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カテゴリ:刑事
![]() ・・・この日は、殺人未遂の罪に問われた被告の第2回公判(裁判員裁判)が506号法廷で行われた。論告で検察側は「人体にとって重要な部分である首を切りつけて妻と娘の2人に多量の出血をもたらした行為態様は危険。家族で無理心中を図ろうとしたという犯行動機は身勝手」などとして、被告に懲役5年を求刑。対する弁護側は「ひきこもりだった娘は精神遅滞で、働けない妻の存在もあり介護疲れ的な側面があった。妻と娘は処罰を望んでおらず、被告人に大切なのは刑罰ではなく福祉」などと執行猶予を求め、結審した。 判決は7月8日に言い渡される予定。 ①事件番号:平成30年(わ)第1931号等 罪 名:不正競争防止法違反、不正競争防止法違反教唆 判 決:W懲役1年4ヶ月・執行猶予3年・罰金80万円 K懲役1年・執行猶予3年・罰金60万円、教唆については無罪 担 当:橋本健裁判官(合議) 概 要:川島製作所の取締役だったW被告は、16年7月19日に光通信機器の検定に使う測定機器の設計図面をスキャナーで読み取り、社用パソコンから中国の競合会社役員のK被告へメールで送信した。弁護側は起訴事実を争っていたが、判決理由の中で橋本裁判長は「川島製作所に於いて本件を事実上秘密にしていたのは明らかで、客観的にも十分に認識可能だった。Kも公然に知られていない事実だと察知出来たのであり、利益を得る為に本件犯行をしたものと推認される」などと指摘。その一方、「Kが秘密管理を最初に認識したのは7月19日の事であり、メールを読む前に間違いなく認識していたとは言えない。Wを中国へ招待したのは秘密を得ようとしたものではなく、教唆・幇助したと認めるに足りる証拠は無い」とした。その上で、「両名は利欲的な目的で犯行に及んだもので、犯情は悪く刑事責任を軽く見る事は出来無いが、会社に直接的な被害は無かった」として情状酌量を認めた。 ②事件番号:令和3年(わ)第680号等 罪 名:道交法違反、過失運転致傷 判 決:懲役1年・執行猶予3年 担 当:中山登裁判官(単独) 概 要:判決理由の中で中山裁判官は、「事故後の飲酒検知で呼気1リットル当り0.3mgのアルコール濃度が検出されており、過失程度は小さくない。17年には無免許運転で罰金刑に処せられるなど、交通法規に対する遵法精神には問題がある」としながらも、「被害者へは任意保険で相応の賠償が見込まれる。これまで罰金前科以外の前科が無い」として情状酌量を認めた。
![]() 【中古】不正競争防止法解説と裁判例 / 工藤莞司 ![]() お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
Jul 8, 2021 08:52:54 PM
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