T.C.UNIONRIVER ~ユニオンリバー社~

超攻合神サーディオン(SFC)-熱血決戦・後編

超攻合神サーディオン
-熱血決戦編-(ストーリー)


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-SPACE SHIP- 航宙クルーザー 編
・幽霊の巣くう船

「建造途中で放棄された宇宙戦艦か・・」

地上で沈めた要塞も巨大だったが、ここまでだったろうか?
火球の技術の粋を結集し、建造された・・いや、される予定だった巨大クルーザー

・・甲板だけでもかなりの広さであるそこを踏みしめるように歩きながら、サラマンダーはつぶやいた

「しかし皮肉なモンだな・・ホントなら俺はこの船でお前達と殺し合いをしていたハズなのに・・」

殺すハズの相手と一緒に、倒すべき相手を共に救うためにこのクルーザーを動かす
立場上の話であって、もちろんそんな無意味な戦いを望んでいたサラマンダー達ではない
・・そういう意味では、機械化惑星の侵攻は大いに救いとなった
だからといってヤツらの暴挙を絶対に許すワケにはいかないが。

周囲には敵の他に、戦艦に元から設置されていた防衛システムの存在があった
砲台・人型機動兵器・レーザートラップ、そして機械化生命体の群れ
・・あらかたの敵を片づけた所で、レオパルドのデバイスがコントロールユニットを作動させ、クルーザーを機械化惑星の宙域まで向かわせる

このまま、何事もなく無事に着ければ良いのだが・・

異変が発生したのはしばらくしてからの事で、見ればジェネレーター・・機体を動かすためのエンジン部分に「何か」の影があった

外壁を伝い、現場に向かった三人を待ち受けていたのは、ジェネレーターに張り付いたなんとも形容しがたい「生物」だった

「反物質ジェネレーターに寄生してやがる!?」
「ホントに生物なのか、こいつら!?」

驚くのも無理はない、このジェネレーターに使用されているエネルギーがどういうものかを考えれば・・
人体はもとより、いかなるものでも「生物」が立ち入って無事にすむ領域のシロモノではない!

寄生しているユニットを切り離し、ジェネレーターの稼働部分を別に確保し・・サラマンダーは切り離したユニットごと、グレネードで敵を撃ち抜いた

爆発は小規模で、丁度敵だけを包み、クルーザーに飛び火する事はなかった

・・だが・・予想以上にしぶといこの「生物」は、なおもクルーザーの別ユニットにとりつき、またエネルギーを吸い上げ始めた

だが、今度はもっと重大な問題が発生した
先ほど切り離した部分から、「点火剤」として使っている液体が漏れだしている!


刹那。


その「生物」もろともクルーザーは爆発し・・外壁に立っていた超攻アーマーは、衝撃と共に機械化惑星の大気圏に落ちていった

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・一瞬の判断

「ANC不能!落下中!」
「外殻温度急速上昇・限界点まで・・・」

カウントダウンの必要などない、もう限界点だ。
大気圏はなんとか抜けられたにしても・・それでどうなる?
落ちているのだ、次に待ち受ける問題は・・!

「やばいぞ、カウンターバーニアは!?」
「フライトユニット展開!」
「惑星表面急速接近、接触まで8秒!」
「接触じゃねえよ!激突だ!!」
「くそったれっ!」

それぞれの声が交錯する、そしてサラマンダーはとっさにダイビング・ユニット・・「パラシュート」のレバーを引いた

「ダイビング・ユニット緊急展開!」
「間に合ってくれよ・・」

6・・5・・・4・・・・
間一髪パラシュートが開いた、速度が減速していく!

「OK!行けるぞ!!」

あと1秒遅れていたら、超攻アーマーは敵地を踏んだと同時にバラバラ、あるいは戦闘も困難な状況に陥っていただろう

三人はまず安堵し・・・着地した後、惑星表面を大きく見渡した

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・・-NGC-1611- 機械化惑星 編
・虚飾の星
生命が星には息づいている
木々の一本一本が鮮やかな緑をたたえ、風は季節の香りを軽やかに運ぶ

・・「しかし」

環境が、一般の人間が住める環境・・それに酷似している
本当にここが敵地なのか?・・疑問にすら感じる
いや、そもそも自分達は・・「機械化生命体」と戦っていたのではないのか?

そう考え始めた矢先・・突如として、「木」の一本が「飛びかかって」きた
驚愕する三人、思わず尻餅をつくように転げてしまう超攻アーマー

・・手をついた地面から、「土」が「掴みかかって」きた
しかしこれまでの戦いで攻撃に対する反応の速さも磨かれている
サラマンダーは間髪いれずの襲撃もかろうじてかわした

「何なんだこの星はっ!?」
「擬態だ・・目に見えるもの全て、ヤツらが化けたものだ!」

土が「生物の形」をとった・・「アリクイ」なのか、それとも「クマ」なのか?
そんな事はどうでもよかった、先ほどの木が今度は群れをなして跳躍し、針葉樹のように見えたものはコウモリのように空を飛び・・

地面は脈をうつように鼓動し、超攻アーマーの周囲はあっという間に不気味な「動く風景」で埋め尽くされた

・・「木」ならば!

サラマンダーはレオパルドの考えを読んだかの如く動き、プラズマを放射したまま機体を前方へ全力疾走させた

後ろからは木や土・・「森」が襲いかかってくる
もちろん、通り過ぎるそばから右も左も、目に映る全てが次々と敵になっていく!

一目山に逃げる・・しばらくすると森が、草原のように開けた

・・何もない草原の真ん中には、不気味な穴が開いている
空球で飛び込んだモノとは明らかに雰囲気が異なる・・

・・のぞき込んでみると、壁面には明らかに生物的なモールドが・・
例えるなら「食道」のような・・・

「もしこの本当にこの星自体が「生物」なら・・・その体内は・・」
「冗談じゃねぇぞ、おい!?」

アルセイデスは冗談と思いたかったのだろう、半笑いで叫んだ
・・生物の口、その中へ飛び込む・・・

超攻アーマーは「森」の追撃を振り切るように、意を決して「食道」の中へダイビングした
・・幸い、上から追撃はなかった

だが・・落着した先がかなりの問題を抱えていた

周囲一帯、まるで生物の口の中にいるような光景
グロテスクにうねる粘膜と、そこら中を這い回ったり、飛び回ったりするアメーバ状の物体・・

自分たちの星の事でも驚いていた三人だが、これは流石にスケールの違う話だ
・・機械化惑星・・いや、見た目には「生物惑星」としか称しようのないこの空間は・・

アメーバが何体か、こちらを目指して移動してくるのが見えた
・・足下から体当たりを仕掛けてくる

機体に走る衝撃、超攻アーマーはダメージを受けまいとして回避運動に入る
レオパルドに交代し、とりあえずこの場を離れる事にする三人・・

だが、その行く先には悪夢のような光景が広がっているのだった
・・壁一面に張り付いた、人の顔、顔、顔・・・
どれも恐怖と苦痛に歪んだ、断末魔の表情に見える・・

その顔が一斉に、超攻アーマーめがけて強酸を発射してきた
多少かすりはするものの、レオパルドの形状と機動力ならなんとか直撃はせずに済む
・・これもまた、ヤツらの「擬態」なのだと理解する

「くっ・・なんて醜悪な・・」
「精神的嫌悪感を形にしたようなヤツだな」

夢に出てきそうな、まさに悪夢の光景
撃つ事をためらいそうになるレオパルドを叱咤し、サラマンダー達は反撃に移った

「これで泣かれた日にゃ・・・最悪だ」

こんな時でも、冗談交じりのアルセイデス
・・顔の中から姿を現わした「ヘビ」のような異形に、サラマンダーのグレネードが直撃する
恐らく、本体・・

しばらく構えてみるが、それを潰して以降・・壁の顔は攻撃をしてこない

・・どうやら「ビンゴ」だったようだな

サラマンダーは顔が崩れている場所を突破し、反対側に出た
とりあえず奥を目指していけば・・この惑星の中心部には何かがあるハズだ
・・広い空間に出た超攻アーマーは少しでも時間を短縮するためデバイスに分離、戦闘機ならではの最高速で先を急ぐのだった

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・ラスト・フライト

デバイスのスピードは超攻アーマーのそれとは格段に違う
もちろん、飛行に必要なエネルギーというものもあるが・・それにしたって、かなりのスピードがあるのだ

・・そのスピードのあるデバイスを、「何か」が追っていた

「おい、後ろ・・見えるか?」

アルセイデスが後方モニターを見て言った
最初に彼が気が付いて少し・・段々と、「追いついてくる何か」

「ありゃ何だ?」

飛沫を上げて、濁流が押し寄せてくる
・・津波のように・・

「酸・・胃酸だっ!!」

機体表面にわずかながら異常が発生した事で、三人はそれに気が付いた
・・最悪だ、そしてデバイスに追いつける、このスピードもまた最悪だ・・!!

「PRS作動・・ヤバイ!濃厚だ!!」

多少ならば超攻アーマーに合体し、アルセイデスのニュートロンバリアーで何とかなるのだが・・
システムが弾き出した酸濃度は最悪の数値、飲み込まれればどうしようもない!!

「AB点火・限界加速中・・!」
「くそっ!逃げ切れるか!?」
「エネルギーフィールドをMAXへ!!」

信じられない事に加速を続ける酸の濁流・・
アフター・バーナーを使用しているデバイス三機も、エネルギーフィールドを展開しなければ装甲が溶けてしまう・・

「行けるかっ!?」
「ダメだ、逃げ切れない!」

濁流はいよいよ三機のすぐ背後まで迫ってきた
三人の焦りも最高潮に達する

「フォーメーション変更!」

レオパルドが飛行パターン、最も早いスピードの出る三角飛行形態を解除した
アルセイデス、サラマンダーの位置も彼の位置変更で強制的に移動される

「やめろ!飲み込まれるぞ!!」

完全に気をおかしくしているレオパルドにはサラマンダー達の声が届かない!

「行ける・・行けるハズだッ!!」
「やめるんだ!!」
「・・くそったれっ!!」

レオパルドはおそらく、その瞬間まで自分の可能性を信じていただろう
フォーメーション変更、気流の変化とAB再点火、それによってデバイス三機の速度は限界を超える・・

錯乱した彼の算段は残念ながら、理に叶うものではなかった
最後の声を上げる間もなく・・・・レオパルドのデバイスは、濁流に飲み込まれた

「レオ、レオパルド!!応答しろッ!!!」

アルセイデスの呼びかけに答える声はない

「・・ダメだ、完全に消滅しちまった・・」
「くそったれ・・・・」

サラマンダー、アルセイデスが次は自分の番かと覚悟した時・・
ひとつの「爆発」が、酸の中から飛び出した
・・「レオパルドのデバイス」が起こしたものだろう動力炉の爆発
爆風に後押しされる形で、二人のデバイスが一時的に発生した気流に乗る!

・・レオパルド・・お前なのか!?

二人には、彼が自分の最後の力で助けをよこしたように思えた
もしコレが単なる「偶然」だったとしても良い、友の分まで自分達は生き抜いて、三つの星を守らなくてはならない!

AB再点火、急加速に成功する二人・・
そして進路にもまだ希望があった!

「おい、そこ・・横穴!」

アルセイデスが示した場所には、入り口と同じような「穴」が開いていた

「いいぞ、逃げきれるかもしれん!」
「急速上昇、スラスター全開!」

天井部に向かって最大噴射、一気に勝負を賭ける
・・成功だ、本流は奥に向かって流れていく・・
横穴へ多少の侵入はあるものの、ここは別の「器官」なのだろうか?しばらく進むともう酸の濁流は追ってこなかった

・・レオパルド・・

やはり、後ろを振り返っても彼の姿はない
サラマンダーとアルセイデスは十字を切り、あの良き友人の冥福を祈った

・・絶望に心が苛まれる

超攻アーマーへの合体は不可能、そして、三人のチームワークという最大の武器も同時に失った


二人は希望を見いだせぬまま、器官の先へと機体を進めた

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・伝説の再起動

「敵か!?」

しばらく器官を進み、突き当たった所広い場所に出た
・・そこは今までと、少し雰囲気が違っていた
広い空間一面に、生物のようなものではなく・・大きな「結晶」が広がっている
この「結晶」は向こうが見える程に透明で、周囲の光を反射して神秘的な光景を作り出していた

・・アルセイデスが「敵」と呼んだものは、その結晶の中心部に漂うような形で存在していた
氷柱花のように青白く輝く、青い物体・・

「やめろ、ありゃ敵じゃない・・」
「しかしっ!!」

アルセイデスを制すと、サラマンダーはデバイスを少し前に進めて、キャノピー越しに見えるその物体をまじまじと睨むように見つめた

「白き鉄の巨人、サーディオン」

サラマンダーの言葉はアルセイデスを唖然とさせるに十分過ぎた
8000年前の「星系を救った巨人の伝説」・・確かにそのような話を聞いた事がある

「まさかっ!?」
「・・聞いた事はないか?かつて火球がある惑星と戦闘状態に陥った時・・」

サラマンダーはその物体を睨みつけたまま、静かに語る

「それを終結させるために「究極の兵器」を敵惑星に送り込んだ・・」
「それが「サーディオン」なのか?」

サーディオン、という名なのは初めて知るアルセイデス

「まさかこの星に眠っていたとは・・」

若い世代である彼らが知る事実・・かどうかも確かではない伝説だが、その話によれば「サーディオン」は全て大破したという
・・何機か作られていたらしいのだが、その一機がおそらく・・

その時、結晶の一部が、鼓動するように動いた
宙を漂っているハズのものが・・流れだした

「おいっ!あいつ・・生きてるぞ!!」

・・「生きている」・・そう、まさに「サーディオン」は「生きていた」
巨人のデバイス・・青いデバイスは結晶を鼓動のように動かし、機体には静かに緑色の光が灯った

「なにっ!?」

サラマンダーが近寄った事で反応したのか?・・サーディオン・デバイスはますますその「鼓動」を強めていく
それが惑星の影響で起きている事ではないかと思い始めるアルセイデスだが・・

「動力炉確認・・間違いない、動くぞ!」

サラマンダーの顔はいつの間にかぱっと明るくなっていた
レオパルドの死、超攻アーマーへの合体が封じられた事でナーバスになっていた心が、その一つの希望で元の気力を取り戻しつつあった

「しかし、パイロットは・・?」
「サーディオンにパイロットはいない、人工培養された生体コンピューターが搭載されているだけだ」

そしてこの状態は恐らく、その「コンピューター」がデバイスの自己防衛のために作り上げた防壁のようなものだろうと推測できた
結晶はヒビをあちこちに走らせ始め、サーディオン・デバイスはサラマンダー、アルセイデスを確かに認識している
・・今にも飛び出してきそうだ!

「いけるかもしれん!」

サラマンダーはコクピットコンソールを操作し始めた
エネルギーコネクタを解放し「あの状態」に機体を可変させる
アルセイデスもそれに気が付いて、手早く操作を始めた

「コネクター接続、合体するぞ!」
「了解ッ!!」

サーディオン・デバイスも答えるように光を一層輝かせ・・ついに結晶を割り、散らして・・
サラマンダー達の意志を理解したようで、「彼」もまたコネクターを展開した

今までにないエネルギーの奔流が、接続された場所を中心にして巻き起こる!
封印兵器の動力炉はサラマンダー、アルセイデスのそれと干渉する事はなかったが、代わりにすさまじいまでの「光」を見せた
それは誰もが「希望の光」とでも表現したがりそうな神々しいものだった

傷ついていた二つのデバイスも瞬時に修復される・・ナノマシンのものだろう
サーディオン・デバイスの光は久しぶりに出会えた「仲間の存在」を喜んでいるようにも思える

・・合体、変形、落着・・

青いラインに包まれた、「白き鉄の巨人・サーディオン」・・
彼は今ここに・・・8000年ぶりの復活を果たしたのだった

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・決戦への系譜

「こんな星が自然に存在するなんて・・」

アルセイデスは改めて周囲を見渡して、あからさまに不機嫌な声を上げた
サーディオン・デバイスの反応はしっかりしている
・・サーディオン自身の「意志」、そしてサラマンダーの操縦とで行われる超攻アーマーの機動は違和感があったが・・少し歩いてみると、不思議な事にすぐ慣れる事ができた

歩行し始めたサーディオンを取り囲むように、敵がまた現れた
アメーバ状生命体、飛行するハチと転がる芋虫のような昆虫型、そして暴発を起こす危険な小型生命体の群れだった

サラマンダーはサーディオンの意志と「シンクロ」するようにして超攻アーマーを操縦する
右腕を振るったサーディオンの「袖口」にあたる部分からビームが飛び出す
・・蒸発、消滅!
背後に迫った敵をいくつにも放たれた円盤軌道の小型光球がなぎ払い、接近してくる敵機は次々と超兵器の餌食となった!

・・こんなヤツら、倒した所で何の解決にもならない・・

この星に来て、それは三人が何度も思った事だった
コントロールしている本体があるはずだ、それを叩かなくては敵は増えるばかりで何の意味もない

「しかし、どこかに親玉はいるハズだ」
「そいつをブッ殺さない限り・・・」

アルセイデスがガンナーを務め、サーディオン・デバイスとサラマンダーとで動かす鉄の巨人はなおも惑星の最深部へと潜行していった

「人工太陽・・?」
「いや、発光性の体内微生物が集まってたまたま光っているだけだ」

その進路を塞いだのは、たかが微生物の集合体だった
こんなもの、サーディオンどころかサラマンダー達の攻撃でも十分になぎ払える!

「ぶっ壊せ、進めるハズだ」

アルセイデスの一言に合わせて、サーディオンは再びビームの光条を「袖口」から放つ
・・だが、当たったと思われた瞬間に、ビームの光は四散して消えてしまった


「なにっ!?武装が・・」
「バカな・・伝説の封印兵器の力は、こんなモンじゃないハズだ!」

サーディオン・デバイスもまるで「困った」ように機械音をたてた

「どうする・・?」
「アレを手にする事ができるなら」
「聞いた事がある、俺たちの故郷に眠る・・・」
「星を守りしものか」
「たぶん、それらを見つけ出さない限り・・サーディオンの力は発揮できないだろう」

8000年前の決戦後、各惑星に分散して封印されたという秘宝・・
それは「宝」と聞こえはいいが、どうも巨人伝説とカブる節がある
・・おそらく、残ったサーディオンのエネルギーユニットか何かを封じたのだろう
再び戦争が起こった時に、「三つの星の集合技術」・・そんなモノが使用されては星系自体が滅びかねない

「・・三つのお宝・・それがなければこれ以上進めないのか・・」

惑星最深部への道はあらかた調べ尽くしたと言っても過言ではない。
レオパルドと三人で探索したルート、そしてサーディオン・デバイスが記録していたルート・・
サーディオン側のものは8000年前に戦った他のサーディオンの記録も合わせてのものだろう、8割方が詳細にマッピングされていた

サラマンダーはサーディオン・デバイスへのエネルギーを直流に変更した
超攻アーマーの操縦に必要なそれ以上の流れが発生し・・一時的ながら、サーディオンの力は現在のそれを上回る

後はマップを頼りに数回壁を破る事で、サーディオンは惑星表面に到達する事ができた
・・もちろんこれはサラマンダー達の装備では不可能な芸当である
再び「三人」に戻った超攻アーマーは惑星を一時離脱、海球へと再び進路を向ける事になった

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・三つの希望

超攻アーマーは海球の海底深くに潜行していた
・・かなりの速さでここまで戻って来れたのは、十分ではないにしろサーディオンの出力、そして途中で合流できた火球艦隊のおかげである

海球の戦闘部隊と共に海底に潜行していくサラマンダー達
伝説として残っていた情報によると、海球の「秘宝」はここの海底深くに眠っているようだ
・・しばらく潜行すると・・いかにも「秘宝」という雰囲気十分の海底洞窟に辿り着いた

ただ、そこにはすでに先客の姿があった
・・生物・・・タコのような姿をした生命体が、洞窟の奥へ行かせまいとばかりに張り付いていた

しかし、その不気味な生命体もすっかり息を合わせたサラマンダー、アルセイデス、サーディオンの前に敵ではない
腕からのハイパー・ビームで一撃の下に焼き払うと、超攻アーマーは歩を奥へと進める

・・あった・・小型のポッドのような物が、静かに鎮座する神体の如く配置されている・・
サラマンダーの意志とは関係なく、サーディオンはそれを拾い、胸部を開いて格納した
こころなしか、サーディオンの動力炉の音が静かになったような気がする・・
それと同時に中で大きな何かが発生しているような、そんな雰囲気も・・・


空球・火球と、再び進路を辿るのは不思議な程に容易だった
自分達の超攻アーマーは、サーディオンの数分の一くらいの技術だったのだと思い知らされる

何十日とかかった道のりが、ただの数日の間に過ぎ去っていく・・
残りの秘宝を獲得するのも、機械化惑星を脱出して遠い日ではなかった

・・三つの秘宝・・サーディオンの封印を解くユニットが揃い、ついにサーディオンの真の胎動が始まった

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・その時まで

再びサーディオンは機械化惑星の大地を踏みしめた
最初に訪れたときには受けた「擬態」の奇襲攻撃・・・間もなく、サーディオンが放った「波動」の一撃で森が消滅した
・・全方位型の光学兵器・・サーディオンは確実に、真の力を解放していた

最深部まで到達すると、そこにはあの微生物の集合体が、道をふさぎ構えていた
・・サーディオンの両手にエネルギーが収束されていく
全身の力を握りしめた両手が、サラマンダー達の目にまぶしいばかりの輝きを見せる

・・究極の力・・
三つのユニット、その力の収束によって放たれる伝説の光・・
・・「発光する」微生物たちは、その前では蛍光灯にも満たないわずかな輝きを放っていた
サーディオンの放った輝きが、一瞬の内にその塊を消滅させていた

・・ついに、最後の大舞台に立つぜ・・
アルセイデスは息巻いている
・・8000年ぶりに決着をつけてやる!・・
サーディオンもそれは同様のようだ
・・レオパルドのためにも!・・
サラマンダーは友の顔を思い出し、ぐっと両手を握りしめた

・・鏡張りのようになった、機械の音が響く部屋・・
明らかにこれまでの空間とは一線を画している
生物的なイメージはどこにもない、いや・・・一カ所だけあった

壁にくっついていたグロテスクな生物的モールドが、はがれ落ちる
それがさっきまで戦っていた生物兵器と同様のモノと認識するのに、時間はいらない


・・どこからか声が聞こえる・・
嘆き悲しんでいるようにも聞こえ、怒りととまどいの声のようにも聞こえる・・

「なぜ、泣いているんだ?」
「泣いている?・・怒りに叫んでいるんじゃないのか?」
「俺には苦しんでいるように聞こえるぜ?」

声は目の前の、段々とこちらに寄ってくる、超攻アーマー大の生物兵器のものなのだろうか?
心に直接響いてくるような声・・しかし、目の前に敵がいる、その認識へと三人は気持ちを切り替える

・・ホラガイのようなモノを背負った人型兵器・・
サーディオンにゆっくりと近づいてきて、そのホラガイからは無数の「イシコロ」を飛ばしてくる
爆発のようなスピードで飛んでくる「石」
・・サラマンダーはサーディオンと共に動き、かわしていく

本体にサーディオンの放ったレーザーが直撃した
・・やったか!?
その期待は間隔をおいて「いや、まだだ」という警戒に変わる

サーディオンのレーザーを受けた敵は、巨大なクマのような姿になっていた
・・それだけではない、今しがた放った攻撃をも吸収し・・なおの事巨大になっていく!!
敵はサーディオンの三回り程大きくなってしまった

さっきまで放っていた「石」のようなものが立て続けに放たれる
・・とっさにアルセイデスがバリアを展開するも、連続した攻撃でのけぞり倒れるサーディオン

瞬時に姿を変えた敵は、サーディオンめがけて巨大なエネルギー波を放った
すんでの所で転がりかわすサーディオン、しかし敵は連続でエネルギーの壁を飛ばしてくる!

サーディオンは素早くサラマンダーに交代すると、グレネード弾を撃てるだけ撃ち込んだ
サーディオンのレーザーが効かないのだ、コレが効くとは思えない・・あくまでも牽制の意味で・・だ。

グレネードの爆風が敵を覆い隠している間に、サーディオンに再び交代する
サーディオンは動力炉のありったけのエネルギーをチャージし、右手にエネルギーを収束していく

・・一撃で決めるしかなさそうだな・・
三人の意見は一つにまとまった


爆風の中から、サーディオンの3倍には大きくなった生物兵器が飛びかかってくる!
・・その場から動かず、サーディオンは深く腰を落とした

そして

・・大きく跳躍した


右手に溜め込んだエネルギーは迸り、サーディオンの右手をまぶしい金色の輝きに包み込む
エネルギー波として放っていた攻撃を、一点集中で叩き込む・・
ありがちだが、これこそ最も効果的な必殺の一撃となり得る!

刹那、大量の破片が飛び散っていた
もちろんサーディオンのものではない、生物兵器の「左半身」だ・・

・・ゆっくりと後退を始める生物兵器・・
サーディオンはそれを逃さず、追撃に入った

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・永劫の命令

後退する生物兵器は最初にくっついていた壁の間際まで来て、両腕を大きく広げた
・・後ろにある、大型コンピューターのような場所をかばっているようにも見える

「こいつ、まだくたばらねェ!!」

後退する間、そして今もサーディオンは攻撃の手を緩めていない
あれから反撃はないものの・・敵に対して油断するワケにはいかない
・・サーディオンが毒づき叫ぶと、アルセイデスも続いて叫んだ

「くそったれ!!」

攻撃の一発が、背後にあったコンピューターに直撃した
・・飛び火するように、爆発が巻き起こり・・・

・・中から、一つの「箱」がゆっくり降りてきた

生物兵器はそれを見て、かばう対象をその「箱」へと変更した
敵が抱えるようにしているその「箱」へ視点を変更する三人

「おい、あれ・・・・何だ?」
「カプセル・・か?」

サラマンダーとアルセイデスはそれを視認する

「中身、サーチできるか?」

サーディオンが呼びかけに応じて、カプセルを電子的に分析する
内部の様子が簡素に、CG投影図に映し出される

「女・・?・・・そんな・・バカな!?」
「女だとぉ!?」


サーディオン自身も驚いているであろう、「8000年前に戦っていた敵の正体が、人間だった・・?」

ショックを受ける三人の意識に何か、電気のようなモノが走った


・・いつか、星は滅びる時が来る・・
美しき緑をたたえたこの星にも、ゆっくりと確実に破滅の時は近づいていた・・

・・一人の科学者がその足音に気が付いた
彼は自身の持つ知識と能力の全てを持って、危機を回避すべく行動を開始した
・・惑星を一つの生物と位置づけ、人工的に惑星規模の生態系を作り出す・・「ニューフロンティア計画」を・・

・・自然の力に人の力は及ぶ事はない
・・・・計画は「失敗」に終わり、惑星は暴走的変化を遂げ始めた
確かに惑星は「生態化」を遂げたが、そこは人の生きる事のできない「単なる化け物の巣」であった

・・たった一人、奇跡的に少女が生き残った
惑星を破滅に加速させてしまった、科学者の娘が・・・


科学者は死の間際、残酷な指令をコンピューターに残していった
・・「我が娘を守れ、この星に「人」がいる限り、全ての力を使い守り抜け、あらゆる外敵を駆逐せよ」・・と・・

そしてその指令は忠実に守られ続けた
・・異形の怪物、ロボット達に守られ、少女はたった一人で生き続けた
・・しかし、絶対的生態系の破壊が行われたこの惑星で、人が生き長らえる事は「不自然」であり「不可能」であった・・

少女はわずか13歳でその生涯を終えた
それでも、化け物達は忠実に指令を守り抜こうとした
・・「生きている」とか「死んでいる」とか、そんな事は関係ない
・・「彼女」がこの星にいる限り、守り抜かなくてはならない・・

その「思い」が惑星間戦争を引き起こしていたのである・・


「なんだ・・今のは!?」
「・・お前にも見えたのか?」


我に返ると、目の前にはさっきの光景が広がっている
・・今まで見えていた「映像」はこの星の「記録」だろうか?
機械化惑星・・いや、自然界に存在し得ないハズの生物惑星・・その正体とは・・

「・・恐らく、死にゆく「ガーディアン」のイメージが・・俺たちに投影されたんだろう」


それは・・恐らくであろうと、「真実」を知ったからそういう表現ができるワケで・・
異形の怪物を初めて、サラマンダーは「守護者」と呼んだ
彼らにしてみれば、周辺の争いを「外敵」とし・・それらの驚異から主人を必死になって守ってきたのだろう
・・彼から、それなりの敬意をはらっての言葉だった

「くっ・・こんなミイラ一つのために・・俺たちは無駄な血を流していたのか!?」

少女の入っているカプセル・・・・もちろん、年月を経た今では、それはただの干からびた「死体」でしかない。
そのすでに魂のない「死体」を守っていたモノに攻撃されて・・・

「・・博士とやらの気持ちもわかる」

サラマンダーの口が静かに言葉を紡ぐ
・・敵を「ガーディアン」と呼んだ事とは別に、彼の中に感情が起こりつつある・・

「しかし・・・何のための戦いだ!?レオは死んだんだぞ!!・・・何故だ!?
「くそっ・・・くそったれ!!こんなもののために!!!

二人が叫ぶのと時を同じくして・・周囲に、異変が発生し始めた


「ヤバイ、崩れるぞ!!」

サーディオンが警告するなり、天井が崩れ始めた

「緊急脱出!・・・ダメだ!!」

素早く入ってきた穴へ向かうが、すでに天井からふさがってしまっている・・

「チィ・・・星自体が死にやがったか!?」


サーディオンは素早く武装を切り替えた
・・右手に残された、最後のエネルギーを注ぎ込む・・・

・・サーディオン!?・・

サラマンダー、アルセイデスが叫ぶ時には、機体の周囲を崩れる天井、壁、惑星を構築するモノが埋め尽くそうとしていた
サーディオンはその瓦礫の真ん中に立ち、両腕を大きく真上に掲げている

彼は死ぬ・・「機能停止」する覚悟でいた
全力をもって惑星を脱出、いや・・せめて二人のデバイスを宇宙へ解放できればそれでいい


・・短い間だったが・・お前達と戦えた事は、幸福だったと思う・・

彼は二人に戦う希望を与え、彼は二人から友情を教わり・・
友として過ごした人間に、サーディオンは全てを賭けて感謝の意を表わすつもりでいた

・・・ありがとうな!・・・ここでお別れだ!!・・

全力で放った一撃が、惑星の表面まで「一直線の道」を作り出す!
・・全力というのは・・いかに力が残っているとはいえ、サーディオンの動力すべてを完全に絞り出す、という事である

サーディオン・デバイスが分離した
サラマンダーとアルセイデスのデバイスを結晶に包み、道を通って外まではじき飛ばす!

・・サーディオン!!・・・


宇宙まで無事に脱出出来た後も・・・・数時間後に火球艦隊に回収されるまでの間、二人は宇宙から・・滅びゆくその惑星を見つめていた

・・二人の友が眠る、その惑星を・・・・


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・FOREVER LEGEND "XARDION"


・・200年後・・生体惑星・・・

最後に「転移」して消えてしまって以来、久しぶりにその惑星の存在を確認したのは・・火球からかなり離れた星系の調査中の事だった
三惑星の合同調査隊が偶然、あの生体惑星を発見したのである

そこは・・かつて擬態とはいえ、緑が存在していた面影はもはやなく・・どこまでも砂漠が広がる死の星であった


・・だが。


「あれだ!あれが生命反応を出しているんだ!!」
「まさか?・・・この星にも緑がよみがえっているのか・・?」

調査隊のメンバー・・宇宙服に身を包んだ二人の男の片割れが、はるか向こうに見える「樹木」を指さした
もう一人も半信半疑ながら、そちらの方向へ歩を進める

「もう戦争は過去のモノ、か・・」

感慨深げに言う男
今は彼らを襲う擬態も、機械化軍団も何処にもいない
・・あの樹木以外は・・砂漠が広がっているだけだ・・


・・しばらくして・・二人はさらに目を疑う光景を、目撃する


「サーディオン!?」

そう、8000年前の伝説・・そして今ではわずか200年前の伝説、その巨神がその樹木と一体化するようにして・・そこにいたのだ
下半身がないように見えるのは樹木の中に埋まっている事と、他のデバイスがいないが故だろう

「封印兵器は再び眠りについていたのか・・」

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・・その後の第二次調査隊には、どこかで見た顔があった
サーディオンと共に戦い抜き平和を勝ち取った「英雄」の子孫・・
かつてのサラマンダーと同じ、言動とは裏腹に落ち着いた印象の少年・・

彼は木を登り、サーディオン・デバイスのカメラアイの前に立った
動力は動いていない・・カメラアイは反応する様子もなかった

・・少年はサーディオンに一言、サラマンダーとアルセイデスが伝えたかった一言をかけた


・・「ありがとう」・・


どこからか吹いてきた風が、木を揺らし・・サーディオンが応えたように、そう見えた

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・・歴史は風化し・・自然と同化していく

何百、何千年と経つ頃には・・かつてこの星が宇宙の驚異であった事など、誰も覚えてはいないのだろう
・・サーディオンはこの場所で、これから生まれ変わっていくこの星を見守り続けるのだろう・・
この星に残った、唯一の歴史・・記憶として。


過去も記録も、全ては真っ白になり・・
「・・・ここから、星の物語がもう一度始まる・・」









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