ちぬまんだい　

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　静かな朝　
コーヒーをすすっている。


　過去をふりかえり思索する余裕がでてきているのは
生活にゆとりを感じられるようになっているのかもしれない。
「土地とランドスケープ」　ブレンダ・コルビン著作
佐藤　晶・内山正雄　訳を本棚から取り出した。
東京農業大学の造園学科に入学して最初に買った専門書であった。
当時の３千円は私にとっては痛い出費だったが、
大学生になった記念にと思って買った。
狭い意味の造園、いわゆる庭つくりではなく、
ランドスケープすなわち造景を目指したいとおもった。
その当時の私は都市緑化とか自然公園計画とかに興味を持っていた。
江山正美先生の「造園原論」に次第に魅かれた。
進士先生はその当時は江山先生の助手で研究生だったと思う。
人の運命はよくしたもので、
町政施行５０周年記念講演が進士五十八・元東京農業大学長で
「樹木１０年・樹林百年・美しい与論島をいつまでも」だった。

先生を案内する栄にも恵まれ
親しくお話をすることもできた。
思い残すのは自宅の屋敷林を案内することができなかったことであるが
あと十年経ったら、
もう一度おいで願えるように頑張りたい。
形にして目に見えるものにすることが肝心だ。
それが　造園学　なんだと諭された。

　今やっていることが
学生時代に学んだこと、思想になっていることが嬉しい。
年寄りに成ったら思い出に浸ることが多くなるというが、
未来を想像、創造しながら過去から学ぶことは
多くあると思う。
先人の知恵と体験が生かされる。

　仕事の一休み
コーヒーを飲みながら父の働いていた姿が浮かぶ。
同じようなことをしてると思う。
屋敷を大部分いじってきたが
地形はそのままだ。
農地がかわってしまったのは
農業の形態がかわったからで、
また
家の造りも生活様式で変遷してきている。

　この屋敷を
次の世代に引き継ぐためにどのような木を植えたらいいのか
楽しみながら汗する毎日は極楽浄土だ。
過去があったから
今がある、そして未来が。
生きている幸せを感じつつ、
今度来る希望の日は
１２月２３日の植樹祭。
宮脇先生の提唱する「鎮守の森」のお手伝い。

　健康に感謝しつつ
　　汗を流せる喜びを今日も明日も
　希望する。