ちぬまんだい　

インスタントコーヒーを入れるときの過ごし方が
学生の頃からつい最近まで
私の癖のある　生活習慣になっていた。





　贅沢な時間の過ごし方、
　都会人、文化人を演出したかった。
　クラシック、ジャズを聞きながら
　新聞と雑誌を広げ
　ゴミ収集所に捨てられた肘掛椅子を拾ってきて
　居心地を良くしようとしていた。





　　その延長が
　バルカン計画だった気がする。
　結婚、出産、子育て、社会人として送り出し、
　お爺さんになった今、
　独り暮らしに戻った。





　　コーヒーメーカーを買ってきて
　古い習慣を模様替えすることした。

　　本宅ではコーヒーメーカー、
　ここ離れでは　学生時代のそれ





　　　学生時代と変わったのは　砂糖とミルクを使わない。

　　コーヒーメーカーで入れたカップをここに持ち込んで飲んでいる。

　　こんな暮らし方　悪くはない。





　　　　満月の月が　　西に傾いてきた。

　　　　　　　　　　　　　おぼろ月夜　　朝が近い。

　　　　お月さんに　むかいて　　　　　幸せです。
　　　　　　　と　呟く