って「門限」の設けられていなお子さん多いと聞くのですが、

年頃の女の子でもそうらしい、と聞くのですが・・・本当ですか?


年頃の女の子、とか

そもそも女の子だから男の子だからという発想自体がもうアウト、

古いですよ! ということは承知の上で。


自宅に連絡する術が「公衆電話に並ぶ」しかなかったわたくしの時代とは大きく異なり、

今はみんな個々にスマホを持ってますから

今どこにいて、今誰といて、そして何時頃に帰る、

そういった連絡がちゃんととれるなら安心、ということもあるのかな?





この日は「久屋大通」から「栄」を経由して「新栄」まで歩きました。この陸橋が好き。




学生のころはもちろん、

社会人になってからも、25歳で結婚するまでずっと

わたくしの門限は「午後10時」でした。

これは、ふつう?


女の子に門限がある場合、

夜遅いといろいろ危ない(怖い目に遭う?)ということが大きいかと思います。

昼より夜のほうが特に危険度のたかまる「危ないこと」・・・

つまり、性犯罪的なことに巻き込まれる危険を踏まえて、だったのだと思います。



そんなこんなの「門限・夜10時」だったわけですが。

その理由、というのがね。

二十歳の成人を迎えたころでしょうか、

「門限をあと30分でいいから延して欲しい」と願い出たわたくし。

そんなわたくしに対し、母が真剣に説きますのには。


10時の門限を決して譲歩することはできない、という

母の言い分、というのがね。



 *******************



夜遅くまで出歩いていてもしもの事が起こった場合、

なんらかの犯罪に巻き込まれた場合、

とくに性被害に遭ってしまった場合、

そんなことがあったら嫁の貰い手がなくなる、という

あの時代ならではの考えが、まず大・大・大前提にあり・・・


そこへ加えて

もしも被害に遭ってしまったとしても、

・午後10時前だったら「可哀想に・・・」と思ってもらえる

・それ以降だと「そんな時間まで出歩いている娘が悪い」と嘲笑される



10時までなら「可哀想」と思ってもらえる?

10時過ぎると「嘲笑」される?



可哀想と思ってもらえると、誰の都合が良いの?

誰から嘲笑されると、誰が困るの?



「世間から」「母が」だ、そうです。



あなたが遅くまで出歩いていたせいでそういう被害にあったとして、

私が(母が)世間から笑われるのが、恥ずかしい。

10時までなら(ちゃんと躾をしていた立派な親御さんなのに)お気の毒に・・・

と私(母)が、ご近所や世間から思ってもらえる。


と・・・・ 真顔で言うのです。



これは、ふつうのことですか?





新栄を過ぎて3〜4分歩くと、見えてきました。 街角にぽっかり浮かぶ「eau」の灯り。




かくいうわたくしも、

本当に素直というか、馬鹿というかなんというか、

母の理論を少しもおかしいと思うことなく、完全に信じ、

その門限を、死守していた。

もしもわたくしがどうにかなって、お母さんが世間から笑われないように。

お母さんが恥ずかしくないように、と。


みんなのお母さんもきっとそう思ってるんだろう、って。





振り向くとテーブルの予約席。わたくしはカウンター席。(※ もちろん一人で来てる・笑)





門限のある友だちのお母さんは。よそのお母さんは。

「あなたが大切だから。」

「あなたは宝物だから。」

「あなたにもしもの事があったら辛くて耐えられない。」

「あなたを愛している。だから門限を守ってほしい」って言うんだって。



門限のない友だちのお母さんは、


「あなたを信じている」って言うんだって。



ねえ、どれがふつう?






前菜の盛り合わせを、一人で食べられる分に調整してくださったスタッフさんのお心遣い。






わたくしは、いまだに。


いまだに、ですよ(笑)


もう、誰からも怒られないし、門限なんてないのに、

と言うか「53歳」なのに。

夜に出歩くことは、どこか「良くないこと」「はしたないこと」と思っていて、


すごい背徳感がある、というか

絶対に10時までに、もっと早く9時頃に帰っちゃう。

帰らなければ、と焦ってしまう。






お魚のポワレを一緒に注文したからです。 お魚、結構大きいですよ、と ( ´▽`)






日が短くなって、夕方5時にはもう辺りは真っ暗で、

こんなわたくしであっても、

早い時間からであっても「夜」の雰囲気を味わえる。

わたくしが冬を好きなのは・・・そのせいかもしれない。



 *******************



そうそう、わたくし、ずっと前に本を出させていただいたでしょう?


たとえばあなたさまが何か発信していて、

そして出版の話が舞い込んだとして、

それがあなたの「夢」だったとして、

それを告げたとして、

あなたさまのお母さまなら、なんて言ってくれますか?


「おめでとう!」ですか?


「わあ!すごい!」でしょうか?


「あなたの夢が叶って、お母さんも嬉しい!」でしょうか。




わたくしが告げたときの母のセリフはね。



「そんなの騙されているのよ」 でした。





お前などがそんな大きな出版社から相手にされるわけがない。

お前を言い包めるなど赤子の手をひねるようなものだ。

騙されてるに決まってる! すぐ確認して断れ! と。



で、そう言われているうちに、わたくしだんだん不安になっちゃって・・・

そうなのかも、と思えてきてしまって 

それでね、本当に確認しちゃったんですよ。

ちゃんと担当者さんと会って自分で説明を聞いたのに。



身内のものが「お前は騙されている」

「自費出版なんじゃないか」と申しておりますのですが

大丈夫なのでしょうか、と、PCメールで。



恥ずかしいわ。



担当者さんはとても優しくて、

「いいえ、決してそういったことはございません。ご安心ください。」

「お身内の方にも、そうお伝えくださいませ」とお返事くださったけど・・・


あれ? 馬鹿なのかな? と、思われただろうな  大笑い


恥ずかしいわ。


思いがけずたくさんのかたが本をお手に取ってくださって、

レビューやお手紙をくださる方もいてくださって、

あたたかなお言葉の数々が、わたくしはとてもとても嬉しかったのですが、


どちらかというと母はね、

辛辣なアンチコメントのほうに喜んでいましたよ。

口では「負けるんじゃないわよ!」と言いながら

目の奥は、口元は、喜びを隠しきれない感じで。

ほうら見たことか、お前など大したことないわ。

こんなに嫌われてて面白い!愉快! w って感じで。


母とアンチさんは、きっととても気が合うと思う!(笑)




 *******************


どうせ声をかけてくれるなら

「負けるんじゃないわよ!」じゃなくて

「一生懸命書いたのに、つらいよね」って言って欲しかった。

気持ちに寄り添って欲しかった、って思ってしまうわたくしは・・・

甘えてるよね。


本当、馬鹿みたいね。


恥ずかしいわ。



********************



馬鹿みたい。  馬鹿みたい。  馬鹿みたい。


そう言いながら、歩く、夕暮れの道。


夜10時前なら、犯罪に遭っても、

わたくしが、ではなく、母が。

自分が「可哀想」と、世間から思ってもらえるって何?

え、それはつまり・・・

お前が性犯罪に遭っても別に構わないが、

遭うなら(私が恥かかないために)10時までによろしく、と?




馬鹿みたい。 馬鹿みたい。 ああ、心底馬鹿みたい。



笑えてくるよ。



母がどうであるかなど関係なく、馬鹿だったのは、わたくしだ。







お魚・・・・大きかった。 一人で食べられるかな。






ゆっくり、ちゃんと完食しました! 美味しかった! (パンは無理だった!)




 *******************



途中から、気づいたら、


今は幸せ。  今は幸せ。  今は幸せ。 


そう呟きながら歩いてた、夜の道。



涙がポロポロ落ちる、月夜の道。



悲しいんじゃなく「馬鹿だった」と気づけたことが嬉しくて。


母を嫌ってはならない、という50余年の強迫観念から、


呪縛から、精神的な支配から、解放されたことが・・・嬉しくて。






ちなみに新栄からeauまでの途中にある「大賛成」も系列店。 いつかおとーさんと行きたいな。




この日はおとーさんは出張の夜。

息子も一人立ちしている小さな家には誰もおらず、

何時に帰ろうと、わたくしは、もう誰からも何も叱責されないはずなのに・・・

それでもやっぱりそわそわしてきて、

20時には家に帰ってしまう、悲しすぎる習性(笑)


今はまだ「回復期」なのかな。



 







もうね、母のことここに書くの、今日で最後にするわ。

この覚えやすい日に、最後にするわ。




もう、いいや。 




こうした記憶が一つもなく生きてる人なんて、いない。

今の時代、なんらかの闇を抱えていない人など、いない。




「母にわかってほしい」と思い続けることも ふつう?


「母はもうどうでもいい」という思いも、ふつう?



何がふつうで、何がふつうじゃないかって、

なかなか言いにくい世の中過ぎるせいで、何がふつうなのか余計にわからないから、

これはふつう?って つい確認したくなるけれど。



重い記憶を手放すか手放さないかは、いつだって自分が決められる。



2年前の秋には想像もできなかったような秋を・・・


わたくしは今、確かに生きられている。



ふつうだろうが、なかろうが、これがわたくしの人生だ。



この気持ちが、全てだ。







                                  おわり









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最終更新日  2024.11.11 16:16:17



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